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歯科疾患実態調査

調査の概要

調査の目的

 この調査は、わが国の歯科保健状況を把握し、8020運動(歯科保健推進事業等)の種々の対策の効果についての検討や、健康日本21において設定した目標の達成度等の判定を行い、今後の歯科保健医療対策の推進に必要な基礎資料を得ることを目的とする。

調査の対象

 全国を対象として、平成23年国民生活基礎調査により設定された単位区から無作為に抽出した300単位区内の満1歳以上の世帯員を調査客体とする。ただし、東日本大震災に伴い、岩手県、宮城県及び福島県の全域を除く。

主な調査事項

  1. 1)被調査者数
  2. 2)う蝕とその処置状況
  3. 3)歯肉の状況
  4. 4)歯列・咬合の状況
  5. 5)フッ化物の塗布状況
  6. 6)歯ブラシの使用状況
  7. 7)顎関節の状況
  8. 8)インプラントの状況
  9. 9)かみあわせの状況

調査票等

 調査票は、次の2種類とし、あらかじめ厚生労働省医政局歯科保健課長から各都道府県、政令市、特別区の保健福祉主管部(局)長に送付し、都道府県、政令市並びに特別区から調査地区を管轄する保健所長に歯科疾患実態調査送付票を含めて送付する。

  1. (1)歯科疾患実態調査被調査者名簿(第1号様式 [90KB] 。以下「調査名簿」という。)
  2. (2)歯科疾患実態調査票(第2号様式 [1,498KB] 。以下「調査票」という。)

調査の時期

 平成23年11月(国民健康・栄養調査の身体状況調査と共に実施)

調査の方法

  1. (1)この調査は、厚生労働大臣が都道府県知事、政令市長並びに特別区長に委託して実施する。都道府県知事、政令市長並びに特別区長は、調査対象地区の保健所長の協力を得て、口腔診査に経験の深い歯科医師および診査補助員を調査員に委嘱または任命して実施する。
  2. (2)本調査の具体的な実施方法については、事前に調査地区ごとに保健所長および調査員等の間で、十分な打ち合わせを行うとともに、調査地区の歯科関係者の協力を得て本調査を円滑に実施できるように努める。
  3. (3)調査対象地区の世帯に対しては、事前に本調査の趣旨、方法等の周知徹底を図り、調査に対する協力体制の確保に配慮する。

調査の実施および診査基準

調査の実施

 調査票記入要領の定めるところにより、次の事項を調査票に記入した。

  1. 1)受診者に質問して記入する事項
    低年齢児については保護者等に質問し記入した。
  2. 2)口腔診査を実施して、その結果を記入する事項
    調査の実施にあたっては次の点に留意した。
    • (ア)診査に用いる器具材料等は清潔に取り扱い、特に繰り返し使用する器具は消毒を完全に行う。
    • (イ)診査にあたっては、一時的な混雑で性急に診査がされることのないよう注意する。
    • (ウ)混合歯列においては、永久歯と乳歯を同時に診査することになるので、注意深く診査し、間違いなく記録を行う。
    • (エ)歯に付着物が存在し診査が困難と考えられる時は、歯の清掃をするなどした上で診査する。また、義歯装着者については、義歯を外してから口腔内診査を行う。
    • (オ)可撤性補綴物の鉤歯や隣接歯に発生したう蝕は、見落としやすいので注意する。また、これらの場合は、補綴物を離脱させて残根の有無など、十分に注意して診査する。

