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(家庭福祉課関係)

1 児童自立支援施策について

(1)児童自立支援施設について

(1) 入所児童の就学について
 平成9年に児童福祉法が改正され、施設長に就学義務が課せられたにもかわらず、学校教育の実施状況は平成12年度現在、57施設中17施設にとどまっている。平成13、14年度の導入予定においても、それぞれ9施設と低調の見込みである。(資料1参照)厚生労働省としては、学校教育実施促進事業を継続して実施するとともに、文部科学省と連携を図りながら、入所児童が早期に就学できるよう努めているところであり、導入計画未定の各自治体においては、民生主管部局と教育委員会が密接に連携を取りながら、早期に就学ができるよう引き続き一層のご尽力をお願いする。

(2) 児童自立支援施設の活用
 児童福祉法の改正により、入所の目的や名称の変更、対象児童の見直し等が行われたにもかかわらず、過去5年間の充足率は50%以下と低調で、改正の目的が達成されていない。一方、平成11年に国立武蔵野学院が行った実態調査によれば、児童自立支援施設の入所児童の約6割が虐待を経験していたという結果も出ている。
 児童自立支援施設においては、生活指導等を要する児童を入所させ処遇してきており、被虐待児に対しても処遇の効果が期待されることから、児童相談所等との連携のもと、児童自立支援施設の積極的な活用を願いたい。

(2)入所児童の権利擁護の確立について

 入所児童の適切な処遇の確保等については、平成10年度、児童福祉施設最低基準を改正し、施設長の懲戒に係る権限の濫用を禁止する規定を明確にし、その徹底を図ってきたところである。また、昨年改正された社会福祉法により、社会福祉事業の経営者に対して「情報の提供」「自主評価や第三者評価等による福祉サービスの質の向上のための措置等」「苦情の解決」の努力義務が課せられるとともに(同部分については平成12年6月施行)、児童福祉施設最低基準において全ての児童福祉施設に対して苦情解決のしくみの導入・実施等について義務化(平成12年9月施行)されたところである。
 更に、児童虐待の防止等に関する法律(平成12年11月20日施行)により、保護者による児童虐待の禁止が徹底されているところである。
 これらを踏まえて、先般、貴管内児童養護施設等の処遇に係る調査をお願いしたところ、懲戒に係る権限の濫用の防止のために、児童の権利擁護に関する施設内職員研修の実施や、自治会等による児童の意向を表明する機会を確保するなど、様々な工夫と努力をなされているという結果が得られた。
 (資料2参照)しかしながら、一方、施設の運営を巡る問題が生じている施設も見られるので、今後とも、工夫を生かして入所児童に対し健全育成と権利擁護が図られるよう、管内施設の運営指導、児童相談所による技術的支援、職員研修の充実等引き続き努力されるとともに、児童福祉施設入所児童支援事業にも積極的に取り組まれるようお願いする。

【児童福祉施設入所児童支援事業】

(1) 児童の処遇評価事業
 第三者による評価委員会を設置し、委員は、児童福祉施設に赴き、 入所児童やその家族、職員等から事情を聴取したうえで、各施設についての「第三者評価基準」を参考に児童の処遇を評価し、施設関係者に処遇水準の向上に向けた必要な助言・指導を行う。

(2) 子ども苦情相談事業
 入所児童からの相談に応じるため、委託された公益法人等に相談窓口を設置し、評価委員会は、相談内容の報告を受けるとともに、必要に応じて施設への助言・指導を実施する。

2 児童虐待防止対策の推進について

(1)児童虐待に対する広報・啓発について

 平成12年11月に施行された児童虐待の防止等に関する法律においては、「学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健婦、弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない(第5条)」と規定されたところである。
 このため、法律の趣旨を踏まえ迅速な対応を図る観点から、平成12年度補正予算において、児童虐待を発見しやすい立場にある者を対象に子ども虐待防止のリーフレット「相談してくれてありがとう」を1,600万部作成し、平成13年3月までに配布することにより、児童虐待の通告義務の周知と自覚を促すこととしているので、関係者への早期配布方をお願いする。
 なお、多くの部数の配布をお願いすることとなるため、市町村から関係者への配布を簡便にする方法として100部単位で包装し、希望部数を送付することとしているのでご了知願いたい。

(2)里親制度の促進について

 児童の健全な発達においては、乳幼児期の愛着関係の形成が極めて重要であり、できる限り家庭的環境の中で養育されることが大切である。特に、児童虐待など、児童を取りまく問題が深刻化、多様化する中、家庭での養育に欠ける児童を、暖かい愛情と正しい理解を持った家庭の中で養育する里親制度への期待は増々大きくなっているところである。しかしながら、現状では里親登録数、委託里子数とも年々漸減している。そのため、児童相談所や児童養護施設等と連携を図りながら、説明等を行うことにより、里親制度の普及促進や里親の開拓を図るとともに、里親制度の積極的な活用をお願いする。

