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2012年2月29日 第2回職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議議事録

労働基準局労働条件政策課賃金時間室

○日時

平成24年2月29日(水) 15:00〜17:00


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省省議室


○出席者

(参集者)

石井委員、石黒委員、岡田委員、香山委員、佐々木委員、佐藤委員、田中委員、堀田座長、安永委員、山浦委員、山川委員、吉田委員

(政府側)

牧厚生労働副大臣、金子労働基準局長

事務局

本多大臣官房参事官

○議題

1 職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円 卓会議ワーキング・グループ報告について
2 職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円 卓会議提言について
3 その他

○議事

○本多参事官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第2回「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」を開催いたします。
 本日は、大久保委員から欠席の御連絡をいただいております。
 それでは、第2回会議の開催に当たりまして、牧厚生労働副大臣より御挨拶いただきます。副大臣、よろしくお願いいたします。
○牧副大臣 座ったままで失礼いたします。御紹介いただきました、厚生労働副大臣、牧義夫と申します。第2回の円卓会議ということで、皆様方には大変お忙しい中、御参集を賜りまして、本当に心から御礼申し上げたいと思います。
 これから「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」を始めさせていただきたいと思いますが、去る1月30日にこの円卓会議の下に設置されたワーキング・グループにおいて、6回にわたる御議論の結果、報告書を取りまとめいただきました。ワーキング・グループにもお入りいただき、取りまとめに御尽力いただいた佐藤委員、岡田委員にこの場をお借りいたしまして、御礼を申し上げたいと存じます。
 ワーキング・グループ報告では、職場のパワーハラスメント問題の現状や対策に取り組む必要性、職場のパワーハラスメントの概念整理、そして労使における取組の例を取りまとめていただいたところであります。
 職場のパワーハラスメントは、労働者の尊厳や人格を侵害する許されない行為であります。既に取組を始めている労使もありますけれども、一方で、この問題の重要性にまだ気づいていないところや、気づいて対策に取り組もうにも、業務上の適正な指導との線引きが難しいなどの課題から、十分な対策を導入できていないところも少なくないと考えます。
 職場のパワーハラスメントをなくし、労働者の尊厳や人格を守るためには、この問題に取り組む社会的な機運の醸成が重要であると考えます。
 皆様方には、ワーキング・グループ報告も踏まえながら、活発な御議論をいただき、この問題の予防・解決に向けた一人ひとりの意識と取組を促すような提言を取りまとめていただければと考えております。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
○本多参事官 カメラ撮りはここまでとさせていただきます。カメラの皆様、御退席ください。
(報道関係者退室)
○本多参事官 それでは、以降の議事は、堀田座長にお願いいたします。
○堀田座長 よろしくお願いします。始めましょう。
 定刻通りおそろいいただきまして、ありがとうございます。
 山浦委員が前回御欠席でした。新たに委員に就任されました安永委員、皆さん一言ずつ挨拶しておりますので、御挨拶をお願いします。
○山浦委員 御紹介いただきました、運輸労連本部の山浦と申します。初めての参加でございます。微力ですが頑張りたいと思います。よろしくお願いします。
○堀田座長 安永委員、どうぞ。
○安永委員 連合で副事務局長をさせていただいております安永でございます。よろしくお願いいたします。
○堀田座長 ありがとうございます。
 それでは、早速、議事に入りたいと思いますが、まず副大臣の御挨拶にもありましたが、ワーキング・グループの報告をいただいております。その報告をいただきました上で議論に入りたいと思います。この報告は佐藤委員からよろしくお願いします。
○佐藤委員 先ほども御説明がありましたが、1月30日にワーキング・グループとして報告をまとめさせていただきました。それが資料1−2ですけれども、これについて後で事務局から御説明いただいて、それを踏まえて私の方から、このワーキング・グループの報告書がまとまるまでの過程で特に皆様に御報告しておいた方がいい議論、論点を幾つか御説明させていただくという形にさせていただければと思います。
 事務局の方から御説明をお願いいたします。
○本多参事官 それでは、資料1−2に沿って説明いたします。資料1−1に概要を付けてございます。また資料1−3は報告の参考資料集でございます。
 1−2をご覧ください。
 報告の「1.はじめに」のところでは、なぜ職場のいじめ・嫌がらせ問題に取り組むべきかということで、問題の現状を簡潔に紹介しております。
 まず都道府県労働局に寄せられるいじめ・嫌がらせについての相談が増えております。また、労働者を対象に行われた調査で、この下の1ページの注のところになりますけれども、労働者のうち約17人に1人が職場で自分がいじめにあっている、また約7人に1人が職場でいじめられている人がいると回答するなど、現在、いじめ・嫌がらせの問題は働く人のだれもが関わり得る可能性のある問題となっています。
 また、企業の側の意識としても、82%の企業がパワーハラスメント対策は経営上の重要な課題であると認識を持っております。いじめ・嫌がらせについての訴訟も増加もうかがわれているところでございます。
 こうした、いじめ・嫌がらせ、パワーハラスメントになぜ取り組む必要性があるのかということでございますけれども、こうした行為は、労働者の尊厳や人格を侵害する許されないものでございます。特に意図的に相手をいじめたり嫌がらせを行ったりすることは許されるものではありませんし、意図がない場合でも、度の過ぎた叱責や行き過ぎた指導、これは相手の人格を傷つけ、意欲や自信を失わせますし、また、ひどい場合には生きる希望を失う場合もございます。
 このように、いじめや嫌がらせがもたらす損失というのは想像するよりも大きく、いじめを受けた人にとっては仕事への意欲や自信を失い、心の健康の悪化にもつながり、休職や退職に至る場合もございます。また、いじめが行われているその周囲の人たちにとっても、仕事への意欲が低下し、職場全体の生産性にも悪影響を及ぼしかねません。
 また、パワハラを行った人自身も不利益を受けることになります。職場の業績も悪化いたしますし、いじめた方の社内での信用も低下いたします。また、企業による懲戒処分や不法行為責任の訴訟のリスクを抱えることになります。また、企業にとってもいじめは従業員間の問題にとどまるものではなく、組織としての生産性にも悪影響が及びますし、休職や退職によって人材の喪失にもなり得ます。
 更に企業としてこのいじめ、パワーハラスメントに加担していない場合であっても、これを放置した場合には、裁判で使用者としての責任を問われることがございます。3ページの注にありますけれども、実際に裁判では、企業の不法行為責任や安全配慮義務違反などが問われた例がございます。
 一方、こうしたいじめ問題に取り組む意義というのは、損失の回避だけに終わるものではございません。一人ひとりの尊厳や人格が尊重される職場づくりは、仕事への意欲や生産性の向上にもプラスになります。この問題への取組は、職場の禁止事項を増やして活力をそぐものと捉えられがちなのですけれども、むしろ職場の活力につながるものと捉えて積極的に進めることが求められております。
 このような問題が生じた背景を(3)として挙げております。
 例えば職場内のコミュニケーションの希薄化あるいは管理職としてのマネジメントスキルの低下、上司と部下の価値観の食い違いなど、こういった要因が指摘されているところでございます。
 こうした背景要因への対応というのは、それはそれとして望まれるものでございますけれども、顕在化しているいじめ、パワーハラスメント問題につきましては、早急に予防や解決に取り組むことが必要な課題でございます。
 しかし、現状を見ますと、労使がこの問題の重要性に気づいていない場合、また気づいていても業務上の指導との線引きが難しいといった理由で問題への対応に困難を感じている場合も少なくありませんので、労使の自主的な取組だけでは取組が進展しないおそれがございます。
 ワーキング・グループとしては、この問題の重要性を社会に喚起し、また企業や労働組合を始めとする関係者の取組を支援するためにこの報告を取りまとめています。
 次に、どのような行為を職場からなくすべきかということでございます。このパワーハラスメント、いじめという言葉は、主観的な判断も含んで用いられることが多いかと思います。実際にどういう関係の下で行われる、どのような行為がこれに該当するのかというのが人によって判断が異なる現状がございます。そこで、ワーキング・グループでは、どのような行為を職場からなくすべきであるかを整理いたしまして、労使関係者が認識を共有できるようにすることが必要であると考え、概念を整理いたしました。
