先進医療の各技術の概要について
○ 平成24年1月1日現在
| 第2項先進医療 (95種類) | |||
| 番号 | 先進医療技術名 | 適応症 | 技術の概要 |
| 1 | 高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術 | 子宮腺筋症 | 子宮腺筋症は、これまで子宮全摘術によって治療されてきた。腺筋症組織は、子宮筋層の中に複雑に入り込んでいることから、従来、腺筋症組織のみを正常の子宮筋層と分離して切除することは困難であったが、本技術は開腹後、新たに開発されたリング型の高周波切除器を用いることにより腺筋症組織のみを切除(核出)するものである。 |
| 2 | 膝靱帯再建手術における画像支援ナビゲーション | 前十字靱帯損傷又は後十字靱帯損傷 | 手術中に専用イメージ装置により膝関節の画像を入力し、術者はリアルタイムに適切な位置に靱帯を設置することが可能となり、手術成績が向上する。 |
| 3 | 凍結保存同種組織を用いた外科治療 | 心臓弁又は血管を移植する手術(組織の凍結保存を同一施設内で行うものに限る。)を行うもの | 凍結保存同種組織は、1) 感染抵抗性があり、2) 組織適合性に優れ、3) 抗凝固療法が不要で、4) 小児に使用可能なサイズのものが得られるなどの利点があり、これを使用することにより、従来の治療方法では危惧される感染等の問題を回避することが可能となる。 |
| 4 | インプラント義歯 | 次のいずれかに該当するもの (1) 腫瘍、顎骨骨髄炎、外傷等の疾患による広範囲の顎骨欠損若しくは歯槽骨欠損(上顎 にあっては、連続した三分の一顎程度以上の顎骨欠損又は上顎洞若しくは鼻腔への交通が認められる顎骨欠損に、下顎にあっては、連続した三分の一顎程度以上の歯槽骨欠損(歯周疾患又は加齢による歯槽骨吸収によるものを除く。)又は下顎区域切除以上の顎骨欠損に限る。)又はこれらの欠損が骨移植等により再建されたもののうち、従来のブリッジや可撤性義歯(顎堤形成後の可撤性義歯を含む。)では咀嚼機能の回復が困難なもの (2) Cawood&Howellの顎堤吸収分類のV級又はVI級に相当する顎骨の過度の吸収が全顎にわたって認められる無歯顎であって、従来の全部床義歯(顎堤形成後の全部床義歯を含む。)では咀嚼機能の回復が困難なもの |
歯が欠損した部の顎骨に人工歯根を埋入し、その歯根を土台として歯冠部を支持する義歯治療法。 |
| 5 | 顎顔面補綴 | 腫瘍手術、外傷、炎症その他の原因により顔面領域に生じた広範囲の実質欠損 | 実質欠損部を、医療用高分子材料による人工物で補填、修復し、口腔顎顔面の諸機能回復および自然観のある形態回復を図る治療法。 |
| 6 | 人工括約筋を用いた尿失禁手術 | 尿失禁 | 人工括約筋を体内に植え込むことによって尿失禁の治療を行う。 |
| 7 | 光学印象採得による陶材歯冠修復法 | 歯冠部う蝕 | コンピューター技術を応用し、齲蝕治療用の陶材インレー(歯冠修復物の一種、いわゆる詰め物)を削り出す治療法。煩雑な技工操作を必要としないので、治療完了までの時間を著しく短縮できる。 |
| 8 | 経皮的レーザー椎間板減圧術 | 椎間板ヘルニア | 椎間板髄核をレーザー照射することにより、熱変性または蒸散させ、ヘルニア組織の神経根に対する圧迫を軽減する。 |
| 9 | 造血器腫瘍細胞における薬剤耐性遺伝子産物P糖蛋白の測定 | 白血病、悪性リンパ腫又は多発性骨髄腫 | 血液や骨髄液中の腫瘍細胞の中にある種の薬剤に抵抗性を起こすP糖蛋白が存在するかどうかを調べ、それによって、適切な抗がん剤を選択する。 |
| 10 | 悪性高熱症診断法(スキンドファイバー法) | 悪性高熱症が強く疑われるもの(手術が予定されている場合に限る。) | 生検筋を用い、スキンドファイバーを作成し、筋小胞体からのカルシウム遊離速度を測定することにより、悪性高熱症を診断する。 |
| 11 | CTガイド下気管支鏡検査 | 肺腫瘍 | 気管支鏡下でX線透視とCT(コンピューター断層撮影)の組み合わせにより、隠れた位置にある病変や微少な肺腫瘍の診断用検体を採取し、診断する。 |
| 12 | 先天性血液凝固異常症の遺伝子診断 | アンチトロンビン欠乏症、第VII因子欠乏症、先天性アンチトロンビンIII欠乏症、先天性ヘパリンコファクターII欠乏症又は先天性プラスミノゲン欠乏症 | 先天性血液凝固異常症を遺伝子診断し、適切な治療方針の決定に役立てる。 |
| 13 | 筋強直性ジストロフィーの遺伝子診断 | 筋強直性ジストロフィー | 最新の高度な遺伝子解析技術を用いて正確な診断を行う。 |
| 14 | 抗悪性腫瘍剤感受性検査(SDI法) | 消化器がん、頭頸部がん、乳がん、肺がん、がん性胸・腹膜炎、子宮頸がん、子宮体がん又は卵巣がん | 進行がん患者から手術等によって摘出した腫瘍組織、またはがん性胸水・腹水を酵素処理して単離浮遊細胞を作製する。この腫瘍細胞を各種抗悪性腫瘍剤とともに2〜4日間混合培養する。培養終了時の生残腫瘍細胞の活性をミトコンドリアのsuccinate dehydrogenase (SD)活性を測定することにより抗悪性腫瘍剤に対する感受性を判定する。すなわち腫瘍細胞とSDの基質であるテトラゾリウム塩(MTT)とを反応させ、析出するフォルマザン結晶をDMSOで溶解し、紫色の発色をマイクロプレートリーダーにより吸光度を測定する。このようにして抗悪性腫瘍剤曝露後の生細胞活性を測定することで、薬剤の殺細胞効果を判定することが可能である。この判定方法をsuccinate dehydrogenase inhibition test (SDI法又はMTTアッセイ)による抗悪性腫瘍剤感受性試験という。 |
| 15 | 三次元形状解析による体表の形態的診断 | 頭蓋、顔面又は頸部の変形性疾患 | レーザー光を利用した三次元曲面形状計測を行い、顔面などの変形性疾患に対し、より精密な治療計画を立てる。 |
| 16 | 抗悪性腫瘍剤感受性検査(HDRA法又はCD―DST法) | 消化器がん(根治度Cの胃がんを除く。)、頭頸部がん、乳がん、肺がん、がん性胸・腹膜炎、子宮頸がん、子宮体がん又は卵巣がん | 進行がん患者から手術等によって摘出した腫瘍組織を、コラーゲンゲルマトリックス上で各種抗悪性腫瘍剤とともに培養する。培養終了時にコラゲナーゼ処理し、MTTアッセイにより抗悪性腫瘍剤に対する感受性を判定する。この方法をHistoculture Drug Response Assey (HDRA法)と称する。 また、腫瘍組織を酵素処理して単離浮遊細胞を得、これを細胞培養基質であるコラーゲンゲルをコートした培養器に入れ一晩培養する。この工程により、試験に不必要な血球細胞や死細胞が除かれ、生きた腫瘍細胞のみを回収することができる。この回収された腫瘍細胞とコラーゲン溶液とを混ぜ、培養器に30μlずつ滴下しゲル化させることによりコラーゲン・ゲル・ドロップに培養液を重層、抗悪性腫瘍剤を添加し、腫瘍細胞に抗悪性腫瘍剤を曝露させる。本試験はgrowth assayであることから、抗悪性腫瘍剤曝露後増殖培養として無血清培養を7日間行う。この無血清培養で、混入する線維芽細胞の過度の増殖を抑え、がん細胞の良好な増殖を再現できる。増殖培養終了後、ニュートラルレッド染色によりコラーゲン・ゲル・ドロップ内に残存する腫瘍生細胞を染色し、そのコラーゲン・ゲル・ドロップ内の映像をビデオマイクロスコープにより撮影入力し、画像解析装置により、コラーゲン・ゲル・ドロップ内に混入した繊維芽細胞を画像上消去し、残存したがん細胞のみの細胞数を測定する。抗悪性腫瘍剤添加群と非添加群の相対増殖比をみることで各抗悪性腫瘍剤の抗腫瘍効果が評価できる(CD―DST法)。また、がん性胸膜炎、腹膜炎より得られるがん性胸水、腹水に対しても評価が可能で、酵素処理を省いて同様の工程で抗悪性腫瘍剤感受性を評価することができる。この方法を本方法の特徴の一つとして抗悪性腫瘍剤接触濃度が臨床血中薬剤濃度を再現した生理的濃度で評価できることが挙げられ、in vitroにおいて多剤併用や弗化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤の異なる投与法の抗腫瘍効果も評価することができる。 本技術においては、個々の患者の癌の薬剤感受性をin vitro試験で検査し、最も適切な治療薬を選択することができる。 |
| 17 | 陽子線治療 | 限局性固形がん | 放射線の一種である粒子線(陽子線)を病巣に照射することにより悪性腫瘍を治療する。 |
| 18 | 成長障害の遺伝子診断 | 特発性低身長症 | 特発性低身長症の患者(成長ホルモンは正常値である低身長の患者)の血液を用いて成長ホルモンの遺伝子を解析し、成長ホルモンとその受容体の異常を診断する。 |
| 19 | 経頸静脈肝内門脈大循環短絡術 | 内視鏡的治療若しくは薬物治療に抵抗性を有する食道静脈瘤若しくは胃静脈瘤、門脈圧亢進症性胃腸症、難治性腹水又は難治性肝性胸水 | 経皮的にカテーテルを挿入し、肝実質を貫き下大静脈と門脈をステントを用いてバイパスする治療法。 |
| 20 | 骨髄細胞移植による血管新生療法 | 閉塞性動脈硬化症又はバージャー病(従来の治療法に抵抗性を有するものであって、フォンタン分類III度又はIV度のものに限る。) | 虚血に陥った患肢に、自己の骨髄細胞を移植することで血管新生を促す新しい治療法。 |
| 21 | ミトコンドリア病の遺伝子診断 | ミトコンドリア病が強く疑われるもの | ミトコンドリア病の診断は、病理検査、生化学検査、そして遺伝子検査の結果を総合的に解釈して行う。遺伝子検査でしか確定診断できない症例もある。 |
| 22 | 鏡視下肩峰下腔除圧術 | 肩インピンジメント症候群 | 局所麻酔下に内視鏡で観察しながら烏口肩峰靱帯の切離と水腫や腫脹をきたした肩峰下滑液抱を切除する。本手術は、外来手術で行うことができる。特に大きな侵襲を与えることができない透析患者、高齢者の肩関節痛に対する除痛が最大の目的。 |
| 23 | 神経変性疾患の遺伝子診断 | 脊髄小脳変性症、家族性筋萎縮性側索硬化症、家族性低カリウム血症性周期性四肢麻痺又はマックリード症候群 | PCR法、DNAシークエンサー装置等を用いて責任遺伝子の異常を探索し正確な診断を行う。 |
