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先進医療の各技術の概要

第2項先進医療 【先進医療A】 (40種類)

○平成28年9月1日現在

番号   先進医療技術名 適応症 技術の概要
1 高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術 子宮腺筋症 子宮腺筋症は、これまで子宮全摘術によって治療されてきた。腺筋症組織は、子宮筋層の中に複雑に入り込んでいることから、従来、腺筋症組織のみを正常の子宮筋層と分離して切除することは困難であったが、本技術は開腹後、新たに開発されたリング型の高周波切除器を用いることにより腺筋症組織のみを切除(核出)するものである。
2 三次元形状解析による体表の形態的診断 頭蓋、顔面又は頸部の変形性疾患 レーザー光を利用した三次元曲面形状計測を行い、顔面などの変形性疾患に対し、より精密な治療計画を立てる。
3 陽子線治療 頭頚部腫瘍(脳腫瘍を含む。)肺・縦隔腫瘍、骨軟部腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は転移性腫瘍(いずれも根治的な治療法が可能なものに限る。)
 
放射線の一種である粒子線(陽子線)を病巣に照射することにより悪性腫瘍を治療する。
4 骨髄細胞移植による血管新生療法 閉塞性動脈硬化症又はバージャー病(いずれも従来の治療法に抵抗性を有するものであって、フォンタン分類III度又はIV度のものに限る。) 虚血に陥った患肢に、自己の骨髄細胞を移植することで血管新生を促す新しい治療法。
5 神経変性疾患の遺伝子診断 脊髄小脳変性症、家族性筋萎縮性側索硬化症、家族性低カリウム血症性周期性四肢麻痺又はマックリード症候群 PCR法、DNAシークエンサー装置等を用いて責任遺伝子の異常を探索し正確な診断を行う。
6 重粒子線治療 頭頚部腫瘍、肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は転移性腫瘍(いずれも根治的な治療法が可能なものに限る。)
 