 5ページに点線で囲ってある部分でございます。ここでは労使がなくすために取り組むべき行為を職場のパワーハラスメントと呼ぶことを提案いたしまして、その中身としては、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為をいう、こういったような整理をいたしました。パワハラという言葉は、一般的には上司から部下への行為を指して使われる場合が多いのですけれども、ここでは先輩・後輩間、同僚間、または部下から上司に対して行われる行為についても問題だと認識しておりまして、こういったものもこの整理に含めております。
 この枠囲みの中で申し上げますと、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性ということで、職務上の地位に限らず、人間関係や専門知識などのさまざまな優位性が含まれる趣旨を明らかにしております。
 また、業務上の指導との線引きが難しいという指摘がございますけれども、今回対象といたします行為は、業務の適正な範囲を超えるものであるということを明らかにしております。個人の受け取り方次第では、業務上必要な指示や教育を不満に感じたりする場合もあるかと思いますけれども、こういった行為が業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワーハラスメントには当たらないものと整理しております。
 一方、例えばセクハラなど既に法律で保障されている権利でパワーハラスメントの概念と重複するものもございますが、既に法律で保障されている権利につきましては、法的な制度の枠組みに沿って対応がなされるべきであるということで整理いたしております。
 6ページ、ここでは職場のパワーハラスメントの行為類型を6つに整理して御紹介しております。ただ、この6つの類型がパワーハラスメントに当たり得る行為をすべて網羅しているものではなく、これ以外の行為はやっても構わないということではないということに御注意いただきたいと思います。
 類型の?は、暴行・障害、こういった身体的な攻撃。
 ?は脅迫・名誉毀損・侮辱、ひどい暴言といった精神的な攻撃。
 ?隔離・仲間外し・無視といった人間関係からの切り離し。
 ?は業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害といった過大な要求。
 ?は業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を明示することや仕事を与えないこと。
 ?は私的なことに過度に立ち入ることというように整理しております。
 このうち、?〜?につきましては、原則として業務の遂行に必要なものとは想定できませんので、基本的にはパワーハラスメントに当たると認識しております。
 一方で、この中の?〜?につきましては、業務上の適正な指導との線引きが場合によっては難しい場合もあると考えています。こうしたそれぞれの行為につきまして、具体的に何が業務の適正な範囲を超えるかということにつきましては、業種や企業の中の文化などの影響も受けますし、また、具体的な判断につきましては、行為が行われた状況、行為の継続性についても左右される部分もあると考えられますので、ここでは各企業、職場で認識をそろえて、その範囲を明確にする取組を行うことが望ましいと書いております。
 続きまして、7ページ、こういった職場のパワーハラスメントをどうしたらなくすことができるかということでございます。まずやっていただきたいのは、企業として職場のパワーハラスメントはなくすべきものであるという方針を明確に打ち出していただくということです。そのために具体的にはまずはここの円卓会議でまとめられる提言を職場内で周知していただきたいということを書いております。
 取り組んでいただくに当たっては、既に対策に取り組んで成果を上げている企業も存在します。そういった例を見ますと、パワハラへの取組を進める中で、職場の士気や企業イメージなどの点についてもパワハラ対策が有効であると理解されていると伺っております。パワハラは関係がない、またメリットがない、取組が難しいということではなく、是非できるところから取組を始めていただきたいと考えております。
 なお、取組を始めるに当たって注意いただきたい点として、職場のパワーハラスメント対策が上司の適正な指導を妨げるものにならないようにしていただきたいということも書き添えております。
 8ページ、こちらでは、より具体的な取組の例を紹介しております。まず冒頭では、労使での認識が必ずしも十分ではない現段階では、行政の役割も重要であるとしております。行政として、この現状、課題等について周知啓発を行うべきであること、また社会的な機運を醸成すること、併せて、この問題についての実態把握をすることを挙げております。
 続きまして、企業、労働組合の取組の例でございますけれども、四角の囲いに挙げておりますが、企業によってパワーハラスメントの実態は多様でございますので、個々に挙げたことが必ずしも当てはまらない場合もあるかと思います。その実態に応じて、またケースによってはパワハラ対策として新しく設けるだけでなく、既存のセクハラ対策などの枠組みも活用していただいて、実情に即した形で始めていただきたいと書いております。
 四角の囲みの中ですが、予防と実際に起きた問題の解決で分けております。予防のための取組ですけれども、まずトップがメッセージを出していただくこと、またその方針に従って社内のルールを決める、実態を把握する、研修などの教育を実施する、その方針をしっかりと社内に浸透させるために周知するといったことを挙げております。
 次に、実際に起きてしまった問題の解決のための取組でございますが、その問題についての相談を受ける相談窓口を企業の内部または外部に設置していただく、またはその職場の対応責任者を決めていただく、また、必要な場合には、外部のメンタルヘルスなどの専門家とも連携していただくことが有効ではないかと考えております。起きた場合には、その再発の防止も重要でございますので、再発防止の研修を行うといったことが考えられます。
 枠囲みの次に取組を進めていただく際に留意していただくとよい事項をいくつか挙げております。トップのメッセージについて書いておりますが、トップだけでなく、経営幹部の理解も重要であろうということで、経営幹部に対策の重要性を理解させることも必要です。教育を行う際には、先ほども少し申し上げましたけれども、ほかの対策、例えば人権問題やマネジメントの研修、既にやっている企業も多いかと思いますが、こういった研修と同時に行っていただくことで、効率的に行っていただけるかと思います。また、相談窓口や周知啓発を行う担当者の養成も有効と考えられます。
 10ページに、実際に起きてしまった問題への対応の際の注意事項でございます。相談窓口をつくっても、実際利用されないと意味がございません。そのためには、相談をした人や相談の事実確認に協力した方が不利益な取扱いを受けることがないようにすることが重要かと思います。また、相談を受けた方への配慮は勿論なのですけれども、パワハラをしたのではないかと、そう目されている方の人格やプライバシーにも配慮しながら慎重に対応する必要があると考えております。
 また、パワハラということで相談が持ち込まれる場合だけでなく、メンタルヘルスの相談の中に実は背景にパワハラがあるということもあるかと思いますので、健康相談の窓口などとも連携を図っていただくことが望ましいと考えております。
 このように企業の中で自主的な取組が行われることが最も望ましいのですけれども、実際に企業の中で解決されない場合には、都道府県労働局が運営している個別労働紛争解決制度や都道府県の労働委員会などが行っている相談やあっせんの制度を利用することも重要な選択肢になるかと思いますので、そういった制度の一層の周知も重要と考えております。
 最後にパワハラをなくしていくために一番もとになるのは、職場の仲間の人格を互いに尊重する意識であると考えております。そういったことを訴えかけていくために、ワーキング・グループで、ある企業の人事担当役員の言葉として紹介されたものをこのワーキング・グループ報告の最後に紹介しております。
 「すべての社員が家に帰れば自慢の娘であり、息子であり、尊敬されるべきお父さんであり、お母さんだ。そんな人たちを職場のハラスメントなどでうつに至らしめたり苦しめたりしていいわけがないだろう」という言葉で報告を締めくくっております。
 この後に資料1−3としまして参考資料集を付けております。こちらはワーキング・グループに事務局または委員から提出した資料の中から、報告の参考になるものを編集してまとめております。現状についてのデータ、いじめ・パワハラ定義の例、裁判例、労使の取組事例などを掲載しております。
 1月30日時点で公表したワーキング・グループ報告参考資料集では、30ページからハラスメントに関する労使の取組事例として4事例分を付けておりました。その後、調査対象企業の掲載許可が取れたものを追加いたしまして、今回23事例を掲載しております。その点が前回から変更されておりますので、申し上げておきます。
 ワーキング・グループ報告につきましては以上です。
○佐藤委員 それでは、私の方から、報告書をまとめるに当たり、かなり議論を重ねた点がありますので、その点を三つだけ御説明させていただければと思います。
 1つは、職場からなくすべき、あるいは予防すべき行為について、これを何と呼ぶかという名称の問題です。まず、この円卓会議の名称も職場のいじめ・嫌がらせ問題と書かれていますが、そこで職場のいじめ・嫌がらせという言葉を使うのか、あるいはパワーハラスメントを使うのかということです。議論の過程では、「職場のハラスメント」ともう少し一般的なかたちで呼ぶのがいいのではないかという議論もありました。
 最終的には「職場のパワーハラスメント」と整理することで合意ができたわけでありますけれども、その経過を御説明します。
