大臣官房国際課
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第5回APEC人材養成大臣会合の結果概要について
1 会合の概要
2010年9月16日から17日まで、中国・北京にて、APEC人材養成大臣会合が開催され、「人材開発、雇用の力強い促進、そしてあまねく広がる成長の実現」をテーマに、経済危機後の経済政策、雇用労働政策のあり方や危機後の成長を見据えた人材養成のあり方等について議論が行われました。
採択された共同宣言については、11月に横浜で開催される第18回APEC首脳会議に報告されることとなっています。
本会合は、APECの分野別大臣会合の1つであり、域内経済の持続的成長を支えるために必要となる人材養成のあり方を議論することを目的として、1996年以来4回開かれてきています。
2 議題等
今回会合では、メインテーマとして「人材開発、雇用の力強い促進、そしてあまねく広がる成長の実現」を掲げるとともに、サブテーマとしては、
[1]雇用の維持拡大への留意、雇用重視のマクロ経済政策の実施、
[2]社会的セーフティネットの改善、弱者への社会保護と雇用支援の強化、
[3]人材開発の拡充と経済成長の再活性化に資する労働力の準備
の3つを取り上げ、それぞれのテーマに沿って、21の加盟国・地域(エコノミー)より、自国の政策の経験や考え方を発表し、意見交換を行いました。
3.出席者
我が国からは、細川厚生労働副大臣及び増子経済産業副大臣(いずれも当時)が出席し、また、各エコノミーからは主に労働担当大臣(または副大臣)が参加しました。
4.会合の成果
(1)3つの重点分野の確認
世界経済危機からAPECの各エコノミーが回復する中において、経済成長、とりわけ、あまねく広がる成長(Inclusive Growth)を実現するために、雇用創出、社会的セーフティネットの整備及び人材養成の3点に重点を置いていくという政策の方向性を確認しました。
これは、我が国の「新成長戦略」(平成22年6月18日閣議決定)とも軌を一にするものです。
(2)人材養成分野における今後のAPECの活動方針として、
[1]人材養成大臣会合を4年に1回開催すること
[2]雇用創出、社会的セーフティネットの構築及び人材養成の3分野において、調査研究、技術協力及びベストプラクティスの収集を行うこと
[3]中国の提案による、APEC技能開発促進センターの設立等を内容とするAPEC技能開発促進プロジェクトを了承すること
などが決定されました。
(3)APEC首脳会合に向けて
本年11月に横浜にて開催されるAPEC首脳会合において、APEC全体の成長戦略のとりまとめが予定されています。
今回の人材養成大臣会合は、この成長戦略の5つの柱(均衡ある成長、あまねく広がる成長、持続可能な成長、革新的成長、安全な成長)、とりわけ「あまねく広がる成長(Inclusive Growth)」の実現のために、雇用創出、社会的セーフティネットの構築及び人材養成についての力強い提言を打ち出し、APEC成長戦略の策定に向けて大きな貢献を果たすことができました。
5.日本の貢献
開会式において、我が国より、APEC議長国として、増子経済産業副大臣(当時)から、「JAPAN APEC 2010ビジョン」及び「APEC成長戦略」について、紹介がなされました。
また、社会的セーフティネットに関するセッションにおいて、細川厚生労働副大臣(当時)が演説を行い、我が国の経験を引用しつつ、社会的セーフティネットの整備及び社会対話が、「あまねく広がる成長(Inclusive Growth)」の基盤となることを訴え、参加エコノミーの賛同を得ることができました。そして、これまでの経験を活かし、アジア太平洋地域における社会的セーフティネットの整備に貢献していく姿勢を明確にしました。
さらに、雇用創出及び人材養成のセッションにおいて、細川厚生労働副大臣(当時)より、日本の経験を踏まえ、医療・介護等の発展分野における雇用創出(人材養成)の重要性についての発言がなされました。
(※ 写真は、演説する細川厚生労働副大臣(当時)(右から二人目・右上のテレビ画面))