    なお、調査年次による調査項目の差異については表1 [55KB] に示した。

診査基準

 診査は、次に掲げる基準に従った。

  • 1)現在歯
    1. (1)現在歯は、(@)健全歯 (A)未処置歯 (B)処置歯の3種に分類する。
      現在歯とは、歯の全部または一部が口腔に現れているものをいう。
    2. (2)過剰歯は含めないこととし、癒合歯は1歯として取り扱い、その場合の歯種名は上位歯種名をもってこれにあてる。(例:乳中切歯と乳側切歯の癒合歯は、乳中切歯とする。)
    3. (3)現在歯の診査は、視診を原則とするが、充分な照明が得られない等の診査環境の場合には、レジン充填等の確認などに際し、適宜歯科用探針を用いること。
    1. (i)健全歯
      • ◆健全歯とは、う蝕あるいは歯科的処置の認められないもの(以下に記す未処置歯および処置歯の項に該当しないもの)をいう。
      • ◆咬耗、摩耗、着色、外傷、酸蝕症、発育不全、歯周炎、形態異常、エナメル質形成不全等の歯であっても、それにう蝕のないものは健全歯とする。
        • (注)歯質の変化がなく、単に小窩裂溝が黒褐色に着色しているもの、平滑面で表面的に淡褐色の着色を認めるが歯質は透明で滑沢なもの、エナメル質形成不全と考えられるものなどは、すべて健全歯とする。
      • ◆健全歯のうち、脱灰、再石灰化等に関連し白濁、白斑、着色部が認められる歯は、白濁・白斑・着色歯とする。
        • (注)白濁・白斑・着色歯にはテトラサイクリン、ニコチン、金属、外来性色素等による着色等は含まないものとする。
      • ◆健全歯を予防填塞の有無により、次のように分類する。
        • ア.健全歯0
          予防填塞(フィッシャー・シーラント)がされていない歯
        • イ.健全歯t
          予防填塞(フィッシャー・シーラント)がされている歯
        • (注)予防填塞と処置歯との鑑別を行う場合、一般的に予防填塞はレジン充填に比べ
          [1]色調が異なること
          [2]填塞物の辺縁の形態が裂溝状で細く、不揃いなこと
          [3]填塞物表面の粗ぞう感が少ないこと
          が多いことを考慮する。
    2. (ii)未処置歯
      • ◆未処置歯は乳歯、永久歯とも次のとおり分類する。なお、調査年次によるう蝕の診断基準の差異については表2 [62KB] に示した。
        • ア.軽度う蝕(Ci:Caries incipient)
        • イ.重度う蝕(Ch:Caries high grade)
        • (注)1.同一歯の歯冠部に2か所以上にう蝕のある場合には、病状の進んでいる方をとること。
          2.フッ化ジアンミン銀(サホライド)のみを塗布したと考えられる歯は未処置歯とする。
        • ア. 軽度う蝕(Ci)
           歯冠部のう蝕については、明らかなう窩、脱灰・浸食されたエナメル質、軟化底、軟化壁が探知できる小窩裂溝、平滑面の病変をう蝕とする。また、根面部のう蝕については、病変部をCPI プローブで触診し、ソフト感あるいはざらついた感じがあればう蝕とする。
        • イ. 重度う蝕(Ch)
           重度う蝕とは、歯髄まで病変が波及しているものまたは、それ以上に病変が進行しているものをいう。
    3. (iii)処置歯
      • ◆処置歯とは歯の一部または全部に充てん、クラウン等を施しているものをいう。
      • ◆歯周炎の固定装置、矯正装置、矯正後の保定装置、保隙装置および骨折副木装置は含まれない。
      • ◆治療が完了していない歯並びに処置歯でも2次う蝕または他の歯面等で未処置う蝕が認められる場合、未処置歯として取り扱う。
      • ◆予防填塞(フィッシャー・シーラント)の施してある歯については、可能な限り問診してう蝕のない歯に予防填塞を施したものは健全歯tとするが、明らかにう蝕のあった歯に填塞したものは処置歯とする。
      • ◆根面板は処置歯とする。
      • ア. 充てん歯
         セメント充てん、レジン充てん、アマルガム充てん、ポーセレンインレー、合金(インレー、アンレーおよび3/4冠を含む)等により、充てんまたは一部歯冠修復しているものはこれに含める。架工義歯の支台歯であっても、一部修復しているものはこれに含める。
      • イ.クラウン等
         全部鋳造冠、陶材焼付鋳造冠、レジン前装鋳造冠、ジャケットクラウン等、歯冠のすべてを修復しているものをいい、架工義歯の支台歯であってもこれに含める。
  • 2)喪失歯