 この報告の5ページの3行目のところで初めて「労使が予防・解決に取り組むべきである、そのような行為を職場のパワーハラスメントと呼ぶ」と定義していて、それまでは職場のいじめ・嫌がらせ、パワーハラスメントを並べてずっと書かせていただいています。これについて最後まで議論があったわけでありますけれども、1つはいじめ・嫌がらせについては、同僚間の例えばインフォーマルな人間関係という色彩がかなり強くなるのではないかということで、管理職から部下というような面がかなり後退しているのではないかという意見がありました。
 他方、パワーハラスメントを使うと、1つはこの言葉自体が和製英語であって国際的に通用しないのではないかという意見も出されたりしました。
 もう一つは、今度はパワーハラスメントというと、いわゆる職制上の地位を背景に部下に対して行うものが前面に出るのではないかという意見もありました。そういう意味では同僚間あるいは部下から上司というものが抜け落ちるようなこともあるのではないかという危惧がございました。議論の中で和製英語とか国際的に通用しないという意見もありましたけど、国内のいろんな辞書や辞典あるいはいろんな報道を見ると、パワーハラスメントは使い方として定着してきている。これはワーキング・グループの報告、1ページの注1に書いてあり、事務局にはいろんな辞典を調べていただきました。
 もう一つは、パワーハラスメントは確かに職制上の地位に応じて、ととらえ得る面もありますけれども、事典などを見るとそれがかなり広く書かれていて、実際パワーというものが別に職制上の地位だけでなく、例えば専門知識であるとか、年齢の高い人が例えば若い上司をということもあり、それも広い意味でパワーということもあるので、そういう意味ではかなり定着している言葉であるということと、きちんと説明すれば十分理解できるのではないかということで、5ページのところではパワーハラスメントとして整理し、職制上の地位だけに限定されないもので使っているということがわかる形にするため、人間関係などの職場内の優位性としている。報告の中では専門知識であるとか、そういうようなものも含めて取り上げているものだということを説明させていただきました。
 職場のハラスメントと呼んではどうかという意見もありましたが、他方で、セクシャルハラスメントと重なる部分があるため、職場のハラスメントとするとパワーハラスメントという行為があることを明確にすることができなくなってしまうのではないかということも危惧されました。ですから、パワーハラスメントというものを明確に定義した上で、勿論、企業の取組としては、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントを合わせて両方なくしていくべきものとして取り組む。セクシャルハラスメントとは別のなくすべき解消すべき行為類型は何かということを明確にするということが大事ではないかということで、そこは整理させていただきました。そこはかなり最後の最後まで議論したのが1つ。
 もう一つは、このワーキング・グループなり円卓会議で取り上げるパワーハラスメントの範囲が問題になりました。ワーキング・グループの報告書の4ページの注8に記載していますが、例えば、取引関係に応じて企業間で下請け企業の社員の方が親企業の窓口なり社員から受ける行為が問題となることもあります。ですので、そういう取引先や顧客からの行為もあるということを否定するわけでも、それが大事ではない、なくさなくていいという意味でもないのですけれども、今回ワーキング・グループで議論し、かつ、労使でまず取り組んでいただくのがどういうパワーハラスメントかということで「職場の」と限定を付けているのです。ですから、「職場の」と付いているのは、ほかにないということではなくて、今回特に労使で取り組んでいただくのが職場のパワーハラスメントであり、職場というのは狭い職場というよりは企業の中と考えていただいていいと思うのです。企業の中からなくすべきものとして取り上げたパワーハラスメントということで、それ以外に解消すべきパワーハラスメントはないというわけではないということをわかるように「職場の」と付けさせていただきました。
 これはパワーハラスメントをすべて職場の中だと限定してしまうと、企業間みたいなものをやらなくていいのかという議論になるので、それは委員の方もまずいであろうと意見がありました。ただ、今回はあくまでもとりあえず労使に取り組んでいただくということなので、そういう意味で職場のパワーハラスメントについて定義し、かつ、それの予防なり解消のための取組を整理するということにさせていただきました。これもかなり議論しました。
 そういう意味で、職場外でのパワーハラスメントがないというわけではない。ただ、これは勿論、議論をするとなれば別の形でやる必要があるだろうということであります。
 あと3点目は、ワーキング・グループの委員の方々の円卓会議への要望です。我々はワーキング・グループとして議論する中で、やはりこの問題の重要性については、大企業はかなり浸透してきてそれが進んでいるのですけれども、中堅、中小などはまだですし、社会的にもそれほど認識が深まっているわけではないので、是非社会や企業、現場の管理職あるいは働く人みんなに強いメッセージを円卓会議で出していただくことが大事ではないかというのがワーキング・グループの委員の方々からの要望です。その辺を前提に置いて議論していただければと思います。
 以上です。
○堀田座長 ありがとうございました。
 大変御苦労いただきまして、難しい問題について詰められる限りのところをお詰めいただいたと思います。これからの運びですけれども、このワーキング・グループの報告書についての質疑の時間を設け、それが終われば後のすべての時間をどういう提言にするかということに費やしたいと思います。
 そこで質問していただく前提として、このワーキング・グループの報告は、これはこれで完結しておりますので、これの記述についての修正、訂正ということはこの議論としては行わないという前提で、そこでこれも後の議事の運びになりますが、この報告書の上に、この親会議でわかりやすい提言をしっかりまとめて、そこの部分を読めばメッセージはしっかり伝わるものをつくるということが今日の主要な役割になるという前提があります。
 なお、併せて、そこはメッセージ性のある簡潔な文章ということを考えておりますので、そこで言い足りない、あるいは補足的にこういう意見を述べたい、あるいは場合によって違う事例を述べたいという個々の御意見があろうかと思います。そういう御意見についは、最後に各委員個人の補足意見として付け加えることを考えております。これは皆さんの御了承をいただいてからの話ですが、そういうでき上がりになるということを念頭に置いていただきました上で、このワーキング・グループの報告につきまして御質問を頂戴いたしたいと思います。どうぞどなたからでも。
 吉田委員、どうぞ。
○吉田委員 提言の仕方について、こういったことを社会的に認知させるにはどうしたらいいかということを私もいろいろ考えていたのですけれども、例えば電車に乗ると、「痴漢は犯罪である」というのがあります。これは非常にわかりやすいですね。あれによって痴漢は本当に少なくなったと思うのです。それと同じように、セクハラは犯罪であると、これは大体周知されたと思うのですけれども、パワハラも犯罪である、あるいは犯罪という言葉が非常にきついですけれども、一種の犯罪行為であるとか、そういったようなキャッチフレーズを付けたら、より社会にインパクトを持って浸透していくのではないか、そのように思いました。
○堀田座長 ありがとうございます。これは後の提言の仕方についての御意見でありました。このワーキング・グループの報告につきまして、御質問等。
 香山委員、どうぞ。
○香山委員 1つ質問なのですけれども、今、吉田委員もパワハラという言葉を使いましたが、例えばマスコミとかで言うときにそのパワーハラスメントというのを略してパワハラという言い方でよろしいのですか。
○佐藤委員 正直言って、この報告の中では省略形を書いていないのですけれども、私はセクシャルハラスメントをセクハラというように、パワーハラスメントをパワハラというように使い、セクハラとパワハラを合わせてハラスメントをなくすというような言い方のほうがわかりやすいと思っています。パワーハラスメントというのは確かに長くて言いにくいので、私は省略形で言うのは決して悪いことではないと思っています。ただ、そのこと自体はワーキング・グループでは議論していません。
○堀田座長 ありがとうございます。文章に書くときにはパワーハラスメントと言うけれども、しゃべるときにはパワハラと言ってくださいという話です。ほかに御質問。
 では、私から1点だけ聞かせてください。どう防止するかで一番有効なのは先ほども吉田さんからも出ましたが、大きなキャッチフレーズもありますが、こういう言葉はもうパワハラであると、例えば「辞めてしまえ」とか、「給料返せ」とか、もうそれ自体がよくありそうな、発言しそうな、これ自体がパワハラになるというような例示ができれば普及するという面ではわかりやすいのですけれども、そこまではされずに行為類型として6つ分類していただきましたが、これを更に具体化するという御議論はなかったのか、そしてそうされなかったのはどういうような理由によるのか、その辺りをお聞かせください。
○本多参事官 今回、比較的短い期間の中で議論を進めましたし、また、行政として特にパワハラについて行った調査といったものがございませんので、実態を把握できていなかったというところがあります。報告の中にも行政として実態を把握するというのがございましたけれども、是非来年度はできるだけ事例を集めまして、どういった言葉や行為が具体的にパワハラと認識をされているのかということなどを把握し、それをまとめてお示ししていきたいと思っております。
○堀田座長 ありがとうございます。具体的な事例を書くのは来年の話という、もう少し詰めてということになっております。
 岡田委員、どうぞ。