| 24 | 難治性眼疾患に対する羊膜移植術 | 再発翼状片、角膜上皮欠損(角膜移植によるものを含む。)、角膜穿孔、角膜化学腐食、角膜瘢痕、瞼球癒着(スティーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡、熱・化学外傷瘢痕その他の重症の瘢痕性角結膜疾患を含む。)、結膜上皮内過形成、結膜腫瘍その他の眼表面疾患 | 凍結保存したヒト羊膜を眼表面に移植することによって、眼表面を再生させることが本治療の目的。 |
| 25 | 重粒子線治療 | 限局性固形がん | 重粒子線(炭素イオン線)を体外から病巣に対して照射する治療法。 |
| 26 | 腫瘍脊椎骨全摘術 | 脊椎腫瘍 | 従来の脊椎椎体悪性腫瘍手術と異なり、病変に陥った脊椎の前方部分と後方部分とを切り離し、腫瘍を一塊として摘出する。 |
| 27 | 31燐―磁気共鳴スペクトロスコピーとケミカルシフト画像による糖尿病性足病変の非侵襲的診断 | 糖尿病性足病変 | 燐原子(31P)を測定対象とする磁気共鳴スペクトロスコピーを用いクレアチン燐酸の代謝画像を作成することにより、エネルギー代謝が保たれているか非侵襲的に判定でき、糖尿病患者の下肢病変切断範囲の決定に応用できる。MRAを用い、特殊な血流波形解析を行うことにより、造影剤を用いずに、足底部の末梢循環を定量的に評価することが可能となる。 |
| 28 | 神経芽腫の遺伝子検査 | 神経芽腫 | 神経芽腫には生物学的悪性度に多様性があることが知られているが、分化を抑制し細胞増殖に機能するN-mycがん遺伝子の増殖が極めて予後不良な一群の腫瘍に認められることが明らかにされてきたため、その他の分化に関連する遺伝子とともに検査を行い、神経芽腫の悪性度予測を行い、悪性度に基づいた治療に結びつける。 |
| 29 | 硬膜外腔内視鏡による難治性腰下肢痛の治療 | 腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症又は腰下肢痛(腰椎手術を実施した後のものであって、保存治療に抵抗性を有するものに限る。) | 全身麻酔下、腹臥位で内視鏡を硬膜外腔に挿入し、病的所見を認めた部位で癒着剥離、炎症物質の灌流、局所麻酔薬・ステロイド投与を行うことにより、低侵襲で治療を行うことができる。 |
| 30 | 重症BCG副反応症例における遺伝子診断 | BCG副反応又は非定型抗酸菌感染(重症のもの、反復しているもの又は難治であるものに限る。) | 非定型抗酸菌やBCGなどの弱毒菌に易感染性を示した患者において、インターフェロンγ受容体遺伝子の変異が報告されており、BCG接種後にBCG菌による重症副反応を呈した患者、もしくは非定型抗酸菌感染の重症・反復・難治例についてインターフェロンγ受容体遺伝子の変異の有無を確認することにより、合併疾患の早期治療・予防を目指す。 |
| 31 | 自家液体窒素処理骨移植 | 骨軟部腫瘍切除後の骨欠損 | 骨腫瘍に対する手術療法に際し、患者自身の罹患骨を用いて再建する方法。切除骨から腫瘍病巣を取り除いた後、液体窒素で冷却処理し、腫瘍切除後の骨欠損部の再建に用いる。従来用いられてきた熱処理等と比較し、軟骨基質の温存、蛋白・酵素の温存が可能で処理後も骨形成因子の活性が保たれるため骨癒合に有利である。術後の関節機能が温存されるほか、容易に処理を行うことができる。 |
| 32 | 腹腔鏡補助下膵体尾部切除又は核出術 | 膵内分泌系腫瘍その他の膵良性又は低悪性腫瘍 | 腹腔鏡補助下に膵体尾部切除を行う。 |
| 33 | マントル細胞リンパ腫の遺伝子検査 | マントル細胞リンパ腫 | 患者のリンパ節生検材料を用い、リアルタイムPCR(polymerase chain reaction)法により悪性リンパ腫(マントルリンパ腫)の特異遺伝子を定量的に測定し補助診断に用いる。 |
| 34 | 抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査 | 悪性脳腫瘍 | 手術中に得られた組織からPCR法にて抗がん剤耐性遺伝子を測定し、腫瘍に対する抗がん剤の感受性を知ることができる。これに基づいて抗がん剤を使用することにより、より高い効果を得、不必要な副作用を避けることができる。 |
| 35 | Q熱診断における血清抗体価測定及び病原体遺伝子検査 | Q熱が強く疑われるもの | 末梢血を採取し、間接蛍光抗体法による病原菌の抗体価の測定と、PCR法により病原菌遺伝子の検出し、Q熱を診断する。Q熱はウイルス、細菌による呼吸器疾患などと臨床的に鑑別が難しく、本技術による診断確定により適切な治療薬を選択できるため的確な治療が可能となる。 |
| 36 | エキシマレーザー冠動脈形成術 | 冠動脈狭窄症(経皮的冠動脈形成術(エキシマレーザー冠動脈形成術を除く。)による治療が困難なものに限る。)又は慢性完全閉塞病変若しくはこれに準ずるもの | 心臓カテーテル先端からエキシマレーザを照射して、冠動脈狭窄、閉塞病変部を光焼灼、除去し、動脈内腔を拡大する。従来のPTCAによる治療が困難な例にも使用できる。また、動脈硬化組織を蒸散・除去するため塞栓物が生じにくく、動脈末梢における塞栓の発生率が従来法に比べて少ないという利点がある。 |
| 37 | 家族性アルツハイマー病の遺伝子診断 | 家族性アルツハイマー病 | 家族性アルツハイマー病の原因遺伝子の変異に対する診断を行う。正確な診断により、個々の患者ごとに、遺伝的背景の差異に基づく病気の特徴を踏まえた予後の推定を可能にし、将来に向けた療養方針やリハビリ計画を患者やその家族に示すことができる。 |
| 38 | 腹腔鏡下膀胱尿管逆流防止術 | 膀胱尿管逆流症(国際分類グレードVの高度逆流症を除く。) | 腹腔鏡下に膀胱外アプローチにより尿管を膀胱筋層内に埋め込み、逆流防止を行う。 |
| 39 | 三次元再構築画像による股関節疾患の診断及び治療 | 高度の欠損又は変形を有する股関節疾患 | 術前・術後にデジタル画像撮影、三次元画像構築・モデル構築を行う。より適切な手術計画がたてられる他、術中ナビゲーションにより手術の安全性、正確性が向上し、術中のX線曝露も減少する。 |
| 40 | 泌尿生殖器腫瘍後腹膜リンパ節転移に対する腹腔鏡下リンパ節郭清術 | 泌尿生殖器腫瘍(リンパ節転移の場合及び画像によりリンパ節転移が疑われる場合に限る。) | 精巣腫瘍、膀胱腫瘍等の摘出後、追加の化学療法・放射線療法の必要性を判断するために、腹腔鏡を用いて後腹膜リンパ節を切除しリンパ節転移の有無を確認する。切除したリンパ節に腫瘍の転移がなければ、追加の化学療法・放射線療法を行わず、その副作用を避けることができる。 |
| 41 | HLA抗原不一致血縁ドナーからのCD34陽性造血幹細胞移植 | HLA適合ドナーがいないために造血幹細胞移植が受けられない小児悪性腫瘍、難治性造血障害又は免疫不全症 | CD34を指標として造血幹細胞のみを精製し、純化して移植することにより、GVHDを軽減し、HLA不適合ドナーからも移植を行うことを可能にする。 |
| 42 | ケラチン病の遺伝子診断 | 水疱型魚鱗癬様紅皮症、単純型表皮水疱症その他のケラチン病 | 皮膚のケラチン線維の遺伝子の変異によって発症する疾患(ケラチン病)に対し、血液細胞中のケラチン遺伝子の塩基配列を調べて遺伝子の変異を同定し、確定診断を行う。早期に診断を確定することにより、臨床症状や臨床経過を予測し、早期に有効な治療を開始することが可能になる。 |
| 43 | 隆起性皮膚線維肉腫の遺伝子検査 | 隆起性皮膚線維肉腫 | 隆起性皮膚線維肉腫が疑われ、症状や免疫染色法によっても確定診断の困難な例に対し、腫瘍細胞の遺伝子診断を行って確定診断を行う。診断が確定すれば、腫瘍周囲を広範囲に含めた切除を行う。正確な診断により、不要な切除を避けることが出来る。 |
| 44 | 末梢血幹細胞による血管再生治療 | 慢性閉塞性動脈硬化症又はバージャー病(重篤な虚血性心疾患又は脳血管障害を有するものを除く。) | 慢性閉塞性動脈硬化症等の血管障害の患者の四肢に、末梢血幹細胞を局所注射することによって、末梢血管の再生を図る技術。 |
| 45 | 末梢血単核球移植による血管再生治療 | 慢性閉塞性動脈硬化症又はバージャー病(従来の内科的治療及び外科的治療が無効であるものに限り、三年以内に悪性新生物の既往歴を有する者又は未治療の糖尿病性網膜症である者に係るものを除く。) | 慢性閉塞性動脈硬化症等の末梢血管障害のある患肢に対して、末梢血単核球を局所注射することによって、末梢血管の再生を図る技術。 |
| 46 | 内視鏡的胎盤吻合血管レーザー焼灼術 | 双胎間輸血症候群に罹患した一絨毛膜性双胎妊娠(妊娠十六週以上二十六週以下のものに限る。) | 双胎間輸血症候群は、一絨毛膜性双胎妊娠において、胎盤表面の双胎間血管吻合を介して一方の児(供血児)から他方(受血児)へと血流がシフトすることにより、羊水過小・羊水過多を生じるもので、供血児・受血児とも死亡率が高くなり、中枢神経障害を残す率も高い。これに対し、胎盤表面の吻合血管を内視鏡により同定し、レーザー光により焼灼して凝固させ、児の予後を改善させる。 |
| 47 | カラー蛍光観察システム下気管支鏡検査及び光線力学療法 | 肺がん又は気管支前がん病変 | 本技術で用いる蛍光観察システムは、従来の蛍光内視鏡では捉えることが困難であった蛍光の色調の変化をカラーICCDを用いて観察でき、さらに病変部から発生する蛍光のスペクトルを解析することができる。これにより早期癌病変の見落としが減少し、従来の気管支鏡検査よりも高い精度で検査を行うことができる。また、本システムでは光線力学療法時に投与するポルフィリン誘導体の集積も観察できるため、癌病変への集積を検索することで、光線力学療法時に癌病変の見落としを減少させることができる。 |
| 48 | 先天性銅代謝異常症の遺伝子診断 | ウィルソン病、メンケス病又はオクシピタルホーン症候群 | 先天性銅代謝異常症は、1993年に責任遺伝子が発見され、各国での遺伝子解析の研究により、近年、遺伝子変異の特徴等が明らかになった。これにより臨床的に可能となった本技術は、少量の血液で分析可能であるため低侵襲であり、また信頼性は極めて高い検査である。本技術により、適応症となっている先天性銅代謝異常症について、速やかに確定診断が可能となる。また、保因者診断や発症前患者の診断も可能になる。いずれの場合も早期に治療を開始することができるため、患者の予後を大きく改善する。 |