(3)児童養護施設等の職員配置について

(1) 被虐待児個別対応職員の配置
 被虐待児については、過度な甘えや、過敏反応、他児への暴力、不眠傾向などが見られ、他児への影響が大きく集団生活に不適応な状態をきたす場合があり、集団の中ではできない個人的な受け止めの場を用意し、職員と児童との1対1の関係の中で安全感と安心感を確保し、その児童と職員との信頼感を形成していくことが重要である。
 そのため、定員50人以上の児童養護施設において、例えば豊富な知識と経験を有する主任児童指導員または同等の職員1人が被虐待児個別対応職員として交代制勤務から外れ、従来行ってきた児童指導員等への助言指導、里親への紹介等に加え、入所児の個別面接や、生活場面での1対1の対応、保護者への援助等にあたることができる環境を整え、被虐待児の処遇の充実を図ることとしたので、積極的な取組をお願いする。

(2) 心理療法担当職員の配置
 児童虐待により心的外傷を受けた児童に対しては、遊戯療法や箱庭療法等の心理療法により心の傷を癒し、又、親子関係の再構築を図るために保護者へのカウンセリングや家族療法等を行うことが有効といわれている。
 このため、大学で心理学を修め心理療法の技術を有する者を、児童養護施設等(児童養護施設298か所、乳児院40か所、母子生活支援施設86か所)に週5日間程度勤務する非常勤職員として配置し、児童及びその保護者の心のケアを行うこととしたので、積極的な取組をお願いする。
 なお、この経費の中に積算されている訪問指導旅費については、従前の月2回から月10回と大幅な予算措置の増を図ったところであるので、児童相談所等と連携を図りながら、これまでにも増して保護者への定期的な助言・援助を行い、被虐待児の処遇の一層の充実を図ることをお願いする。(嘱託の精神科医についてはこれまでの月1日分で変わらず。)

(4)児童福祉施設の整備について

(1) 児童養護施設等の整備について
 児童養護施設等における虐待を受けた児童への処遇体制を整えるため、下記に掲げる措置を講じることとしたので、管内市町村及び社会福祉法人等への指導をお願いする。
ア 心理療法室の整備

 児童養護施設においては、従来から不登校児童のみならず虐待を受け た児童の心のケアも行っており、これを明確化するため、現行の対象 児童を名称とした不登校児童等治療室を平成13年度から心理療法室に 名称変更して整備を行うこととした。
 併せて、情緒障害児短期治療施設の不登校児等治療室の名称も心理療法室に変更する。

イ 親子生活訓練室の整備

 虐待等により児童養護施設や乳児院に入所した児童に対しては、再び保護者等と子が一緒に暮らせるようにするためのステップとして、家庭復帰後の良好な親子関係を構築するための「親子生活訓練室」を平成13年度から整備することとした。
 1施設当たり 29.8平方メートルを加算

(2) 情緒障害児短期治療施設の整備
 全国の児童相談所における虐待相談件数は、平成11年度11,631件と急増し、それに伴い被虐待児等心理的なケアを必要とする児童も増加していることから、これら児童に対する専門的な治療施設として情緒障害児短期治療施設の整備が急務である。
 平成13年度においては、全国で20か所(建設中を含む。)となる予定であるが、全県に少なくとも1か所は整備する必要がある。新設が困難な場合には、児童養護施設の一部転換などにより、情緒障害児短期治療施設の整備促進が図られるよう引き続き指導されたい。

(3) 児童家庭支援センターの整備
 同センターは、児童相談所等の関係機関と連携しつつ、地域に密着したきめ細かい相談支援を行う施設として平成10年度に創設されたところであり、虐待や非行などの問題を抱える児童、家庭を地域において支援することが更に期待されることから、平成13年度予算案では、10か所(計50か所)の増を図ることとしているので、特に、大都市を中心に整備が図られるよう社会福祉法人等への指導をお願いする。