○岡田委員 ワーキング・グループの方でもいろいろ議論させていただいたにもかかわらず、こんなことを言うのは恐縮なのですけれども、実は1月30日に報告が発表になってから、私どものお客様であるいろんな企業から相当お問い合わせをいただきました。今回の報告では、継続性というのが入っていないではないかということが結構議論の的になり、皆さんとしては、起こってしまうことは1回ぐらいであるだろうと、それを1回でパワハラと言われたのでは本当に企業で収拾がつかないので困るという意見がかなりありました。その辺については、結構いろんなところから意見をいただいたものですから、もう一度円卓会議の場で、このように企業としては収拾がつかなく可能性があるということについて議論してほしいという意見をいただいております。次の課題になっていくのかもしれません。
○堀田座長 今の点についても、具体的な状況をもう少し詰めてという先ほどのお答えから推測すると、もう少し詰めさせてくれということになるのでしょうか。ただ、ここの会議でしっかりそういう点について御意見を言っていただくこと、あるいは補足意見で書いていただくこと等は十分可能だと思います。
○岡田委員 かなり明確なものはパワーハラスメントとして本当になくしていくべきものだということと、あいまいなグレーゾーンの部分については今後きちっとしていきますというようなことで、必ずしも今回のものがすべてではないというような補足的な言い方をするとか、何らかの形での配慮もお願いできればと思っています。
○堀田座長 佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 多分、定義を変えるということではなくて、今回も6ページの行為類型?〜?について、これはすべてではないと書いて、かつ、先ほど本多さんの方から説明がありましたように、状況とか継続性については、逆に言えば1回でもだめなものがあるわけです。ですから、そこは実際上ここにかかっていれば十分ではないかという気もしていて、それぞれについてこれは1回、これは複数とは出せないのではないかという気がします。ですから、本当に1回でもだめなものはあると思います。そこは十分ある面では書かれているかなという気はしています。
○堀田座長 岡田委員、いいですか。
○岡田委員 今年だけではなく、今後の検討材料とするとしても入れていただければいいかなと思っています。
○堀田座長 ワーキング・グループの間でも難しい議論があることがわかりました。
 ということで、具体的な事案については更に詰めるということでありますが、御質問はもうよろしゅうございますか。
 それでは、これから提言をどういうふうに書くのかという議論に入りたいのですが、議論に資するために資料2に職場のパワーハラスメントの予防・解決について、これは座長試案となっております。単にワーキング・グループの要約ではなくて、例えばこんな形のわかりやすい、簡潔で実効性のあるものという視点から提言をまとめてはいかがであろうという議論に資するための資料であります。
 これから御意見をいただきます。こういう形でいいのか、更にどんなことをどう書くのか、その辺りが今回、次回の我らの詰めどころですので、しっかり御議論いただきたいと思います。
 なお、これは座長試案となっておりますが、座長としてはどう直されても全く異論がありませんので、大胆にいろいろ御意見を言っていただければうれしく思います。感じとしては、最初に出てくる、多くの人がさっとわかりやすい提言、3ページくらいでしょうか、そういうしっかりしたものができればいいなと願っての試案でございます。
 ということで、どうぞいろんな点から御意見いただければと思います。
 安永委員、どうぞ。
○安永委員 ありがとうございます。最初の「はじめに」のところに書かれている、暴力、暴言や脅迫、仲間外しといった行為が行われている職場があるという表現にされております。ワーキング・グループの報告だと、3ページの(3)のところで、顕在化してきた問題の背景のことを記述していただいて、ここを読むとなるほどという形できちんと整理してよくまとめていただいていると思っています。
 ただ、こういった背景、環境のあるなしにかかわらず、どの職場にも起こり得る危険性がある課題という認識が必要だと思います。厚生労働省にも連合にも起こり得る、うちにはないと思い込んではいけないというような、常に意識をしておかなければならない課題だと思っていますので、どこの職場でも起こり得る課題だということを最初に出した方がいいのではないかと思います。
○堀田座長 ありがとうございます。
 山浦委員、どうぞ。
○山浦委員 質問ですが、それぞれ報告があったように、この提言について企業なり労使の中で周知徹底をするということは大前提ですが、一般市民の皆さんにどう理解してもらうかも重要ですし、先ほどお話が出たようにキャッチフレーズ、わかりやすいそういうものをつくって、例えばどういう媒体を通じて社会的に広めようとしていくのか、その考え方をお聞かせください。
○堀田座長 いかがでしょうか。
○本多参事官 おまとめいただく提言については、来年度、ポスター、パンフレット、リーフレットなどをつくりまして配付していきたいと思います。主な対象としては、都道府県労働局を通じて事業主の方、企業の御担当の方、また労働組合に周知を進めていきたいと思います。
 あともう一方で、インターネットにこの関係のサイトを立ち上げまして、そこでも周知を進めていきたいと思っております。今、申し上げたのはとりあえず来年度ですが、また広報の仕方について来年度も検討を続けて、適切なやり方を取っていきたいと思います。
○堀田座長 いいでしょうか。
 では、関連して安永委員、次に吉田委員と行きます。
○安永委員 今お話が出た周知・広報について、細かい話になりますが、わかりやすい周知、啓発ということで、以前、私のいた職場で映像による勉強会、研修会をやったのですが、この報告に書いてあるような行為類型などを研修の資料で見て、「うちは大丈夫」と思い込んでいる職場であっても、映像で実際にそういうケースを見ると「うちの職場でもある」ということに皆さんなるのです。パンフレットとかそういうこともいいのでしょうけれども、映像を使って、身近にもある問題だなということを意識していただくことが必要だと思います。
 ただ、前の職場でも購入したのですが、非常に高価です。ですので、中小の労使には負担が大きいということもありますので、パンフレットとかそういうことだけではなくて、ネットを活用した映像配信をやっていただけると中小でもわかりやすく伝えられるのでないかと思います。
○堀田座長 ありがとうございました。本多さん、何かありますか。
○本多参事官 映像というのは取り組んでみたいとは思うのですが、ワーキング・グループでヒアリングを行った企業の中で、マンガをつくって取り組んでいる企業もありましたので、何かしらそういったビジュアルに訴えかけるものが必要かなと思っておりますので、検討させていただきます。
○堀田座長 ありがとうございます。大変有効な方法だと思います。事例は盛り込めば山ほどあると思いますけれども、20〜30分でさっとわかるものができればいいなというイメージを持ちました。
 岡田委員、どうぞ。
○岡田委員 最初の部分で、気づいていない人たちとか、そういう行為が行われている職場があるというと、どうしても他人事のような感じがすると思います。いつでも誰でも被害者になる可能性はあると思います。もしあなたが例えば給料泥棒と言われたりとか、ひどく上司から無視をされたりというように、書き方として、あなたが被害者になる可能性もあるという入りというのは結構響くのかなと思いました。1つの案です。
○堀田座長 メッセージを出す相手を考えて文章をということでした。
 吉田委員、どうぞ。
○吉田委員 この問題は、発する側も受け止める側も心の問題だと思うのです。その中に平易な言葉だけども、相手を思いやる心ということを何かいい言葉で表現できたら、わかりやすくストレートに社会に広まっていくのではないかなと思います。
 以上です。
○堀田座長 ありがとうございます。思いやりの言葉を持てという、大前提ですね。
○吉田委員 そうですね。心の問題ですね。
○堀田座長 ありがとうございます。
 佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員 先ほどのワーキング・グループの資料の3ページ、問題の所在というのが書かれています。職場内のコミュニケーションの希薄化とか、マネジメントスキルの低下、いろんなことが書かれているのですけれども、要するにコミュニケーション能力、人間力みたいなのが低下している中でこういうことが起こっているということなのです。
 私の会社の中にも給料泥棒と言っても平気な子がいますし、ちょっとそれに近いことを言っただけでもおびえる子がいて、先ほど言ったキャッチフレーズと言っても、必ずしも人によって受け取り方が全然違うのではないかという気がするのです。
 こういう環境の中で非常に複雑化して、コミュニケーション能力も取れないときに、対応策が、このワーキング・グループのレポートの8〜9ページにかけて、トップのメッセージ、ルールを決める、教育する、周知する、相談の場を設置する、外部の専門家と連携する、再発を防止するための研修をする、要するにこれは形ですね。ですから、私は根本的な解決にならない、そういう中での座長試案の3ページにありますけれども、これは個人的には当たり前なことが書いてあるので興味は余りないので、むしろ最後に「おわりに」というところに、この提言は職場のパワーハラスメント対策に取り組んでいくための第一歩である。第一歩があって、十歩ぐらいあるのです。その一歩をどういうふうなメッセージを世の中へ出していただいたらいいかということの問題ですから、大して多くの議論は要らないのではないかなという気がします。
 それよりも、本当に職場の中でこれを解決するような解決策というのはあるのか。私は非常に難しいと思います。そういうものをこういうところで議論して何かメッセージを出しても何かが変わるということはないと思います。もっと深い問題がある気がします。