| 49 | 超音波骨折治療法 | 四肢の骨折(開放骨折、粉砕骨折及び治療のために手術中に行われたものを除く。)であって、観血的手術を実施したもの | 超音波骨折療法は、微弱な超音波を1日1回20分間、骨折部に与えることで骨折治癒を促進する治療法であり、新鮮骨折の骨癒合期間を短縮することが複数の臨床試験で報告されている。本治療法は非侵襲的であり、非常に微弱な超音波なので副作用も少なく、従来の骨折治療に追加するだけのものであり、有用な治療法である。 |
| 50 | CYP2C19遺伝子多型検査に基づくテーラーメイドのヘリコバクター・ピロリ除菌療法 | ヘリコバクター・ピロリ感染を伴う胃潰瘍又は十二指腸潰瘍 | H. pylori陽性の消化性潰瘍の治療におけるH. pyloriの除菌療法を行うにあたり、薬物代謝酵素の遺伝子検査を施行し、検査結果を踏まえて治療を個別化することにより、従来より高い除菌成功率を達成して消化性潰瘍の治療に貢献できる。当該技術により、これまでの標準治療よりも高い除菌率(全体で90%程度)が期待でき、消化性潰瘍の治癒率を上昇させる。 |
| 51 | 非生体ドナーから採取された同種骨・靱帯組織の凍結保存 | 骨又は靱帯組織の欠損 | 適切で厳密なドナーの選択、採取、採取組織に対する十分な検査、確実な処理・保存を行うことができ、生体ドナーに比べて採取できる骨・靭帯の量も多く、安全で良質な同種骨・靭帯組織を供給することができる。非生体ドナーを厳密に選択した上で骨・靭帯組織を採取し、採取した組織の検査、処理・保存を行い、安全で良質な同種保存組織を供給する。特に採取組織の検査では生体ドナーに対して一般的に行われている検査(梅毒、肝炎ウイルス等)に加え、HIV、HTLV-1やサイトメガロウイルス感染等について十分な検査を行い、感染症伝播のリスクを低下させる。 |
| 52 | X線CT画像診断に基づく手術用顕微鏡を用いた歯根端切除手術 | 難治性根尖性歯周炎(通常の根管治療では効果が認められないものに限る。) | X線CT診断装置を用い三次元的な術前所見を得るとともに、手術用顕微鏡を用いることにより、低侵襲の歯根端切除手術が可能となる。低侵襲かつ精緻な処置により、難治性の慢性根尖性歯周炎の治療成績が向上する。 |
| 53 | 定量的CTを用いた有限要素法による骨強度予測評価 | 骨粗鬆症、骨変形若しくは骨腫瘍又は骨腫瘍掻爬術後のもの | 骨塩定量ファントムとともに対象骨のCTを撮影し、データをワークステーションに入力、有限要素解析のプログラムによって処理する。これにより、患者固有の三次元骨モデルが作成され、これをもとに3次元有限要素解析モデルを作成。この解析モデルに対して、現実の加重条件を模擬した加重・拘束条件を与えて応力・歪みを解析し、破壊強度を計算・算出する。 |
| 54 | 色素性乾皮症の遺伝子診断 | 色素性乾皮症 | 色素性乾皮症は紫外線DNA損傷の修復異常のため若年より露出部に皮膚癌を多発する遺伝性疾患で、A群からG群とV群の8つの型がある。各型で皮膚症状の重症度、神経症状の有無などに特徴があり、日本ではA群が多いが、A群は最重症型であり厳重な遮光を行う必要がある。色素性乾皮症の早期確定診断、型決定は患者の治療方針の決定、生活指針に極めて重要である。 そこで本技術は、患者皮膚の細胞や血液を用いて、複数の遺伝子診断検査を組み合わせて行うものである。 |
| 55 | 先天性高インスリン血症の遺伝子診断 | 先天性高インスリン血症 | CHI患者の末梢血を採血し、白血球よりDNAを抽出する。SUR1及びKir6.2遺伝子に特異的なプライマーを用いて、イントロンとの境界部分を含めたエクソン部分のDNAを増幅後、その塩基配列をDNAシーケンサーによって解析する。また、これらの遺伝子に変異が認められない場合、あるいは臨床像から他の原因遺伝子の異常が疑われる場合、Glucokinase、GLUD1、SCHAD、Insulin Receptorの遺伝子を同様にPCR増幅し塩基配列の解析を行う。 変異の種類によっては家族解析を行い、遺伝形式と病理組織像の関係から手術適応判定や切除範囲決定の際参考とする。 |
| 56 | 歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法 | 歯周炎による重度垂直性骨欠損 | 本法は、セメント質の形成に関与する蛋白質を主成分とする歯周組織再生誘導材料を用い、フラップ手術と同様な手技を用いた上で、直接、歯槽骨欠損部に填入するだけであり、短時間で低侵襲な手術が期待できる。 |
| 57 | セメント固定人工股関節再置換術におけるコンピュータ支援フルオロナビゲーションを用いたセメント除去術 | 人工股関節再置換術を行う者に係るもの | 新しい人工股関節の設置にはセメントを除去し良好な骨母床を作成することが不可欠であり、特に大腿骨側は、従来の手術方法では頻回の術中レントゲン透視による大腿骨骨髄腔内残存セメント位置の確認のための放射線被曝、大腿骨骨皮質の広範囲の開窓による骨癒合の遷延や術後骨折、さらに、セメント除去中の大腿骨骨皮質の穿孔や骨折の合併症が高頻度に発生する。 コンピューター支援フルオロナビゲーションを用いたセメント除去では、術中レントゲン撮影はわずかであり放射線被曝量が著減するのみならず、大腿骨骨髄腔の残存セメント位置をコンピューター上でリアルタイムに確認することが出来るため、大腿骨骨皮質の開窓の必要がなく手術侵襲を大幅に低減でき、さらに術中の大腿骨の穿孔や骨折の合併症を防ぐことも期待出来る。 |
| 58 | 腹腔鏡下直腸固定術 | 直腸脱 | 従来、直腸脱に対する外科的治療としては、経会陰的アプローチと経腹的アプローチが行われてきた。両者の特徴は経会陰的アプローチでは開腹をせずに脱出した直腸を会陰部から処理するために、侵襲が少ない利点がある反面、直腸脱の再発率が高いという欠点を有していた。一方、経腹的アプローチは再発率は低いが、開腹術をするため侵襲が大きくなる欠点を有していた。腹腔鏡下直腸固定術は、下腹部の皮膚に5〜12mmの小切開を4箇所加えるのみで、低侵襲で再発の少ない手術方法である。 |
| 59 | 骨移動術による関節温存型再建 | 骨軟部腫瘍切除後の骨欠損 | 骨腫瘍を切除すると骨欠損が生じるが、その欠損を補填するために、創外固定器と呼ばれる体の外につける機械(ワイヤー、ピンなどで骨と接続されている)を患肢に設置し、残った骨の別のところで骨を切り、術後、1日0.5mm〜1mmずつ骨を移動させることで、その間に新生骨が生じ、欠損部を補填することができる。この方法を用いることで、関節面ぎりぎりでの腫瘍切除が可能となり、関節温存が可能となる。 |
| 60 | 肝切除手術における画像支援ナビゲーション | 肝がん、肝内胆管がん又は生体肝移植ドナーである者に係るもの | 肝は動脈、門脈、静脈と3種の血管が複雑に絡み合った臓器である。従来、肝切除予定線は術中に肝血管流入血の遮断により淡く出現する肝表面の色調変化からおおよその残存肝重量を推定し施行していた。それは大きく経験に依存しており、たとえ熟練者であっても時に残存肝容量の少なさから、肝不全になり死に至る可能性もあった。肝切除の安全性は、切除後残存肝容量に大きく左右され、正確な肝の3次元画像化と肝容量の計算による客観的な評価法の導入が望まれる。 画像支援ナビゲーションはコンピュータ断層撮影の画像情報から、"Region Growing software"というコンピューターソフトウエアを用い、動脈、門脈、静脈の3種の血管を描出し3次元画像化する。その3次元画像から各血管の支配領域の該当肝容量を計算し、正確な切除肝容量と予定残存肝容量を推定する。これらの情報を元に、最も安全な術式を選択する。 また、この3次元画像化した仮想肝は、画像支援ナビゲーションシステム上で各方向から、または内部から自由自在に観察することができ、何度でも、術前術中の肝切除シミュレーションを行うことができる。これは、肝切除患者や肝移植ドナーの手術の安全性の向上に寄与する。 |
| 61 | 樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法 | 腫瘍抗原を発現する消化管悪性腫瘍(食道がん、胃がん又は大腸がんに限る。)、原発性若しくは転移性肝がん、膵臓がん、胆道がん、進行再発乳がん又は肺がん | がんワクチンによって、がん細胞に対する特異的な免疫を担当するTリンパ球を活性化し、患者自身の免疫系によりがんを攻撃する。活性化Tリンパ球移入療法とは異なり、がん細胞に特異的なTリンパ球のみを活性化する点が特徴。 |
| 62 | 自己腫瘍・組織を用いた活性化自己リンパ球移入療法 | がん性の胸水若しくは腹水又は進行がん | 末梢血から採取した自己リンパ球と自己の腫瘍とを混合培養するなどして接触させた後、体外でインターロイキン2などの存在下で培養し、腫瘍に特異的と期待されるキラー細胞を誘導し、増殖させ、再び体内へ戻す療法。 |
| 63 | 自己腫瘍・組織及び樹状細胞を用いた活性化自己リンパ球移入療法 | がん性の胸水若しくは腹水又は進行がん | 末梢血から採取した自己リンパ球と、自己の腫瘍と混合培養するなどして接触させた樹状細胞、もしくは、既に体内で腫瘍と接触のあったと考えられる腫瘍浸潤リンパ節由来樹状細胞とを、体外でインターロイキン2などの存在下で培養し、腫瘍に特異的と期待されるキラー細胞を誘導し、増殖させ、再び体内に戻す療法。 |
| 64 | EBウイルス感染症迅速診断(リアルタイムPCR法) | EBウイルス感染症(免疫不全のため他の方法による鑑別診断が困難なものに限る。) | 臓器移植手術においては、術後に免疫抑制剤を長期間投与する必要があるため、それに伴うウイルス感染症が発症しやすく、早期に対応するためには迅速診断が重要な検査となっている。特にトランスアミナーゼ等の逸脱酵素の上昇が見られる患者においては、移植後の拒絶反応によるものか、ウイルス感染によるものかを一刻も早く診断し、治療対策を開始する必要がある。また、伝染性単核球症や慢性活動性EBウイルス感染症、EBウイルス関連血球貪食症候群などのEBウイルスの感染によって引き起こされる疾患を早期に診断し適切な処置を行うには、感度が高く迅速な検査法が必要である。 本技術はReal Time PCR法を用い、EBウイルスのDNA量を数時間以内に定量的に評価し、EBウイルス感染症を迅速に診断するものである。 |
