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予防接種法の一部を改正する法律等の施行について

健発第1058号
平成13年11月7日

都道府県知事
政令市市長
特別区区長
殿

厚生労働省健康局長

予防接種法の一部を改正する法律等の施行について

 予防接種法の一部を改正する法律が平成13年11月7日法律第116号をもって、予防接種法施行令及び予防接種法施行令及び結核予防法施行令の一部を改正する政令の一部を改正する政令が平成13年11月7日政令第347号をもって、予防接種法施行規則及び予防接種実施規則の一部を改正する省令が平成13年11月7日厚生労働省令第210号をもってそれぞれ公布され、いずれも同日に施行された。
 これらの施行の細部に関しては、下記の事項に留意の上、実施主体である市町村長において、定期の予防接種の適切な実施に努められるとともに、健康被害発生時の各種給付等の事務に遺漏なきを期されたく、貴職よりよろしく周知願いたい。
 なお、この通知においては、改正後の予防接種法、予防接種法施行令、予防接種法施行規則及び予防接種法実施規則をそれぞれ「法」、「施行令」、「施行規則」及び「実施規則」と、改正前の予防接種法施行令及び結核予防法施行令の一部を改正する政令を「旧平成6年政令」と、改正後の予防接種法施行令及び結核予防法施行令の一部を改正する政令を「新平成6年政令」と略称する。

第一 対象疾病

1 インフルエンザの追加

 インフルエンザについては、予防接種が高齢者の発病防止や特に重症化防止に有効であることが確認され、個人予防の積み重ねとしての社会全体の疾病予防にもつながることから、インフルエンザの予防接種を促進するため、対象疾病としたものであること。(法第2条第3項関係)

2 類型化

 従来から予防接種法に基づく予防接種を行う疾病とされている、ジフテリア、百日せき、急性灰白髄炎、麻しん、風しん、日本脳炎及び破傷風は、その発生及びまん延を予防することを目的として、集団予防目的に比重を置いて予防接種を行うものであり、一類疾病としたこと。これら一類疾病については、引き続き従前と同じく予防接種を行われたいこと。(法第2条第2項関係)
 インフルエンザは、個人の発病又はその重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資することを目的として、個人予防目的に比重を置いて予防接種を行うものであり、二類疾病としたこと。また、二類疾病の予防接種については、その対象者が当該予防接種を受けるよう努めなければならないものとはしていないこと。(法第2条第3項、第8条関係)

第二 定期の予防接種

1 対象者

(1)インフルエンザ

 インフルエンザについて、(1)65歳以上の者、及び、(2)60歳以上65歳未満の者であって一定の心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害を有するものを対象者としたこと。かつ、インフルエンザにかかっている者を除いた者であること。
 なお、心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害の程度は、次のいずれかに該当するものであること。なお、これらに該当することについては、医師の診断書又は身体障害者手帳の写しなど、接種対象者であることの認定に必要と思われる資料の提出を求められたいこと。(施行令第1条、施行規則第2条の2関係)