○堀田座長 ここのメッセージの存在意義はともかくとして、8〜9ページは形、手続を書いている。大事なのは中身だという話で、そういう御意見は提言をつくるときにも尊重しなければいけないと思いますが、その中身について佐々木さんの方から相手の感受性等々によって違う、その点はどうなのだという御意見がありましたので、これはワーキング・グループの方でいかがだったのでしょうか。その点についての御議論と御検討。
○佐藤委員 基本的には職場なり会社の中でどうコンセンサスをつくるかということだと思うのです。お互いの人格を尊重する。先ほどコミュニケーションも普通のマネジメントなり同僚間のコミュニケーションのところで改善していかないと、実際はなかなかなくならないということで、形なのだけれども、まず形から入って少しずつ変えていくしかないかなと。勿論、十歩ぐらい先はあるわけです。そういう意味で一律にこれをやればという答えがないので、それぞれ企業ごと、職場ごと、まずはこういうことをなくすことが大事だと思って、管理職、部下、同僚とのコミュニケーションを円滑化させていくというところから始めるしかないかなというようなことです。
 ただ、企業がそういうのを実際やっているところはかなり改善してきたので、形から入って改善しないということではないという気がします。
○堀田座長 この6ページに行為類型を書いておられますが、これは最終的には職場のコンセンサスから手続的には始まるとしても、内容について、相手によって違うのではないかという点についてはどういう御判断、御議論だったのでしょうか。
 つまり、今、佐々木委員がおっしゃったのは、辞めてしまえと言っても全然こたえない者もおれば、非常にこたえる者もいるという。
○本多参事官 その点につきましてですが、6ページの行為類型の下に、言わば行為類型の解説的なものを書いているのですけれども、その下から3行目のところに具体的にその行為がパワハラに当たるかどうかについては、行為が行われた状況によっても左右される場合があると考えられます。
 裁判例などを見ていても、上司から部下にパワハラに当たるのではないかという行為があったとして、ただ、従前からの2人の関係も見た上で判断するといったような裁判例も示されておりまして、そこは言葉や外形的な行為だけでは判断がつかなくて、相手の立場、2人のそれまでの関係性、そういったものも当然反映されて判断されるものだと思っております。
○堀田座長 ありがとうございます。両者の関係性の中にいろんな要素が含まれるようです。岡田委員、どうぞ。
○岡田委員 そういう意味で言うと、業種、業界によっても職種によっても同じ一言が違うのだろうという。これはワーキング・グループの中で特に議論されなかったのですけれども、私の見解としては、ワーキング・グループでは、こういうことをやっていくという取組について、それこそ業界によっても違うだろうということで、あまり踏み込まずに、それは事例を参考にしてもらえばいいのではないだろうかということで、ここはこのくらいにとどめておこうという話が確かあったと思います。
○堀田座長 事例とおっしゃったのはここの参考資料の中のことですか。
○岡田委員 そうです。各社の取組。ですから、自分のところと似たような業界だったらこういう取組をしているということで、個別の一言がどうこうということではないですけれども、基本的には置かれた環境によって同じ一言というのは大きく違ってくるのであろうと思います。個人の受け止め方というのもあるけれども、それ以上に環境が結構大きいのではないかということだと思います。
○堀田座長 ありがとうございました。しっかり来年で詰めるけれども、ともかく事例によって違うということは参考資料集を見ればある程度わかるだろうということでした。これは本多さん、親会議の提言の後ろに参考資料集も付けるのですか。
○本多参事官 報告と参考資料集は一体となっておりますので、参考資料集も含めた報告に提言を付けていただく形なのかなと思いますが、そこは御検討いただければと思います。
○堀田座長 香山委員、どうぞ。
○香山委員 今の問題と関係して言わせていただきますと、私どもの精神医療の分野でも、働く人たちの心の健康ということは非常に一人ひとりの耐性によっても違うので難しいと言われています。厚生労働省が出している労働者の心の健康の保持増進のための指針の中で、職場の心の健康づくりのための4つのケアというものがあるかと思うのですが、それはセルフケアといって一人ひとりが学習したりとか、自分でストレスがどれくらいかを早期発見したり対処したりするというものと、ラインケアとして管理者の方たちへの教育やいろんな研修ということ、事業場内の産業保健スタッフ等によるケア、外部の専門家との連携によるケア、一応4つのケアというのが基本的にあり、形式という面もあるけれども、それが多くの職場で取り入れられて、勿論それは職場ごとにはいろんな融通を効かせてやっていますけれども、対策の結果、成果を上げているところもあると思うのです。
 なので、先ほど佐々木委員がおっしゃったように、勿論それは大きな問題で、ただシステムをつくれば全部解決するということはないと思うのですが、一応何かそういったような柱があった方がいいと思いますし、そういう意味では今回の提言にはトップと上司、先ほどのラインケアに当たるところもあるし、やはりセルフケアというか、ケアというのが適切かはわかりませんが、例えばやられて嫌なことにははっきりと「それは困ります」とか、「嫌です」ときちんと言い返すとか、あるいはそれはパワハラなんだと従業員の人たちもきちんと認識するという、そちらの対策なども必要でしょうし、先ほどの内部スタッフの充実や、内部のそういった窓口、仕組みづくり、外部の専門家との連携という、心の健康づくりがある程度参考になる部分があると思います。
 質問なのですけれども、ワーキング・グループでも対策以上の、セクハラのような罰則というものについて、先ほど吉田委員から犯罪であるというような言い方もあるのではないかとありましたけれども、実際に犯罪としてしまうというのは極端な言い方ですが、そういった方向性の話みたいなものも一応出ていたのでしょうか。いわゆる法制化というようなことも視野に入れたのかということなのです。
○佐藤委員 当然、行為類型1とか2とか現状の中でも刑事上の問題となりうるものもあるわけですが、それ以外については、まだ法律でどうこうするという議論をするには十分整理されていない状況なので、そういう意見もありましたけれども、それは次の段階かなというような方が多かったのではないかと思います。そういう意見が出なかったというわけではないです。
○堀田座長 いいですか。セルフケアというのも大事なメッセージだと思いますので、これが提言の中に入るのか、少なくとも個別意見で出れば非常に有効かと思います。
 田中委員、どうぞ。
○田中委員 この円卓会議とワーキング・グループの関係を思い起こすと、この円卓会議で提言をまとめるに際し、検討材料としてワーキング・グループ報告を取りまとめていただいた。それを読む限り、問題の現状、背景、その議論の過程でどういう行為を一応ターゲットにし、それにどうやってふたをしていくかということについて、非常に短い時間でまとめられたと思うのです。その深さについてはいろいろ議論があって、この円卓会議の委員の皆様も賛同できない部分もあろうかと思いますが、とりあえずワーキング・グループとしては、与えられた時間の中でその職責を果たしたと思っているのです。その報告を受けて我々としてどう考えるかといったときに、座長試案として問題の存在とか、意義、取組という三本柱くらいでコンパクトに世の中に訴えていくという考え方は非常によろしいのではないかと思っています。特に対策について言えば、このワーキング・グループはターゲットを絞って何かを具体的にやろうとすると、どうしても制度論にならざるを得ないし、各社の取組というのはそういうものであるわけですから、この円卓会議としては、試案にございますように、職場にかかるというか、すべての人の心の持ちようというところに焦点が当たっていると思うのです。職場におけるパワーハラスメントをなくそうというためにどういう心構えで取り組んでくださいという呼びかけですので、そういう方向の方がワーキング・グループの報告と円卓会議の提言というのを一体として考えるとセットになるのではないかなと思っております。
 以上です。
○堀田座長 ありがとうございます。
 このラインで提言して、ワーキング・グループの報告と一体として出すということでいいという御意見をちょうだいしました。ありがとうございます。
 どうぞ。
○石井委員 私も田中委員の御意見に全く賛成でございまして、非常に短時間でよくまとめていただいたと思います。
 試案について私も感想ですけれども、いろいろスタイルはあるにしても、始まり方は非常に一種劇的な始まり方で、こういうような形でお役所の文書がまとまるということはあるのかなと意外感もあったのですが、なかなかそこは工夫されているのではないかなと思います。
 あとこの報告の中で6つの行為類型をまとめていただいたというのは、私自身は意味があると思っていました。社内でもいろいろパワーハラスメントがある場合に、ある程度類型とかそういうものがないとわかりにくいと感じています。先ほどの佐々木委員の御意見に私なりの所感を申し上げると、やはり教育というのは社内それなりにやって、ハラスメントが起きたときにそれの対応がわからないとかということは往々にしてあります。芽を摘むとか、どういうふうに断ったらいいのかということをちゃんと示すということは非常に意味があることだと思いますので、確かに形式ではあるのですけれども、やはり教育というのは改めて重要ではないかと思っております。
○堀田座長 ありがとうございます。石井委員からこの姿勢でいいのではないかということでした。ただ、類型が大事だという御意見もありますので、このワーキング・グループで一応6つほど類型が出ておりますが、これを抜き出してとりあえずここまでは言えるわけだから、前に挙げるということは考えられるということなのでしょうかね。ありがとうございます。
 どうぞほかに。
 では、吉田委員、山川委員。