| 65 | 内視鏡下小切開泌尿器腫瘍手術 | 尿管腫瘍、膀胱腫瘍、後腹膜腫瘍、後腹膜リンパ節腫瘍(精巣がんから転移したものに限る。)又は骨盤リンパ節腫瘍(泌尿器がんから転移したものに限る。) | 泌尿器科の手術患者に対して、開放手術の利点(立体視、低コスト)と腹腔鏡手術の利点(低侵襲性)を兼備し、両者の欠点を克服あるいは軽減する手術である。両者の欠点として、開放手術には大きな切開に伴う大きな侵襲(体への負担)があり、腹腔鏡手術には安全性への危倶すなわち1)ガスによる肺梗塞など循環器・呼吸器系へのリスク、2)腹腔内操作による腸閉塞等のリスク、3)立体視の欠如による誤認のリスク、および4)小さな孔(トロカーポート)を通る高価な使い捨て器具のための高コストがある。本術式は、小切開創(ミニマム創)から内視鏡を用い、ガスを使わず、腹腔内は無傷に保ち、立体視を併用し、トロカーポートを用いずに行なうもので、安全性、低侵襲性及び経済性に優れている。 |
| 66 | 多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術 | 白内障 | 多焦点眼内レンズは、無水晶体眼の視力補正のために水晶体の代用として眼球後房に挿入される後房レンズである点では、従来の単焦点眼内レンズと変わりはない。 しかし、単焦点眼内レンズの焦点は遠方又は近方のひとつであるのに対し、多焦点眼内レンズはその多焦点機構により遠方及び近方の視力回復が可能となり、これに伴い眼鏡依存度が軽減される。 術式は、従来の眼内レンズと同様に、現在主流である小切開創から行う超音波水晶体乳化吸引術で行う。 |
| 67 | 先天性難聴の遺伝子診断 | 先天性難聴 | 難聴に関して、100以上の遺伝子座が報告され、このうち現在までに36個の原因遺伝子が同定されている。遺伝子変異の種類により、「発症時期」、「難聴の程度」、「難聴の進行の有無」、「聴力の変動の有無」、「前庭症状の有無」、「随伴する症状」、「糖尿病などの合併症の有無」が異なることが明らかとなり、臨床上極めて有用な検査である。 日本人に頻度の高い原因遺伝子である、GJB2、SLC26A4、ミトコンドリア12S rRNA等を中心に10遺伝子47変異をダイレクトシークエンス法あるいはインベーダー法により、網羅的かつ効果的にスクリーニングすることにより、難聴の正確な診断、適切な治療法の選択、予後の推測、合併症の予測、難聴の進行および発症の予防等が可能となる。 |
| 68 | フェニルケトン尿症の遺伝子診断 | フェニルケトン尿症、高フェニルアラニン血症又はビオプテリン反応性フェニルアラニン水酸化酵素欠損症 | 分析に供与するDNAは、患者末梢血2〜5mlを通常の採血と同様に採取するというきわめて非侵襲的な方法によって得られる。末梢全血を通常のフェノール法にて除蛋白した後、ゲノムDNAを抽出する。13ある各エクソンをPCR法にて増幅合成した後、DHPLC法にて遺伝子多型を持つエクソンを同定する。当該エクソンのシークエンスを行い、遺伝子変異を同定する。遺伝子欠失変異の同定にはMLPA法を用いて行う。 |
| 69 | 培養細胞によるライソゾーム病の診断 | ライソゾーム病(ムコ多糖症I型及びII型、ゴーシェ病、ファブリ病並びにポンペ病を除く。) | 先天性代謝異常の罹患リスクが高い胎児、新生児及び先天性代謝異常が疑われる症状を有する小児から、胎児の場合は、羊水を採取し、羊水細胞を培養後、細胞中の酵素活性を測定する。新生児や小児においては、末梢血を採取してリンパ球を培養、あるいは、皮膚生検を行い線維芽細胞を培養して、培養細胞中の酵素活性を測定する。 酵素活性の測定後、酵素補充療法の適応とならないものについては、造血幹細胞移植等の種々の治療法や、治療法がない場合においては、早期の対症療法や生活指導を行うことにより、患者のQOLの向上を可能とする。 |
| 70 | 腹腔鏡下子宮体がん根治手術 | 手術進行期分類Ib期までの子宮体がん | 子宮体癌に対する治療は、手術療法が主治療である。現在、一般的に行われている手術療法は、開腹による子宮全摘、骨盤および傍大動脈リンパ節切除であり、15-20cmの皮膚切開を必要とする。本術式はこれを5-12mmの数カ所の小切開による腹腔鏡下に手術を行う方法である。 この腹腔鏡下子宮体癌根治術は、開腹による方法と比較して、手術による侵襲を大幅に低減することが可能で、術後疼痛の軽減、入院期間の短縮、早期の社会復帰が可能となる。また、腹腔鏡を用いることにより、骨盤内の深い部分の観察も直視下に行うより確実に可能であり、出血量の軽減にも貢献できる。 |
| 71 | 培養細胞による脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症の診断 | 脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症 | 酵素活性の測定には、静脈血液5〜10mlまたは米粒大の皮膚片から、培養リンパ球や培養皮膚線維芽細胞を樹立する。これらの技術によって得た培養細胞を用いて、酵素活性を測定して先天性代謝異常症の確定診断を行う。 |
| 72 | RET遺伝子診断 | 甲状腺髄様癌 | 1) 発端者診断 甲状腺髄様癌患者或いは甲状腺髄様癌の疑われる患者に対して、遺伝カウンセリングを施行し患者の同意を得た上で、採血を行い、末梢血より白血球DNAを抽出する。次に、RET遺伝子のエクソン10、11、13、14、15、16をPCR法を用いて増幅し、塩基配列をDNAシーケンサーにより解析する。遺伝子変異が認められた場合は、外科的治療の術式は甲状腺全摘となり、また、副腎と副甲状腺の精査を実施することとなる。 2) 保因者診断 遺伝性甲状腺髄様癌患者の血縁者であって甲状腺髄様癌が疑われた患者に対しては、上記1)と同様の手順で遺伝子診断を行うが、既知の変異部位のみのシーケンスを行い、変異を認めた場合は、甲状腺全摘が考慮される。一方、RET遺伝子の変異が認められない患者に対しては、非遺伝性と判断されるため、甲状腺切除範囲は癌病変部位に適した範囲となり、甲状腺を一部温存することも可能となる。 |
| 73 | 角膜ジストロフィーの遺伝子解析 | 角膜ジストロフィー | 本技術によって原因遺伝子を明らかにすることにより、病型に加え、発症年齢、重症度や予後も推定可能となり、治療により進行を遅らせることが可能な例を特定することや、角膜移植後の再発リスクを明らかにすることができる。さらに、患者が自分の病気を遺伝病として理解した上で、自身や家族の結婚や出産に関連して生じる諸問題について計画的に対処することが可能となる。 |
| 74 | マイクロ波子宮内膜アブレーション | 機能性及び器質性過多月経(妊孕性の温存が必要な場合又は子宮内膜がん、異型内膜増殖症その他の悪性疾患若しくはその疑いがある場合を除き、子宮壁厚が十ミリメートル以上の場合に限る。) | 従来、過多月経の症例で保存的治療が困難になった場合は、開腹・膣式・腹腔鏡による子宮摘出術が行われているが、一定の手術侵襲と術中・術後合併症を伴っている。これに対し本法は、高い安全性と非侵襲性を確保しながら、短期間に低額で過多月経を治療することができる。 |
| 75 | 光トポグラフィー検査を用いたうつ症状の鑑別診断補助 | ICD―10(平成二十一年総務省告示第百七十六号(統計法第二十八条及び附則第三条の規定に基づき、疾病、傷害及び死因に関する分類の名称及び分類表を定める件)の「3」の「(1) 疾病、傷害及び死因の統計分類基本分類表」に規定する分類をいう。)においてF2(統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害)に分類される疾病及びF3(気分(感情)障害)に分類される疾病のいずれかの疾病であることが強く疑われるうつ症状(器質的疾患に起因するものを除く。) | うつ状態の患者に、光トポグラフィー装置のプローブを装着した状態で、指定する頭文字から始まる言葉をできる限り多く発話するよう求める課題(「言語流暢性課題」)を60秒間行なう。患者が課題を行なっている間、光トポグラフィー装置は、前頭葉や側頭葉における脳活動状態の変化を測定し、リアルタイムに画像化する。さらに、そのデータを解析し、課題に対する脳の活性化様式がいずれの精神疾患のパターンに合致するかを判別することにより、臨床診断を補助して正確な鑑別診断を行う。検査前後の準備時間を含め、10〜15分程度で完了する。 |
| 76 | 内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術 | 下肢慢性静脈不全症(下腿の広範囲の皮膚に色素沈着、硬化若しくは萎縮が起こり、又は潰瘍を有するものであって、超音波検査により穿通枝の血液が逆流していることが確認されるものに限る。) | 術前に超音波検査を用い、患者の下腿に存在する不全穿通枝直上の皮膚にマーキングを行っておく。手術室にて腰椎麻酔等を施行後、まず不全穿通枝の存在する部位から離れた健常皮膚部の2箇所に1〜2cmの小切開を加え、ここから筋膜下層にポート(他の手術器具を出し入れするための筒状の器具)を挿入する。次に、一方のポートより内視鏡を挿入し、モニターで内視鏡画像を見ながら、予めマーキングしておいた皮膚直下にある不全穿通枝を同定する。その上で、他方のポートから超音波凝固切開装置等を挿入し、不全穿通枝を切離する。最後に皮膚切開部を閉創し終了する。 |
| 77 | 歯科用CAD・CAMシステムを用いたハイブリッドレジンによる歯冠補綴 | 小臼歯の重度のう蝕に対して全部被覆冠による歯冠補綴が必要なもの | まず支台歯を形成し、印象採得を行って作業模型を作成する。次に、スキャナーを用いて作業模型の三次元計測を行い、作業模型の形状データをコンピュータグラフィックスとして再現して、作業模型の形状に適合するクラウンの設計を行う(CAD)。その形状データが加工用データに変換され、ハイブリッドレジンブロックからクラウンが自動的に削り出される(CAM)。最後にクラウン表面を研磨し、患者の口腔内に装着する。 |
| 78 | 内視鏡的大腸粘膜下層剥離術 | 早期大腸がん(EMR(内視鏡的粘膜切除術をいう。以下同じ。)では一括切除が困難な二センチメートル以上の病変であって、拡大内視鏡診断又は超音波内視鏡診断による十分な術前評価の結果、根治性が期待できるものに限る。)又は腺腫(EMRを実施した際の病変の挙上が不良なもの又はEMRを実施した後に遺残若しくは再発したものであって、EMRでは切除が困難な一センチメートル以上の病変のものに限る。) | まず、大腸内視鏡検査を施行し、拡大内視鏡や超音波内視鏡により大腸腫瘍に対する十分な術前診断を行い、本法の適応であるかどうか(病変が粘膜下層浅層より深く達していないかどうか)を判断する。次に、病変部の粘膜下層に専用の液体を注入して病変を浮かせ、その周囲の粘膜を切開する。その後、粘膜下層を確認しながら高周波ナイフ(特殊な電気ナイフ)を用いて病変の周囲を剥離して病変を一括切除する。 |