重粒子線(炭素イオン線)を体外から病巣に対して照射する治療法。
7 自家液体窒素処理骨移植 骨軟部腫瘍切除後の骨欠損 骨腫瘍に対する手術療法に際し、患者自身の罹患骨を用いて再建する方法。切除骨から腫瘍病巣を取り除いた後、液体窒素で冷却処理し、腫瘍切除後の骨欠損部の再建に用いる。従来用いられてきた熱処理等と比較し、軟骨基質の温存、蛋白・酵素の温存が可能で処理後も骨形成因子の活性が保たれるため骨癒合に有利である。術後の関節機能が温存されるほか、容易に処理を行うことができる。
8 抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査 悪性脳腫瘍 手術中に得られた組織からPCR法にて抗がん剤耐性遺伝子を測定し、腫瘍に対する抗がん剤の感受性を知ることができる。これに基づいて抗がん剤を使用することにより、より高い効果を得、不必要な副作用を避けることができる。
9 家族性アルツハイマー病の遺伝子診断 家族性アルツハイマー病 家族性アルツハイマー病の原因遺伝子の変異に対する診断を行う。正確な診断により、個々の患者ごとに、遺伝的背景の差異に基づく病気の特徴を踏まえた予後の推定を可能にし、将来に向けた療養方針やリハビリ計画を患者やその家族に示すことができる。
10 腹腔鏡下膀胱尿管逆流防止術 膀胱尿管逆流症(国際分類グレードVの高度逆流症を除く。) 腹腔鏡下に膀胱外アプローチにより尿管を膀胱筋層内に埋め込み、逆流防止を行う。
11 泌尿生殖器腫瘍後腹膜リンパ節転移に対する腹腔鏡下リンパ節郭清術 泌尿生殖器腫瘍(リンパ節転移の場合及び画像によりリンパ節転移が疑われる場合に限る。) 精巣腫瘍、膀胱腫瘍等の摘出後、追加の化学療法・放射線療法の必要性を判断するために、腹腔鏡を用いて後腹膜リンパ節を切除しリンパ節転移の有無を確認する。切除したリンパ節に腫瘍の転移がなければ、追加の化学療法・放射線療法を行わず、その副作用を避けることができる。
12 末梢血幹細胞による血管再生治療 慢性閉塞性動脈硬化症又はバージャー病(重篤な虚血性心疾患又は脳血管障害を有するものを除く。) 慢性閉塞性動脈硬化症等の血管障害の患者の四肢に、末梢血幹細胞を局所注射することによって、末梢血管の再生を図る技術。
13 末梢血単核球移植による血管再生治療 慢性閉塞性動脈硬化症又はバージャー病(従来の内科的治療及び外科的治療が無効であるものに限り、三年以内に悪性新生物の既往歴を有する者又は未治療の糖尿病性網膜症である者に係るものを除く。) 慢性閉塞性動脈硬化症等の末梢血管障害のある患肢に対して、末梢血単核球を局所注射することによって、末梢血管の再生を図る技術。
14 定量的CTを用いた有限要素法による骨強度予測評価 骨粗鬆症、骨変形若しくは骨腫瘍又は骨腫瘍掻爬術後のもの 骨塩定量ファントムとともに対象骨のCTを撮影し、データをワークステーションに入力、有限要素解析のプログラムによって処理する。これにより、患者固有の三次元骨モデルが作成され、これをもとに3次元有限要素解析モデルを作成。この解析モデルに対して、現実の加重条件を模擬した加重・拘束条件を与えて応力・歪みを解析し、破壊強度を計算・算出する。
15 歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法 歯周炎による重度垂直性骨欠損 本法は、セメント質の形成に関与する蛋白質を主成分とする歯周組織再生誘導材料を用い、フラップ手術と同様な手技を用いた上で、直接、歯槽骨欠損部に填入するだけであり、短時間で低侵襲な手術が期待できる。
16 樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法 腫瘍抗原を発現する消化管悪性腫瘍(食道がん、胃がん又は大腸がんに限る。)、原発性若しくは転移性肝がん、膵臓がん、胆道がん、進行再発乳がん又は肺がん がんワクチンによって、がん細胞に対する特異的な免疫を担当するTリンパ球を活性化し、患者自身の免疫系によりがんを攻撃する。活性化Tリンパ球移入療法とは異なり、がん細胞に特異的なTリンパ球のみを活性化する点が特徴。
17 自己腫瘍・組織及び樹状細胞を用いた活性化自己リンパ球移入療法 がん性の胸水若しくは腹水又は進行がん 末梢血から採取した自己リンパ球と、自己の腫瘍と混合培養するなどして接触させた樹状細胞、もしくは、既に体内で腫瘍と接触のあったと考えられる腫瘍浸潤リンパ節由来樹状細胞とを、体外でインターロイキン2などの存在下で培養し、腫瘍に特異的と期待されるキラー細胞を誘導し、増殖させ、再び体内に戻す療法。
18 EBウイルス感染症迅速診断(リアルタイムPCR法) EBウイルス感染症(免疫不全のため他の方法による鑑別診断が困難なものに限る。) 臓器移植手術においては、術後に免疫抑制剤を長期間投与する必要があるため、それに伴うウイルス感染症が発症しやすく、早期に対応するためには迅速診断が重要な検査となっている。特にトランスアミナーゼ等の逸脱酵素の上昇が見られる患者においては、移植後の拒絶反応によるものか、ウイルス感染によるものかを一刻も早く診断し、治療対策を開始する必要がある。また、伝染性単核球症や慢性活動性EBウイルス感染症、EBウイルス関連血球貪食症候群などのEBウイルスの感染によって引き起こされる疾患を早期に診断し適切な処置を行うには、感度が高く迅速な検査法が必要である。
本技術はReal Time PCR法を用い、EBウイルスのDNA量を数時間以内に定量的に評価し、EBウイルス感染症を迅速に診断するものである。
19 多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術 白内障 多焦点眼内レンズは、無水晶体眼の視力補正のために水晶体の代用として眼球後房に挿入される後房レンズである点では、従来の単焦点眼内レンズと変わりはない。
しかし、単焦点眼内レンズの焦点は遠方又は近方のひとつであるのに対し、多焦点眼内レンズはその多焦点機構により遠方及び近方の視力回復が可能となり、これに伴い眼鏡依存度が軽減される。
術式は、従来の眼内レンズと同様に、現在主流である小切開創から行う超音波水晶体乳化吸引術で行う。
20 フェニルケトン尿症の遺伝子診断 フェニルケトン尿症、高フェニルアラニン血症又はビオプテリン反応性フェニルアラニン水酸化酵素欠損症 分析に供与するDNAは、患者末梢血2〜5mlを通常の採血と同様に採取するというきわめて非侵襲的な方法によって得られる。末梢全血を通常のフェノール法にて除蛋白した後、ゲノムDNAを抽出する。13ある各エクソンをPCR法にて増幅合成した後、DHPLC法にて遺伝子多型を持つエクソンを同定する。当該エクソンのシークエンスを行い、遺伝子変異を同定する。遺伝子欠失変異の同定にはMLPA法を用いて行う。
21 培養細胞によるライソゾーム病の診断 ライソゾーム病(ムコ多糖症I型及びII型、ゴーシェ病、ファブリ病並びにポンペ病を除く。) 先天性代謝異常の罹患リスクが高い胎児、新生児及び先天性代謝異常が疑われる症状を有する小児から、胎児の場合は、羊水を採取し、羊水細胞を培養後、細胞中の酵素活性を測定する。新生児や小児においては、末梢血を採取してリンパ球を培養、あるいは、皮膚生検を行い線維芽細胞を培養して、培養細胞中の酵素活性を測定する。
酵素活性の測定後、酵素補充療法の適応とならないものについては、造血幹細胞移植等の種々の治療法や、治療法がない場合においては、早期の対症療法や生活指導を行うことにより、患者のQOLの向上を可能とする。
22 培養細胞による脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症の診断 脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症 酵素活性の測定には、静脈血液5〜10mlまたは米粒大の皮膚片から、培養リンパ球や培養皮膚線維芽細胞を樹立する。これらの技術によって得た培養細胞を用いて、酵素活性を測定して先天性代謝異常症の確定診断を行う。
23 角膜ジストロフィーの遺伝子解析 角膜ジストロフィー 本技術によって原因遺伝子を明らかにすることにより、病型に加え、発症年齢、重症度や予後も推定可能となり、治療により進行を遅らせることが可能な例を特定することや、角膜移植後の再発リスクを明らかにすることができる。さらに、患者が自分の病気を遺伝病として理解した上で、自身や家族の結婚や出産に関連して生じる諸問題について計画的に対処することが可能となる。
24 前眼部三次元画像解析 緑内障、角膜ジストロフィー、角膜白斑、角膜変性、角膜不正乱視、水疱性角膜症、円錐角膜若しくは水晶体疾患又は角膜移植術後である者に係るもの 現在、眼科疾患を診断するためには、検眼鏡あるいは前眼部および眼底写真による検査が必須であるが、従来の検査法では、眼球表面上に現れている変化を観察することができるのみであり、その診断精度には限界がある。また、所見の判断は観察者の主観に左右される面もあり、その所見を広く第3者にも客観的情報として共有する手段が少ない。前眼部3次元画像解析は、これまでの眼科的検査では行えなかつた、角膜、隅角、虹彩などの断層面の観察や立体構造の数値的解析が行える唯一の方法である。また、前眼部の光学的特性を不正乱視を含んで数値的解析ができる唯一の方法である。本解析法には、干渉光とScheimpflug像を用いて角膜等を断層的に観察する方法がある。いずれの方法も、装置にコンピューターが内蔵されており、取得データのファイリング、画像劣化のない半永久的保存、取得データの数値的解析などが行え、従来の眼科的検査では得られない情報の入手と情報管理が行える。又、解析結果は電子カルテシステムに組み入れることも可能である。
25 急性リンパ性白血病細胞の免疫遺伝子再構成を利用した定量的PCR法による骨髄微小残存病変(MRD)量の測定 急性リンパ性白血病(ALL)又は非ホジキンリンパ腫(NHL)であって初発時に骨髄浸潤を認めるリンパ芽球性リンパ腫若しくはバーキットリンパ腫 初発時に白血病細胞の免疫グロブリンまたはT細胞受容体遺伝子の再構成をPCRで検出し、症例特異的プライマーを作成する。次にALLの化学療法開始5週(ポイント1、TP1)および12週(ポイント2、TP2)の骨髄MRD量を、初発時に作成したプライマーを用いてRQ-PCRにて定量的に測定し、MRD量が少ない(10-4未満=腫瘍細胞が1万個に1個未満)低リスク群、MRDが多い高リスク群(10-3以上=腫瘍細胞が千個に1個以上)、それ以外の中間リスク群の3群に分類する。具体的には、施設で採取したTP1とTP2の骨髄のMRD量を治療開始後12-14週の間に測定し、結果をALL治療プロトコールで定められたリスク別層別化治療を実施する。
26 最小侵襲椎体椎間板掻爬洗浄術 脊椎感染症 医療の進歩に伴い全身の免疫能低下があっても長期生存が可能な症例が増加している。それに伴い難治性脊椎感染症が増加している。本疾患に対する治療は保存療法と侵襲の大きな外科治療しかなかった。しかし全身状態の悪い症例への外科治療は術後の合併症を併発する問題があった。本治療は1cm程度の小さな傷から、内視鏡やX線透視を用いて安全に椎体椎間板の掻爬と洗浄を行う。局所麻酔と静脈麻酔下で行え、手術操作にかかる時間が45分間程度と短く、最小侵襲であるため、余病の多い症例にも施行できる利点がある。従来できなかった患者への疼痛の緩和と治療に難渋した脊椎感染に対し大きな効果が望める。
27 短腸症候群又は不可逆的な機能性小腸不全に対する脳死ドナーからの小腸移植 短腸症候群又は不可逆的な機能性小腸不全(経静脈栄養を要するものであって、経静脈栄養の継続が困難なもの又は困難になることが予測されるものに限る。) 短腸症候群、機能的不可逆性小腸不全のために経静脈栄養から離脱できない症例が静脈栄養の合併症などによりその継続が困難となった場合、正常な栄養状態、発育は維持できず、経静脈栄養の中止は多くの場合致命的である。また、経静脈栄養の合併症そのものも生命を脅かしQOLを著しく低下させるものである。このような症例に対し小腸移植を行うことにより経静脈栄養からの離脱が可能となり、重篤な静脈栄養の合併症を回避できるだけでなく、経口摂取が可能となり、点滴、カテーテルから解放され、ほぼ正常の日常生活をおくれるといった著しいQOLの向上を図ることができる。脳死ドナーからの小腸移植では、小腸と結腸の一部をその部位を還流する血管を含めて切除し、レシピエントの血管と吻合し、同所性に移植する。小腸は全腸管の長さの1/3以内(約1〜2m)であればその一部を切除しても機能に影響がないため生体ドナーからの臓器提供が可能であるが、特に成人のレシピエントの場合には小腸の全長と、場合によっては結腸の一部も移植可能な脳死ドナーからの移植が栄養、水分吸収などの面で有利である。本邦において脳死ドナーの不足は深刻な問題であるが、現在年間十数例の脳死下の臓器提供が行われるようになり、我々の5例の脳死ドナーからの小腸移植の経験からは、そのうち約半数のドナーから移植可能な良好な小腸グラフトの採取が可能であり、レシピエントは1-9ヶ月間の待機で脳死ドナーからの小腸移植が可能であった。生体ドナーからの移植には健康なドナーを手術するという倫理的な問題も存在し、また上述のように小腸の一部しか移植することができないため、成人のレシピエントで数ヶ月間の移植待機が可能な医学的緊急度のそれほど高くない症例に対しては脳死ドナーからの移植を積極的にすすめるべきであろう。経静脈栄養を受けている患者は国内に約3000例以上存在し、うち数百例は潜在的な小腸移植の適応症例と考えられ、年間約数十例の新規適応患者が発生すると試算されている。脳死ドナーからの小腸移植は今後、短腸症候群/小腸機能不全に対する根治的治療となり得るものと考えられる。
28 短腸症候群又は不可逆的な機能性小腸不全に対する生体ドナーからの小腸部分移植 短腸症候群又は不可逆的な機能性小腸不全(経静脈栄養を要するものであって、経静脈栄養の継続が困難なもの又は困難になることが予測されるものに限る。) 短腸症候群、機能的不可逆性小腸不全のために経静脈栄養から離脱できない症例が静脈栄養の合併症などによりその継続が困難となった場合、正常な栄養状態、発育は維持できず、経静脈栄養の中止は多くの場合致命的である。また、経静脈栄養の合併症そのものも生命を脅かしQOLを著しく低下させるものである。このような症例に対し小腸移植を行うことにより経静脈栄養からの離脱が可能となり、重篤な静脈栄養の合併症を回避できるだけでなく、経口摂取が可能となり、点滴、カテーテルから解放され、ほぼ正常の日常生活をおくれるといった著しいQOLの向上を図ることができる。脳死ドナーからの小腸移植では、小腸と結腸の一部をその部位を還流する血管を含めて切除し、レシピエントの血管と吻合し、同所性に移植する。小腸は全腸管の長さの1/3以内(約1〜2m)であればその一部を切除しても機能に影響がないため生体ドナーからの臓器提供が可能であるが、特に成人のレシピエントの場合には小腸の全長と、場合によっては結腸の一部も移植可能な脳死ドナーからの移植が栄養、水分吸収などの面で有利である。本邦において脳死ドナーの不足は深刻な問題であるが、現在年間十数例の脳死下の臓器提供が行われるようになり、我々の3例の脳死ドナーからの小腸移植の経験からは、そのうち約半数のドナーから移植可能な良好な小腸グラフトの採取が可能であり、レシピエントは1-9ヶ月間の待機で脳死ドナーからの小腸移植が可能であった。生体ドナーからの移植には健康なドナーを手術するという倫理的な問題も存在し、また上述のように小腸の一部しか移植することができないため、成人のレシピエントで数ヶ月間の移植待機が可能な医学的緊急度のそれほど高くない症例に対しては脳死ドナーからの移植を積極的にすすめるべきであろう。経静脈栄養を受けている患者は国内に約3000例以上存在し、うち数百例は潜在的な小腸移植の適応症例と考えられ、年間約数十例の新規適応患者が発生すると試算されている。脳死ドナーからの小腸移植は今後、短腸症候群/小腸機能不全に対する根治的治療となり得るものと考えられる。
29 MEN1遺伝子診断 多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)が疑われるもの(原発性副甲状腺機能亢進症(pHPT)(多腺症でないものにあっては、四十歳以下の患者に係るものに限る。)又は多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)に係る内分泌腫瘍症(当該患者の家族に多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)に係る内分泌腫瘍を発症したものがある場合又は多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)に係る内分泌腫瘍を複数発症している場合に限る。)) 1)発端者診断
MEN1の疑われる患者(発端者)が対象となる。遺伝カウンセリングを施行し患者の同意を得た上で採血を行い、末梢血白血球よりDNAを抽出する。次に、MEN1遺伝子のエクソン2〜10のすべてをPCR法を用いて一度に増幅し、塩基配列をDNAシーケンサーにより解析する。変異が認められた場合、MEN1であることが確定する。
2)保因者診断
MEN1遺伝子変異が判明している家系の血縁者が対象となる。上記1)と同様の手順で遺伝子診断を行うが、既知の変異部位のみのシーケンスを行う。変異を認めた場合は、MEN1に関する各種検査を行い、治療適応のあるものに関しては早期治療が可能になる。一方、MEN1遺伝子の変異が認められない血縁者に対しては、遺伝していないことが判明し、以後の臨床検査は不要となり、医療費の節約が可能となる。