○吉田委員 先ほど個々の問題というのが出たのですけれども、私の仕事はお菓子づくりです。ものづくりの世界、お菓子だけではなくて、彫刻にしても何でもそうだと思うのですけれども、この世界は例えば平易な言葉を使うと、あほ、ばか、ドジ、死ねみたいなことは日常茶飯事だったのです。今でもそうでしょうけれども、これをあまりソフトに包んでしまうと技術の向上はストップしてしまうという危険も確かにあるのです。そんなときに先ほどの心の問題なのだけれども、怒るより叱る、叱るよりも諭すというようなことで対処していけばクリアできるのではないかと思います。そうすればパワーダウンもしないで怒られた方も叱られたのだな、諭されたのだなという、ニュアンスですけれども、相手もそれぞれ敏感に反応する人もいれば、結構鈍感な人もいますから、その辺は上手に対応していけばいいと思うし、ただ、こういう問題が取り上げられたというのは非常に社会が成熟してきたと思うのです。昔はこういうことばかりだったので、たまに優しい人がいるとそれがニュースになって仏の何々さんなどということで取り上げられたりするのだけれども、今はほとんどが仏になっているのです。
 ですから、たまに乱暴なのがいるとこうやって問題になってくるわけで、これすら問題にならないようになったときに本当に成熟した社会になるのではないかな。それまでは我々は言い続けなければいけないし、注意して対処し続けなければいけないのではないかと思っております。
○堀田座長 ありがとうございます。叱るより諭せという、怒鳴りたくなる人に対する一種の心のコントールの仕方まで教えましょうという大変優しい丁寧な提言、それも次回までにまたしっかり文章を考えてもらおうと思います。
 山川委員、どうぞ。
○山川委員 基本的には座長御試案のような形でよろしいかと思います。先ほど来の御議論からすると、ここでは恐らく2つの要素があって、1つは意識啓発のようなことでありまして、これに重点を置かれているのかと思います。
 もう一つは、技術論のような要素がありまして、スキルについても少し方向性としては出しておいた方がいいような気がします。例えば、先ほどラインケアというお話もありましたけれども、トップと一般社員と加害者になり得るかもしれない上司のほかに、職場をまとめていく上司もいまして、そういう人たちのパワハラ防止や対処のスキルが重要であると思います。試案の2ページに他に盛り込むべきと考えられる要素と書いてありますが、そこの中に、例えば、管理職の職務の内容として、セクハラやパワハラを防止するようなことも要するに仕事なのだということを盛り込むことも、一種の技術面での方向性としては挙げられるかなと思います。
 もう一つは、同じページの囲みの下にあるコミュニケーションを形成する努力という点について、これも理念としては全くそのとおりなのですが、これもスキルの側面から、そういうコミュニケーション形成のためのスキルを養成することが考えられます。研修とか教育の重要性はこれまでお話として出てきたところですので、そういった具体的な技術論の方向性も示すような言葉が入った方がよろしいかなと思います。
 もう一つは難しいところなのですけれども、先ほど香山先生からありました、従業員側の防御するスキル、あるいはかわすスキルとか、そういうものを盛り込むのがいいのかどうか。多分ワーキング・グループの今回の報告書の中には入っていないと思うのですけれども、実質的には相方がコミュニケーションスキルを身につけていくということが望ましいと思います。けれども、果たしてこのグループの議論のテーブルの中に位置づける方がいいものかどうか御議論いただくことになるかと思います。
 もう一点、先ほどの意識啓発の点ではビジュアルの活用というのは非常に重要だと思います。例えば課題とありますが、この課題にもうちょっとキャッチーなタイトル、今、思いつく能力はありませんけれども、非常に人の目に触れやすいような題名ですとか、あるいはインターネットやパンフレットを利用するのでしたら、厚生労働省ではくるみんマークなどもありますけれども、それに類するような何かマークのようなものなど、問題の性質上なかなか考えるのは難しいかもしれませんけれども、そういったビジュアル面での工夫も必要かと思います。
 以上です。
○堀田座長 ありがとうございます。3点ほどいただきました。
 スキルの点も入れた方が有効だと、それは本当におっしゃるとおりで、実効性を持つためのスキルが少しでも多く入っている方が有効だと思います。ただ、かわすスキル、防御側のスキルの話が出ましたが、これはワーキング・グループで御議論は出たのでしょうか。
○佐藤委員 そこは議論が少なかったのではないかと思います。
 今出たスキルのところで、多分座長試案の2ページのところに例があるのですけれども、例えば今回の類型でも過大な要求とありましたけれども、例えば同じことをやっても、管理職が事前にこれは君の教育訓練のためにこの仕事をやってもらうとか、説明を一言するかしないかで違ってくるわけです。それはコミュニケーション能力だと思うので、もう少しわかりやすく事例で書いてもいいかなと。つまり、何も言わずにこの仕事をやれと言って過大要求になる場合もあるけれども、同じ仕事をする前に少し説明していると違うわけです。意外にそんなに難しい話ではなくて、もう少し具体的に2ページ目があるとわかりやすいかなと思います。ある意味逆に難しい面もあるわけですけれども、具体的に外から見ていると同じことをやっていても、事前に説明しておくと相手側も教育訓練として受け取ってくれるわけです。そうしたことがわかるような例がある方がいいかなと思いました。
○堀田座長 ここに盛り込めばいいようないろんなスキルを更にどんどんここで御提言いただければいいかと思いますが、どうぞ。
○牧副大臣 本当に真摯な御議論、ありがとうございます。私から質問をさせていただきたいのですけれども、この類型というこれはこれでよくわかりますが、例えば特定の上司が多数の部下に当たり散らすという例と、あるいは特定の被害者がみんなから何となく無視されるというようなことで受け止め方というのは相当違うと思うのです。軽い無視でもみんなから無視されたら相当本人にとってはダメージが大きいと思います。
 例えばそういったような類型化というか、まるっきり正反対の話、アプローチでしたけれども、そういうことが議論になったのか否かということ。もう一つは、どこかの時点から、例えば職場で啓発していくに当たって、芽を摘むと先ほどお話にちょっと出てきましたけれども、大変重要なポイントだと思います。身近でハラスメントに気づいたらどこかで知らせようとか、ひょっとしたら自分が知らず知らずのうちにそういうことをしていたのではないか。まずその気づきからスタートするというのは非常に重要だと思うのです。
 まず気づくことによってそこからエスカレートしていくことを防ぐ。この類型の中で例えばここから始まってどんどんエスカレートしていくとか、例えば幼児虐待あるいは学校におけるいじめ等々を見ていると、どこかから始まって徐々にエスカレートしていくという時系列的な進化というのはあると思うのです。そういったことも議論されたのかどうか、今後職場における啓発で参考になると思いますので、その辺教えていただきたいと思います。
○堀田座長 ありがとうございました。よろしく。
○佐藤委員 例えば管理者が部下の1人に「仕事できないね」と言ったことが、ほかの部下もそれに乗ってみたいなのはありますね。それとそういうことが起きていない場合とかというのは、特に両方あり得るという議論をしていますけれども、それを別の行為類型というか、受けた人のタイプとしていずれもそういう意味では同じ類型に入ってしまう。複数のものが重なっている場合もありますけれども、それを別の類型として分けているわけではないですね。ただ、何が要素かとか、重なっているかどうかは別にしても、一応この6つ以外もあると思いますけれども、一応大きくこれで分けられるというような整理はしました。その違いはあるということは議論しています。
○堀田座長 ありがとうございます。基本類型が書いてあるけれども、今、副大臣がおっしゃったのは、それが多数になったりすると悪い効果が違ってくるという話で、どこかでこの報告書はこれでまとまっていますが、そういうこともうまく、あるいは副大臣の問題提起ですから本多さんにちゃんと答えてもらわないといけない。これは来年受けるということになるのですか。来年の事例を詰めるときに。
○本多参事官 特に先ほどの副大臣が言われた小さいうちに芽を摘む、気づきが大事だというところなのですけれども、そこは今回の提言の試案の中にも、上司がちゃんとパワハラが起きた場合にはその解決に取り組むべきこと、非常に当たり前のような話を改めて書いていまして、実はこういうことができていなかったのではないかと、そういう問題意識がワーキング・グループで明示的に話があったわけではないのですが、ワーキング・グループを通じての議論で私どもそういうところが重要だと思っておりまして、その気づきと小さいうちに芽を摘むというところで上司がちゃんと解決に取り組むというのを盛り込んでいるところでございます。
○堀田座長 ありがとうございます。類型、行為事例については来年また更に精密にする点で今の御提言を受けることがありましょうし、仲間で解決するというのは、試案の3ページの一番上の枠内で起こった問題の対処ということで、励ましたり、いろいろやるということは一応書いていますね。この辺りをもう少しあるいは深めた書き方をするということは可能かと思います。御検討いただきたいと思います。
 先ほど山川委員からかわすスキルという話が出ましたので、確かに私も検事になって真っ先に先輩から教えられたのは、あの検事正はすぐ怒鳴るから、怒鳴り始めたら別のことを考えておれという、かわすアドバイスをいただいたのですけれども、そういう例えばどういうことをスキルとしてお考えになりながらおっしゃったのか、教えていただけますか。