| 79 | 実物大臓器立体モデルによる手術支援 | 骨盤、四肢骨又は関節に著しい変形又は欠損を伴う疾患又は外傷 | 患部のCT画像を撮影した後、CTデータを元にコンピュータを用いて三次元画像を作成する。次に、三次元積層法を用いた三次元プリンターに当該画像データを入力し、骨格の実物大立体モデルを作製する。このモデルを用いて、実際の手術器具(ボーンソー・ドリルなど)を使用した手術のシミュレーションを行い、複雑な手術イメージをスタッフ間で共有・補完した上で手術に臨む。 |
| 80 | 削除 | ||
| 81 | 単純疱疹ウイルス感染症又は水痘帯状疱疹ウイルス感染迅速診断(リアルタイムPCR法) | 単純疱疹ウイルス感染症又は水痘帯状疱疹ウイルス感染症(免疫不全のため他の方法による鑑別診断が困難なものに限る。) | リアルタイムPCR法を用い、痂皮、潰瘍ぬぐい液からウイルスDNAを短時間で定性的・定量的に評価し、単純疱疹ウイルス及び水痘帯状疱疹ウイルス感染症を迅速に診断するものである。 |
| 82 | 網膜芽細胞腫の遺伝子診断 | 網膜芽細胞腫の患者又は遺伝性網膜芽細胞腫の患者の血族に係るもの | 従来の染色体検査に加えて、以下の検査を実施する。 (1)発端者診断 網膜芽細胞腫を発症した患者であって、原則としてその家系で最初に当該遺伝子診断を実施する外来を受診した者を、「発端者」と呼ぶ。発端者から約20ml採血し、血中のリンパ球からDNAとRNAを抽出する。これらを用いて、(ア)RB1遺伝子の全蛋白質コード領域およびプロモーター領域内の塩基配列解析 (イ)RT-PCR産物の塩基配列解析 を行い、網膜芽細胞腫の原因と考えられる遺伝子変異を同定し、遺伝性網膜芽細胞腫であるか否かを診断する。 (2)保因者診断 (1)の検査により、発端者のRB1遺伝子における変異が同定されていることが前提となる。未発症であるが発端者と家系を同じくする者(血縁者)から採血し、RB1遺伝子の塩基配列を解析する。血縁者のRB1遺伝子に当該発端者と同じ変異が認められた場合、当該血縁者は遺伝性網膜芽細胞腫の「保因者」であると診断される。保因者に対しては、眼底検査等を頻回に実施し、早期発見に努める。 |
| 83 | 胸腔鏡下動脈管開存症手術 | 動脈管開存症(最大径が十ミリメートル以下であって、石灰化、感染又は瘤化していない動脈管に係るものに限る。) | 全身麻酔下に、左側胸部の3カ所に5〜10mmの小切開を加え、ポート(他の器具を出し入れするための筒状の器具)を挿入する。次に、ポートを介して挿入した胸腔鏡や手術器具を操作して動脈管を露出させる。その上で、動脈管を1〜2個のチタンクリップで挟んで血流を遮断する。最後に、経食道超音波検査で動脈管が完全に閉鎖されていることを確認し、閉創する。 |
| 84 | 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術 | BMI(患者の体重をキログラムで表した数値をその者の身長をメートルで表した数値の二乗で除して得た数値をいう。)が三十五以上の肥満症 | 全身麻酔下で、上腹部に5箇所の小切開(5mmを2箇所、12mmを2箇所、15mmを1箇所)を作成し、腹腔鏡操作を可能にする。まず、大網剥離及び胃後面の剥離を行い、次に自動縫合器を用いて大弯側の胃を切離する。最終的に、小弯側の胃を袖状に残し、切離した大弯側の胃を体外に摘出し、閉創する。 |
| 85 | 腹腔鏡下膀胱内手術 | 膀胱尿管逆流症又は巨大尿管症 | 全身麻酔下に、まず生理食塩水で膀胱を充満させ、膀胱鏡で膀胱内を観察しながら腹壁を圧迫することによりトロッカー留置予定部を決定する。5mmの小切開を行い、膀胱前腔に到達する。膀胱鏡観察下にその切開より膀胱前壁を通してトロッカーを膀胱内に留置する。同じ操作で計3本のトロッカーを設置し、腹腔鏡用器具を挿入し、以降は膀胱内操作で手術を行う。その際、腹腔鏡時の気腹のように膀胱内に二酸化炭素を充満させることにより術野を確保する。膀胱尿管逆流症においては、尿管を剥離した上で膀胱内へ引き出し、膀胱壁に作成した粘膜下トンネル内に引き込んで、新たに膀胱と尿管を吻合する操作(逆流防止術)を行う。巨大尿管症の患者の場合は、逆流防止術の手技に加えて、尿管を縫縮する操作を行う。 |
| 86 | 腹腔鏡下根治的膀胱全摘除術 | 浸潤性膀胱がん | 全身麻酔下に、下腹部に5箇所の操作孔(約12mm)を設け、腹腔鏡下に手術を行う。具体的には、開腹術の場合と同様、男性では膀胱・前立腺・精嚢腺を、女性では膀胱と子宮を一塊に摘出し、リンパ節郭清術を行った上で、尿路変更を行う。 |
| 87 | IL28Bの遺伝子診断によるインターフェロン治療効果の予測評価 | C型慢性肝炎(インターフェロン・リバビリン併用療法による効果が見込まれるものに限る。) | インターフェロン・リバビリン併用療法の適応のある患者の血液を採取し、リンパ球を分離後DNAを抽出する。リアルタイムPCR(Polymerase Chain Reaction)法により遺伝子多型を同定し、治療に対し感受性ないしは抵抗性の遺伝子を有無を確認することで治療効果予測を行い、インターフェロン・リバビリン併用療法の実施の適否を検討する。 |
| 88 | 根治的前立腺全摘除術における内視鏡下手術用ロボット支援 | 前立腺がん | 根治的前立腺摘除術を内視鏡下手術用ロボット(da vinciS)支援下に実施する。本システムは、操作ボックスであるサージョンコンソール、実際に術野に挿入するロボットアームが装着されたサージカルカート、術野を映し出すビジョンカートの3装置に分けられる。術者はサージカルコンソールに座り、ステレオビュアで10倍の拡大視野を得、遠近感を有した三次元画像を見ながら手術操作を行う。術者がマスター(操作レバー)を操ることによってサージカルカート上のロボットアームを遠隔操作する。ロボットアームには、エンドリストと称する、手術操作を行う鉗子先端部の70度の可動性を有する関節機能および高い自由度(7)を有しており、これにより精緻な手術操作を行う。 |
| 89 | 前眼部三次元画像解析 | 緑内障、角膜ジストロフィー、角膜白斑、角膜変性、角膜不正乱視、水疱性角膜症、円錐角膜若しくは水晶体疾患又は角膜移植術後である者に係るもの | 現在、眼科疾患を診断するためには、検眼鏡あるいは前眼部および眼底写真による検査が必須であるが、従来の検査法では、眼球表面上に現れている変化を観察することができるのみであり、その診断精度には限界がある。また、所見の判断は観察者の主観に左右される面もあり、その所見を広く第3者にも客観的情報として共有する手段が少ない。前眼部3次元画像解析は、これまでの眼科的検査では行えなかつた、角膜、隅角、虹彩などの断層面の観察や立体構造の数値的解析が行える唯一の方法である。また、前眼部の光学的特性を不正乱視を含んで数値的解析ができる唯一の方法である。本解析法には、干渉光とScheimpflug像を用いて角膜等を断層的に観察する方法がある。いずれの方法も、装置にコンピューターが内蔵されており、取得データのファイリング、画像劣化のない半永久的保存、取得データの数値的解析などが行え、従来の眼科的検査では得られない情報の入手と情報管理が行える。又、解析結果は電子カルテシステムに組み入れることも可能である。 |
| 90 | 有床義歯補綴治療における総合的咬合・咀嚼機能検査 | 咀嚼機能の回復のために有床義歯補綴が必要な歯の欠損 | 有床義歯新製前、新製有床義歯装着後の調整時、有床義歯調整後の各段階において、顎運動検査及び咀嚼能率に係る検査を行い、咬合状態及び咀嚼機能の状態を総合的に評価し、咬合の不正や咬合干渉の有無を把握し、的確な有床義歯の調整を行う。顎運動検査では、有床義歯製作時の下顎位を決定する場合にのみ保険適用の対象となっている歯科用下顎運動測定器を用いて咀嚼運動を自動解析して得られた運動経路パターンにおける咬合不正や咬合干渉を示す異常パターンの有無や下顎運動の安定性から、咬合調整の必要性を判断する。有床義歯に関する咀嚼能率検査では、グミゼリーを片側咀嚼させた後のグルコース濃度をグルコース測定機器で測定し、顎運動の左右の均衡状態等を含め有床義歯による咀嚼機能の改善状況を把握する。 |
| 91 | 急性リンパ性白血病細胞の免疫遺伝子再構成を利用した定量的PCR法による骨髄微小残存病変(MRD)量の測定 | 急性リンパ性白血病(ALL)又は非ホジキンリンパ腫(NHL)であって初発時に骨髄浸潤を認めるリンパ芽急性リンパ腫若しくはバーキットリンパ腫 | 初発時に白血病細胞の免疫グロブリンまたはT細胞受容体遺伝子の再構成をPCRで検出し、症例特異的プライマーを作成する。次にALLの化学療法開始5週(ポイント1、TP1)および12週(ポイント2、TP2)の骨髄MRD量を、初発時に作成したプライマーを用いてRQ-PCRにて定量的に測定し、MRD量が少ない(10の-4乗未満=腫瘍細胞が1万個に1個未満)低リスク群、MRDが多い高リスク群(10の-3乗以上=腫瘍細胞が千個に1個以上)、それ以外の中間リスク群の3群に分類する。具体的には、施設で採取したTP1とTP2の骨髄のMRD量を治療開始後12-14週の間に測定し、結果をALL治療プロトコールで定められたリスク別層別化治療を実施する。 |
| 92 | 最小侵襲椎体椎間板掻爬洗浄術 | 脊椎感染症 | 医療の進歩に伴い全身の免疫能低下があっても長期生存が可能な症例が増加している。それに伴い難治性脊椎感染症が増加している。本疾患に対する治療は保存療法と侵襲の大きな外科治療しかなかった。しかし全身状態の悪い症例への外科治療は術後の合併症を併発する問題があった。本治療は1cm程度の小さな傷から、内視鏡やX線透視を用いて安全に椎体椎間板の掻爬と洗浄を行う。局所麻酔と静脈麻酔下で行え、手術操作にかかる時間が45分間程度と短く、最小侵襲であるため、余病の多い症例にも施行できる利点がある。従来できなかった患者への疼痛の緩和と治療に難渋した脊椎感染に対し大きな効果が望める。 |
