クロラムフェニコール試験法
1.装置
液体クロマトグラフ・質量分析計を用いる。
2.試薬・試液
次に示すもの以外は,第2 添加物の部C 試薬・試液等の項に示すものを用いる。
ア | セトニトリル 液体クロマトグラフ用に製造したものを用いる。 |
ジ | ビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(60mg) 内径12〜13mmのポリエチレン製のカラム管に,ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体60mgを充てんしたもの又はこれと同等の分離特性を有するものを用いる。 |
ジ | ビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(200 mg) 内径12〜13 mmのポリエチレン製のカラム管に,ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体200 mgを充てんしたもの又はこれと同等の分離特性を有するものを用いる。 |
水 | 液体クロマトグラフ用に製造したものを用いる。 |
3.標準品
ク | ロラムフェニコール 本品はクロラムフェニコール99%以上を含む。 |
4.試験溶液の調製
a 抽出法
(1) はちみつ(ローヤルゼリーを除く。)の場合
検体を均一化した後,その5.00gを量り採る。
これに水20mlを加え,溶解する。
(2) ローヤルゼリーの場合
検体を細切均一化した後、その1.00gを量り採る。
これにメタノール及び1%メタリン酸溶液の混液(3:2)60mlを加え,細砕した後,ケイソウ土を2mmの厚さに敷いたろ紙を用いてすり合わせ減圧濃縮器中に吸引ろ過する。次いでメタノール及び1%メタリン酸溶液の混液(3:2)15mlを用いてろ紙上の残留物を洗い,洗液を吸引ろ過し,ろ液をそのすり合わせ減圧濃縮器中に合わせ,45℃以下で2mlに濃縮する。
(3) (1)及び(2)に掲げる食品以外の食品の場合
検体を細切均一化した後,その5.00gを量り採る。なお筋肉の場合は,可能な限り脂肪層を除いた上で細切均一化を行う。
これにメタノール及び1%メタリン酸溶液の混液(3:2)100mlを加え,細砕した後,ケイソウ土を2mmの厚さに敷いたろ紙を用いてすり合わせ減圧濃縮器中に吸引ろ過する。次いでメタノール及び1%メタリン酸溶液の混液(3:2)10mlを用いてろ紙上の残留物を洗い,洗液を吸引ろ過し,ろ液をそのすり合わせ減圧濃縮器中に合わせ,45℃以下で30mlに濃縮する。
b 精製法
(1) はちみつ(ローヤルゼリーを除く)の場合
ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(60mg)に,メタノール5ml及び水5mlを順次注入し,流出液は捨てる。このカラムにa 抽出法で得られた溶液を注入した後,20vol%メタノール5mlを注入し,流出液は捨てる。このカラムに60vol%メタノール6mlを注入し,溶出液をすり合わせ減圧濃縮器中に採り,45℃以下でメタノール及び水を除去する。この残留物にアセトニトリル及び水の混液(3:7)1.0mlを加えて溶かし,これを試験溶液とする。
(2) ローヤルゼリーの場合
ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(200mg)に,メタノール10ml及び水10mlを順次注入し,流出液は捨てる。このカラムにa 抽出法で得られた溶液を注入した後,水4ml,5vol%メタノール4mlを順次注入し,流出液は捨てる。このカラムに60vol%メタノール10mlを注入し,溶出液をすり合わせ減圧濃縮器中に採り,45℃以下でメタノール及び水を除去する。この残留物にアセトニトリル及び水の混液(3:7)1.0mlを加えて溶かし,これを試験溶液とする。
(3) (1)及び(2)に掲げる食品以外の食品の場合
ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(60mg)に,メタノール5ml及び水5mlを順次注入し,流出液は捨てる。このカラムにa 抽出法で得られた溶液を注入した後,水10mlを注入し,流出液は捨てる。このカラムにメタノール10mlを注入し,溶出液をすり合わせ減圧濃縮器中に採り,40℃以下でメタノールを除去する。この残留物にアセトニトリル及び水の混液(3:7)1.0mlを加えて溶かし,これを試験溶液とする。
5.操作法
a 定性試験
次の操作条件で試験を行う。試験結果は標準品と一致しなければならない。
操作条件
カ | ラム充てん剤 オクタデシルシリル化シリカゲル(粒径2〜5μm)を用いる。 |
カ | ラム管 内径 2.0〜6.0mm,長さ100〜250mmのステンレス管を用いる。 |
カ | ラム温度 40℃ |
移 | 動相 アセトニトリル及び10mmol/lギ酸アンモニウムの混液(3:7)を用いる。クロラムフェニコールが約5分で流出する流速に調整する。 |
a 定性試験と同様の操作条件で得られた試験結果に基づき,ピーク高法又はピーク面積法により定量を行う。