(4) 児童福祉施設の改築等の推進
 虐待を受けた児童の受け入れ体制を整えるため、平成12年度補正予算において、社会福祉法人が児童養護施設の改築等や新たに情緒障害児短期治療施設、児童家庭支援センターを整備する場合の社会福祉・医療事業団から借入について、社会福祉法人の負担軽減のため、特例措置を行ったと ころであるが、引き続き平成15年度末まで実施することとしたので、管内市町村及び社会福祉法人等への指導をお願いする。
※ 特例措置の内容
  • 社会福祉法人等が、被虐待児童処遇のための児童養護施設の改築等及び情緒障害児短期治療施設、児童家庭支援センターを新設するための施設整備又は設備整備に係る費用を社会福祉・医療事業団から借り入れた場合について、借入金の無利子及び 一定の条件に適合する場合の元本の一部を償還免除する。(老朽民間社会福祉施設整備並び)
  • 上記に係る児童養護施設及び児童家庭支援センターについて、社会福祉・医療事業団の融資率を80%に引き上げる。

(5)虐待・思春期問題情報研修センター(仮称)の設置について

 児童虐待防止等に関する法律の施行や附帯決議などを踏まえ、「虐待・思春期問題情報研修センター(仮称)」を横浜市に設置し、児童相談所等の第一線機関への情報提供や児童福祉関係職員の研修などの技術的支援を行うことにより、深刻化する児童虐待問題や思春期問題(非行・家庭内暴力等)への対応を充実強化する。
 なお、平成13年度においては、虐待・思春期問題情報研修センター(仮称)の整備を図るとともに、研修カリキュラムの作成や関係機関等からの情報収集を行うこととしているため、各都道府県におかれても情報収集についてご協力をお願いするとともに、関係機関への周知を併せてお願いする。
 また、平成14年度以降、本格的に事業を実施することとしているので研修等への積極的な参加・利用をお願いする。

3 母子家庭等自立支援施策の充実について

(1)就労支援対策について

 先般公表した平成10年の母子世帯等調査によると、母子家庭の経済状況は依然として厳しい状況にあり、母子世帯の就業状況、平均の収入、公的制度等の利用状況、困っていることの内容等から、就労支援対策が特に重要な事項であると思われる。
 厚生労働省では、母子家庭の母に対する技能講習会等の福祉対策と雇用関係機関による就業対策の連携を図ること等により、今後とも母子家庭の自立を支援することとしているが、各都道府県市におかれても、これまで以上に福祉対策と雇用施策の連携を図るよう御努力願いたい。

(1) 母子家庭の母を取り巻く雇用環境は、現在、極めて厳しい状況下にあり、訪問介護員(ホームヘルパー)等養成講習会事業の実施に当たっては、地域の求職ニーズ等を踏まえ講習科目の再評価を行うなど、より就労に結び付きやすい科目の設定に努められたい。
 また、講習会修了者の雇用促進の観点から、市町村、公共職業安定所等の関係機関とも十分連携を図るなど、就労に向けたフォローアップ体制の 充実を図られたい。

(2) 平成13年度予算案においては、事業の効率的実施を図るため、母子家庭等生活指導強化事業を母子家庭等自立促進対策事業に統合した。
 なお、父子家庭に対する生活指導講習事業や相談事業についても、積極的に取り組まれたい。

(2)母子寡婦福祉貸付金の有効活用について

(1) 平成13年度予算案においては、失業時における生活の安定と就労促進 の観点から、生活資金の貸付条件に失業期間の貸付を設定するとともに、 貸付原資の追加として49.7億円を計上しているところである。
 また、修学資金等の限度額の引上げなどを行う予定である(資料7)。
(2) 貸付金については、特に修学資金等、必要な時期に的確に貸付が行なわれることが重要であるため、引き続き事務処理の迅速化に努められたい。
(3) 各都道府県・市ごとの償還状況は(資料8)のとおりであるが、償還金が本貸付金の財源となることを十分認識の上、利用者に対しても貸付制度の趣旨を理解いただきつつ、償還の促進を図るようお願いする。

(3)母子生活支援施設について

(1) 本年4月1日より措置による入所から利用者が希望する施設を自ら選択 し、都道府県等と契約する入所方式に変更されるが、情報提供も含め、手続き等が適切に行われるようお願いする。

(2) 母子家庭の有する問題は、複雑・多様化しており、特に夫等からの暴力 から逃れた母子家庭の自立など、母子生活支援施設の担う役割は増大して いることから、平成13年度予算案において

ア 虐待や暴力を受け心に深い傷を被っている母子に対し、カウンセリン グ等の心理療法により心の傷を癒すための心理療法担当職員の配置

イ 被害女性の安全確保や緊急一時保護体制の充実を図る必要があることから、母子生活支援施設の夜間における警備体制を強化するための経費を新たに計上している。

 なお、警備体制の強化に当たっては、警察との連携を図るよう配慮されたい。
 また、「宿直制実施母子寮に対する保護単価の加算について」(昭和 62年5月20日児福発第11号厚生省児童家庭局母子福祉課長通知)は廃止し、本加算費に統合することとしている。