| 93 | 短腸症候群又は不可逆的な機能性小腸不全に対する脳死ドナーからの小腸移植 | 短腸症候群又は不可逆的な機能性小腸不全(経静脈栄養を要するものであって、経静脈栄養の継続が困難なもの又は困難になることが予測されるものに限る。) | 短腸症候群、機能的不可逆性小腸不全のために経静脈栄養から離脱できない症例が静脈栄養の合併症などによりその継続が困難となった場合、正常な栄養状態、発育は維持できず、経静脈栄養の中止は多くの場合致命的である。また、経静脈栄養の合併症そのものも生命を脅かしQOLを著しく低下させるものである。このような症例に対し小腸移植を行うことにより経静脈栄養からの離脱が可能となり、重篤な静脈栄養の合併症を回避できるだけでなく、経口摂取が可能となり、点滴、カテーテルから解放され、ほぼ正常の日常生活をおくれるといった著しいQOLの向上を図ることができる。脳死ドナーからの小腸移植では、小腸と結腸の一部をその部位を還流する血管を含めて切除し、レシピエントの血管と吻合し、同所性に移植する。小腸は全腸管の長さの1/3以内(約1〜2m)であればその一部を切除しても機能に影響がないため生体ドナーからの臓器提供が可能であるが、特に成人のレシピエントの場合には小腸の全長と、場合によっては結腸の一部も移植可能な脳死ドナーからの移植が栄養、水分吸収などの面で有利である。本邦において脳死ドナーの不足は深刻な問題であるが、現在年間十数例の脳死下の臓器提供が行われるようになり、我々の5例の脳死ドナーからの小腸移植の経験からは、そのうち約半数のドナーから移植可能な良好な小腸グラフトの採取が可能であり、レシピエントは1-9ヶ月間の待機で脳死ドナーからの小腸移植が可能であった。生体ドナーからの移植には健康なドナーを手術するという倫理的な問題も存在し、また上述のように小腸の一部しか移植することができないため、成人のレシピエントで数ヶ月間の移植待機が可能な医学的緊急度のそれほど高くない症例に対しては脳死ドナーからの移植を積極的にすすめるべきであろう。経静脈栄養を受けている患者は国内に約3000例以上存在し、うち数百例は潜在的な小腸移植の適応症例と考えられ、年間約数十例の新規適応患者が発生すると試算されている。脳死ドナーからの小腸移植は今後、短腸症候群/小腸機能不全に対する根治的治療となり得るものと考えられる。 |
| 94 | 多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍の治療 | 通常の治療に抵抗性を有する難治性皮膚潰瘍(身体の状態により手術による治療が困難な者等に係るものに限る。) | 患者本人から30〜60mLの末梢血を抗凝固剤共存下に採血し遠心分離用試験管に注入後、遠心分離し自己多血小板血漿を分取する。分取した多血小板血漿を患部(潰瘍部位)の大きさに応じた用量で塗布する。外来受診から治療施行までにかかる時間はおよそ最大で2時間である。 |
| 95 | 短腸症候群又は不可逆的な機能性小腸不全に対する生体ドナーからの小腸部分移植 | 短腸症候群又は不可逆的な機能性小腸不全(経静脈栄養を要するものであって、経静脈栄養の継続が困難なもの又は困難になることが予測されるものに限る。) | 短腸症候群、機能的不可逆性小腸不全のために経静脈栄養から離脱できない症例が静脈栄養の合併症などによりその継続が困難となった場合、正常な栄養状態、発育は維持できず、経静脈栄養の中止は多くの場合致命的である。また、経静脈栄養の合併症そのものも生命を脅かしQOLを著しく低下させるものである。このような症例に対し小腸移植を行うことにより経静脈栄養からの離脱が可能となり、重篤な静脈栄養の合併症を回避できるだけでなく、経口摂取が可能となり、点滴、カテーテルから解放され、ほぼ正常の日常生活をおくれるといった著しいQOLの向上を図ることができる。脳死ドナーからの小腸移植では、小腸と結腸の一部をその部位を還流する血管を含めて切除し、レシピエントの血管と吻合し、同所性に移植する。小腸は全腸管の長さの1/3以内(約1〜2m)であればその一部を切除しても機能に影響がないため生体ドナーからの臓器提供が可能であるが、特に成人のレシピエントの場合には小腸の全長と、場合によっては結腸の一部も移植可能な脳死ドナーからの移植が栄養、水分吸収などの面で有利である。本邦において脳死ドナーの不足は深刻な問題であるが、現在年間十数例の脳死下の臓器提供が行われるようになり、我々の3例の脳死ドナーからの小腸移植の経験からは、そのうち約半数のドナーから移植可能な良好な小腸グラフトの採取が可能であり、レシピエントは1-9ヶ月間の待機で脳死ドナーからの小腸移植が可能であった。生体ドナーからの移植には健康なドナーを手術するという倫理的な問題も存在し、また上述のように小腸の一部しか移植することができないため、成人のレシピエントで数ヶ月間の移植待機が可能な医学的緊急度のそれほど高くない症例に対しては脳死ドナーからの移植を積極的にすすめるべきであろう。経静脈栄養を受けている患者は国内に約3000例以上存在し、うち数百例は潜在的な小腸移植の適応症例と考えられ、年間約数十例の新規適応患者が発生すると試算されている。脳死ドナーからの小腸移植は今後、短腸症候群/小腸機能不全に対する根治的治療となり得るものと考えられる。 |
| 96 | 自家嗅粘膜移植による脊髄再生治療 | 脊髄損傷(損傷後六月を経過してもなお下肢が完全な運動麻痺を呈するものに限る。) | 自家嗅粘膜移植では、全身麻酔下に患者自身の鼻腔内に存在する嗅粘膜組織を内視鏡下に摘出する。そして摘出した嗅粘膜を手術室内で洗浄、細切後、脊髄損傷部位に存在する瘢痕組織を摘出して作製した移植床に直ちに移植する。移植後は少なくとも1年間は週35時間程度のリハビリテーションプログラムを遂行し、軸索再生と新たに獲得された神経回路の維持の為訓練を行っていく。 |
| 第3項先進医療(37種類) | |||
| 番号 | 高度医療技術名 | 適応症 | 技術の概要 |
| 1 | 頸部内視鏡手術 | 甲状腺濾胞腺腫、腺腫様甲状腺腫、バセドウ病又は原発性上皮小体機能亢進症 | 他の領域においては一般的になりつつある内視鏡下で行う手術を頸部良性腫瘍に対して応用する。 |
| 2 | 削除 | ||
| 3 | 化学療法に伴うカフェイン併用療法 | 悪性骨腫瘍又は悪性軟部腫瘍 | 骨軟部腫瘍等に対し、通常の化学療法の抗がん薬に加えて、カフェインを併用投与することにより、化学療法の効果を増強させる。 |
| 4 | 胎児尿路・羊水腔シャント術 | 胎児閉塞性尿路疾患 | 拡張尿路―羊水腔間を、カテーテルを留置して貫通させる胎児手術を行う。 |
| 5 | 筋過緊張に対する筋知覚神経ブロック治療 | ジストニア、痙性麻痺その他の局所の筋過緊張を呈するもの | 筋過緊張を来す部位に局所麻酔薬とエタノールを週2回の頻度で筋肉注射することにより症状を軽減する。合計10回を過ぎたころから2週間ないし1ヶ月に1度の治療とする。従来の治療法であるボツリヌス毒素注入と比較して、筋力低下が生じないという特徴がある。また、抗体産生によりボツリヌス毒素が使用できなくなったときの唯一の治療法。 |
| 6 | 経皮的肺がんラジオ波焼灼療法 | 原発性又は転移性肺がん(切除が困難なものに限る。) | 原発性・転移性の肺悪性腫瘍に対し、CTガイド下に経皮的に電極を刺入して誘電加熱により腫瘍を焼灼する。外科的治療と比較して患者への負担が少ないため、全身状態が悪く外科的治療の困難な症例でも施行可能であり、入院日数も短縮される。また、多発の悪性病変で外科的治療にて根治性が期待できない症例でも有効。さらに、マイクロ波凝固療法と比較して1回の穿刺での焼灼範囲が広く、刺し直しの回数が少なくて済むという利点もある。 |
| 7 | 経皮的乳がんラジオ波焼灼療法 | 早期乳がん | 早期乳がんに対し、CTガイド下に経皮的に電極を刺入して誘電加熱により腫瘍を焼灼する。外科的治療と比較して患者への負担が少ないため、全身状態が悪く外科的治療の困難な症例でも施行可能であり、入院日数も短縮される。また、多発の悪性病変で外科的治療にて根治性が期待できない症例でも有効。さらに、マイクロ波凝固療法と比較して1回の穿刺での焼灼範囲が広く、刺し直しの回数が少なくて済むという利点もある。 |
| 8 | 経皮的腎がんラジオ波焼灼療法 | 原発性又は転移性腎がん(切除が困難なものに限る。) | 原発性・転移性の腎悪性腫瘍に対し、CTガイド下に経皮的に電極を刺入して誘電加熱により腫瘍を焼灼する。腎機能低下症例、単腎症例で腎部分切除術の適応とならない例でも、腎機能を温存して治療が可能。 |
| 9 | 内視鏡下甲状腺切除術 | 甲状腺乳頭癌 | 甲状腺悪性腫瘍の中でも最も頻度が高く、最も予後の良い甲状腺乳頭がんに対して、内視鏡を用いて手術を行う。 |
| 10 | CT透視ガイド下経皮的骨腫瘍ラジオ波焼灼療法 | 転移性骨腫瘍(既存の治療法により制御不良なものに限る。)又は類骨腫(診断が確定したものに限る。) | 転移性の骨腫瘍及び、有痛性の良性腫瘍である類骨腫に対し、CT透視ガイド下に経皮的に電極を刺入して誘電加熱により腫瘍を焼灼する。転移性骨腫瘍に対しては、疼痛を消失させることが出来、類骨腫に対しては治癒させることができる。 |
| 11 | 削除 | ||
| 12 | 胎児胸腔・羊水腔シャントチューブ留置術 | 原発性胎児胸水又は肺分画症による続発性胎児胸水(胎児水腫又は羊水過多であって、胸腔穿刺後に速やかな胸水の再貯蓄が認められるもの(妊娠二十週以上三十四週未満のものに限る。)に限る。) | 胸腔―羊水腔間を、カテーテルを留置して貫通させる胎児手術を行う。これにより持続的に胸水を除去して、胎児水腫を改善し、肺低形成、羊水過多の進行を防ぐことができる。この方法では母体への負担が小さく、感染の危険も小さい。 |
| 13 | 腹腔鏡下センチネルリンパ節生検 | 早期胃がん | 早期胃がんに対する胃切除術に際して、放射性同位元素と色素を用いて、がんから最初にリンパ流の流れ込むセンチネルリンパ節を同定し、腹腔鏡補助下に生検を行い、リンパ節郭清範囲の適正化を図る。 |
| 14 | 副甲状腺内活性型ビタミンDアナログ直接注入療法 | 二次性副甲状腺機能亢進症(維持透析を行っているものに限る。) | 副甲状腺に活性型ビタミンDを局所注入することにより、副甲状腺内の活性型ビタミンD濃度を極めて高くすることによって、副甲状腺機能亢進症に見られる高カルシウム血症の発現を抑制する治療法。 |