30 金属代替材料としてグラスファイバーで補強された高強度のコンポジットレジンを用いた三ユニットブリッジ治療 臼歯部中間欠損(臼歯部のうち一歯が欠損し、その欠損した臼歯に隣接する臼歯を支台歯とするものに限る。) 現在のコンポジットレジンは前歯、小臼歯の1歯レジンクラウンおよび金属裏装レジン前装クラウン・ブリッジのみの応用であったが、臼歯部の大きな咬合力に耐えられる高強度コンポジットレジンとグラスファイバーを用いることで1歯欠損の3ユニットブリッジに適応可能となる。また、咬合による応力のかかるブリッジ連結部には従来の歯科用金属の補強構造体に代えてグラスファイバーを使用することによりブリッジ強化が図られる。
31   ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)  豚脂様角膜後面沈着物若しくは眼圧上昇の症状を有する片眼性の前眼部疾患(ヘルペス性角膜内皮炎又はヘルペス性虹彩炎が疑われるものに限る。)又は網膜に壊死病巣を有する眼底疾患(急性網膜壊死、サイトメガロウイルス網膜炎又は進行性網膜外層壊死が疑われるものに限る。) ヘルペス性角膜内皮炎、ヘルペス性虹彩炎が疑われる片眼性の前眼部疾患。急性網膜壊死、サイトメガロウイルス網膜炎、進行性網膜外層壊死が疑われる網膜壊死病巣を有する眼底病変は、ヒトヘルペスウイルスが病因と疑われる。このような症例の前房水を前房穿刺、あるいは硝子体液を手術時に採取して、これらの眼内液からDNAを抽出し、 本診断法によりHSV-1,HSV-2,VZV,EBV,CMV,HHV-6,HHV-7,HHV-8のDNAの同定と定量を おこなう。この診断に基づいて適正な抗ウイルス治療をおこなう。当院眼科においては年間約100〜150例の患者が本検査の対象となる。
当該技術(難治性ウイルス眼感染疾患に対する包括的迅速PCR診断)は、必要なプライマーとプローブを作製して研究室にて用いている。プライマーとプローブは現時点ではキット化できていないため、院内で調整する。
32   細菌又は真菌に起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)  前房蓄膿、前房フィブリン、硝子体混濁又は網膜病変を有する眼内炎 内眼手術直後からの眼痛、前房蓄膿、硝子体混濁を呈する外因性眼内炎、体内に感染巣があり眼痛、前房蓄膿、硝子体混濁を呈する内因性眼内炎では早急に細菌感染を疑い検査する必要がある。このような症例の前房水を前房穿刺、あるいは硝子体液を手術時に採取して、これらの眼内液からDNAを抽出し、本診断により細菌16SrDNAの定量をおこなう。この診断に基づいて適正な抗生剤投与、硝子体手術をおこなう。当院眼科においては年間約30例の患者が本検査の対象となる。
経中心静脈高栄養法や各種カテーテルの留置に伴った真菌血症が全身的にあり、網膜後局部に網膜滲出斑、硝子体混濁、牽引性網膜剥離、前眼部炎症を呈する眼内炎では早急に真菌感染を疑い診断を付ける必要がある。このような症例の前房水を前房穿刺、あるいは硝子体液を手術時に採取して、これらの眼内液からDNAを抽出し、本診断により真菌28SrDNAの定量をおこなう。この診断に基づいて適正な抗生剤投与、硝子体手術をおこなう。当院眼科においては年間約20例の患者が本検査の対象となる。従来の検査で眼科検体を用いた真菌の検査法の中で、現在保険でおこなわれているものは、培養があるが感度と特異度は本検査法よりも劣る。
当該技術(難治性細菌・真菌眼感染疾患に対する包括的迅速PCR診断)は、必要なプライマーとプローブを作製して研究室にて用いている。プライマーとプローブは現時点ではキット化できていないため、院内で調整する。
33   内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術  甲状腺がん(未分化がんを除き、甲状腺皮膜浸潤及び明らかなリンパ節腫大を伴わないものに限る。) 甲状腺未分化癌以外の甲状腺皮膜浸潤を伴わず、画像上明らかなりンパ節腫大を伴わない甲状腺癌を本術式の適応症とする。それぞれの患者に対して、入院管理下で当該手術を行う。全身麻酔下で内視鏡下に甲状腺組織を切除する。切除範囲ならびに予防的リンパ節郭清の有無は明確に診療録に記載する。術後は合併症の有無を記載し、合併症併発例に対しては適切な治療を行い、術後管理上問題ないと判断された時点で退院として、その後は外来にて治療を行う。具体的評価項目には手術関連項目として反回神経同定と温存確認、上後頭神経外枝同定と温存確認、副甲状腺同定術と温存確認を記録・評価する。さらに、手術時間と出血量を記録する。病理組織診断にて手術の根治度を評価する。手術関連合併症の有無を評価する。術後出血の有無、反回神経麻痺、副甲状腺機能低下症の評価を退院日、退院後はじめての外来日、術後1ヶ月、6ヶ月、12ヶ月に評価する、可能ならば、喉頭ファーバーを用いて声帯の動きを用いて反回神経麻痺を評価する。副甲状腺機能は血清カルシウム値とインタク卜PTH値にて評価する。入院また外来管理下において生じたすべての有害事象の有無を観察し、本手術と関連性を評価する。
術後整容性や頸部の違和感などの満足度はアンケート方式などで調査し評価する。
34   FOLFOX6単独療法における血中5-FU濃度モニタリング情報を用いた5-FU投与量の決定  大腸がん(七十歳以上の患者に係るものであって、切除が困難な進行性のもの又は術後に再発したものであり、かつステージIVであると診断されたものに限る。) 5-FU点滴46時間持続静注を用いる化学療法(具体的にはFOLFOX±分子標的薬、)の開始から22時間経過以降で終了の2時間前迄の間のプラトーに達した血中5-FU濃度を当該測定法で測定する。測定した5-FU濃度から持続静注中のAUCを算出し、患者個々の5-FUの薬物動態の個体差を考慮した投与量を決定する。この判断には海外の研究で検証され至適治療範囲と提唱されている持続静注中のAUC範囲20〜25mg・h/Lを規準にするが、本邦で承認された5-FU投与量範囲や、レジメンの変更などの実際的な選択肢も考慮して、5-FU点滴46時間持続静注を用いる大腸癌の化学療法の投与量調節やレジメン変更などの判断に5-FU濃度という客観的定量値情報を付加する医療行為として構築している。
35   Verigeneシステムを用いた敗血症の早期診断  敗血症(一次感染が疑われるものであって、それによる入院から七十二時間以内の患者に係るものであり、かつ血液培養検査が陽性であるものに限る。) 【背景】敗血症は重篤で死亡率も高い病態である。この診療において、現在医療機関の細菌検査室で行われている一般的な検査方法では、血液培養提出から菌名同定・感受性試験終了まで72-96時間程度時間がかかってしまう。これは最適な治療の選択には72-96時間かかることを意味する。敗血症患者の予後改善のためには、最適な抗菌薬の速やかな投与が必要不可欠である。よって検体提出から感受性試験結果取得までの時間を如何に短縮するかが、臨床上極めて重要である。現時点では遺伝子解析装置を用いた迅速菌名同定法が可能性があるが、実現性や臨床的有効性は不明である。
【目的】本臨床試験の目的は、全自動多項目同時遺伝子検査システムであるVerigene・システムを用いた検査により敗血症の起因菌及び薬剤耐性遺伝子の検出及び同定を行い、その臨床的有用性を従来法の菌名同定・薬剤感受性検査と比較検討することである。
【対象・方法】敗血症患者の血液培養陽性検体を対象に、Verigene・システムを用いたBC-GP検査またはBC-GN検査を行い、敗血症の起因菌及び薬剤耐性遺伝子を検出・同定する。比較対照として、従来の菌名同定・薬剤感受性検査を行う。以下の項目の評価を行う。
36   腹腔鏡下広汎子宮全摘術  子宮頸がん(ステージがI A2期、I B1期又はII A1期の患者に係るものに限る。) 手術の概要は従来行われて来た腹式広汎子宮全摘術を腹腔鏡下に以下のステップで行う。
[1] まず腹腔鏡下に骨盤リンパ節郭清を系統的に行う。
[2] 次いで膀胱側腔及び直腸側腔を十分に展開した後に、前中後子宮支帯を分離切断する。
[3] 腟管を切開し余剰腟壁をつけて子宮を経腟的に摘出する。
安全性及び有効性については
Primary endopoint;切除標本の病理組織学的所見による根治性の評価と3年無再発生存期間
Secondary endopoint;無再発生存期間、3年5年全生存割合、手術時間、術中出血量、輸血率、術中合併症の有無、術後合併症の有無、術後QOLの評価等とし、これらを検証し安全性が同等で有効性が開腹術を上回ることを当院での開腹術の成績及び過去の手術治療成績の報告と比較証明する。
37   LDLアフェレシス療法  難治性高コレステロール血症に伴う重度尿蛋白症状を呈する糖尿病性腎症 本件は、重度尿蛋白(3 g/day 以上、又は尿蛋白/尿クレアチニン3 g/gCr 以上)を伴い血清クレアチニンが2 mg/dL 未満、薬物治療下で血清LDL-コレステロールが120 mg/dL 以上である糖尿病性腎症患者を対象として、LDL アフェレシス治療の有効性及び安全性を評価する多施設共同単群試験である。リポソーバーを用い、LDL アフェレシスを施行する。原則として、登録後2 週間以内にLDL アフェレシスを開始し、これまでの報告(添付文献1 から3 及び5)に沿って、6 から12 回を12 週間以内に施行する。なお、LDL アフェレシス開始以降のLDL コレステロールや尿蛋白等の低下推移や全身状態の変化等が多様であり、上記のとおりこれまでの報告に沿い6 から12 回までで総合的に施行回数を判断するため、被験者毎にその回数が異なる。標準的には、1 回の施行時間を2〜3 時間、血漿処理量を約3,000 mL(目安:体重kg あたり血漿処理量50 mL)、施行間隔を2〜7 日とするが、被験者の体重や状態により調節する。抗凝固薬は、ヘパリンを標準的に使用する。ブラッドアクセスは、直接穿刺又は留置カテーテルにて行う。
38   多項目迅速ウイルスPCR法によるウイルス感染症の早期診断  ウイルス感染症が疑われるもの(造血幹細胞移植(自家骨髄移植、自家末梢血管細胞移植、同種骨髄移植、同種末梢血管細胞移植又は臍帯血移植に限る。)後の患者に係るものに限る。) 1)移植後多項目迅速ウイルスPCR検査のタイミング
造血幹細胞移植を受けた患者においてa)発熱、b)咳・呼吸困難、c)黄疸・肝障害、d)出血性膀胱炎、e)意識障害、f)発疹、g)下痢・血便および腹痛の症状が出現した際に、血中ウイルス検査を実施する。
2)多項目迅速ウイルスPCR検査の方法
・分離した血漿から自動核酸抽出装置でDNAを抽出後、あらかじめ、12種類のウイルスに対するprimer-mixを含むPCR試薬と混合し、PCR反応を行う。PCR終了後、LightCyclerRを用いた解離曲線分析により各ウイルスを識別する。これにより12種類のウイルスの有無が同時に決定できる。検査時間がDNAウイルスであれば75分で検出できる。また、同じ12種類のウイルスに関してリアルタイムPCR法(定量検査)を同時に行い、多項目迅速定性ウイルスPCR法における正確度を、陽性的中率、および陰性的中率を算出することによって評価する。
3)ウイルス感染症の診断
ウイルスが検出されたら、臨床症状、身体所見、画像診断、および臨床検査(血液、尿、髄液、喀痰、および肺胞洗浄液などの検査)により、ウイルス血症かウイルス病かの診断を行う。
39   CYP2D6遺伝子多型検査  ゴーシェ病 1)xTAG CYP2D6 kit v3 RUO によるCYP2D6 遺伝子多型検査のタイミング
ゴーシェ病患者において、経口投与治療薬の投与が適切であると研究責任者が判断し、患者も希望した場合に、経口投与治療薬の投与前に本検査を実施する。
2)xTAG CYP2D6 kit v3 RUO によるCYP2D6 遺伝子多型検査の流れ
[1]治療医から本研究への参加を希望する被験者の紹介を受けて、研究責任者は、個人情報管理補助者、及び中央検査部に被験者の来院日を連絡する。
[2]研究責任者又は研究分担者が被験者に対して倫理委員会で承認された患者用の説明文書を用いて、本研究の説明を行い、文書同意を取得する。
[3]個人情報管理補助者は被験者から採血し、匿名化ID ラベルを採血管に添付し、中央検査部へ送る。データの管理については、10. 試料・情報の保管及び廃棄の方法に基づいて管理を行う。
[4]個人情報管理補助者は個人情報分担管理者に院内患者識別番号と匿名化ID を連絡する。
[5]個人情報分担管理者は対応表を作成し、管理する。
[6]中央検査部技師又は小児科学講座研究補助者は、検査を行い、結果を個人情報分担管理者へ報告する。
[7]個人情報分担管理者は、匿名化ID と結果を統合する。
[8]研究責任者又は研究分担者からの匿名化解除の依頼を受けて、個人情報分担管理者は研究責任者又は研究分担者へ、結果を開示する。
[9]研究責任者又は研究分担者は、治療医、被験者に結果を連絡する。
3)xTAG CYP2D6 kit v3 RUO によるCYP2D6 遺伝子多型検査の方法
CYP2D6 遺伝子多型検査キット、xTAG CYP2D6 kit v3 RUO を使用する。詳細は取扱説明書に準ずる。
[1]抗凝固剤EDTA またはクエン酸塩存在下で採血した全血から、ゲノムDNA を抽出、精製する(本キットで使用するDNA サンプル量の範囲: 24 ng - 1800 ng)。
[2]マルチプレックスPCR を行う。精製したDNA を用い、PCR A と、PCR B の2 種類のPCR を行う。
[3]2 種のPCR 産物、PCR (A)とPCR (B)を混合する。
[4]dNTP とプライマー不活化のため、混合したPCR 産物を、アルカリフォスファターゼ(SAP;Shrimp Alkaline Phosphatase)/エクソヌクレアーゼ処理(SAP-EXO 処理)する。
[5]SAP-EXO 処理したPCR 産物を用いて、マルチプレックスプライマーエクステンション(ASPE; Allele Specific Primer Extension)を行う。
[6]ASPE 反応液とビーズミックスをハイブリダイゼーションする。
[7]ビーズハイブリダイゼーション後、Streptavidin R-Phycoerythrin(SA-PE)で蛍光標識する。
[8]Luminex 100/200 システムを用いて検出、解析する。
4)xTAG CYP2D6 kit v3 RUO によるCYP2D6 遺伝子多型検査結果の解析
研究責任者又は研究分担者は遺伝子型から判断して表現型を特定する。表現型がIntermediate metabolizer (IM)又はExtensive metabolizer (EM)の場合には、経口治療薬1 回100mg、1 日2 回の投与が可能となる。Ultra Rapid Metabolizer (URM) 、及びPoorMetabolizer(PM)の患者には投与を避けることが望ましい。経口治療薬の用法用量は、添付文書の記載に従う。
5)研究責任者又は研究分担者はCYP2D6 遺伝子多型から判断された表現型を被験者に伝える。被験者のゴーシェ病の治療医が研究責任者(又は研究分担者)ではない場合、研究責任者(又は研究分担者)は治療を担当する医師にも伝える。電子媒体で伝える場合は、パスワードを設定し電子媒体の暗号化を図る。パスワードは電子媒体とは別に連絡する。
6)本研究によって得られた日本人患者におけるCYP2D6 遺伝子多型の分布の傾向を過去に報告されている日本人データ4) 5) と比較を行い、傾向の類似性を確認する。これらのデータは海外データと共に薬事申請時の資料とすることを計画している。
40   MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法  前立腺がんが疑われるもの(超音波により病変の確認が困難なものに限る。) まず、血清PSA 値が4.0ng/mL 以上20.0ng/mL 以下の患者を候補とする。候補患者に対してMRI を実施し、Significant cancer が疑われた症例のうち、除外基準を満たさない患者を選定する。 本生検では、事前にBioJet ソフトウェアにMRI(DICOM 画像)を取り込み、前立腺尖部から底部まで、および癌を疑う部位(Region of Interests, ROI)のセグメンテーション(輪郭を明確に示すこと)を行い、画像処理技術により、3 次元モデルを作成。座標センサーが搭載されたアームに取りつけられた経直腸的超音波プローブを肛門から挿入。MRI の3 次元モデルとリアルタイムのTRUS 前立腺画像をプローブのマニュアル操作および弾性融合機能により一致させる。前立腺観察時のプローブの動きは、座標センサーによりBioJet ソフトウェアに認識されるため、TRUS により観察されている部位のMRI が、同一画面上にリアルタイムで表示される(MRI-TRUS 融合画像)。術者は、この融合画像に基づき、ROI の前立腺組織を生検することができる。
    • 暫定的に先進医療Aとして実施する技術。ただし、平成29年3月31日までを先進医療Bへの移行期間とする。
    • 実施医療機関は、上記移行期間内に先進医療Bとして改めて申請する。なお、試験実施計画等の科学的評価が終了した場合、先進医療Aから削除とする。
    • 上記移行期間内に試験実施計画等の科学的評価が終了しなかった場合、平成29年4月1日をもって先進医療から削除とする。