(3) このように、母子生活支援施設の充実強化を図っているにもかかわらず、 一部施設では職員の適正配置がなされず、単なる住居としての提供にとどまり、母子家庭の自立に向けその生活を支援していくという本来の施設機能を果たしていないところも見受けられる。
 都道府県・市におかれては、こうした施設に対しては、統廃合等の検討も含め適正な施設運営について厳正なる指導をお願いする。

(4) 一部、老朽化が進んだ建物などについて、劣悪な生活環境にもかかわらず、改築等の計画がないところがある。今後、母子生活支援施設の担う役割の重要性に鑑み、居住環境の整備等について管内市町村及び社会福祉法人等にご指導願いたい。

(4)子育て支援短期利用事業について

 平成13年度予算案においては、利用者の多様な勤務形態等に対応できるよう、夜間養護 (トワイライトスティ)事業に夜間に引き続き宿泊する場合の単価を設定している。
 また、子育て支援短期利用事業については、平成12年度から保育士等の 派遣方式を創設しているが、派遣する者については、必ずしも保育士のみを 想定しているものではなく、例えば里親なども含め柔軟な対応を可能として いるところであり、事業実施主体の工夫により、事業の積極的な活用をお願 いする。

(5)母子相談員について

 母子家庭等の自立支援を図る上で、身近な相談相手である母子相談員の 役割は極めて重要である。近年は、貸付金にかかる相談だけでなく、夫等か らの暴力の問題や就労関係等、相談内容も専門化・複雑化してきていること から、母子相談員の資質の向上が求められているところである。
 そのため、各地方公共団体にあっては、母子相談員に対する研修を充実さ れるとともに、他制度の相談員等との合同研修など研修の実施方法などにつ いても配慮方お願いする。

4 婦人保護事業の推進について

(1)婦人保護事業の体制整備について

 潜在・多様化する売春問題や女性に対する暴力への対応をはじめ、婦人保護事業が取り組んでいる問題は、複雑化・困難化してきている。
 特に、女性に対する暴力については、「男女共同参画基本計画(平成12 年12月12日閣議決定)」に、夫・パートナーからの暴力への対策の推進 が掲げられ、各施策による適切な対応が求められている。
 また、参議院においては、配偶者からの暴力の防止や被害者の保護のあり方全般について、新規立法に向けての検討がなされているところである。
 この問題に対しては、司法や警察などによる対応が肝要であるが、福祉的 な観点から婦人保護事業が重要な役割を果たしているところであり、こうし た様々な需要に適切に対応するためには、婦人相談所の機能の充実や婦人相 談員の資質の向上等、行政機関の実施体制の整備が不可欠であることから、 次の事項について配慮されたい。

(1) 婦人相談所の職員の配置
婦人相談所の経常経費は、社会福祉事業費として交付税措置されており、 婦人相談所の職員については、標準団体で所長、判定員など7名分の給与 費等が計上されている。
 最近の婦人保護事業における相談内容は、高度・専門化していることか ら精神科医や社会福祉士等の専門職の配置を含め、婦人相談所職員の適正な配置に配慮されたい。

(2) 婦人保護事業に従事する職員の資質向上
ア 都道府県におかれては、職員の資質向上を図るため、研修等をより一層積極的に実施されたい。また、関係機関等との連携を図る観点から、他制度の担当者との合同研修や民間ボランティア団体との交流なども図られたい。
イ 全国婦人相談員・心理判定員研究協議会については、毎年、厚生労働省が主催しているところであるが、これらの専門職員については、全国規模での研修の機会が限られることから、その出席につき配慮されたい。

(3) 婦人相談所と関係機関との連携体制の整備
 暴力被害女性への支援については、福祉事務所をはじめとする社会福祉関係機関、警察、司法関係機関、医療関係機関、さらには民間組織等とも連携を図っていくことが重要と考える。
 このため、様々な機会を通して、これら関係機関と積極的な連携・協力 関係が構築されるようお願いする。

(2)婦人相談所及び婦人保護施設の機能の充実について

(1) 平成13年度予算案では、
ア 夫等の暴力から遠ざけるため、他の都道府県の婦人相談所等に移動さ せて保護する経費(移送先は、他県の婦人相談所だけでなく、状況に則 し婦人保護施設、母子生活支援施設等への移送及び必要な場合には職員 の付添ができるようにする予定。)
イ 被害女性の安全確保や緊急一時保護体制の充実を図る必要があることから、婦人相談所一時保護所及び婦人保護施設の夜間における警備体制を強化するための経費を新たに計上している。