| 15 | ラジオ波焼灼システムを用いた腹腔鏡補助下肝切除術 | 原発性若しくは転移性肝がん又は肝良性腫瘍 | 4から5本のトロカーを用い腹腔鏡下に胆嚢摘出と後腹膜からの肝の剥離・授動を施行後、右肋弓下に約8cm-10cmの小開腹をおき、この部位から腹腔鏡補助下に肝実質切離操作を行う。創が小さく用手的な肝圧排操作ができないため、liver hanging maneuverを用いて肝切離操作を行う。これにより肝静脈系出血の軽減のみならず肝切離面の展開が容易となり、肝切離の目標ともなる。また、出血量を軽減し良好な視野で手術を行うため、肝切離前に肝離断面を必ずラジオ波前凝固する。肝静脈などの太い脈管の切離は主に自動縫合器を使用する。切除肝は小開腹創より回収する。基本的に従来の開腹肝切除手技の応用であり、小切開創から直視下に血管処理や肝切除を行うため、内視鏡外科手術につきまとう自由度の低下による危険は無い。逆に、腹腔鏡を用いることで良好な視野のもと細かな手術が可能となり、出血および術後合併症の発生を軽減する可能性がある。小開腹創から行う腹腔鏡補助下での肝切離操作は開腹手術手技と同様であり、安全性は保たれている。本手術を施行するにあたっては、本術式は保険収載されていない術式であること、肝切除が潜在的に持つ出血などのリスクは本術式でも同様であること、開腹術に移行した場合は内視鏡外科手術の利点は失われること等を患者に説明する。 |
| 16 | 根治的前立腺全摘除術における内視鏡下手術用ロボット支援 | 前立腺がん | 従来の前立腺癌に対する根治的前立腺全摘除術は開創手術であり、比較的出血量が多く、また勃起神経の切除による術後勃起障害の出現等、侵襲性の高い、かつ術後の生活の質(QOL)を著しく低下させる術式であった。1990年初頭に内視鏡下手術の導入が模索され、開創手術に比し出血量が少ないこと、術後疼痛が軽微であることなど多くの利点が提唱されてきたが、二次元視野での難易度の高い術式であることは否めない。複数の手術補助機能を統合して開発された本機器の導入は、従来の内視鏡下手術における低侵襲性、確実性、機能性を飛躍的に向上させるものである。 |
| 17 | 内視鏡下手術用ロボットを用いた冠動脈バイパス手術(一箇所のみを吻合するものに限る。) | 虚血性心疾患 | "内視鏡下手術用ロボット支援下に、下記の2術式を設定する。まず術式Aを実施し、予め目標とした技術水準に達していることを確認の上、手術見学を経て術式Bの実施を開始する。【術式A】 ロボット支援下冠動脈バイパス手術(MIDCAB)…ロボットを使用して、内胸動脈グラフトを剥離・採取する。その後、ロボットを使用せずに、肋間開胸にてグラフトを冠動脈に吻合する。【術式B】 ロボット支援下完全内視鏡下冠動脈バイパス術…内胸動脈グラフト採取からグラフトの冠動脈への吻合までの全ての過程を、ロボットを使用して実施する。 " |
| 18 | パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS―1内服併用療法 | 腹膜播種又は進行性胃がん(腹水細胞診又は腹腔洗浄細胞診により遊離がん細胞を認めるものに限る。) | 腹腔ポートより、パクリタキセルを腹腔内に直接投与する。また、全身化学療法として、経口抗悪性腫瘍剤であるS‐1の内服及びパクリタキセル経静脈投与を併用する。 この化学療法は21日間を1コースとして行い、S-1は標準量(80mg/m2)を14日間内服し、7日間休薬する。パクリタキセルは第1日目及び第8日目に50 mg/m2を経静脈投与、20 mg/m2を腹腔内投与する。本療法は、(1)腫瘍の進行が確認される、(2)有害事象により継続困難となる、(3)治療が奏効して腹膜播種や腹腔内遊離がん細胞が消失する、のいずれかの状況に至るまで反復する。(3)の場合には、根治的手術の実施を考慮する。 |
| 19 | 経カテーテル大動脈弁留置術 | 重度大動脈弁狭窄症(弁尖の硬化変性に起因するものに限る。) | 術前に、患者の解剖学的特徴等を踏まえてA)経大腿アプローチ又はB)経心尖アプローチを選択する。A)の場合は、大腿動脈(又は総腸骨動脈)を直視下に穿刺してガイドワイヤを左心室まで進める。B)の場合は、第5又は6肋間を小切開し、心膜を切開して露出させた心尖部に穿刺してガイドワイヤを左心室内に挿入する。いずれの場合も、全身麻酔下とし、経食道心臓超音波検査及び体外ペーシングを併用する。 こうして留置したガイドワイヤに沿って、まず、バルーンカテーテルを挿入し、通常のバルーン大動脈形成術を実施した後、一旦カテーテルを抜去する。次に、カテーテルのバルーン周囲に、新たに留置する生体弁を圧縮して装着した上で、このカテーテルを再び挿入し、病的大動脈弁の位置まで送達する。続いて、体外ペーシングで数秒間の心停止状態とし、その間にバルーンを拡張させて折り畳まれていた生体弁を展開して、病的大動脈弁の弁口部に留置する。最後に、カテーテルを抜去して終了する。 |
| 20 | パクリタキセル静脈内投与(一週間に一回投与するものに限る。)及びカルボプラチン腹腔内投与(三週間に一回投与するものに限る。)の併用療法 | 上皮性卵巣がん、卵管がん又は原発性腹膜がん | 局所麻酔または硬膜外麻酔下の小開腹を行い、腹腔ポートを留置する。このポートより、カルボプラチンを腹腔内に直接投与する。また、全身化学療法としてパクリタキセル経静脈内投与を併用する。 この化学療法は21日間を1コースとして行い、パクリタキセルは第1日目、第8日目及び第15日目に標準量(80mg/m2 )を経静脈投与、カルボプラチンを第1日目に標準量(※AUC6 (mg/L)・h)を腹腔内投与し、計6コースを行う。 ※AUC : area under the blood concentration time curve(薬物血中濃度―時間曲線下面積) |
| 21 | パクリタキセル静脈内投与、カルボプラチン静脈内投与及びベバシズマブ静脈内投与の併用療法(これらを三週間に一回投与するものに限る。)並びにベバシズマブ静脈内投与(三週間に一回投与するものに限る。)による維持療法 | 再発卵巣がん、卵管がん又は原発性腹膜がん | この化学療法は21日間を1サイクルとして行い、パクリタキセルは第1日目に標準量(175mg/m2 )を経静脈投与及びカルボプラチンを第1日目に標準量(※AUC 5 (mg/L)・h)を経静脈投与に加えて、ベバシズマブを第1日目に標準量(15mg/kg)を経静脈投与し、計6サイクルを行う。その後、維持療法としてベバシズマブを3週間毎に標準量(15mg/kg)を経静脈投与する。 ※AUC : area under the blood concentration time curve(薬物血中濃度―時間曲線下面積) |
| 22 | 蛍光膀胱鏡を用いた5-アミノレブリン酸溶解液の経口投与又は経尿道投与による膀胱がんの光力学的診断 | 筋層非浸潤性膀胱がん | 本診断法は、光感受性物質である5-アミノレブリン酸(5-ALA)溶解液を経口または経尿道的に投与し、蛍光膀胱鏡など光力学診断システムを用いて表在性(筋層非浸潤性)膀胱がんを赤色に蛍光発光させることでより高い精度で検出しようとする診断方法である。 さらに、本診断法を併用して経尿道的膀胱腫瘍切除術を行うことで、従来の白色光源下での経尿道的膀胱腫瘍切除術では検出・切除し得なかった平坦病変の残存およびその残存腫瘍の発育(再発)を回避することができ、その結果術後膀胱内再発率の低下も見込まれる。実際に、これまで表在性膀胱がん患者115名に対し本診断法ならびに従来の膀胱鏡診断を施行し、平坦病変を有する患者を正しく陽性と診断した割合が、前者では94.5%、後者では78.9%と差が認められた。また、表在性膀胱がん患者のうち本診断法を用いて経尿道的膀胱腫瘍切除術を行った57名の無再発率は術後12ヶ月で88%、術後24ヶ月ならびに48ヶ月で76%であったのに対し、従来の膀胱鏡診断後の経尿道的膀胱腫瘍切除術を行った149名の無再発率は術後12ヶ月で60%、24ヶ月で44%、48ヶ月で32%と、本診断法の併用により再発率の減少が認められた。 |
| 23 | 十二種類の腫瘍抗原ペプチドによるテーラーメイドのがんワクチン療法 | ホルモン不応性再燃前立腺がん(ドセタキセルの投与が困難な者であって、HLA-A24が陽性であるものに係るものに限る。) | まず、血液検査にてヒト白血球抗原(HLA)のタイプがHLA-A24陽性であることを確認する。 次に、HLA-A24により特異的に抗原提示される12種類のがんペプチドに対する血液中の抗体量を測定し、抗体量の多い、つまり免疫反応性が高いと推測されるがんペプチドを最大4種類まで選択する。 以上のように患者個別に選択したがんペプチドワクチンを、それぞれ週に1回の頻度で皮下注射し、計8回投与にて第1治療期間終了とする。第2治療期間以降は2週間に1回の頻度とし、1治療期間の投与回数は同様に計8回とする。 |
| 24 | パクリタキセル腹腔内反復投与療法 | 胃切除後の進行性胃がん(腹膜に転移しているもの、腹腔洗浄細胞診が陽性であるもの又はステージII若しくはIIIであって肉眼型分類が3型(長径が八センチメートル以上のものに限る。)若しくは4型であるものに限る。) | まず、D2(第1群リンパ節及び第2群リンパ節)郭清を伴う幽門側胃切除術又は胃全摘術を行う。同時に腹腔内投与用の皮下埋め込み型腹腔用ポートを挿入し、また、閉腹時に1コース目(14日間)としてパクリタキセル(60mg/m2)を腹腔内投与する。 2、3コース目(28日間)は第1日目、第8日目及び第15日目にパクリタキセル(60mg/m2)を腹腔内投与し、終了とする。 なお終了後は、原則として標準療法である、S―1単剤療法又はS―1・シスプラチン併用療法を行う。 |
| 25 | 生体内吸収性高分子担体を用いた塩基性線維芽細胞増殖因子による血管新生療法 | 慢性閉塞性動脈硬化症又はバージャー病(いずれも従来の治療法による治療が困難なものに限る。) | トラフェルミン(塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF※1))を生理食塩水で溶解し、濾過滅菌後にゼラチンハイドロゲルに浸潤させ、注射剤を用時調整する。 腰椎麻酔下に、この塩基繊維芽細胞増殖因子(bFGF)徐放化ゼラチンハイドロゲル1mlずつを虚血下肢の腓腹筋に40箇所(計40ml、bFGFとして計200μg)注射する。 ※1 basic fibroblast growth factor |
| 26 | 経胎盤的抗不整脈薬投与療法 | 胎児頻脈性不整脈(胎児の心拍数が毎分百八十以上で持続する心房粗動又は上室性頻拍に限る。) | 本治療は入院、24時間の安全性管理のもとで行われる。 まず、胎児心エコーにて、上室性頻脈、心房粗動等の頻脈性不整脈の分類を行う。各胎児診断と胎児水腫の有無により、抗不整脈薬であるジゴキシン、ソタロール、フレカイニド又はその組み合わせの中から使用薬剤及び投与量を選択する。胎児心拍モニタリング下で、母体に対し経口又は経静脈的に抗不整脈薬を投与し、胎盤を介した胎児への効果を期待する。 |