第3項先進医療【先進医療B】(61種類)

番号 先進医療技術名 適応症 技術の概要
1 パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS−1内服併用療法 腹膜播種又は進行性胃がん(腹水細胞診又は腹腔洗浄細胞診により遊離がん細胞を認めるものに限る。) 腹腔ポートより、パクリタキセルを腹腔内に直接投与する。また、全身化学療法として、経口抗悪性腫瘍剤であるS‐1の内服及びパクリタキセル経静脈投与を併用する。
この化学療法は21日間を1コースとして行い、S-1は標準量(80mg/m2)を14日間内服し、7日間休薬する。パクリタキセルは第1日目及び第8日目に50 mg/m2を経静脈投与、20 mg/m2を腹腔内投与する。本療法は、(1)腫瘍の進行が確認される、(2)有害事象により継続困難となる、(3)治療が奏効して腹膜播種や腹腔内遊離がん細胞が消失する、のいずれかの状況に至るまで反復する。(3)の場合には、根治的手術の実施を考慮する。
2 経カテーテル大動脈弁植込み術  弁尖の硬化変性に起因する重度大動脈弁狭窄症(慢性維持透析を行っている患者に係るものに限る。)

本医療で使用される機器は、狭窄した大動脈弁に植え込まれる人工弁(以下、生体弁)とそれを適正位置まで送達するデリバリーシステムで構成される。生体弁はステンレス製のステント状フレームにウシの心のう膜弁(三葉の組織弁)がマウントされたものである。デリバリーシステムは、経皮的冠動脈形成術と同様にバルーンカテーテルとシースイントロデューサおよびダイレータ等で構成される。
留置方法には経大腿アプローチと経心尖アプローチの2方法ある。
【経大腿アプローチ】
1. 大腿動脈を穿刺し、ガイドワイヤを左室まで進める。大腿動脈が狭小でありシースの挿入に危険が伴うと判断された場合は、傍腹直筋小切開を行い後腹膜経由にて総腸骨動脈に至り、同様の手技を施行する。前拡張用のバルーンカテーテルを腸骨大腿動脈部から挿入し、ラピッドペーシング下で狭窄した大動脈弁の弁口部を広げる。
2. ガイドワイヤを左室に残した状態でカテーテルを抜去した後、ダイレータを用いて穿刺部を広げシースイントロデューサを留置する。
3. 弁を洗浄した後、圧縮器を用いてバルーンカテーテル上に圧縮し、装着する。
4. カテーテルに弁が装着されたバルーンカテーテルを通し、シースから大腿動脈部に挿入、前拡張した大動脈弁まで進める。
5. ラピッドペーシングの下、狭窄した大動脈弁弁口部でバルーンを拡張し、弁を留置する。
【経心尖アプローチ】
1. 第5あるいは第6肋間を小切開し心尖部心膜に達する。心膜を切開し心尖部を露出する。
2. 心尖部に二重巾着縫合を行い、18ゲージ針を穿刺、ガイドワイヤを左室内に挿入する。
3. ガイドワイヤを用いて前拡張用のバルーンカテーテルをシースに挿入し、ラピッドペーシング下で狭窄した大動脈弁の開口部を広げる。
4. 以下経大腿アプローチと同様の手順で弁を留置する。

本治療法はすでに欧米にて1000例以上の臨床実績があり、2007年にはCEマークの認証を受け、欧州で市販が開始されている。また、米国においては、有効性および安全性を検証するピボタル試験(PARTNER-US)が進行中である。

3 パクリタキセル静脈内投与(一週間に一回投与するものに限る。)及びカルボプラチン腹腔内投与(三週間に一回投与するものに限る。)の併用療法 上皮性卵巣がん、卵管がん又は原発性腹膜がん 局所麻酔または硬膜外麻酔下の小開腹を行い、腹腔ポートを留置する。このポートより、カルボプラチンを腹腔内に直接投与する。また、全身化学療法としてパクリタキセル経静脈内投与を併用する。
この化学療法は21日間を1コースとして行い、パクリタキセルは第1日目、第8日目及び第15日目に標準量(80mg/m2 )を経静脈投与、カルボプラチンを第1日目に標準量(※AUC6 (mg/L)・h)を腹腔内投与し、計6コースを行う。
※AUC : area under the blood concentration time curve(薬物血中濃度−時間曲線下面積)
4 十二種類の腫瘍抗原ペプチドによるテーラーメイドのがんワクチン療法 ホルモン不応性再燃前立腺がん(ドセタキセルの投与が困難な者であって、HLA-A24が陽性であるものに係るものに限る。) まず、血液検査にてヒト白血球抗原(HLA)のタイプがHLA-A24陽性であることを確認する。
次に、HLA-A24により特異的に抗原提示される12種類のがんペプチドに対する血液中の抗体量を測定し、抗体量の多い、つまり免疫反応性が高いと推測されるがんペプチドを最大4種類まで選択する。
以上のように患者個別に選択したがんペプチドワクチンを、それぞれ週に1回の頻度で皮下注射し、計8回投与にて第1治療期間終了とする。第2治療期間以降は2週間に1回の頻度とし、1治療期間の投与回数は同様に計8回とする。
5 経胎盤的抗不整脈薬投与療法 胎児頻脈性不整脈(胎児の心拍数が毎分百八十以上で持続する心房粗動又は上室性頻拍に限る。) 本治療は入院、24時間の安全性管理のもとで行われる。
まず、胎児心エコーにて、上室性頻脈、心房粗動等の頻脈性不整脈の分類を行う。各胎児診断と胎児水腫の有無により、抗不整脈薬であるジゴキシン、ソタロール、フレカイニド又はその組み合わせの中から使用薬剤及び投与量を選択する。胎児心拍モニタリング下で、母体に対し経口又は経静脈的に抗不整脈薬を投与し、胎盤を介した胎児への効果を期待する。
6 低出力体外衝撃波治療法 虚血性心疾患(薬物療法に対して抵抗性を有するものであって、経皮的冠動脈形成術又は冠動脈バイパス手術による治療が困難なものに限る。) 治療には心臓超音波装置を内蔵した体外衝撃波治療装置を用いる。
まず、患者を仰臥位とする。次に、体外衝撃波治療装置に内蔵した超音波プローブを前胸壁に当て、虚血部位の心筋に照準を合わせ低出力衝撃波(約0.1mJ/mm2、尿路結石破砕に用いられている出力の約10分の1)を照射する。照射部位数は虚血範囲に応じて40〜70カ所とし、1カ所につき200発照射する。この衝撃波治療を1〜2日おきに計3回行い終了とする。
7 重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病に対する脳死ドナー又は心停止ドナーからの膵島移植 重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病 膵島移植は、血糖不安定性を有するインスリン依存状態糖尿病に対して、他人より提供された膵臓から分離した膵島組織を移植することで血糖の安定性を取り戻すことを可能とする医療である。局所麻酔下に膵島組織を門脈内に輸注する方法で移植され、低侵襲かつ高い安全性を有することが特徴である。本治療法においては、血糖安定性を獲得するまで移植は複数回(原則3回まで)実施でき、免疫抑制法は新たに有効性が確認されているプロトコールが採用されている。
8 術後のホルモン療法及びS−1内服投与の併用療法 原発性乳がん(エストロゲン受容体が陽性であって、HER2が陰性のものに限る。) 対象症例は、組織学的に浸潤性乳癌と診断された女性(病期Stage〜IIIA及びIIIB)で根治手術及び標準的な術前又は術後化学療法が施行された(対象によっては標準的化学療法の省略を可とする)、エストロゲン受容体陽性かつHER2陰性で、再発リスクが中間以上である患者とする。本試験に登録された症例は、標準的術後ホルモン療法単独、又は標準的術後ホルモン療法とTS−1の併用療法のいずれかに割り付けられ、両群ともに標準的術後ホルモン療法5年間を実施、併用療法群は標準的術後ホルモン療法と同時にTS−1を1年間授与する。TS−1体表面積及びクレアチニンクリアランスによって規定された投与量を朝食後及び夕食後の1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして、投与開始から1年間、投与を繰り返す。
9 急性心筋梗塞に対するエポエチンベータ投与療法  急性心筋梗塞(再灌流療法の成功したものに限る。)  本治療では、急性心筋梗塞患者の急性期に対して、経カテーテル的に再灌流療法が成功した後、可及的速やかに試験薬(エポエチンベータ)(0.5 mL) を9.5 mL の生理食塩水に混入したものを静脈内に1分間以上かけて単回投与する。エポエチンベータは、人間の体内で分泌されているエリスロポエチンというホルモンを人工的に合成した薬剤で、細胞保護作用や血管新生作用が知られている。現在までの研究で、通常治療に比べエポエチンベータを投与した場合は慢性期に心臓の機能が良好に回復することがわかってきており、その至適用量の存在もある程度分かってきた。そこで、本治療においては、急性心筋梗塞に対するエポエチンベータ投与が有効かつ安全であることをさら
に多くの症例で確認することと同時に至適用量を探索する。本治療は、世界的標準治療法が未確定の急性心筋梗塞患者の慢性期心不全改善を図るものである。
10 培養骨髄細胞移植による骨延長術 骨系統疾患(低身長又は下肢長不等である者に係るものに限る。) 骨延長術時に骨髄液を採取し、間葉系幹細胞を含む細胞を自己血清含有の骨芽細胞誘導培地にて3週間培養し骨芽細胞へ分化誘導する。多血小板血漿は移植前日に自己静脈血より遠心分離法により精製する。培養細胞の安全性を確認後、培養細胞と多血小板血漿を混合してトロンビン、カルシウムとともに骨延長部位に注射により移植して、早期に骨形成を促す治療法である。
11 NKT細胞を用いた免疫療法 肺がん(小細胞肺がんを除き、切除が困難な進行性のもの又は術後に再発したものであって、化学療法が行われたものに限る。) NKT細胞は特異的リガンドであるαガラクトシルセラミドにより活性化すると腫瘍に対して直接的に、もしくは他の免疫担当細胞を活性化して間接的に強力な抗腫瘍効果を発揮する。体内NKT細胞の活性化を誘導するために、末梢血より成分採血にて単核球を採取して樹状細胞を誘導し、αガラクトシルセラミドを添加した後に、本人に点滴静注にて投与する。
12 ペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法 肺がん(扁平上皮肺がん及び小細胞肺がんを除き、病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。) PEM+CDDP併用療法は、1日目にPEMは500mg/m2とCDDPは75 mg/m2を投与し、3週毎に4回投与する。進行非扁平上皮非小細胞肺癌に対する有効性、および安全性が確立した治療であり、さらには術後補助化学療法としても期待されている治療法である。
13 ゾレドロン酸誘導γδT細胞を用いた免疫療法 非小細胞肺がん(従来の治療法に抵抗性を有するものに限る。) 患者末梢血から単核細胞(PBMC)を採取し、その中に含まれるγδT細胞をゾレドロン酸とIL-2を用いて体外で刺激培養した後、再び患者の体内に戻す(点滴静注)。アフェレーシスで採取したPBMCを分注して凍結保存し、培養に用いる。γδT細胞の投与(点滴静注)を2週間毎に6回実施する。効果が確認された患者ではさらに治療を継続する。
14 コレステロール塞栓症に対する血液浄化療法 コレステロール塞栓症 動脈硬化性プラークの破綻によりコレステロール結晶が飛散し、末梢小動脈を塞栓し、他臓器に重篤な障害が発生するコレステロール塞栓症のうち、血管内操作および血管外科的手術が誘発因子となり、腎機能障害を示した患者を対象とし、リポソーバーLA−15を用いた血液浄化療法と薬物治療の併用により、腎機能を改善させられるかを検証する。
15 重症心不全に対する免疫吸着療法 重症心不全(心抑制性抗心筋自己抗体が陽性であって、従来の治療法に抵抗性を有するものに限る。) 治験対象外に限定した、病因自己抗体除去を目的としたアフェレシス治療
他疾患で実施されている免疫吸着療法と同様の方法で、体外循環を用いて心抑制性抗心筋自己抗体を吸着・除去する。具体的には、患者血液を静脈より採取し、血漿分離機を用いて血球と血漿に分離した後、血漿をイムソーバTRへ流し、自己抗体が除去された後の血漿を血球とともに静脈から体内へ戻す。1回当たりの血漿処理量は1.5リットル、治療時間は2〜3時間程度である。自己抗体の再上昇現象が認められることから、3〜6ヵ月ごとに、1クール当たり3〜5回の治療が望まれる。
16 NKT細胞を用いた免疫療法 頭頸部扁平上皮がん(診断時のステージがIV期であって、初回治療として計画された一連の治療後の完全奏功の判定から八週間以内の症例(当該期間内に他の治療を実施していないものに限る。)に限る。) 標準治療終了後の頭頸部扁平上皮がんを適応症とした、末梢血単核球由来の培養細胞にNKT 細胞特異的リガントを提示させて鼻粘膜に投与し、内在性NKT 細胞を活性化させ抗腫瘍効果を得る新規の免疫細胞治療である。
17 C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対する自己骨髄細胞投与療法 C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変(Child−Pugh分類による点数が七点以上のものであって、従来の治療法(肝移植術を除く。)ではその治療に係る効果が認められないものに限る。) 全身麻酔下で患者の腸骨より骨髄液を約400ml採取の上、骨髄採取キットにより骨片を除去し(血液疾患の骨髄移植に準じて)、無菌的に単核球分画の分離精製を行い、末梢静脈から約2-3時間かけて投与する。
18 自己口腔粘膜及び羊膜を用いた培養上皮細胞シートの移植術  スティーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡又は熱・化学腐食に起因する難治性の角結膜疾患(角膜上皮幹細胞が疲弊することによる視力障害が生じているもの、角膜上皮が欠損しているもの又は結膜嚢が癒着しているものに限る。) 被験者より採取した口腔粘膜組織を用いて、先端医療センターにてヒト羊膜基質上で培養した口腔粘膜上皮シートの移植により、角膜再建(視力改善、上皮修復)および結膜嚢再建(癒着解除)を行う。
対象患者は、難治性角結膜疾患のうち、原疾患がスチーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡、重症熱・化学腐食のいずれかであるもので、以下の3つのグループに分けられる。
1) 視力障害の患者((上記3疾患ごとに6症例ずつ計18症例)
2) 亜急性遷延性上皮欠損の患者(上記3疾患のいずれかは問わない。計6症例)
3) 結膜嚢癒着の患者のうち、眼類天疱瘡の進行予防のために結膜嚢形成が必要な患者や白内障手術予定患者等(上記3疾患のいずれかは問わない。計6症例)

主要評価項目は対象患者に対応して、以下の通りとする。
1)移植前から移植後24 週の遠見(5m)視力の変化
2)移植前から移植後24 週の上皮異常総合スコア(上皮欠損、結膜侵入、血管侵入のスコア値の和)の変化
3)移植前から移植後24 週の眼科所見における結膜嚢癒着スコア(上下の和)の変化