ア 心臓機能障害
(ア) 次のいずれか二以上の所見があり、かつ、安静時又は自己身辺の日常生活活動でも心不全症状、狭心症症状又は繰返しアダムスストークス発作が起こるもの。
a 胸部エックス線写真所見で心胸比0.60以上のもの
b 心電図で陳旧性心筋梗塞所見があるもの
c 心電図で脚ブロック所見があるもの
d 心電図で完全房室ブロック所見があるもの
e 心電図で第二度以上の不完全房室ブロック所見があるもの
f 心電図で心房細動又は粗動所見があり、心拍数に対する脈拍数の欠損が10以上のもの
g 心電図でSTの低下が0.2mV以上の所見があるもの
h 心電図で第I誘導、第II誘導及び胸部誘導(ただしV1を除く。)のいずれかのTが逆転した所見があるもの
(イ) 人工ペースメーカーを装着したもの又は人工弁移植、弁置換を行ったもの
イ じん臓機能障害
 じん臓機能検査において、内因性クレアチニンクリアランス値が10ml/分未満、又は血清クレアチニン濃度が8.0mg/dl以上であって、かつ、自己の身辺の日常生活活動が著しく制限されるか、又は血液浄化を目的とした治療を必要とするもの若しくは極めて近い将来に治療が必要となるもの。
ウ 呼吸器機能障害
 予測肺活量一秒率、動脈血ガス及び医師の臨床所見により、呼吸困難が強いため歩行がほとんどできないもの、呼吸障害のため予測肺活量一秒率の測定ができないもの、予測肺活量一秒率が20以下のもの又は動脈血O2分圧が50Torr以下のもの。予測肺活量一秒率とは、一秒量(最大呼気位から最大努力下呼出の最初の一秒間の呼気量)の予測肺活量(性別、年齢、身長の組合せでで正常ならば当然あると予測される肺活量の値)に対する百分率である。
エ ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害
 ヒト免疫不全ウイルスに感染していて、次のいずれかに該当するものをいう。
(ア) CD四陽性Tリンパ球数が200/μl以下で、次の項目(a〜l)のうち六項目以上が認められるもの。
a 白血球数について3,000/μl未満の状態が四週以上の間隔をおいた検査において連続して二回以上続く
b Hb量について男性12g/dl未満、女性11g/dl未満の状態が四週以上の間隔をおいた検査において連続して二回以上続く
c 血小板数について10万/μl未満の状態が四週以上の間隔をおいた検査において連続して二回以上続く
d ヒト免疫不全ウイルス−RNA量について5,000コピー/ml以上の状態が四週以上の間隔をおいた検査において連続して二回以上続く
e 一日一時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感及び易疲労が月に七日以上ある
f 健常時に比し10%以上の体重減少がある
g 月に七日以上の不定の発熱(38℃以上)が二か月以上続く
h 一日に三回以上の泥状ないし水様下痢が月の七日以上ある
i 一日に二回以上の嘔吐あるいは30分以上の嘔気が月に七日以上ある
j 口腔内カンジタ症(頻回に繰り返すもの)、赤痢アメーバ症、帯状疱疹、単純ヘルペスウイルス感染症(頻回に繰り返すもの)、糞線虫症及び伝染性軟属種等の日和見感染症の既往がある
k 生鮮食料品の摂取禁止等の日常生活活動上の制限が必要である
l 軽作業を越える作業の回避が必要である
(イ) 回復不能なエイズ合併症のため介助なくしては日常生活がほとんど不可能な状態のもの

(2)風しん

 風しんについては、旧平成6年政令において、接種時期を早めたことの経過措置として、昭和54年4月2日から昭和62年10月1日までの間に生まれた者(平成7年4月1日において生後90月を超えている16歳未満の者)のうち、従来の風しんの定期の予防接種を受けていない者については12歳以上16歳未満の者をその対象としたところであるが、当該経過措置の対象者はいまだに未接種である者が多いことから再度予防接種の機会を提供するため、昭和54年4月2日から昭和62年10月1日までの間に生まれた者であって14歳以上の者を対象としたこと。これら対象者が平成15年9月30日までの経過措置の期間内に予防接種を受けるよう普及啓発されたいこと。(新平成6年政令附則第3条関係)

2 技術的事項

 インフルエンザの定期の予防接種は、インフルエンザHAワクチンを毎年度1回皮下に注射するものとし、接種量は0.5mlとしたこと。(実施規則第18条)

第三 インフルエンザ予防接種実施要領

 予防接種法に規定するインフルエンザの予防接種の実施に当たっては、同法及びこれに基づく政省令の定めるところによるほか、別添「インフルエンザ予防接種実施要領」によるものとすること。

第四 2類疾病の定期の予防接種に係る予防接種健康被害救済制度

1 考え方

 二類疾病(インフルエンザ)の定期の予防接種については、(1)個人予防目的に比重を置いていること、(2)被接種者等に予防接種を受けるよう努める義務が課されておらず、被接種者の自由な判断に基づいて接種を受けるものであり、一般の医療と同様の性格を有することから、健康被害に係る救済給付の水準については、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法と同程度としたこと。(法第13条第2項)

2 医療費の支給

(1) 支給要件

 予防接種を受けたことによる疾病が病院又は診療所への入院治療を要する程度である場合に行われる当該疾病の治療に必要な程度の医療をいうこと。この場合において、疾病が入院治療を要する程度である場合とは、入院治療が行われる場合に必ずしも限定されるものではなく、これと同程度の疾病の状態にあると認められる場合であれば、諸事情からやむを得ず自宅療養を行っている場合等を含むこと。(施行令第19条関係)