    1. (1)抜去または脱落により喪失した永久歯をいう。ただし、智歯は含めない。
    • (注)・受診者の年齢を考慮すること
      ・乳歯は診査対象としない。
      ・インプラントは喪失歯とする。
  • 3)補綴の状況
     永久歯の欠損部における補綴物装着の有無を診査する。補綴物は、架工義歯、部分床義歯および全部床義歯に分類する。補綴物にクラスプ等による鉤歯がある場合は記録する。架工義歯については、支台歯を診査する。部分床義歯および全部床義歯については日常使用しているものであれば、診査時に装着していなくてもよい。また、一部破損している、あるいは欠損部の状況と一致していないものは装着していないものとする。なお、乳歯の義歯・保隙装置は含まない。
  • 4)歯肉の状況
     永久歯列について
    図
    の各歯の歯肉の状況(20歳未満の場合、第2大臼歯を除外)をWHOのCPI(Community Periodontal Index,地域歯周疾患指数)によりCPIプローブを用いて上顎、下顎とも頬側面(近・遠心)および舌側面(近・遠心)の4点について以下の基準で診査し、最高コード値を記入する。ただし、同顎、同側の第1、第2大臼歯については、両歯の最高点を記入する。なお、コード3またはコード4で歯石の沈着が認められる場合は、コード数の数字を○で囲む。
    • 0:歯肉に炎症の所見が認められない。
    • 1:プロービング後に出血が認められる。
    • 2:歯石の沈着(歯肉縁下4oまでのプロービングによる検出を含む)
    • 3:ポケットの深さが4o以上6o未満(CPIプローブの黒い部分が歯肉縁にかかっている)
    • 4:ポケットの深さが6o以上(CPIプローブの黒い部分がみえない)
    1. (1)5〜14歳未満の者の場合、プロービングは行うが、ポケットの深さの記録は行わないものとする。
    2. (2)対象中切歯の欠損により診査が不能な際は、反対側同名歯を診査する。
    3. (3)プロービングは、CPIプローブ先端の球を歯の表面に沿って滑らせる程度の軽い力で操作し、遠心の接触点直下から、やさしく上下に動かしながら近心接触点直下まで移動させる。
  • 5)歯列・咬合の状況(12歳から20歳の者を対象とする)
     12歳から20歳の者に対して、次の(1)から(5)の内容について診査をする。
    1. (1)前歯部の叢生および空隙
      上下顎の前歯12歯について、捻転歯や正常な位置からの転移歯の有無を診査し、前歯部の叢生の有無および空隙の有無を上下顎それぞれについて、以下により記録する。叢生には、側切歯の舌側転移、犬歯の低位および唇側転移を含む。
      • 0:なし
      • 1:上顎のみにあり
      • 2:下顎のみにあり
      • 3:上下顎ともにあり
    2. (2)オーバージェット
       中心咬合位における上下顎中切歯の切端間の水平的な距離を診査するため、CPIプローブを用いて切歯の最大突出部から対応する切歯唇面までの距離を咬合平面に対して平行に保ちながら計測し、mm(ミリメートル)単位で記録する。反対咬合の場合は、マイナスの測定値となる。なお、±0.5mm(プローブの小球の直径を参照)以内は、0mmとする。
      (例:3mm → 3、−2mm → −2)
    3. (3)オーバーバイト
       中心咬合位における上下顎中切歯の切端間の垂直的な距離を診査するため、CPIプローブを用いて上下顎中切歯の切端間の距離を計測し、mm(ミリメートル)単位で記録する。開咬の場合は、マイナスの測定値となる。なお、±0.5mm(プローブの小球の直径を参照)以内は、0mmとする。
      (例:3mm → 3、−2mm → −2)
    4. (4)正中のずれ
       中心咬合位における上下顎中切歯正中のずれを診査するため、上下顎中切歯の正中の距離を計測し、mm(ミリメートル)単位で記録する。なお、±0.5mm(プローブの小球の直径を参照)以内は、0mmとする。
      (例:3mm → 3)
  • 6)かみあわせの状況
     左右臼歯部について、必要に応じてミラー等を用いて、上下顎臼歯部同士の接触の有無について診査を行う。義歯を使用中の者については、「義歯不装着の状態」および「義歯装着の状態」の双方について診査を行う。冠、架工義歯およびインプラントにおける接触は、かみあわせによる接触があるものとする。なお、著しい歯冠の崩壊が認められる歯牙における接触については、かみあわせによる接触がないものとして扱うものとする。また、本診査において歯牙の動揺度は考慮せず、接触の有無のみを診査する。

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