| 27 | 低出力体外衝撃波治療法 | 虚血性心疾患(薬物療法に対して抵抗性を有するものであって、経皮的冠動脈形成術又は冠動脈バイパス手術による治療が困難なものに限る。) | 治療には心臓超音波装置を内蔵した体外衝撃波治療装置を用いる。 まず、患者を仰臥位とする。次に、体外衝撃波治療装置に内蔵した超音波プローブを前胸壁に当て、虚血部位の心筋に照準を合わせ低出力衝撃波(約0.1mJ/mm2、尿路結石破砕に用いられている出力の約10分の1)を照射する。照射部位数は虚血範囲に応じて40〜70カ所とし、1カ所につき200発照射する。この衝撃波治療を1〜2日おきに計3回行い終了とする。 |
| 28 | 残存聴力活用型人工内耳挿入術 | 両側性感音難聴(高音障害急墜型又は高音障害漸傾型の聴力像を呈するものに限る。) | 本先進医療を実施するに際し、過去の文献データを基に検討を行い、統計学的に検討可能な症例数として目標症例数を24例に設定した。また、研究期間は、自由音場閾値検査および語音弁別検査を術後12ヶ月の時点で実施するため、患者選定等の期間も加味して3年間とした。本研究における主要評価項目としては、手術前、手術後6ヶ月および12ヶ月時点での自由音場閾値検査及び語音弁別検査の結果に基づき評価を行う。自由音場閾値検査では、手術前と比較して、装用後6ヶ月および12ヶ月の時点で、2000Hz、4000Hz、8000Hzの平均聴力閾値が30dB以上改善した例を改善例と判断する。また、語音弁別検査に関しては、術前および装用開始後6ヶ月及び12ヶ月の時点で、日本聴覚医学会の語音聴力検査用語表(67S)語表を使用し、静寂下で語音弁別検査を行ない、手術前より最高明瞭度(語音弁別能)が改善した場合を改善例と判断するものとした。 手術に関しては、全身麻酔下で耳後部を切開し側頭骨を削開、蝸牛を開窓し電極アレイを挿入、固定する手法にて行う。手術手法自体は、電極挿入の手法が異なる以外は既に保険診療下に実施されている通常の人工内耳挿入術とほぼ同様であるが、通常の人工内耳挿入術と比較し、蝸牛の回転軸に沿った方向から電極を挿入するround windowアプローチを用いることで、低音部の残存聴力を維持・活用することが可能となる。 |
| 29 | 脂肪萎縮症に対するレプチン補充療法 | 脂肪萎縮症 | 本疾患は、脂肪組織の消失あるいは減少を特徴とする遺伝性あるいは後天性の疾患である。本疾患は脂肪組織の消失とともにインスリン抵抗性が生じ、高血糖、高インスリン血症、高中性脂肪血症、非アルコール性脂肪肝など様々な代謝異常を発症する。本高度医療では、metreleptinを1日1回の自己注射にて皮下投与し、本疾患に対する長期安全性及び安定した臨床効果を確認する。本試験の実施期間は4年間とし、目標症例数は12例とする。主要エンドポイントは有害事象及び副作用とし、副次エンドポイントはHbA1c、空腹時血漿血糖、空腹時血中中性脂肪濃度、空腹時血中インスリン濃度とする。 |
| 30 | 重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病に対する心停止ドナーからの膵島移植 | 重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病 | 膵島移植は、血糖不安定性を有するインスリン依存状態糖尿病に対して、他人より提供された膵臓から分離した膵島組織を移植することで血糖の安定性を取り戻すことを可能とする医療である。局所麻酔下に膵島組織を門脈内に輸注する方法で移植され、低侵襲かつ高い安全性を有することが特徴である。本治療法においては、血糖安定性を獲得するまで移植は複数回(原則3回まで)実施でき、免疫抑制法は新たに有効性が確認されているプロトコールが採用されている。 |
| 31 | 転移性又は再発の腎細胞がんに対するピロリン酸モノエステル誘導γδ型T細胞及び含窒素ビスホスホン酸を用いた免疫療法 | サイトカイン不応性の転移性又は再発の腎細胞がん | 末梢血より採取した自己リンパ球を体外でピロリン酸抗原とインターロイキン2の存在下で培養し、抗腫瘍活性を有するγδ型T細胞を誘導し、増殖させ、再び体内へ戻す療法。γδ型T細胞を体内へ戻す前に抗腫瘍活性を増強させる目的で、含窒素ビスホスホン酸を体内へ投与する。 |
| 32 | 神経症状を呈する脳放射線壊死に対する核医学診断及びベバシズマブ静脈内投与療法 | 神経症状を呈する脳放射線壊死(脳腫瘍又は隣接する組織の腫瘍に対する放射線治療後のものに限る。) | 脳放射線壊死ではMRI上で壊死巣の周囲に著明な浮腫を認め、この浮腫によって何らかの症状を呈する場合が多い。脳放射線壊死では、抗VEGF抗体であるベバシズマブの投与により、周囲から放出されるVEGFを抑えることで浮腫の軽減が期待できる。投与量や投与期間は不明であるが、この浮腫は永続するものではないので、ある一定期間をこの治療にて凌げば脳放射線壊死患者のADLを維持することが可能と考える。 |
| 33 | 術後のホルモン療法及びS―1内服投与の併用療法 | 原発性乳がん(エストロゲン受容体が陽性であって、HER2が陰性のものに限る。) | 対象症例は、組織学的に浸潤性乳癌と診断された女性(病期Stage〜VAおよびVB)で根治手術および標準的な術前または術後化学療法が施行された(対象によっては標準的化学療法の省略を可とする)、エストロゲン受容体陽性かつHER2陰性で、再発リスクが中間以上である患者とする。本試験に登録された症例は、標準的術後ホルモン療法単独、または標準的術後ホルモン療法とTS-1の併用療法のいずれかに割り付けられ、両群ともに標準的術後ホルモン療法5年間を実施、併用療法群は標準的術後ホルモン療法と同時にTS-1を1年間授与する。TS-1は体表面積およびクレアチニンクリアランスによって規定された投与量を朝食後および夕食後の1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして、投与開始から1年間、投与を繰り返す。 |
| 34 | 血液透析併用バルーン塞栓動脈内抗がん剤投与及び放射線治療の併用療法 | 局所浸潤性膀胱がん(尿路上皮がんを組織型とするものであって、従来の治療法による治療が困難なものに限る。) | 2本の血流塞栓用バルーン付のカテーテルを両側の大腿動脈からのアプローチで左右の上殿動脈にそれぞれ挿入し、遠立側および近立側のバルーンが標的血管である膀胱動脈を挟み込む位置でバルーンを拡張・固定して、膀胱動脈に選択的に非常に高濃度のシスプラチンを投与する。またそれと同時に、内腸骨静脈に留置した透析用のカテーテルから膀胱還流後の血液を透析にかけることによって、シスプラチンの95%を除去する。さらに、放射線照射治療を骨盤域に50Gy(2Gy×25days)、膀胱各所に10Gy加えることによって、極めて高い殺細胞効果がもたらされる。 |
| 35 | 急性心筋梗塞に対するエポエチンベータ投与療法 | 急性心筋梗塞(再灌流療法の成功したものに限る。) | 本治療では、急性心筋梗塞患者の急性期に対して、経カテーテル的に再灌流療法が成功した後、可及的速やかに試験薬(エポエチンベータ)(0.5mL)を9.5mLの生理食塩水に混入したものを静脈内に1分間以上かけて単回投与する。エポエチンベータは、人間の体内で分泌されているエリスロポエチンというホルモンを人工的に合成した薬剤で、細胞保護作用や血管新生作用が知られている。現在までの研究で、通常治療に比べエポエチンベータを投与した場合は慢性期に心臓の機能が良好に回復することがわかってきており、その至適用量の存在もある程度分かってきた。そこで、本治療においては、急性心筋梗塞に対するエポエチンベータ投与が有効かつ安全であることをさらに多くの症例で確認することと同時に至適用量を探索する。本治療は、世界的標準治療法が未確定の急性心筋梗塞患者の慢性期心不全改善を図るものである。 |
| 36 | ボルテゾミブ静脈内投与、メルフェラン経口投与及びデキサメタゾン経口投与の併用療法 | 原発性ALアミロイドーシス | ボルテゾミブ(B)、メルファラン(M)をデキサメタゾンに併用して用いる。ボルテゾミブ(B)、メルファラン(M)をBは1.0〜1.3mg/uを第1日目、4日目、8日目、11日目に静脈投与、Mは8mg/uを第1日目〜4日目に経口投与、この治療を28日間ごと(休薬期間16日を含む1サイクル)に最大4回繰り返すことで早期にアミロイド蛋白の前駆体である血中のM蛋白濃度(M蛋白軽鎖:FLC)を下げ病勢の進行を抑える。 |
| 37 | 培養骨髄細胞移植による骨延長術 | 骨系統疾患(低身長又は下肢長不等である者に係るものに限る。) | 骨延長術時に骨髄液を採取し、間葉系幹細胞を含む細胞を自己血清含有の骨芽細胞誘導培地にて3週間培養し骨芽細胞へ分化誘導する。多血小板血漿は移植前日に自己静脈血より遠心分離法により精製する。培養細胞の安全性を確認後、培養細胞と多血小板血漿を混合してトロンビン、カルシウムとともに骨延長部位に注射により移植して、早期に骨形成を促す治療法である。 |
| 38 | NKT細胞を用いた免疫療法 |
肺がん(小細胞肺がんを除き、切除が困難な進行性のもの又は術後に再発したものであって、化学療法が行われたものに限る。) | NKT細胞は特異的リガンドであるαガラクトシルセラミドにより活性化すると腫瘍に対して直接的に、もしくは他の免疫担当細胞を活性化して間接的に強力な抗腫瘍効果を発揮する。体内NKT細胞の活性化を誘導するために、末梢血より成分採血にて単核球を採取して樹状細胞を誘導し、αガラクトシルセラミドを添加した後に、本人に点滴静注にて投与する。 | 39 | ペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法 |
肺がん(扁平上皮肺がん及び小細胞肺がんを除き、病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。) | PEM+CDDP併用療法は、1日目にPEMは500mg/uとCDDPは75 mg/uを投与し、3週毎に4回投与する。進行非扁平上皮非小細胞肺癌に対する有効性、および安全性が確立した治療であり、さらには術後補助化学療法としても期待されている治療法である。 |