(2) 支給手続

(1) 医療費の支給を受けようとする者は、別紙1に定める医療費・医療手当請求書に次の書類を添えて、請求者の予防接種時の居住地を管轄する市町村長(特別区長を含む。以下同じ)に提出するものとすること。(施行規則第11条の11関係)
ア 当該予防接種を受けた年月日を証する書類
イ 第二の1の(1)の(2)に掲げる対象者の場合、その障害の状態を証する書類又は医師の作成した書面
ウ 疾病の発病年月日及びその症状を証する医師の作成した書面又は診療録の写し
エ 医療機関又は薬局で作成された別紙2(1)に定める受診証明書。ただし、厚生労働大臣への認定進達には、別紙2(2)に定める受診証明書
(2) 市町村長は、請求に係る疾病と予防接種との因果関係について厚生労働大臣の認定を受けるため、請求書と請求書の添付書類の写し並びに予防接種健康被害調査委員会の調査報告を添え、都道府県知事を経由して厚生労働大臣に認定進達を行うものとすること。(法第11条関係)
(3) 厚生労働大臣は、疾病・障害認定審査会の意見を聴いて請求に係る疾病のうち予防接種と因果関係にあると認められる疾病があるときは、当該疾病名を、予防接種と因果関係にあると認められる疾病がないときは、その旨を、都道府県知事を経由して市町村長に通知するものであること。(法第11条)
(4) 市町村長は、支給を決定したときは、請求者にその旨を書面で通知するとともに、厚生労働大臣によって認定された疾病名を予防接種被害者健康手帳に記入するものとすること。
 不支給を決定したときは、請求者にその旨及びその理由を書面で通知するものとすること。この場合、行政不服審査法に基づき不服申立できる旨教示するものとすること。(施行規則第11条の25関係)
(5) 支給決定認定を受けた疾病について医療が継続して行われているときは、(1)に掲げる添付書類のうちア、イ及びウは添付する必要がなく、また、(2)及び(3)の手順は必要でないこと。
(3) 請求の期限

 医療費の支給の請求は、当該医療費の支給の対象となる費用の支払いが行われた時から2年を経過したときは、することができないとしたこと。(施行令第19条)

3 医療手当の支給

(1) 支給要件

 医療手当の支給の対象となる医療とは、2(1)に定めるものと同様であること。(施行令第20条関係)

(2) 支給手続

(1) 医療手当の支給を受けようとする者は、別紙1に定める医療費・医療手当請求書に医療費の請求の場合と同一の書類を添えて、請求書の予防接種時の居住地を管轄する市町村長に提出するものとすること。(施行規則第11条の12関係)
 なお、医療手当と同一月分の医療費が併せて請求されている場合は、医療手当についての書類の添付は、省略して差し支えないこと。
(2) (1)に掲げる外、医療手当の支給手続については、1(2)に定める医療費の支給手続に準ずるものとすること。
(3) 同一月に医療費と医療手当の請求があるときは、同時に請求を行うよう請求者に対して指導されたいこと。
(3) 請求の期限

 医療手当の支給の請求は、当該医療手当の支給の対象となる医療が行われた時から2年を経過したときは、することができないとしたこと。(施行令第20条)

4 障害年金の支給

(1) 支給額

 障害年金の額は、施行令第21条第2項に規定するところによることとし、障害年金を受ける者について、予防接種を受けたことによる障害に関し、福祉手当又は国民年金法の規定による障害福祉年金が支給されているときであっても、同項に規定する額から支給される福祉手当又は障害福祉年金の額を控除しないこと。

(2) 支給手続

(1) 障害年金の支給を受けようとする者は、別紙3に定める障害年金請求書に次の書類を添えて、請求者の予防接種時の居住地を管轄する市町村長に提出するものとすること。(施行規則第11条の13関係)
ア 当該予防接種を受けた年月日を証する書類
イ 第二の1の(1)の(2)に掲げる対象者の場合、その障害を証する書類又は医師の作成した書面
ウ 障害者の障害の状態に関する医師の診断書
 なお、障害の状態に関する医師の診断書の様式例を別紙10に示したので参考とされたいこと。
エ 障害者が施行令別表2に定める障害の状態に該当するに至った年月日及び予防接種を受けたことにより障害の状態になったことを証明することができる医師の作成した書面又は診療録の写し
(2) 厚生労働大臣は、市町村長に対して因果関係の認否、等級及び障害の状態に至った年月日を通知すること。
(3) 市町村長が支給決定をしたときは、予防接種被害者健康手帳に編綴された障害年金証書に所要の記載を行うものとすること。
(4) (1)から(3)のほか、2(2)に定める医療費の支給手続に準じるものとすること。
(3) 支給期間等

 障害年金の支給期間は、支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から支給すべき事由が消滅した日の属する月までであり、その支払は、毎年1月、4月、7月及び10月の4期に行うこと。(施行令第25条)

