HPLCによる動物用医薬品等の一斉試験法II(畜水産物)
1.分析対象化合物
別表参照
2.装置
多波長検出器付き高速液体クロマトグラフ(HPLC-DAD)又は電気化学検出器付き高速液体クロマトグラフ(HPLC-ECD)又は液体クロマトグラフ・質量分析計(LC/MS)
3.試薬、試液
次に示すもの以外は、総則の3に示すものを用いる。
| ア | セトニトリル 高速液体クロマトグラフ用に製造されたもの。 |
| 水 | 高速液体クロマトグラフ用に製造されたもの。 |
| メ | タノール 高速液体クロマトグラフ用に製造されたもの。 |
| リ | ン酸緩衝液(pH3.0)
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| リ | ン酸緩衝液(pH5.0)
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| 各 | 動物用医薬品等標準品 各動物用医薬品等の純度が明らかなもの。 |
4.試験溶液調製法
1)抽出
(1)筋肉、肝臓、腎臓、乳及びその他の食用部分の場合
試料5.00gを量り採り、95%アセトニトリル水溶液30 mLを加え、ホモジナイズした後、毎分2,500回転で5分間遠心分離し、アセトニトリル層を採る。残留物に95%アセトニトリル水溶液30 mLを加えて激しく振り混ぜた後、上記と同様に遠心分離し、得られたアセトニトリル層を合わせる。
(2)脂肪の場合
試料5.00 gを量り採り、95%アセトニトリル水溶液30 mL及びn-ヘキサン30 mLを加え、ホモジナイズした後、毎分2,500回転で5分間遠心分離し、アセトニトリル層を採る。残留物及びn-ヘキサンに95%アセトニトリル水溶液30 mLを加えて激しく振り混ぜた後、上記と同様に遠心分離し、得られたアセトニトリル層を合わせる。
2)精製
(1) 合成ケイ酸マグネシウムカラムクロマトグラフィー
内径15 mm、長さ300 mmのクロマトグラフ管に、カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム8gをアセトニトリルに懸濁したものを入れ、カラムの上端に少量のアセトニトリルが残る程度までアセトニトリルを流出させる。このカラムにアセトニトリル100 mLを注入し、流出液は捨てる。このカラムに1)で得られた溶液及びアセトニトリル30 mLを順次注入し、溶出液を採る。これにn-ヘキサン100 mLを加え、振とう機を用いて3分間激しく振り混ぜた後、静置し、アセトニトリル層を採り、40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。残留物にリン酸緩衝液(pH5.0)4mLを加えて溶かし、水6mLを加える。
(2) オクタデシルシリル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー
オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(360 mg)に、メタノール10 mL、水10 mL及びリン酸緩衝液(pH5.0)2mLを順次注入し、流出液は捨てる。このカラムに(1)で得られた溶液を注入した後、リン酸緩衝液(pH5.0)5mLを注入し、流出液は捨てる。このカラムに40%メタノール水溶液10 mL及び70%アセトニトリル水溶液10 mLを順次注入し、溶出液をそれぞれ別に採り、40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。40%メタノール水溶液から得られた残留物に5%メタノール水溶液2.0 mLを加えて溶かし、70%アセトニトリル水溶液から得られた残留物に35%メタノール水溶液2.0 mLを加えて溶かし、それぞれを試験溶液とする。
5.検量線の作成
各動物用医薬品等の標準品について、それぞれメタノール溶液を調製し、別表C18画分Aの動物用医薬品等については5%メタノール水溶液、別表C18画分Bの動物用医薬品等については35%メタノール水溶液で希釈して、適切な濃度範囲の検量線作成用標準溶液を数点調製する。それぞれ200μLをHPLCに注入し、ピーク高法又はピーク面積法で検量線を作成する。
6.定量
試験溶液200μLをHPLCに注入し、5の検量線で各動物用医薬品等の含量を求める。
7.確認試験
LC/MS又はLC/MS/MSにより確認する。
8.測定条件
| 検 | 出器:別表参照 |
| カ | ラム:オクタデシルシリル化シリカゲル 内径4.6 mm、長さ250 mm、粒子径5μm |
| カ | ラム温度:40℃ |
| 移 | 動相
|
| 検 | 出条件:別表参照 |
9.定量限界
別表参照
10.留意事項
1)試験法の概要
各動物用医薬品等を試料から95%アセトニトリル水溶液で抽出し、合成ケイ酸マグネシウムカラムクロマトグラフィー、アセトニトリル/ヘキサン分配、さらにオクタデシルシリル化シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、HPLC-DAD又はHPLC-ECDで測定する方法である。
2)注意点
| (1) | 別表は本法を適用できる化合物を五十音順に示したものであるが、規制対象となる品目には本法を適用できない代謝物等の化合物が含まれる場合があるので留意すること。 |
| (2) | 本試験法は別表に示した全ての化合物の同時分析を保証したものではない。化合物同士の相互作用による分解等及び測定への干渉等のおそれがあるため、分析対象とする化合物の組み合わせにおいてあらかじめこれらの点を検証する必要がある。 |
| (3) | 空気酸化、光分解を起こしやすい動物用医薬品等があるので、全操作は遮光下で迅速に行う。 |
| (4) | 標準品がメタノールに溶けにくい場合は、少量のN,N-ジメチルホルムアミドに溶解後、メタノールで希釈する。 |
| (5) | 4.試験溶液調製法の2)精製の操作で用いる、カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウムについては、総則の3の別表で示す、130℃で12時間以上の加熱処理を行わないこと。 |
| (6) | 濃縮し、溶媒を完全に除去する操作は、窒素気流を用いて穏やかに行う。 |
| (7) | LC/MS又はLC/MS/MSの感度によっては、試験溶液をさらにHPLCの移動相で希釈する。 |
| (8) | オクタデシルシリル化シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより得られる二種類の試験溶液における、各農薬等の画分の目安を別表に示す。オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラムのロット、保存状態により、溶出挙動が変化する場合があるので、標準品を用いて確認する。 |
| (9) | 定量限界は、使用する機器、試験溶液の濃縮倍率及び試験溶液注入量により異なるので、必要に応じて最適条件を検討する。 |
11.参考文献
| 寺田久屋ら,名古屋市衛生研究所報,35,101-105(1989) |
12.類型
C