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医政発 第1127004号
薬食発 第1127001号
平成15年11月27日

各都道府県知事
各政令市市長
各特別区区長
 殿

厚生労働省医政局長

厚生労働省医薬食品局長


医療機関における医療事故防止対策の強化について

 標記については、平成12年9月29日付け健政発第1129号・医薬発第989号厚生省健康政策局長・医薬安全局長通知「医療施設における医療事故防止対策の強化について」により貴管下医療機関における医療事故防止の取組強化が図られるよう周知徹底方お願いしたところである。
 しかし、依然として医療事故報道が後を絶たず、最近の特定機能病院や大学医学部附属病院等における医薬品の過量投与や誤投与のように、従来から危険性の指摘されている医薬品による患者死亡事故が依然として発生していることから、貴管下医療機関における医療事故防止の取組強化が図られるよう、改めて周知徹底方お願いする。
 あわせて、貴管下医療機関において下記事項について確認及び検討を行うよう、御指導方お願いしたい。
 また、下記事項の趣旨を踏まえて、薬局においても、事故防止対策について確認及び検討を行うよう、御指導方お願いしたい。

1.間違いやすい医薬品の採用状況の確認
各医療機関において別添「処方点検や調剤時、病棟への供給時に注意を要する医薬品」(日本病院薬剤師会)等を用いて、間違いやすい医薬品の採用状況を把握すること。
間違いやすい医薬品の組合せの双方が採用されている場合には、双方を採用することの必要性を再検討すること。

2.間違い予防のために講じている方策の確認
 間違いやすいことが指摘されている医薬品を採用している場合、間違いを予防するために講じている方策を再確認するとともに、それが有効に機能しているかどうかを確認すること。

3.抗がん剤の使用体制の確立
 抗がん剤の使用に際しては、これまでも過量投与に伴う重大な事故が発生していることに鑑みて、各医療機関において抗がん剤を処方する場合の条件を明確にするなど処方ミスを防ぐための方策を講じることや、薬剤部において抗がん剤の種類、投与量等の二重確認を可能な限り行うことなど、抗がん剤を安全に使用するための体制を確立するとともに、それが有効に機能しているかどうか確認すること。


(別添)

処方点検や調剤時、病棟への供給時に注意を要する医薬品


 誤処方による事故、ヒヤリハット報告があった医薬品名の組み合わせ
 ・アマリール,アルマール
 ・サクシン,サクシゾン
 ・タキソール,タキソテール
 ・ノルバスク,ノルバデックス
 ・オーダリングシステム等を採用している医療機関において先頭3文字が同一の医薬品

 名称類似によると思われる調剤エラーや誤投与のヒヤリハット報告が複数あったもの
 ・アロテック,アレロック
 ・ウテメリン,メテナリン
 ・テオドール,テグレトール
 ・プレドニン,プルゼニド

 投与量のチェックを厳しく行うべきもの
 ・タキソール
 ・タキソテール
 ・インスリン製剤
 ・小児におけるアミノフィリン

 投与方法についての注意喚起(他の医薬品との供給方法の差別化)を行うべきもの
 ・カリウム製剤
 ・リドカイン製剤(特にキシロカイン10%)

(日本病院薬剤師会)


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