○山川委員 1つ、私が読んだ中で非常にこれまで気に入った本として、できる社員はやり過ごすという本がありまして、物ごとの軽重を自分で判断できる場合には、業務命令と思しきものの一部をある場合にはやり過ごすとか、そういうこともあろうかと思います。
 もう一つは、それ自体問題かもしれませんけれども、波風が立たないような形で、やんわりと問題が大きくならないうちに私は嫌ですということを伝える。先ほどお話にありましたけれども、そういうこともかわすと言えばかわすということに含まれるかなと思います。その2つくらいでしょうか。
○堀田座長 ありがとうございます。
 本多さん、どうぞ。
○本多参事官 部下からの防御という点については、2ページのところで、部下の立場にある方も仕事の進め方をめぐるコミュニケーションの行き違いがパワーハラスメントにつながる場合があることに留意すべきであると記載していますが、なかなかやり過ごすとは書きづらいものがありまして、ぎりぎり役人の頭で考えて書けるのがここかなと思っておりますけれども、もう少し何か更にいい表現を御提言いただければと思います。
○堀田座長 ありがとうございます。
 山川委員の発言、大変有効な御発言だと思います。あるいは補足意見ならやり過ごすぐらいのことは書けるのではないかと思いますので、いろいろと御配慮ください。ほかの点もどうぞ。
○石黒委員 基本的にはこのまとめ方でいいと思っているのですが、先も出たところでコミュニケーションという表現とか、もうちょっと書かないとぱっと見たときにわからないのかなということと、パワハラは今回の報告が1月の末に出されるとけっこう新聞とかマスコミでも非常に大きく取り上げられたので、セクハラと同じように市民権を持つようにやる第一歩としてはこの形でいいと思っています。
 1つだけ、労側なのに使用者側みたいなことを言うのもあれなのですけれども、ここのワーキング・グループの報告にもありますが、今、いろいろ使用者側の方々から指導もパワハラになってしまうのではないかというのがいろんなところで言われているので、この報告の7ページにあるみたいに、取組の前提は先ほど受ける側によって違うということもあるのですが、適正な指導とか職場のいろんな上司の問題とパワハラの問題というのは、きちっと区分して取組を始めていくという前提をどこかで確認していかないと、セクハラのときも「女性の社員とは口をきけないな」という話があったりするのですけれども、セクハラの場合とパワハラは違う深刻な問題があって、厳しいいろんな形での上司の指導という問題と、行き過ぎた問題は違うというところをきちんと区分しながら取り組むというような提言の仕方をもう少し配慮していただきたいと思います。
○堀田座長 ありがとうございます。適正な指導との関係はワーキング・グループの方も随分とお書きになっていますが、今の御発言は。
○佐藤委員 基本的にはそういう考え方で、受け止める側がいじめだと思った、パワハラだと思ったからと言って自動的にいじめ、パワハラになるわけではなくて、やはりマネジメントが適切であるかどうかが非常に大事だと書かせていただいている。それを前提とした上で、やはり適切なマネジメントがやれていない部分で起きていたりもしますし、他方で適切なマネジメントをしていても、受け止め方がまだ十分できていないということもあるので、そこは先ほどのセルフケアみたいなことも大事だと思います。ですから、両方やらなければということは議論しています。
○堀田座長 適切なマネジメント、そこのところをもう少し本文でしっかり書くことも考えられますね。実務上は一番難しい問題になるのかもしれません。例えば全くやる気のないどうしようもない部下に対して、どう指導すればいいのか、そこを教えておかないと最後はどなってしまうのかということにもなりかねないとは思うのです。なかなか難しい議論だと思います。
 その点も含めまして御意見あればほかにどんどん出していただけますか。
 では、岡田委員。
○岡田委員 意見というか質問なのですけれども、いろいろ皆さんに聞かれるのですけれども、今回、この提言が出ることによって、どのくらいこれが企業に対して影響力があるのか、その辺をどこまでやればいいのかという御質問を結構受けているわけですけれども、その辺はどういうふうに考えているのでしょうか。
ガイドラインレベルとか通達レベルとかいろいろあると思うのですが、その辺今回の提言というのはどういうレベルでとらえて、どんなことをやっていったらいいかというのを結構皆さん気にしてらっしゃるのです。
○堀田座長 では、本多さん、先ほどおっしゃろうとしたことと、今の答えと両方言ってくれますか。
○本多参事官 今回の提言は、円卓会議での皆様の御意見ですので、当然何かしら強制力を持つというものではありませんけれども、企業の方がこういうことであれば是非ともやらなければいけないという気持ちになっていただくことが提言の目的ですので、きっとお読みいただいたらやりたいと思われるのでないかと思っております。
 ただ、行政で当然周知をしていきますので、そういう場合にもこういう提言が出ましたと、是非その企業でもこれを参考に御検討くださいという形で進めさせていただきたいと思っております。
 先ほどお聞きしたかった点はタイトルです。今、職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けてというタイトルにしておりますけれども、このタイトルをもう少し人目を引くようなものにしてはどうかという御提案があったのですが、なかなか私どももアイデアが浮かびかねるところでございますので、タイトルを変えた方がいいのかどうかも含めましてお知恵を拝借できたらと思います。
○堀田座長 これは吉田さんですね。
○吉田委員 今考え中でございます。何かいいアイデアがあったらなと。私は物書きなものですから、いろいろ頭の中でぐるぐると言葉を探しております。先ほど厚生労働副大臣がおっしゃられたことなのだけれども、この問題はなかなか一筋縄ではいかなので、言い続けていくしかないし、実際、私、いじめの現場を幾つも見ているのですけれども、本当にいじめるやつというのは策士です。次々周りを引き入れていって、それで絶対多数にしていじめていくというような。ですから、先ほど副大臣がおっしゃられたように、早めに芽を摘む。これは絶対必要だし、こういう会自体を起こして提言すること自体がそのプレッシャーになって芽を摘むことになるのだろうと思うのです。ですから、芽を摘まなければだめです。増殖したら本当におしまい、見ていてかわいそうなほどです。
○堀田座長 ありがとうございます。タイトルについては考えておくという話です。どうするかはこれよりもっといい案が出るかどうかにかかっていると思います。今、ぱっと案をお持ちの方は挙手いただきたいのですが、もしなければもう一回ありますので、次回までにみんながあっと言うような案、またはあっと言わなくてもまあいいかという案でもいいですけれども、何かお考えいただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
 どうぞ。
○岡田委員 先ほどの本多さんから発言があった点について、労働局にこういったパンフレットを置くということになっていくと、やはりそこに相談が来る。そのときにいろいろ個別労働紛争のあっせんなどをしていたりしますね。そういったところでもう一歩それが進んで介入できるとかそういう方向性というのはないのでしょうか。そういうことが仮にあるとすれば、ある程度企業に対する抑止力というのでしょうか、そういうことも言っていけるかなと思います。
○本多参事官 この提言を受けて、今の個別労働紛争処理解決制度自体を何か変えるということはありませんので、あくまでも効力としては現在のあっせんということになります。
○堀田座長 ほかの点でもどうぞ。
 今、解決方法、香山さんが制裁の問題を提起されて、そんなにぱっとしたものはという話でありました。刑事事件になる、犯罪になる場合もけっこうあると思いますけれども、名誉毀損、侮辱などで訴えても、まず警察は簡単に取り上げてくれない。ですから、職場の中の仕組みで今の解決方法等も含めて対応していくしかないだろうとは思うのです。
 そういうこともこの提言の案の中には匂わせてあるわけですね。
 田中さん、どうぞ。
○田中委員 基本的にワーキング・グループで議論されたと思うのですけれども、この職場のパワーハラスメントのいろんな類型があり、社内の規律が千差万別で、それを一律にこうした方がいいとか、こうしてはだめだというのはなかなか難しいと。ですから、企業に罰則を課したり、こうしろと強制力を持たせない、持たせるのは難しいということを前提として、今起きている職場における問題を解決するために世間または企業の方々に訴えて、その解決のために円卓会議で提言する、またはワーキング・グループで1つの例示も含めて訴えていくということで議論してきたと私は理解しております。そういう意味ではこの提言を受けて各企業の経営者も含めて、職場でそれぞれの方々が取り組んでいくきっかけになる。ですから、一歩なのか半歩なのかという議論はあるかとは思いますけれども、まずそれで一歩を踏み出す。さらに国や労使の団体にも取組を支援していただきたいというようなことに最後の方にありますので、そういうことで進めていくものだろうと思っております。
○堀田座長 ありがとうございます。とりあえず始まったところだから、周知徹底を図るのが現在の段階で、これが周知徹底され、それはいけないという空気が広く醸成されれば、それに反するような行為についてのまた別のチェックの仕方も出てくるのでしょうけれども、現段階ではまず周知徹底からいきましようと、穏やかな意見であります。
 香山さん、どうぞ。
○香山委員 別に私は制裁にこだわるわけではないのですけれども、患者さんなどがいろいろ診察をやってきて、一方的な意見なのですけれども、いわゆるパワハラに当たるような問題でうつ病になったり、中には自殺未遂をされたりするというケースもあって、そういう人たちに聞くと、かなりひどいことが行われていて、そういった企業に対して、職場の中で何とかこういう提言があるので、これはいけないとその人たちが気づいて、非常に能動的に対策をやってくれるかいうとちょっと不安もあるのです。勿論、大きな企業さんとかで意識の高いところはそういうところもあると思うのですが、だからといって必ず罰則を設けて強制的にやった方がいいというのも私自身もためらいはあります。