いずれのグループも、難治性角結膜疾患の治療を目的としており、安全性評価項目は同一であるため、一つの臨床試験として実施することとする。
副次的評価項目は共通で、結膜所見(角化、結膜充血、結膜嚢癒着上・下)、角膜所見(眼球癒着、角化、上皮欠損、結膜侵入、血管侵入、角膜混濁)とする。安全性評価は有害事象の発現頻度と重症度とする。
19 削除
20 経皮的乳がんラジオ波焼灼療法 早期乳がん(長径が一・五センチメートル以下のものに限る。) 全身麻酔導入後、通常は、RFA治療前にセンチネルリンパ節生検を施行する。RFAの手技はUSで腫瘍を確認し穿刺部位を決定したのち、穿刺予定部位を消毒、局所麻酔を行なう。US画像をガイドとして電極針を腫瘍に刺入して、ジェネレーターというラジオ波発生装置に接続し、通電を開始する。1回の通電につき通常10分前後でインピーダンスが上昇し、通電完了する。通電終了後は電極針を抜去する。USを再度撮像し、治療効果および合併症の有無を観察し、治療終了となる。治療時間は検査、準備も含めて約20分である。
RFA施行後、数週間後より通常の乳房照射を追加し局所治療を終了する。
21 インターフェロンα皮下投与及びジドブジン経口投与の併用療法 成人T細胞白血病リンパ腫(症候を有するくすぶり型又は予後不良因子を有さない慢性型のものに限る。) くすぶり型と慢性型成人T 細胞白血病リンパ腫(ATL)に対してIFNα/AZT 療法群とWatchful waiting群の2群に無作為割り付けを実施。主要評価項目として無イベント生存期間を両群で比較する多施設共同無作為割り付け試験。組み込み予定症例は片群37例、両群74例。登録期間3年、追跡期間2年、総試験期間5年である。IFNα/AZT 療法群に割りつけられた症例には、レトロビル(R)カプセル(600 mg)を連日経口投与する。また、IFNαとしてスミフェロン(R)注DS 300万単位を1サイクル目には1日1回連日皮下投与し、day8から600万単位に増量する。2サイクル目以降はday1から600万単位を投与する。1治療サイクルを28日(4週)とし、 第4治療サイクルからはレトロビル(R)カプセル(400 mg)を連日経口投与、スミフェロン(R)注DS 300万単位を連日皮下投与に減量する。当初10日間入院し、以後外来治療を増悪または毒性中止まで継続する。この間、2週毎に外来受診し、日和見感染予防薬の連日内服と定期的な診察と血液/画像検査を行う。
22 冠動脈又は末梢動脈に対するカテーテル治療におけるリーナルガードを用いた造影剤腎症の発症抑制療法 腎機能障害を有する冠動脈疾患(左室駆出率が三十パーセント以下のものを除く。)又は末梢動脈疾患 eGFRが45 ml/min/1.73m2又はそれ以下の腎機能障害を有し、かつ左室駆出分画(EF)が30%を超える冠動脈又は末梢動脈疾患患者で、カテーテル治療を受ける造影剤使用患者を対象に、リーナルガードの有用性、安全性を検討する、多施設共同非盲検単群試験。予定組み込み症例は60例。
造影剤を使用するカテーテル治療開始90分前に、輸液ルート確保のため18G以上の留置針で末梢静脈確保し、導尿カテーテルを留置。リーナルガードの輸液セットを患者に繋ぎポンプに装着する。30分以上かけて、250 mlの生理食塩水を急速輸液する。尿量が300ml/時以上を維持するように補液排尿バランスを本機器により調整。適宜フロセミドの静脈内投与を許容する(最大2回まで0.50mg/kg)。最終造影剤注入4時間後にこれらのシステムを抜去する。
主要評価項目は造影剤腎症発生率(有効性評価)および重大な有害事象の発生率(安全性評価)。造影剤腎症の定義は、造影剤使用後3日以内に血清クレアチニンが前値より25%以上又は0.5 mg/dl以上増加した場合とする。
23 トレミキシンを用いた吸着式血液浄化療法 特発性肺線維症(急性増悪の場合に限る。) 本研究に組み入れた全ての患者に対し、薬物治療(ステロイド大量療法、好中球エラスターゼ阻害薬及び免疫抑制剤の併用療法)に加えて、トレミキシンを用いたPMX療法を施行する。PMX療法は、抗凝固剤(ナファモスタットメシル酸塩 30mg/時)投与下で、流量60〜100mL/分、トレミキシン1本につき6時間以上(24時間まで)、最低2本(最大3本)を使用することとし、PMX療法終了後12週間までは経過観察する。主要評価項目はPMX療法開始後4週間の生存率とする。そのほかの評価項目は1)肺酸素化能の短期効果(P/F比、AaD02)、2)胸部画像の短期および中期効果、X線画像又はHRCT画像、3)血中CRPの短期効果、4)肺酸素能の中期効果(P/F比、AaD02)、5)人口呼吸器の使用期間、6)PMX療法開始後12週間の生存率(Kaplan-Meier法)。予定組み込み症例は20症例である。
24 腹腔鏡下センチネルリンパ節生検 早期胃がん 本試験は術前診断T1N0M0、腫瘍長径4cm以下と診断された単発性の早期胃癌症例を対象として、「SNをLN転移の指標とした個別化手術群」を行い、その根治性・安全性を検証する第II相多施設共同単群試験である。すべての症例にSN生検を行い、術中SN転移陰性の場合にはSN流域切除を原則とした縮小胃切除(噴門側胃切除、幽門保存胃切除、胃部分切除、分節切除)を行って「縮小手術群」(A群)とする。流域切除範囲によって縮小手術が困難な場合には従来通りの胃切除術(幽門側胃切除術・胃全摘術)(B群)を実施する。また、SN転移が陽性の場合にはD2LN郭清と定型胃切除(幽門側胃切除術・胃全摘術)(C群)を行う。Primary Endpointは5年無再発生存割合、Secondary EndpointsはSN同定率、転移検出感度、3年無再発生存割合、3年・5年全生存割合、術後QOLとする。Primary Endpointすなわち個別化手術の根治性・安全性の評価は、本試験登録A〜C群(個別化手術群)の手術成績とこれまで報告されてきた同じ早期胃癌に対する手術成績を比較し、A群のみの部分集団での予後についてもSecondary Endpontとして同時に検証する。術後QOLに関しては「個別化手術群」内での比較も行う。
25 オクトレオチド皮下注射療法 先天性高インスリン血症(生後二週以上十二月未満の患者に係るものであって、ジアゾキサイドの経口投与では、その治療に係る効果が認められないものに限る。) ジアゾキサイド不応性先天性高インスリン血症(高インスリン血性低血糖症)を対象にオクトレオチド持続皮下注射療法の有効性、安全性を検討する多施設単群非盲検試験。有効性の主要評価項目は短期有効性(投与開始前24時間と、投与開始後48時間以内で同一治療条件ごとの平均血糖値を患者ごとに比較し、投与前と比較して50mg/dL以上上昇したものを有効例とし有効例/総患者数を有効率として評価する)、副次評価項目は長期有効性(ブドウ糖輸液量が6mg/kg/分(8.64g/kg/日)以下に減量できたものを有効例、離脱できたものを著効例とし、有効例/総患者数を有効率、著効率/総患者数を著効率として評価する)、発達予後及び治療中の低血糖である。安全性の評価項目は身体計測値、有害事象、臨床検査、腹部超音波検査、胸部超音波検査・心拍モニターによる心合併症の評価で、予定組み込み症例数は5例である。初期治療は入院にて行い、症状改善に応じて外来治療へ移行して継続する。
26 アルテプラーゼ静脈内投与による血栓溶解療法 急性脳梗塞(当該疾病の症状の発症時刻が明らかでない場合に限る。) 試験デザイン:第III相国際多施設共同オープンラベル無作為化臨床試験
・主要評価項目:90日後modified Rankin Scale(mRS)0〜1の割合。
副次評価項目:試験開始24時間後、7日後におけるNIH Stroke Scale値のベースライン値からの変化。試験開始90日後におけるmRSを0〜2とする臨床的改善率。試験開始90日後におけるmRSをシフト解析を用いて評価した臨床的改善率。
安全性評価項目:試験開始後24時間以内のsICH発現率。試験期間中の大出血発現率。試験期間中の全死亡。
・対象:20歳以上の、最終未発症確認時刻から治療開始可能時刻まで4.5時間超12時間以内で発見から4.5時間以内に治療開始可能な脳梗塞患者。頭部MRI検査の拡散強調画像でASPECTS≥5かつFLAIRで初期虚血病変と考えられる明らかな高信号所見がみられず、NIHSS 5〜25。
・治療:rt-PA(0.6mg/kg、34.8万国際単位/kg)10%をボーラス注射投与し、残りの90%を1時間で点滴静注投与、もしくはrt-PA静注療法を除く脳梗塞の通常治療
・目標症例数:300例
・登録:コンピュータプログラムを用いて中央審査方式により、rt-PA群または通常治療群のいずれかに1:1の割合で無作為に割り付け登録する。
27 S-1内服投与、オキサリプラチン静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法 腹膜播種を伴う初発の胃がん 本試験は、腹膜播種陽性の初発胃癌症例を対象として、一次治療としてのS-1/オキサリプラチン+パクリタキセル腹腔内投与併用療法の有効性と安全性を評価することを目的とする。21日を1コースとして、基準量(80mg/m2)のS-1を14日間内服、7日間休薬し、オキサリプラチン100mg/m2を第1日目に経静脈投与、パクリタキセル40mg/m2を第1, 8日目に腹腔内投与する。本療法は腫瘍進行が確認されるか、有害事象により継続困難となるか、奏効が確認され手術を決定するまで反復する。
主要評価項目は1年全生存割合、副次的評価項目は奏効率、腹腔洗浄細胞診陰性化率および安全性とする。本試験には、S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法(先進医療)の第III相試験に参加中の全国20施設が参加し、登録症例数は50例を予定する。
28 放射線照射前に大量メトトレキサート療法を行った後のテモゾロミド内服投与及び放射線治療の併用療法並びにテモゾロミド内服投与の維持療法 初発の中枢神経系原発悪性リンパ腫(病理学的見地からびまん性大細胞型B細胞リンパ腫であると確認されたものであって、原発部位が大脳、小脳又は脳幹であるものに限る。) 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)に対する照射前大量メトトレキサート療法(HD-MTX療法)+テモゾロミド(TMZ)併用放射線療法+維持TMZ療法が、標準治療である照射前大量メトトレキサート療法(HD-MTX療法)+放射線治療に対して優れていることをランダム化比較試験にて検証する。
29 FDGを用いたポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影による不明熱の診断 不明熱(画像検査、血液検査及び尿検査により診断が困難なものに限る。) "38℃以上の熱が3週間以上繰り返し出現し、3日間の入院検査あるいは3回の外来検査で診断がつかない"という従来の定義から、現在の医療水準を鑑み2週間以上発熱が継続し、新たに設定した胸部腹部CT等の検査項目を施行したにも関わらず診断のつかない不明熱患者を対象にFDG-PET/CTの有用性を検討するために主要評価項もこうをFDG-PET/CT及びガリウムSPECTによる熱源部位検出感度の紗を比較する試験。予定症例数は180例である。不明熱とは、構成士官は極めて多岐にわたるため、いかに速やかに高い精度で正しい診断にたどり着けるかが診療の成否を分ける。一般的な画像診断や血液検査で診断がつかないとき、FDG-PET/CTにより全身の活動性の病変の有無を検索し、病理診断や細菌検査などで確定診断に到達することができる。
30 FDGを用いたポジトロン断層撮影によるアルツハイマー病の診断 アルツハイマー病 ADとFTLDの診断制度向上を目的にこれらの症例を対象に1年間の経過観察後に再評価した最終的な臨床診断結果をゴールドスタンダードとして、FDG-PETの画像所見(中央読影所見および関心領域による定量解析)とCSF中のp-tau181のADとFTLDの鑑別診断における診断能感度の差を主要評価項目として検討を行う。同意取得ができたAD、FTLDの被験者に対し、臨床検査、神経心理検査、MRI検査を行い、登録可能であれば、登録後4週間以内にFDG-PET検査、CSF検査を行い、12ヵ月後に神経心理検査、MRI検査を再評価する。登録時のFDG-PETについて、臨床診断、FDG-PET以外の検査結果、臨床経過を全て盲検化した上で、視察による画像評価、定量的関心領域(ROI)解析を行う。1年間の臨床経過を考慮した最終的な臨床診断を基準診断として、FDG-PET検査の診断能とCSF中のp-tau181の診断能を比較検討して、FDG-PET検査の診断能がすでに保険収載されているCSF中のp-tau181よりも高いことを確認する。
31 全身性エリテマトーデスに対する初回副腎皮質ホルモン治療におけるクロピドグレル硫酸塩、ピタバスタチンカルシウム及びトコフェロール酢酸エステル併用投与の大腿骨頭壊死発症抑制療法 全身性エリテマトーデス(初回の副腎皮質ホルモン治療を行っている者に係るものに限る。) 全身性エリテマトーデス患者を対象に、初回ステロイド治療開始と同時に、抗血小板薬(クロピドグレル硫酸塩)、高脂血症治療剤(ピタバスタチンカルシウム)、ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)の3剤を3ヶ月間併用投与することによる大腿骨頭壊死の発生抑制効果を検討する多施設共同単群介入試験である。主要評価項目は治療開始6ヶ月後のMRIによる両股関節の大腿骨頭壊死症発生の有無である。予定組み込み症例は150例。ヒストリカルコントロールを比較対照とし、統計学的有意差をもって大腿骨頭壊死症発生率が低下した場合、本介入が有効であると判断する。
32 術前のTS-1内服投与、パクリタキセル静脈内及び腹腔内投与並びに術後のパクリタキセル静脈内及び腹腔内投与の併用療法 根治切除が可能な漿膜浸潤を伴う胃がん(洗浄細胞診により、がん細胞の存在が認められないものに限る。) 21日を1コースとし、TS-1は基準量(80mg/m2)を14日間内服し、7日間休薬する。パクリタキセルは第1, 8日目に50mg/m2を経静脈投与、20mg/m2を腹腔内投与する。術前に3コース施行後42日以内(56日間まで許容)に手術を施行する。加えて術術後は21日を1コースとし、パクリタキセルを第1, 8日目に50mg/m2経静脈投与、20mg/m2腹腔内投与を3コース施行する。
33 NKT細胞を用いた免疫療法 肺がん(小細胞肺がんを除き、ステージがIIA期、IIB期又はIIIA期であって、肉眼による観察及び病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。) 原発性肺がんは年間死亡者数が7万人を超えて更に増加傾向であり、その大半を占める進行期症例は化学療法により治療されるものの治癒は困難である。完全切除後肺がんに用いられる補助化学療法としての抗がん剤には、シスプラチン,ビノレルビンなどが用いられ、再発死亡率を減少させることが証明されているが、それは10〜20%程度と不充分である。NKT細胞は特異的リガンドであるαガラクトシルセラミドにより活性化すると強力な抗腫瘍効果を示すと同時に、他の免疫担当細胞を活性化するアジュバント効果を示し、抗腫瘍効果を発揮する。体内NKT細胞の活性化を誘導するために、末梢血から成分採血で単核球を採取して1〜2週間培養を行い、樹状細胞を誘導する。投与前にαガラクトシルセラミドを樹状細胞に提示させ、本人の静脈内へ培養1週目と2週目に点滴投与する。投与されたαガラクトシルセラミド提示細胞が体内NKT細胞を活性化し、抗腫瘍効果を発揮する。進行期または再発非小細胞肺がん患者に対して、本治療法を開発した千葉大学において2001年以降、24例の臨床試験の報告がなされている。本試験の目的は、II-IIIA期非小細胞肺がん完全切除例で、術後補助化学療法後にαガラクトシルセラミドパルス樹状細胞を用いた免疫療法の有無で2群にランダム化する第II相試験を行い、無再発生存期間を主要評価項目として、その有効性、安全性を検討し、新たな治療の選択法を開発することである。予定組み込み症例は片群28例、両群56例である。総試験期間は5年を予定している。
34 ベペルミノゲンペルプラスミドによる血管新生療法 閉塞性動脈硬化症又はビュルガー病(血行再建術及び血管内治療が困難なものであって、フォンタン分類III度又はIV度のものに限る。) 代替治療が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症又はビュルガー病)患者に対するAMG0001の筋肉内投与の有効性及び安全性を検討するために、同患者を対象に以下の方法で治療を行い、主要評価項目を(1) Fontaine分類III度の患者:安静時疼痛(VAS)の改善(投与前値から20 mm以上減少した場合を「改善」と定義)、(2) Fontaine分類IV度(潰瘍)の患者:潰瘍の改善(:投与前値から75%以下に潰瘍が縮小した場合を「改善」と定義する)とする多施設共同前向き非盲検単群試験。予定登録症例数は6例。 AMG0001を日局生理食塩液で希釈し、対象肢の虚血部位に対して1部位あたり0.5 mgずつ8部位(合計4.0 mg)に筋肉内投与する。投与は4週間の間隔をあけて2回行う。治療期8週後において改善傾向が認められない場合には、更に3回目の投与を実施する。有効性及び安全性の評価は、AMG0001の1回目投与12週後に行う。 希釈後のAMG0001の1部位あたりの投与液量は3.0 mLとし、投与対象筋が小さい場合には2.0 mLまで減じてよい。注射部位はエコーガイド下で虚血の状態により被験者ごとに決定する。
35 内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術
 