(2) 婦人相談所におかれては、広域的な保護の活用及び受け入れについて積極的に取り組むとともに、夜間・休日においても被害女性が緊急一時保護を求めてきた場合に的確な対応がとられるよう、引き続き、その体制整備の充実を図られたい。
(3) 婦人保護事業に対する取組状況について、必ずしも十分に行われている とは言い難い地方公共団体もあるように見受けられる。
 現下の婦人保護事業を取り巻く社会情勢を勘案の上、婦人保護施設の積極的な活用等、その機能強化についても配慮されたい。

5 児童扶養手当制度の運用等について(資料15参照)

(1)平成13年度児童扶養手当関係予算案について

(1) 手当額の物価スライドの特例措置
(平成13年4月1日施行予定の特例法案を国会に提出中)

 平成13年度の手当額は、平成12年の全国消費者物価指数が平成10 年に比べ1.0%下落しているが、特例措置により物価スライドによる改 定は行わず、前年度と同額とする。

 (平成12年度) (平成13年度)
全部支給42,370円同額
一部支給28,350円同額

(2) 所得制限限度額
 平成12年度に、勤労者等の所得が伸びていないことから据え置いたとろであるが、平成13年度においても、依然として勤労者等の所得が伸びていないことから、平成12年度と同額とする。

  • 本 人(2人世帯:収入ベース)
    (12年8月〜)(13年8月〜)
    全部支給204.8万円同額
    一部支給300.0万円同額

  • 扶養義務者(6人世帯:収入ベース)
         (12年8月〜) (13年8月〜)
    600.0万円同額

(2)制度の周知徹底等について

(1) 児童扶養手当制度の周知等について

 児童扶養手当制度の周知については、従来よりお願いしているところで あるが、特に、児童扶養手当法第6条第2項及び第3項に規定する5年の 認定請求期限については、受給資格者が支給要件に該当するに至った日以 後5年を経過したときは、認定の請求をすることができない(ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。)とされていることから、受 給資格者が児童扶養手当制度及び当該規定の趣旨の不知等により、請求で きないケースが発生することがないよう周知徹底方お願いする。
 各都道府県におかれては、これらの趣旨を踏まえ、広報誌やパンフレッ ト等による周知徹底のみならず、市区町村、母子相談員、児童委員、母子 福祉団体等各方面の協力を得て、幅広い周知徹底を図られたい。
 また、受給資格の認定、所得制限の適用に際しては、婚姻や生計同一等、 事実関係の的確な把握を行うことにより、制度の厳正かつ適正な運用に努 められたい。

(2) 権限委譲について

 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成11 年法律第87号)により、児童扶養手当法の認定及び支払等の事務につい ては、平成14年8月1日に都道府県から都道府県、市及び福祉事務所設 置町村へ権限委譲されることとなっている。
 ついては、受給資格者台帳、認定請求書、現況届等の届書、事務処理電 算システムのデータ等の移管の準備をはじめ、権限委譲が円滑に行われる ようご協力をお願いする。

6 児童扶養手当支給事務指導監査について

(1)本制度は、制度の性格等から支給要件が複雑多岐にわたり、かつ、それら支給要件の変動要因も多岐多様であるところから、本制度運営に関する日常からの研鑽、制度に関する適切な情報の提供及び公的年金等の関係機関との連携等に引き続き努めるとともに、担当者の交代等により制度運営が停滞することがないよう留意し、適正な制度運営の執行をお願いしたい。
 特に、市町村における(1)適正な広報の実施、(2)認定請求書の受理及び事実の審査、(3)公的年金の受給の有無の確認、(3)現況届未提出者等に対する提出指導及び受給資格等の審査(4)受給資格喪失届提出の励行指導及び受給資格喪失時点の確認等、支給事務がより適正に行われるよう指導の徹底をお願いしたい。
 また、児童扶養手当支給事務の指導監査の主眼事項及び着眼点等については、「児童福祉行政指導監査の実施について」(平成12年4月25日児発 第471号)を参考に実施されたい。

(2)家庭福祉課児童扶養手当監査官が行う都道府県に対する指導監査は、全都道府県に対し2年に1回実施し、次の事項を実施することとする。
 なお、監査計画については別紙「平成13年度児童扶養手当支給事務指導監査計画(案)」(資料16)のとおり予定しているので、ご協力をお願いしたい。

・ 指導監査事項
(1) 都道府県本庁等の手当支給事務の実施体制及び事務処理状況
(2) 都道府県本庁等の市町村等への指導の状況
(3) 前回監査の指摘事項に対する是正改善状況
(4) 市町村等の手当支給事務の事務処理状況


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