(4) 額の変更

(1) 障害の状態に変更があったため、新たに新予防接種法施行令別表2に定める他の等級に該当することとなった場合においては、新たに該当するに至った等級に応ずる額を支給することとされているが、その前提としては、額の変更の請求及び障害の状態の変更の届出があり得ること。(施行令第22条、施行規則第11条の14、施行規則第11条の15第3号)
(2) 障害年金の支給を受けている者が、その障害の程度が増進した場合において、その受けている障害年金の額の変更を請求しようとするときは、別紙4に定める年金額変更請求書に次の書類を添えて当該市町村長に提出するものとすること。(施行規則第11条の14)
ア 障害の状態に関する医師の診断書
イ 障害者が令別表第2に定める他の等級に該当するに至った年月日を証明することができる医師の作成した書面又は診療録の写し
(3) (2)のほか、額の変更のための手続については、3の(2)の(2)から(4)までに定める障害年金の支給手続に準ずるものとすること。

5 遺族年金の支給

(1) 支給要件

(1) 遺族年金は、一家の生計維持者が予防接種を受けたことにより死亡した場合に、その者の遺族の生活の立て直し等を目的として行われる給付であること。
(2) 施行令第24条第1項に規定する生計維持要件についての取扱は、次のとおりとすること。
ア 予防接種を受けたことにより死亡した者の経済的役割からみて生計維持に該当するか否か、個々の事例について慎重に判断されたいこと
イ 死亡者の収入によって日常の消費生活活動の全部又は一部を営んでおり、死亡者の収入がなければ通常の生活水準を維持することが困難となるような関係が常態である者については、死亡者によって生計を維持しているものと解して差し支えないこと
ウ 生計維持要件を認めるに当たっての死亡した者の収入については、必ずしも死亡した者本人の資産又は所得である必要はなく、その者が家計を別にする他の者から仕送りを受け、又は公的社会保障給付を受けている場合、更に、本制度の救済給付を受けている場合には、それをその者の収入として取り扱って差し支えないこと
(3) 予防接種を受けたことにより死亡した者の死亡の当時胎児であった子の取扱は、次のとおりとすること。
ア 当該胎児であった子が出生したときは、その子は将来に向かって死亡者の死亡の当時その者によって生計を維持していた子とみなされるので、その子については、生計を維持していたことの確認は要しないこと
イ 当該胎児であった子の出生により遺族の順位等に変更が生じるが、これは将来に向かってのみ効果を生ずるものであるので、既に支給した遺族年金を返還させる等の問題は生じないこと
ウ 当該胎児であった子が出生し、遺族年金の請求があった場合において、他の子が遺族年金の支給を受けていたときは、遺族年金の額を改定することとなり、後順位の遺族が遺族年金の支給を受けていたときは、その請求があった日の属する月の翌月から遺族年金はその子に支給することとなるものであること
(2) 支給手続
(1) 遺族年金の支給を受けようとする者は、別紙5に定める遺族年金・遺族一時金請求書に次の書類を添えて、請求者の予防接種時の居住地を管轄する市町村長に提出するものとすること。(施行規則第11条の16関係)
ア 当該予防接種を受けた年月日を証する書類
イ 第二の1の(1)の(2)に掲げる対象者の場合、その障害を証する書類又は医師の作成した書面
ウ 死亡した者に係る死亡診断書その他死亡を証する書類
エ 予防接種を受けたことにより死亡したことを証明することができる医師の作成した書面
オ 請求者と死亡した者との身分関係を明らかにすることができる戸籍の謄本又は抄本
カ 請求者が死亡した者と内縁関係にあった場合は、その事実に関する当事者(内縁関係にあった夫又は妻)、双方の父母、その他尊属、媒酌人若しくは、民生委員等の証明書又は内縁関係にあったと認められる通信書その他の書面
キ 請求者が死亡した者の死亡の当時その者によって生計を維持していたことを証明することができる住民票の写し及び所得税源泉徴収証明書等の収入の状況を示す書類
ク アからカのほか、2(2)に定める医療費の支給手続に準じるもの
(2) 施行規則第11条の17又は第11条の18の規定に基づき遺族年金の支給を請求しようとする場合の請求書は、それぞれ別紙6(遺族年金請求書(胎児用))又は別紙7(遺族年金請求書(後順位者用))によること。
(3) 支給額及び額の改定
(1) 遺族年金の額は、遺族年金を受けることができる同順位の遺族が一人であるときはその者に全額を、二人以上であるときは各人にその人数で除して得た額をそれぞれ支給する。この場合において、同順位の遺族であって遺族年金の支給を請求しない者があるときは、その者は遺族年金を受けることができる同順位の遺族とはならないので、その者を除いた同順位の遺族の数で除して得た額が支給額となること。(施行令第24条第6項)
(2) 遺族年金の支給を請求していなかった同順位の遺族がその支給を請求したときは、その者の請求の日の属する月の翌月から遺族年金を受けることができる遺族の数が増加することとなるので、(1)に定めるところにより各人に支給する額を改定すること。(施行令第24条第7項)
 なお、予防接種を受けたことにより死亡した者の死亡の当時胎児であった子が出生し、遺族年金の支給を請求した場合において、既に他の子が遺族年金の支給の決定を受けていたときも同様の取扱となること。(施行令第24条第2項)
(3) 遺族年金の支給を受けていた者が死亡した場合においては、遺族年金を受けることができる遺族の数が減少するため、(1)に定めるところにより各人に支給する額を改定すること。
(4) 支給期間