根治切除が可能な胃がん(ステージI又はIIであって、内視鏡による検査の所見で内視鏡的胃粘膜切除術の対象とならないと判断されたものに限る。) 内視鏡手術支援ロボットの有用性を検討するために,内視鏡的切除の適応外とされた
治癒切除可能胃癌(臨床病期Iまたは11)を対象に内視鏡手術支援ロボット(daVinci
Surgical System)による胃手術を実施。主要評価項目をClavien-'Dindo分類のGrade3以上
の全合併症の有無、主な副次評価項目をClavien-Dindo分類のGrade2以上の全合併症の有無、EQ-5Dによる術後QOL、医療費、無再発生存期間、ロボット支援下胃切除術完遂の有無、開腹移行の有無、術中有害事象発生の有無とする多施設共同非盲検単群試験。 予定組み込み症例は330例。
本器機は実際に操作するサージョンコンソール、患者の腹腔内に挿入するロボットアームが装着されたペイシェントカート、光学器が搭載されているビジョンカートの3装置により構成される。術者はサージョンコンソールにて3-D画像下で、10〜15倍の拡大視効果を得て手術を行う。術者が操作レバーを扱い、ペイシェントカート上のロボットアームおよびエンドリストと称する手術鉗子(7度の自由度を有する関節機能付き)を遠隔操作し、繊細な手術操作を行う。
36 腹膜偽粘液腫に対する完全減量切除術における術中のマイトマイシンC腹腔内投与及び術後のフルオロウラシル腹腔内投与の併用療法
 
腹膜偽粘液腫(画像検査により肝転移及びリンパ節転移が認められないものであって、放射線治療を行っていないものに限る。) 腹膜偽粘液腫の患者を対象に、CRS(右壁側腹膜切除、右半結腸切除、左壁側腹膜切除、骨盤腹膜切除、低位前方切除、子宮・付属品切除、右横隔膜下腹膜切除、肝被膜切除、胆摘、左横隔膜下腹膜切除、大網切除、脾摘、小網切除、胃切除等の組み合わせ)を行う。残存病変の大きさが2.5mm以下となった場合を完全減量切除とする。完全減量切除が達成できた症例に、MMC10mg/m2を2000〜3000mLの41℃〜42℃の温生食に溶解し、高温を維持したまま1時間腹腔内に還流させる(HIPEC)。HIPEC終了後閉腹する。術翌日より、腹腔内に5-FU15mg/kg/NS1000mLを腹腔内に投与し、24時間毎に薬剤の入れ替えを行う。これを4日間連続で繰り返す。本治療法終了後は、5年間経過観察を行い、5年生存割合を主要エンドポイントとする、その他、無再発生存期間、無病生存期間、全生存期間を推定する。安全性はプロトコール治療終了後30日後まで、有害事象の収集を行い、CTCAEv3.0に従ってGrade判定を行う。
37 11C標識メチオニンを用いたポジトロン断層撮影による再発の診断 
 
頭頸部腫瘍(原発性若しくは転移性脳腫瘍(放射線治療を実施した日から起算して半年以上経過した患者に係るものに限る。)又は上咽頭、頭蓋骨その他脳に近接する臓器に発生する腫瘍(放射線治療を実施した日から起算して半年以上経過した患者に係るものに限る。)であり、かつ、再発が疑われるものに限る。) メチオニン合成装置(CT-MET100)を用い製造した炭素11標識メチオニンを用いたPET検査が、先行する医薬品であるフッ素18標識FDGを用いたPETと比較し有用性が高いことを検討するために、原発性および転移性脳腫瘍もしくは隣接臓器の腫瘍に対する放射線治療後半年以上経過した後に生じた放射線治療後の再発が疑われる患者でCT ・ MRIでは十分な診断情報が得られない患者を対象として、両画像の感度を比較する多施設一部盲検単群試験。予定組み込み症例は99例。試験期間:先進医療承認〜平成28年10月31日。 病理診断は第3者による中央読影とし、画像診断は第3者読影期間による部分盲検化を行う。また、病理組織を採取しない内科的治療が選択された患者に対しては早期に外科的・放射線的治療が追加された場合がないかどうかを追跡調査し検討する。 
38 術前のS-1内服投与、シスプラチン静脈内投与及びトラスツズマブ静脈内投与の併用療法
 
切除が可能な高度リンパ節転移を伴う胃がん(HER2が陽性のものに限る。) HER2過剰発現が確認された高度リンパ節転移を有する胃癌に対するトラスツズマブ併用術前化学療法(S-1+CDDP+トラスツズマブ併用療法)が、術前化学療法(S-1+CDDP併用療法)に対してprimary endpointである全生存期間において有意に上回るかどうかを判断する。
39 上肢カッティングガイド及び上肢カスタムメイドプレートを用いた上肢骨変形矯正術
 
骨端線障害若しくは先天奇形に起因する上肢骨(長管骨に限る。以下この号において同じ。)の変形又は上肢骨の変形治癒骨折(一上肢に二以上の骨変形を有する者に係るものを除く。) 外傷による骨折変形癒合や骨端線障害、先天奇形などにより上肢骨が変形すると機能障害(関節可動域障害、不安定性、疼痛など)を生じ、日常生活動作が障害される。機能再建には、解剖学的に正確な矯正が必須であるが、従来の矯正骨切術では矯正が不完全で機能障害が遺残することが高頻度に起こる。これに対して我々は、CTデータを用いて矯正手術をシミュレーションする方法と、シミュレーションを実際の手術で正確に実施するためのカスタムメイド手術ガイドとカスタムメイド骨接合プレートを開発した。カスタムメイド手術ガイドを骨の該当部分に設置してスリットやドリル孔どおりに骨切・ドリリングを行い、カスタムメイド骨接合プレートとネジで骨を固定するだけで、極めて正確な三次元的矯正が可能となる。そこで、上肢骨の変形を有する患者16名を対象に、術後52週における単純X線画像計測値から計算される術後遺残する最大変形角を主要評価項目とする臨床研究を計画した。
40 リツキシマブ点滴注射後におけるミコフェノール酸モフェチル経口投与による寛解維持療法
 
特発性ネフローゼ症候群(当該疾病の症状が発症した時点における年齢が十八歳未満の患者に係るものであって、難治性頻回再発型又はステロイド依存性のものに限る。) 小児期発症難治性頻回再発型/ステロイド依存性ネフローゼ症候群の患者を対象としたミコフェノール酸モフェチル(MMF)の臨床試験である。リツキシマブを点滴注射した後にMMFを内服する場合に、プラセボを内服する場合と比べて、寛解を維持する効果(再発を抑制する効果)が高くなるか、安全に使えるかを評価する。
【この試験で行う治療】
[1]リツキシマブの点滴注射
リツキシマブ375mg/m2/回(最大量500mg/回)を1日1回、約4時間かけて点滴注射する。これを1週間間隔で4回繰り返す。1回目の点滴注射は入院して行う。点滴注射は、遅い速度からはじめて、状態を観察しながら、少しずつ点滴速度を速くする。1回目の点滴注射時に副作用(薬による好ましくない作用)がみられなかった場合(もしくは軽度の場合)、2回目以降は外来で行うことができる。
[2]ミコフェノール酸モフェチルもしくはプラセボミコフェノール酸モフェチルもしくはプラセボは、リツキシマブの点滴注射後の決められた時期に開始する。毎日、1,000〜1,200 mg/m2/日(最大量2g/日)1日2回(食後)17ヵ月間服用する。病気の状態や副作用の出かたにより内服する量を調整することがある。
41 内視鏡下手術用ロボットを用いた内視鏡下咽喉頭切除術
 
中咽頭がん、下咽頭がん又は喉頭がん(TNM分類がTis、T1又はT2、NO及びMOである患者に係るものに限る。) Tis/1/2 N0 M0の中咽頭癌、下咽頭癌、喉頭癌の患者を対象に、Da Vinciサージカルシステムを用いた多施設共同で経口的ロボット支援手術(単群試験)を行い、短期間の有効性と安全性を評価する。主要エンドポイントは手術病理標本の断端陽性、副次エンドポイントは手術完遂割合、患者QOL、有害事象、不具合である。予定症例数は20例である。
42 ステロイドパルス療法及びリツキシマブ静脈内投与の併用療法
 