 質問があるのですけれども、フランスなどではたしかモラルハラスメントに関する法律があって、法制化などもされていると聞いていますけれども、諸外国で、日本以外の国ではこういったパワハラに対しての罰則みたいなものが実際に行われているということは結構あるものなのか教えていただければと思います。
○堀田座長 本多さん。どうぞ。
○本多参事官 ワーキング・グループの中で外国の取組について御紹介しておりまして、フランスについてはおっしゃられたようにモラルハラスメントについての、労使関係近代化法というので、モラルハラスメントを受けた関係で事業主にそうした行為を予防するためにあらゆる措置を取る義務が課され、行為を行った労働者も制裁を受けると、罰金または禁固刑が規定されています。
 ベルギー、オーストラリアについても法律があり、ベルギーについては、使用者に予防計画を作成する義務が課されているようです。オーストラリアについては、州法なのですけれども、幾つかの州では、ガイドラインを設けて企業のリスクマネジメントの一環として位置づけているということで、今、手元にある資料では、義務づけはされてはいるのですが、企業に対する罰則というのは手元の資料でははっきりしていませんので、こちらも来年度詳しく調べたいと思っております。
○堀田座長 そういうことでいいですか。
 では、佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員 私は男女共同参画の委員をやっているのですけれども、男女共同参画の目指すべき社会という中に、1つは男女の人権が尊重されて尊厳を持って個人が生きることができる社会という言葉があるのです。私はこのパワハラの問題は、基本的には個人個人の人格が尊重され尊厳を持って生きていく、そういう社会を目指していくための1つの切り口ではないかなと思っているのですが、男女共同参画のイベントがあったり私が講演を頼まれたりすると、その中にワーク・ライフ・バランスとかいろんな話が出てくるのですが、メンタルヘルスの問題というのは結構大きく出てくるのです。
 これはなぜ大きいかというと、企業にとっては極めて重要な問題なのです。メンタルヘルスの問題を解決しなければ、組織は成り立たないとか、それほど深刻な状況になっているのです。ですから、一つひとつの会社がその対応をしっかりしています。やはり心の健康相談窓口を設けたり、管理職になれば必ずメンタルヘルスの研修を必須にしたり、そういう意味からいうと、パワハラというのはなかなかそれに比べれば存在感が薄いのです。それは企業の中にこういう問題がたくさん起こっていることに気が付いていないという面もあるのですけれども、メンタルヘルスほど顕在化していないということもあるのかなと思って、これは大きい問題にならない前にいろんな意味でPRをしていかなければいけないのではないか。だったら、メンタルヘルスだ、男女共同参画だ、パワハラだ、それぞれの切り口ではなくて、一体的な運営というか、行政の中にも男女共同参画の組織があるわけですから、それと連動してそのイベントの中に例えばそういうものを織り込んでいくことを考えて、いろんな機会をとらえて社会にPRしていくという、せっかくこういう提言をつくったら、これをどうしたら世の中に浸透していくのかということをもう少し知恵を出す必要があるのではないかという気がします。
○堀田座長 ありがとうございます。先ほどビジュアルの話をしましたが、どのように提言を現実のものにしていくかについて、類似というか、基本的には共通の問題であるほかのいろんな問題点の解釈と対策とうまくネットワークを組んでやることを考えているようにという、これは今後の方法についての御提言でした。これは香山さん、メンタルヘルス、御相談の中で原因がパワハラというのは増えていますか。
○香山委員 私も患者さん側から一方的に聞くことが多いので、実際の事実かどうかの認定はできていないのですけれども、ただやはり職場の問題で特にその中で類型化されているようなパワハラに当たるものというのは非常に多いですね。だから、メンタルヘルスとの関連で今佐々木委員がおっしゃったようなそういうラインケア、管理者の研修の中でこういった言動がその人を追い込んでメンタルヘルス不全に行くこともありますよといったような連携した形での研修とか教育とか訴えかけというのは十分有効なものだと思います。メンタルヘルスの方が今は認知度が高いのであれば、そちらの方を入口としてパワハラの問題にも触れていくというのが非常に有効なことかなと思いました。
○堀田座長 ありがとうございます。
○金子労働基準局長 労働基準局では、実は働く人の健康確保という視点から、香山先生からもお話がありましたけれども、職場のメンタルヘルス対策の強化というのは非常に大きなテーマになっております。実は職場の中で体の方は年に一度定期健康診断を受けていただくということを事業者に義務付けておりますけれども、今、法案を出しておりまして、その中でストレスチェックを健診と同じようにやっていただけないかということも盛り込んでいます。それでまさに気づきの促進をしていただいたり、その結果に基づいて事業者、会社の方に適切な就業上の措置を講じてもらうとか、本人のプライバシーの問題など微妙な問題もあるので、その場合に会社には、少し内緒にして外の機関に御相談に行っていただくというような対策も、私ども労働安全行政と言っているのですけれども、そちらでやっておりますので、根っこには重なる部分も相当ありますから、今後、こういったものの周知に当たっては、今、お話がありましたように、それをセットでやるとか、メンタルヘルスのいろいろな周知啓発の機会もありますので、工夫して取り組んでいきたいと思います。
○堀田座長 ありがとうございます。早速ネットワークができたようでありますので、更に広めていければと思います。
 では、岡田さんと吉田さん、どうぞ。
○岡田委員 周知の方法なのですけれども、一番パワーを持っているトップ層がどう理解するかということがとても重要だと思います。放置することが経営にとって非常に損失があるのだということを理解してもらうことだと思うのです。という意味では、田中さんのところで経営の皆さんにしていただくということが一番手取り早いといいますか、放置することの企業に与える損失みたいなことを周知してもらうといいのではないかなと思います。是非お願いしたいと思います。
○堀田座長 御発言、うなずいておられますがいいですか。
○田中委員 御要望は承りました。ただ、基本的には経団連は企業行動憲章の中にこういった精神の下で各経営トップには常時呼びかけております。今回こういう形で円卓会議の提言ができたわけですから、こういうものを私どもとして真摯に受けとめていきたいと思っています。
○堀田座長 ありがとうございます。もうやっているけれども、もっとやるというお話です。
 吉田委員、どうぞ。
○吉田委員 先ほど宿題をいただきましていろいろ考えてみました、先ほど佐々木委員がすばらしい言葉を与えてくれましたので。尊厳。まさにこれだと思うのです。人を傷つけない。ですから、パワハラ、人の尊厳を侵すもの。それはパワハラ、犯罪であるよりももう少しソフトでいいのではないかと思うのですけれども、つまりところ人の尊厳です。それを傷つけてはいけないし、冒頭、素晴らしい言葉でまとめていただきましたが、どのお子さんもお父さんもお母さんもみんな宝物であるということにつながると思うのですけれども、それぞれどんなレベルの人においても、あるいは男女差においても、年齢差においても、人というのは尊厳を持っているもので、これを侵してはいけない、そんなことで尊厳という言葉をいただきたいと思います。済みません。
○堀田座長 ありがとうございます。本多さんの宿題も早速答えが出ました。パワハラ、人の尊厳を侵すもの、この方が今の案よりはいいかなと思われる方、挙手していただけますか。遠慮深く手が挙がっています。これも御参考にいただいて、次回までにまたいろいろ吉田さん、それで終わりにしないで考えてください。ほかにありますか。
 山浦さん、どうぞ。
○山浦委員 提言の内容の話なのですけれども、終わりにという部分について、この提言はパワーハラスメントに取り組んでいくための第一歩であると、少しここに色濃くメッセージ性の強いというか、私も知恵があまりないのですけれども、労働組合的に言えばだれもが安心して働ける職場環境づくりに取り組みましょうとか、そこが第一歩とすればそうなってくるのかなと思ってそういうことも少し検討していただければと思います。
○堀田座長 結びのところをアピール力のある言葉で提示していただきました。ほかはよろしゅうございますか。もう一回ありますので、今日の議論を更に深めるために、あるいは新しい論点も述べていただければと思います。
 最後のところでそれぞれの補足意見を書こうという話になっております。それぞれ、絶対に書かなければいけないというわけでもないのでしょうけれども、なるべくは有効にこの提言を使いたいと思います。せっかくこれだけのメンバーがおそろいですから、書ききれなかった、しかし大切な点はいろいろとメッセージを出していただければうれしいと思いますので、これも次回までにお考えいただければ大変うれしいと思います。
 これで事務局、落ちている点はないですか。これで終わりにしていいですか。本当にすばらしい知恵をたくさんいただきました。本日、意見は垂れ流しにしております。これを整理していただきまして、すばらしい座長試案をおつくりいただければ幸せでございます。よろしくお願いします。
 どうも皆さんありがとうございました。御苦労様でした。


(了)
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