 遺族年金の支給は、10年間を限度として行うものであるが、この趣旨は実質の支給期間を10年間とするものである。したがって、遺族年金の支給を受けていた遺族が死亡した場合において、同順位者がなくて後順位者があるときの当該後順位者の請求に基づき支給される遺族年金の支給期間は、10年から死亡した先順位の遺族に対して当該遺族年金が支給された期間を控除して得た期間となる。(1)(1)ウに定めるところにより、先順位の胎児が出生した場合において、後順位の遺族に対して既に支給した遺族年金があるときの取扱も同様となること。(施行令第24条第4項)

(5) 請求の期限

 遺族年金の請求の期限は、予防接種を受けたことにより死亡した者が当該予防接種を受けたことによる疾病又は障害について、医療費、医療手当又は障害年金の支給があった場合には、その死亡の時から2年、それ以外の場合には、その死亡の時から5年としたこと。(施行令第24条第9項)

6 遺族一時金の支給

(1) 支給要件

(1) 遺族一時金は、一家の生計維持者以外の者が予防接種を受けたことにより死亡した場合に、その遺族に対する見舞金等を目的として行われる給付であるので、遺族一時金の請求があった場合には、胎児の有無も含めて、遺族年金を受けることができる遺族がいないことを確認されたいこと。(施行令第26条関係)
(2) 施行令第26条第1項に定める遺族のうち、配偶者以外の者について要求されている「生計を同じくしていた」とは、死亡した者と、その遺族との間に生活の一体性があったことをいうものであり、必ずしも同居を必要とするものではないこと。
(3) 遺族一時金の請求があった場合は、当該請求者が施行令第27条により準用された第17条第3項の規定により遺族の範囲から除外されている者でないこと及び胎児の有無も含め当該請求者より先順位の遺族一時金を受けることができる遺族がいないことを確認されたいこと。

(2) 支給手続

(1) 遺族一時金の支給を受けようとする者は、別紙5に定める遺族年金・遺族一時金請求書に次の書類を添えて、死亡した者の予防接種時の居住地を管轄する市町村長に提出するものとすること。(施行規則第11条の21)
ア 4の(2)の(1)のアからカに掲げる書類
イ 請求者が死亡した者の配偶者以外の場合は、死亡した者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたことを明らかにすることができる住民票等の書類
ウ ア及びイのほか、2(2)に定める医療費の支給手続に準じるもの
(2) 施行規則第第11条の22の規定に基づき遺族一時金の支給を請求しようとする場合の請求書は、別紙8(遺族一時金請求書(差額一時金用))によること。
(3) 請求の期限

 新施行令第26条第3項第1号の規定に基づく遺族一時金の請求の期限は、予防接種を受けたことにより死亡した者が当該予防接種を受けたことによる疾病又は障害について、医療費、医療手当又は障害年金の支給があった場合には、その死亡の時から2年、それ以外の場合には、その死亡の時から5年としたこと。(第26条第5項関係)
 新施行令第26条第3項第2号の規定に基づく遺族一時金の請求の期限は、遺族年金を受けていた者が死亡した時から2年としたこと。(第26条第4項)