特発性ネフローゼ症候群(当該疾病の症状が発症した時点における年齢が十八歳未満の患者に係るものであって、難治性ステロイド抵抗性のものに限る。) 小児期発症難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群患者を対象としたリツキシマブの臨床試験である。ステロイドパルス療法[最大5クール、1クール:コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム30mg/kg/日(最大投与量1000mg/日)静注投与3日間]を併用して、リツキシマブを4回投与した場合に、寛解導入効果があるか安全に投与できるかを1年間評価する。この試験では効果と安全性を確認するために、決められた時期に来院して診察や検査を受ける。
43 カペシタビン内服投与、シスプラチン静脈内投与及びドセタキセル腹腔内投与の併用療法 腹膜播種を伴う初発の胃がん 本試験は、腹膜播種陽性の初発胃癌症例を対象として、カペシタビン/シスプラチン+ドセタキセル腹腔内投与併用療法の有効性と安全性を評価することを目的とする。21日を1コースとして、カペシタビン2,000mg/m2を14日間内服、7日間休薬し、シスプラチン80mg/m2を第1日目に点滴静注、ドセタキセル10mg/m2を第1,8日目に腹腔内投与する。
本療法は腫瘍進行が確認されるか、有害事象により継続困難となるか、奏効が確認され手術を決定するまで反復する。主要評価項目は1年全生存割合、副次的評価項目は奏効率、腹腔洗浄細胞診陰性化率および安全性とする。本試験には、先進医療制度下に腹腔内化学療法の臨床試験を実施中の腹腔内化学療法研究会の34施設が参加し、登録症例数は50例を予定する。
44 周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法
 
非小細胞肺がん(CT撮影により非浸潤がんと診断されたものを除く。) 現在、本邦では、肺癌は悪性腫瘍による死因の第一位である。非小細胞肺癌完全切除例に対する手術療法はすでに確立された治療法であるが、根治術を施行できても約半数に再発を認めているのが現状である。周術期に転移再発抑制を講じる治療法は未だ確立されていない。一方、これまでの臨床研究から、ヒト心房性ナトリウム利尿ぺプチド(hANP)の周術期投与は非小細胞肺癌の術後再発を抑制する有望な治療法である可能性が示唆されている。そこで、肺癌手術の術後再発抑制としてのhANPの有用性をランダム化比較試験で評価することを目的に、術後2年無再発生存期間を主要評価項目とした臨床試験を計画した。
45 コラーゲン半月板補填材を用いた半月板修復療法
 
半月板損傷(関節鏡検査により半月板の欠損を有すると診断された患者に係るものに限る。) 現在、半月板損傷に対する有効な薬剤はなく、外科的な修復術にも限界がある。修復不能な損傷に対し切除術が行われ、一時的な疼痛緩和が得られるが、中長期的には関節に力学的負荷を増大し変形性関節症を発症する。以上のことから、新たな半月板補填材の開発が必要であると考えられる。本技術では生体適合性の高いコラーゲンを用いて、半月板と同等の強度を有するコラーゲン半月板補填材を作成し、これを補填材として用いて修復する。
対象疾患:欠損を伴う半月板損傷
手技:コラーゲン半月板補填材を用いた半月板修復術
1) 本登録前に関節鏡視下で、半月板の損傷形態を確認する。
2) 本登録されたのを確認した後、試験物を半月板の欠損に合う形に形成する。
3) 試験物を半月板欠損部に補填後、半月板を縫合する。
4) 試験物の補填後、術翌日から24週間、リハビリテーションを実施する。
46 LDLアフェレシス療法
 
閉塞性動脈硬化症(薬物療法に抵抗性を有するものであり、かつ、血行再建術及び血管内治療が困難なものであって、フォンタン分類IIB度以上のものに限る。) 現在までの研究成果により、デキストラン硫酸カラム吸着法によるLDLアフェレシス療法が、慢性腎不全に合併した従来治療抵抗性の高コレステロール血症を伴わない閉塞性動脈硬化症に対し、酸化ストレスの抑制、血管内皮特異的NO合成酵素の活性化を伴う血管内皮細胞の機能改善を介し持続的に臨床症状を改善させることが明らかになっている。そこで、本療法では、20歳以上80歳未満の閉塞性動脈硬化症患者のうち、Fontaine分類IIB度以上の症状を有し、血中総コレステロール値220 mg/dL以下、かつLDLコレステロール値 140 mg/dL以下の正コレステロール血症の者であって、膝窩動脈以下の閉塞又は広範な閉塞部位を有する等、血管内治療や血管外科的治療による血行再建が困難で、かつ従来の薬物療法では十分な効果を得られない従来治療抵抗性の閉塞性動脈硬化症患者に限定して、デキストラン硫酸カラム吸着法によるLDLアフェレシス療法を行う。本療法の治療手技は、本療法一回における血漿処理量は3〜4リットルとし、血液流量50〜100ml/minのうち約30%を血漿流量とするため、一回の治療時間は約2-3時間である。副作用も重篤なものはなく低血圧などであり低侵襲である。原則週1日もしくは2日の頻度で本療法を施行し、1回目開始から3ヶ月以内に1クール10回のスケジュールで施行するものとする。この1クール10回のLDLアフェレシス療法の施行が完了した時点で、プロトコル治療の完了とする。原則初回施行時のみ、入院治療とする。有効性については、(1) 足関節上腕血圧比(ABI)の変化、(2 )VascuQOL (閉塞性動脈硬化症の疾患特異的なQOL評価)の変化、にて検討する。(1)、(2)ともに、(LDLアフェレシス療法10回目終了後1週以内の測定値) - (LDLアフェレシス療法1回目施行前2ヶ月以内の測定値)。なお、プロトコル治療期間(10回1クール)終了3ヶ月後の測定値の変化は副次的評価項目として評価する。
47 自己心膜及び弁形成リングを用いた僧帽弁置換術
 
僧帽弁閉鎖不全症(感染性心内膜炎により僧帽弁両尖が破壊されているもの又は僧帽弁形成術を実施した日から起算して六ヶ月以上経過した患者(再手術の適応が認められる患者に限る。)に係るものに限る。) 外科的手術が必要な僧帽弁閉鎖不全症症例を対象に自己心膜を用いたステントレス僧帽弁置換術の有用性を検討するために主要評価項目を手術2週間後、12ヶ月後における経胸壁心エコー法評価による僧帽弁逆流(MR)の有無、副次評価項目を術後12ヶ月以内におけるイベント及び有害事象の発生の有無、とした多施設共同非盲検単群試験。予定組み込み症例は25例。本手術の概要:胸骨正中切開後、自己心膜を採取。手術室内クリーンベンチにて自己心膜弁(Normo弁)を作成。心停止下、僧帽弁を露出、弁切除。まず前後2対の脚部をマットレス縫合で乳頭筋に縫着。次に連続縫合で前尖側弁リング部分を弁輪に縫着。最後に残りのリング部(後尖側)を連続縫合。大動脈遮断解除。心拍再開。十分な血圧を確認後、人工心肺離脱、経食道エコーで弁の閉鎖状態を確認する。
48 骨髄由来間葉系細胞による顎骨再生療法
 
腫瘍、顎骨骨髄炎、外傷等の疾患による広範囲の顎骨又は歯槽骨欠損(上顎にあっては連続した三分の一顎程度以上の顎骨欠損又は上顎洞若しくは鼻腔への交通が認められる顎骨欠損に限り、下顎にあっては連続した三分の一顎程度以上の歯槽骨欠損又は下顎区域切除以上の顎骨欠損に限り、歯槽骨欠損にあっては歯周疾患及び加齢による骨吸収を除く。) 顎顔面外傷、顎骨腫瘍摘出術、嚢胞摘出術等による顎骨欠損を有する患者を対象とし、MSCsを培養・分化誘導した骨髄由来間葉系細胞による骨造成を行い、その有効性及び安全性を検討する。以下の手順で臨床試験を実施する。
1. 骨髄由来間葉系細胞の調製(間葉系細胞群のみ)
2. 多血小板血漿(PRP)の調製
3. 試験製剤(対照群:PRP+ヒトトロンビン+塩化カルシウム+β-TCP、間葉系細胞群:骨髄由来間葉系細胞+PRP+ヒトトロンビン+塩化カルシウム+β-TCP)の作製
4. 試験製剤を骨欠損又は骨移植部位に移植
5. 移植後以下の評価項目を評価する。
1)主要評価項目:十分な骨再生が得られた部位の割合
2)副次評価項目:
[1] パノラマX線画像及びCT画像による再生骨の高さ
[2] パノラマX線画像及びCT画像による再生骨量率
[3] CT画像によるCT値の評価
[4] インプラントが埋入出来た割合
[5] 移植からインプラントの埋入が実施されるまでの期間
[6] インプラント生存率及び生存期間
[7] 動揺度
[8] 咬合力
[9] 組織学的評価
3)安全性評価項目
[1] 有害事象
[2] 口腔内感染
[3] 臨床検査値
[4] パノラマX線画像及びCT画像による評価(骨形成の異常(腫瘍化等))
49 テモゾロミド用量強化療法
 
膠芽腫(初発時の初期治療後に再発又は増悪したものに限る。) 初回再発および増悪膠芽腫に対して、用量強化テモゾロミド療法とその再発後のベバシズマブ療法の優越性を標準治療であるベバシズマブ療法とのランダム化比較試験にて検証する。
■ A群(ベバシズマブ療法群)
14日(−1日〜+3日以内)を1コースとしてベバシズマブ10 mg/kgをday 1に静脈内点滴
注射、中止規準に該当するまで継続する。
■ B群(用量強化テモゾロミド、再発後ベバシズマブ療法群)
1) 一次治療
Day1〜7テモゾロミド120 mg/m2/day、1日1回内服投与
14日(−1日〜+3日以内)を1コースとして最大48コース繰り返す。
*3コース目に増量規準を満たした場合150 mg/m2/dayに増量する。
2) 二次治療
・一次治療完了後、または原病の増悪以外による一次治療中止後で、増悪を認めない場合は増悪を認めるまで無治療経過観察とする。
・一次治療完了後、または原病の増悪以外による一次治療中止後、MRI画像上で再発・増悪が認められた場合、二次治療としてベバシズマブ療法を行う。
・ベバシズマブの投与方法は、A群での治療法と同じ投与方法とする。
・ただし、再発・増悪後の治療のため、コース開始規準はA群とは異なる。
14日(−1日〜+3日以内)を1コースとしてベバシズマブ 10 mg/kgをday 1に静注する。
50 ハイパードライヒト乾燥羊膜を用いた外科的再建術
 
再発翼状片(増殖組織が角膜輪部を超えるものに限る。)  翼状片は結膜の下のTenon 嚢の線維芽細胞が異常増殖し、角膜に侵入したために起こる疾患であり、重篤になると不正乱視、矯正視力低下を引き起こす。高齢者、紫外線暴露の多い労働従事者に多く発症するが、原因は明確でなく、予防し難い疾患である。悪性ではなく進行も遅いが、若年において発症した場合には、再発する可能性がきわめて高く、再発例では外見だけでなく眼運動の制限をともなうなど患者のQOLを著しく低下させる可能性が高い。
 本法では、従来利用されていた自己結膜や凍結保存羊膜に代わり、切除した再発翼状片の部位にHD羊膜を添付し、Tenon嚢からの再度の結合組織伸展を抑制する。すなわち、再発翼状片基部の結膜、Tenon嚢を剥離し、強膜を露出した後、翼状片を切除する。切除部を0.04%マイトマイシンで処理後、翼状片切除後に露出した強膜上に切除面に相応の形状に成形したHD羊膜を添付する。この際に強膜面を羊膜間質面、結膜面を羊膜上皮面と接着するように装着する。HD羊膜は剥離結膜上皮内に収まるように装着する。
 なお、翼状片切除部位の形状に合わせたHD羊膜を添付する点、HD羊膜の上皮面、間質面を考慮して添付することで結合組織の再伸展を抑制する処置を施行可能である。
51 多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍の治療
 
褥瘡又は難治性皮膚潰瘍(美容等に係るものを除く。)  従来型保存治療において治療抵抗性かつ手術不能(または拒絶)な褥瘡を含む難治性皮膚潰瘍を対象疾患とし、2年間で23例の患者に対して本治療を行う。患者本人から1回に最大で10%輸血用クエン酸ナトリウム含有末梢血液20〜40mLを採血し、血液成分分離容器に注入後、遠心型血液成分採取装置で約15分間遠心分離して自己多血小板血漿を分取する。分取した多血小板血漿を患部(潰瘍部位)の大きさに応じた用量を塗布する。PRP治療開始後、7日おきに写真撮影を行い、4回の治療終了後、創傷部の面積測定、写真撮影を行う。完全上皮化に至っていない場合、更に4回治療を行う。
52 mFOLFOX6及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法
 
