厚生労働省

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第6回保育士養成課程等検討会 議事要旨

1 日時

平成22年3月9日(火) 13:30〜15:30

2 場所

厚生労働省 専用第12会議室

3 出席者

網野委員、上村委員、埋橋委員、大嶋委員、汐見座長、藤林委員、増田委員、矢藤委員、山本委員

4 議題

保育士養成課程等に関する検討課題について

5 議事要旨

○今回とりまとめる保育士養成課程改正案及び保育士試験の出題範囲と今後の検討課題を1部、2部と分けて明確に示すべきである。「中間まとめ」ということに異論はないが、この後、決定したこととしてすぐに通知などの準備をするところと、今後、引き続き議論していくところとがしっかりと伝わるようにしなければならない。

○養成の現場では、教員の確保やカリキュラムの作成や、早急にとりかからなければならないことが多々あり、実施時期などについても明確に示すべきである。

○平成23年度からの変更となると、現在、保育士養成施設として新設を申請している学校などに影響がある。試験の実施時期についても受験生にとっては重大な問題であり、明確に示し、周知を徹底していただきたい。

○保育指針の改定を受けて、できるだけ早い時期に改正できるようにしたいが、文科省等関係部局との調整のなか、現段階では「23年度から実施することが望まれる」という書き方になると思う。

○正規職員が半分もいない中、多様な業務に追われている保育現場の厳しい状況を踏まえるべきであり、現実と乖離したものとならないよう配慮すべき。

○実習の強化が図られ、実践力を持った保育士を養成することは大事な課題だが、実習生の指導を担当する保育士の位置づけ、あるいは主任保育士の位置づけが曖昧であり、報告書において、明確に示してほしい。

○主任保育士の制度的位置づけについては、少子化特別部会においても言われているが、主任だけでなく、保育所全体の問題として、保育士がそのキャリアアップを図っていくためにどのような仕組みにすることがよいのかを含めて検討していくことが必要。

○現任研修については、実務経験と研修によるキャリアアップにつなげていくための仕組みを構築しなければならないが、保育士資格そのものの在り方を明確にしないと実質的に進んでいかないだろう。

○現任研修は全国で様々な団体や自治体において、相当数、コストをかけて行われているが、それぞれバラバラで検証も不十分である。例えば専門看護師や認定看護師というのは看護協会が一括して認定を行い、アメリカなどでは全米幼児教育協会が行うなど、専門職集団が様々な関係団体と連携しながら行い、それを国が認証するような仕組みになっている。保育士においてもこうした形もあり得るのではないか。

○自治体において、保育士の研修を進めているが、実際どういう内容でどのくらいやったらよいのかわからない状況である。最終的には保育士の処遇に結びついたり、保育所を運営する側にとって受講させたいというモチベーションに結びついていかないと難しい。方向性を示していただくなど、自治体への発信の仕方も意識していただきたい。

○保育所保育士だけでなく児童養護施設等で働く保育士のことも踏まえて、「養成施設、保育所、行政の協働」に児童福祉施設を追記していただきたい。

○これまで、保育士養成においては、社会福祉から医療から様々集まって養成課程を構成していたが、今回の改正で、保育や子どもを明確にしたという意味でたいへん有意義だった。

○基本的には保育と関連している他の学問領域を教科目として構成している。ここに、「保育原理」以外にも「保育史概論」や「比較保育論」など基本的に保育学で占められていくというようにならないのは、この学問が未成熟であるからである。その中で、「保育の心理学」が一歩出たことは画期的である。

○今後、保育士の専門性を高めていくためにも、保育現場と研究者で保育の学問体系を作っていくことが必要であり、私どもも努力していかなければならない。

○保育の根幹に関わる科目において、日本という文脈の中で完結するのではなく、諸外国の状況や協働的学び(プロジェクト・アプローチ)などについて学ぶことも必要になってきている。

○保育士のキャリアアップにおいては、既に保育士が蓄積している暗黙知・実践知を言語化し、経験知に変えていくことが重要であり、そのためにも現場の保育士が学生にレクチャーしたりする経験を持たせることが必要である。

○「保育士が保育士養成に携わることが重要である」と明記すべきで、他の分野に比べて現場経験を生かした教育者、研究者がまだまだ少ない。保育士の社会的な位置づけも含めてそうした土壌を作るべきである。

○今回の改正において、養成課程を現行どおり68単位にすることが前提としてあったが、検討会においては保育士に求められるものはこれでは収まりきれないといった課題が出されたことについて触れていただきたい。

○保育において重要な課題である保育マネジメント、組織マネジメントは、実際には4年生課程において学ぶことになると思われるが、幼稚園教諭との関連でも更なる保育の専門性を磨くことについて積極的に書き込むことが必要。

○4年生課程についての活発な議論をどこまでどのように書き込むか、様々な資格のあり方や国の制度改革などを踏まえ、今後、十分に議論してから結論が出ることであり、国家試験についても同様であろう。

○国家試験は、たいへん大きな課題であり、触れないわけにはいかない。今後の検討にしっかりとつなげるべきである。

○養成の質を高めないことで成立するようなシステムについては、今後、修正を迫るようなことをしていかないと保育士の専門性の高度化は図れない。

○保育現場のことについて関心を高くもっていただき、今後の方向性を一緒に考えていくことができてたいへん有意義だった。

○教科目の新設の理由をそれぞれ解説して明記してほしい。

○その他、文言を精査し、修正した報告書案を事務局から委員に伝え、その後、ご指摘を踏まえ、座長と事務局で詰める。そして、最終案をできるだけ早くお伝えする。

照会先

厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課保育係
電話 03−5253−1111(内線7947)


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