7 葬祭料の支給

(1) 支給要件

 葬祭料は、予防接種を受けたことにより死亡した者の葬祭を行う者に対して支給されるものであるが、この「葬祭を行う者」とは、現実に葬祭を行う者をいい、葬祭を2人以上の者が行うときは、そのうちの主として葬祭を行う者であること。また、「葬祭を行う者」は、死亡した者の遺族に限定されないが、死亡した者に遺族がいるにもかかわらず、遺族以外の者から葬祭料が請求されたときは、当該請求者が、「葬祭を行う者」であることを確認する等その支給の適正を期されたいこと。(施行令第28条関係)

(2) 支給手続

 葬祭料の支給を受けようとする者は、別紙9に定める葬祭料請求書に次の書類を添えて、死亡した者の予防接種時の居住地を管轄する市町村長に提出するものとすること。(施行規則第11条の23関係)

ア 5の(2)の(1)のア及びイに掲げる書類。ただし、同時に遺族年金又は遺族一時金の請求がなされている場合には、葬祭料についての資料の添付は省略して差し支えないこと。
イ 請求者が死亡した者について葬祭を行う者であることを明らかにすることができる埋葬許可証の写し等の書類
ウ ア及びイのほか、2(2)に定める医療費の支給に準ずるもの

8 給付に関するその他の事項

(1) 診断及び報告

 市町村長は、障害年金の支給に関し特に必要があると認めるときは、給付を受けている者(以下「障害年金受給者」という。)に対して、医師の診断を受けるべきことを命じ、又は必要な報告を求めることができるものであること。障害年金受給者が、正当な理由がなくてこの命令に従わず、又は報告をしないときは、市町村長は、障害年金の給付を一時差し止めることができるものであること。(施行令第23条関係)

(2) 氏名又は住所の変更等の届出

 障害年金受給者及び遺族年金の受給者は、氏名又は住所を変更した場合などには速やかに、当該年金たる給付を行う市町村長にその旨を記載した届書及び予防接種被害者健康手帳を提出しなければならないものであるが、次の場合には、それぞれ掲げる事項を届書に記載するとともに、所要の書類を添えなければならないものであること。(施行規則第11条の7、第11条の14、第11条の18)

ア 氏名を変更した場合は、変更前及び変更後の氏名並びに戸籍の抄本
イ 住所を変更した場合は、変更前及び変更後の住所地並びに変更の年月日並びに住民票の写し
ウ 障害年金の支給要件に該当しなくなった場合はその年月日及び理由
(3) 年金受給者の死亡の届出

 年金受給者が志望したときは、戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、速やかに、その死亡した者の氏名及び死亡した年月日を記載した届書にその死亡の事実を証する書類を添えて、当該年金たる給付を行っていた市町村長に提出しなければならないものであること。(施行規則第11の19関係)

第五 予防接種被害者健康手帳

1 交付

 予防接種を受けた者が疾病にかかり、又は障害の状態となった場合において、当該疾病又は障害が当該予防接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、市町村長は、厚生労働大臣が作成し送付する予防接種被害者健康手帳を認定を受けた者に交付するものとすること。

2 内容

 予防接種被害者健康手帳は、厚生労働大臣によって認定された疾病名が記載されるとともに、障害年金又は遺族年金の証書が編綴されるものであること。

第六 インフルエンザの定期の予防接種に係る意思確認

 二類疾病の予防接種は、個人予防目的に比重を置いて行うものであることから、インフルエンザの予防接種の対象者には予防接種を受けるよう努める義務は課されておらず、対象者が接種を希望する場合にのみ接種を行うこと。

(1) 接種を受ける意思があるがそれを自署できない場合

 被接種者本人にインフルエンザの予防接種を受ける意思があるが、自署できない場合は、家族等の代筆者が署名し、代筆者氏名及び被接種者との続柄を記載すること。接種医は、本人の意思を確認して接種を行うこととされたいこと。

(2) 接種を受ける意思の確認が困難な場合

 対象者の意思確認が困難な場合は、家族又はかかりつけ医の協力により対象者本人の意思確認をすることとし、接種希望であることが確認できた場合に接種を行うこと。対象者の意思確認が最終的にできない場合は、予防接種法に基づいた接種を行うことはできないこと。

第七 実費の徴収

 従前から予防接種法第3条第1項の規定による予防接種を行った場合は、経済的理由によりその費用を負担することができない場合を除き、実費を徴収することができるとされており、二類疾病の場合であっても同様に、経済的理由によりその費用を負担することができない場合を除き、実費を徴収することができるものとすること。

第八 予防接種済証の交付

 定期の予防接種が自治事務とされていることにかんがみ、地方公共団体の自主性を尊重する観点から予防接種済証の大きさをA列4番に指定しないこととしたこと(施行規則第4条関係)。

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