胃がん(腺がん及び腹膜播種であると確認されたものであって、抗悪性腫瘍剤の経口投与では治療が困難なものに限る。)  経口摂取困難な腹膜播種陽性胃癌症例を対象として、mFOLFOX6+パクリタキセル腹腔内投与併用療法を施行し、有効性と安全性を評価する。28 日間を1 コースとして、第1 日と第15 日にレボホリナートおよびオキサリプラチンを点滴静注した後、フルオロウラシルを急速静注し、その後、5-FU を持続静注する(mFOLFOX6 療法)。mFOLFOX6 療法と併用して、第1, 8, 15 日にPTX を腹腔内投与する。
 主要評価項目は1 年全生存割合、副次的評価項目は無増悪生存期間、治療成功期間、奏効割合、腹水細胞診陰性化割合、有害事象発現状況とする。本試験には、先進医療制度下に腹腔内化学療法の臨床試験を実施中の腹腔内化学療法研究会の15 施設が参加し、登録症例数は34 例を予定する。
53 131I-MIBGを用いた内照射療法
 
難治性褐色細胞腫(パラガングリオーマを含む。) 褐色細胞腫のうち、(1)初発時に原発巣の高度な局所進展を有するもの、(2)初発時に遠隔転移を有するもの、(3)外科的切除後に局所再発を来したもの、(4)外科的切除後に遠隔転移を生じたもののいずれかで、かつ外科的切除や根治的放射線外照射が不可能なものは難治性の褐色細胞腫と考えられる。本先進医療は、I-123 標識3-ヨードベンジルグアニジン(I-123 3-iodo- benzylguanidine: 123I-MIBG)集積陽性のこれら難治性褐色細胞腫(パラガングリオーマを含む)患者を対象として放射線内照射療法用薬剤であるI-131 標識3-ヨードベンジルグアニジン(131I-MIBG)を投与し、その安全性及び有効性を評価する。
54 FOLFIRINOX療法
 
胆道がん(切除が不能と判断されたもの又は術後に再発したものに限る。) 本試験は、切除不能または術後再発胆道癌症例を対象として、FOLFIRINOX 療法の有効性と安全性を評価することを目的とする。14 日を1 コースとして、投与する。本療法は腫瘍進行が確認されるか、有害事象により継続困難となるか、奏効が確認され手術を決定するまで反復する。 主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は奏効率、全生存期間および安全性とする。本試験には5 施設(予定)が参加し、登録症例数は35 例を予定する。
55 内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下広汎子宮全摘術
 
子宮頸がん(FIGOによる臨床進行期分類がIB期以上及びIIB期以下の扁平上皮がん又はFIGOによる臨床進行期分類がIA2期以上及びIIB期以下の腺がんであって、リンパ節転移及び腹腔内臓器に転移していないものに限る。) 手術的には他の開腹手術に比べて出血量が多く、また侵襲性の高い子宮頸癌(但し、FIGOによる臨床進行期IB以上、IIB以下の扁平上皮癌、あるいは臨床進行期IA2以上、IIB以下の腺癌に限る、転移は認めない)の症例を対象に、ロボット支援広汎子宮全摘出術を施行し、従来の開腹術との間で有効性、安全性を比較する。(内視鏡下の子宮広範全摘術は2015年から先進医療Aにて試験開始となったところである)。全身麻酔・二酸化炭素気腹下に腹腔鏡を用いて広汎子宮全摘出術を行う。portの位置、本数、種類、小開腹創の位置は規定せず、「腹腔内の検索」はすべて内視鏡下で行い、「リンパ節郭清および主幹動脈の処理」、「併施手術」は原則すべてロボット支援下にて行う。
術中腫瘍の進展により他臓器合併切除が必要となった場合は、ロボット支援下続行か開腹手術に移行するかは手術担当責任医の判断に委ねられ、合併切除を行った場合は切除臓器をCRFに記載する。プロトコル治療完了後は新病変が確認されるまでは後治療を行わない。ただし、術後再発リスク因子を有する症例に関しては、術後再発リスク評価(子宮頸癌の術後再発リスク分類:子宮頸癌治療ガイドライン2011年度版:日本婦人科腫瘍学会)にしたがって後治療を考慮する。また切除断端陽性が確認された場合又は子宮癌以外の疾患であった場合の後治療は規定しない。 予定症例数は100例、予定試験期間は6.5年(登録期間:1.5年,追跡期間:5年)である。
56 11C標識メチオニンを用いたポジトロン断層撮影による診断
 
初発の神経膠腫が疑われるもの(生検又は手術が予定されている患者に係るものに限る。) 本研究では、炭素11 標識メチオニンによるPET 診断が、造影MRI への上乗せ検査として高い臨床的有用性を示すことを検証する。また、併せて有害事象、血液および生化学的変化を判断指標とし総合的に安全性を評価する。造影MRI で造影されずMet-PET 検査陽性の部位が存在した場合は同部位からNavigation system 等を用い正確な生検部位を記録した上で生検を行う。病理診断は第3 者による中央判定とし、腫瘍細胞「陽性」・「陰性」の判断を行う。生検部位に関しては第3 者読影委員会により造影MRI 陰性かつMet-PET検査陽性であるかを「適正」「不適正」の判断を行う。病理中央判定委員会、第3 者読影委員会の結果を基に造影MRI 陰性かつMet-PET 検査陽性部位におけるPPV を算出し有用性を検証する。
57 自家嗅粘膜移植による脊髄再生治療
 
胸髄損傷(損傷後十二月以上経過してもなお下肢が完全な運動麻痺(米国脊髄損傷教会によるAISがAである患者に係るものに限る。)を呈するものに限る。) 自家嗅粘膜移植では、全身麻酔下に患者自身の鼻腔内に存在する嗅粘膜組織を内視鏡下に摘出する。そして摘出した嗅粘膜を手術室内で洗浄、細切後、脊髄損傷部位に存在する瘢痕組織を摘出して作製した移植床に直ちに移植する。嗅粘膜移植技術には、[1] 損傷高位の脊椎を安全に切削し損傷脊髄を露出する、[2] 損傷脊髄を顕微鏡下に正確に見極め瘢痕組織を切除する、[3] 採取した嗅粘膜を母床に適切に移植する技術が必要である。移植後は少なくとも1年間は週35 時間程度のリハビリテーションを遂行し、軸索再生と新たに獲得された神経回路の維持の為訓練を行っていく。
58 陽子線治療
 
肝細胞がん(初発のものであって、肝切除術、肝移植術、エタノールの局所注入、マイクロ波凝固法又はラジオ波焼灼療法による治療が困難であり、かつChild―Pugh分類による点数が七点未満のものに限る。)  本治療法は、加速された粒子線の一種である陽子線を患者の腫瘍性病変に照射して治療する。投与線量は、1回6.6GyE、1日1回、計10回、週5回、総線量66GyEとする。許容総治療期間は28日間とする。線量指示についてはClinical target volume(CTV)に対するD99指示とする(CTV の99%volumeをカバーする線量、98.5〜99.4%までを許容)。門脈一次分枝、門脈本幹の少なくとも1つと主病変との距離が20mm未満の場合は、1日1回照射、計22回、週5回、総線量72.6GyE(RBE=1.1)。許容総治療期間は46日間とする。主要評価項目は全生存期間(3年全生存割合)である。
 肝切除および局所療法の適応とならない肝細胞癌のうち、初発・単発・前治療無で、Child-Pugh Aの肝機能を有している場合に、本邦において保険診療上選択可能な治療はTACE、ソラフェニブ、X線による放射線治療であるが、本邦のコンセンサスに基づく肝細胞癌治療アルゴリズム2010(日本肝臓学会編)の推奨治療はTACE 単独治療となっており、最近はさらに超選択的TACEが主流になっている。同病態は2000-2005年に1485例が超選択的TACE単独治療(TACE後2年間他治療なし)がなされ、その累積生存率は3年で73%、5年で52%と報告されている。これに対し、同病態の1989-2009年の133症例に対する陽子線治療の生存率は3年82.6%、5年63.2%である。いずれもretrospective研究であるが、これらより陽子線治療の優位性が期待できる。
 また、TACE後の有害反応として高率に疼痛、発熱、倦怠感、食欲低下、嘔気・嘔吐、肝機能低下などの塞栓後症候群と呼ばれる症状をきたすことが知られ、対症療法で軽快するが7-10日程度持続し、QOL低下や入院期間延長の原因となる。一方陽子線治療ではGrade3以上の急性期有害反応は報告されておらず、TACEの在院日数は本邦では7-10日程度が一般的だが陽子線治療は必ずしも入院を必要とせず、外来治療も可能である。
59 重粒子線治療
 
肝細胞がん(初発のものであって、肝切除術、肝移植術、エタノールの局所注入、マイクロ波凝固法又はラジオ波焼灼療法による治療が困難であり、かつChild―Pugh分類による点数が七点未満のものに限る。)  本試験では、切除不能かつ穿刺局所療法不適の肝細胞癌のうち、初発、単発、腫瘍径12cm 以下、門脈および胆管一次分枝もしくは下大静脈への浸潤がない、肝機能がChild Aの患者を対象とする。重粒子線治療は、重粒子線照射装置を用いて1日1回行う。 1回15.0Gy(RBE)、合計4 回、総線量60.0Gy(RBE)(週4回法)。ただし、門脈一次分枝、門脈本幹、消化管の少なくとも1つと主病変との距離が10mm以下の場合は、1回5.0Gy(RBE)、合計12回、総線量60.0Gy(RBE)(週4 回法)の線量分割を用いることも許容する。本研究では、多施設共同臨床試験で重粒子線治療の有効性および安全性の評価を目指す。主要評価項目は3年全生存割合、副次的評価項目は、3年無増悪生存割合、3年局所無増悪生存割合、有害事象発生割合、放射線肝障害(Radiation induced liverdisease;RILD)の発生割合である。有害事象の評価基準には、「有害事象共通用語規準ver4.03日本語訳JCOG/JSCO版」を用いる。探索的解析として、EQ-5D-5L(EuroQol 5Dimension five-level)を用いた費用対効果評価、QOL評価を行う。予定症例数は130例である。
60 アキシチニブ単剤投与療法 
 
胆道がん(切除が不能と判断されたもの又は術後に再発したものであって、ゲムシタビンによる治療に対して抵抗性を有するものに限る。)  ゲムシタビンベースの化学療法が耐性となった切除不能または再発胆道癌患者(肝内 胆管癌、肝外胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌)を対象として、分子標的治療薬アキシチニブ の有効性と安全性を検討する。主要評価項目は無増悪生存期間、副次評価項目は奏効割合、全生存期間、有害事象発生割合、重篤な有害事象発生割合、血管新生に係わるバイオマーカーの発現とする。
61 重粒子線治療 
 
非小細胞肺がん(ステージがT期であって、肺の末梢に位置するものであり、かつ肺切除術が困難なものに限る。)  医用重粒子加速器および照射装置を用い、1日1回15.0GyE、計4回、総線量60.0GyEの重粒子線治療を行う。照射法は1日2門以上、総照射門数4門以上の呼吸同期照射、治療期間は15日以内とする。 有効性の評価は、主要評価指標として3年全生存割合を用いる。副次的評価指標として全生存期間中央値、全生存割合(2年)、疾患特異的生存割合(2年および3年)、無増悪生存割合(2年および3年)、局所無増悪生存割合(2年および3年)、増悪形式を用いる。 また、安全性の評価は、副次的評価指標として有害事象発生割合を用いる。また、探索的評価として、医療経済評価(費用調査、QOL調査、費用効果分析)も行う。有害事象の評価には、「National Cancer Institute-Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE version 4.0)」を用いる。 本研究では、多施設共同で肺野末梢型I期非小細胞肺癌患者に対する重粒子線治療の有効性および安全性の評価を目指すものである。
62 切除支援のための気管支鏡下肺マーキング法
 
微小肺病変(肺悪性腫瘍が疑われ、又は診 断のついた定型的な肺葉間以外の切離線の設定が必要なものであり、かつ、術中に同定することが困難と予測され、切除マージンの確保に注意を要するものに限る。)  本試験は、術中同定困難が予想され、切除マージンの確保に注意を要する微小肺病変を対象とする。一定の基準を満たした患者に対して手術前々日〜当日の間に、気管支鏡下に青色色素・インジゴカルミンによるマーキングを肺の複数個所に施し手術に臨む。主要評価項目は、微小肺病変切除成功率(2cm以上または腫瘍最大径以上の切除マージンを確保した切除)と定義する。副次評価項目として、マーキングの有効性、マーキング支援下で行う手術の有効性、および安全性を評価する。マーキング手技では、CTに基づきバーチャル気管支鏡を用いてマーキングに利用する気管支を事前に同定しマーキング計画を立てる。手術前々日〜当日の間に、局所麻酔、軽度鎮静下に気管支鏡を施行、所定の気管支の枝に気管支鏡を誘導しカテーテルを使っ て色素噴霧を行う。続いてCTを撮影し実際のマーキングと病変の位置関係を確認し手術に備える。手術は原則、胸腔鏡下に行い、術式は縮小手術(部分切除または区域切除)とするが、登録後に手術方針が変わった場合や予想外の術中所見が見られた場合などは、患者に最も適切と考えられる手術・治療を施す。

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