厚生労働省

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ナショナルミニマム研究会(第5回)議事概要

1.日時

平成22年2月15日(月)18:00〜19:40

2.場所

厚生労働省専用第21会議室

3.議事

ナショナルミニマムの考え方について(委員からの発表)

4.出席者

長妻大臣、長浜副大臣、山井政務官、雨宮委員、岩田委員、貝塚委員、駒村委員、竹下委員、橘木委員、湯浅委員、清水社会・援護局長、間杉政策統括官(社会保障担当)、三石社会・援護局保護課長、寺尾社会・援護局地域福祉課長、橋本年金局事業管理課長、伊奈川参事官(社会保障担当)、北條安定局就労支援室長

5.概要

長妻大臣よりご挨拶。岩田委員及び貝塚委員よりナショナルミニマムの考え方についての発表が行われた。また、次回以降研究会を原則公開とすることが了承された。
委員の主な発言は以下のとおり。

○ ナショナルミニマムを最低生活ニーズの充足と考えると、最低生活費はそのニーズ充足から無償の財やサービスを除いた部分である。

○ 最低生活費は、どの人にでもあてはまる水準ではなく、それ以下での生活を社会が容認しない水準。住んでいる地域の特殊性などの特殊需要はナショナルミニマムの上に、その展開として考慮されるべきではないか。

○ 近年では再び最低生活費の試算に関心が集まっている。日本でもマーケットバスケット方式の試みがあるが、この方式は恣意性を指摘されやすい。このため、イギリスでは全てのアイテムについて市民参加で社会的な合意形成していく方式を取り入れたMISの試みが始まっている。

○ 最低生活費試算の前に、特に非正規労働や単身世帯なども含めた、現代の生活実態と生活費構造について十分把握することが大事ではないか。

○ 健康で文化的な最低限度の生活内容は、個人の尊厳が維持されるものでなければならないという憲法13条の規定が基準になるのではないか。また、その際平等の原則を規定している14条も大事な原則ではないか。

○ 本来生存権はまずは労働によって維持されるべきであり、その賃金が人間らしさを維持できる水準であるという保障が憲法25条が目指した内容ではないか。

○ 貧困問題を取り上げると、生活保護以下で生活している人たちからの攻撃がある。このことが日本の今の貧困を象徴している現実ではないか。

○ 貧困に陥りそうになったときにいつでも生活保護が利用できて、そこから社会的な自立に向かっての準備を進められる。そういう生活保護の機能が十分に発揮されていないのではないか。

○ 生活保護以外の社会保障抜きにはナショナルミニマムは考えられないのではないか。最低生活を考える時に、いろいろな社会的な不利益やハンディキャップごとにどう考えるのかとなってくると、もう少し見方を重層的に考えないと成り立たないのではないか。

○ 社会保険がどこまで今機能しているのか。社会保険方式である以上そこから落ちてしまう人が出てくる場合に、その時こそ生活保護による支えという形での仕組みをきちんとしていく必要があるのではないか。

○ 第2のセーフティネットは、生活保護を利用させないことが目的であったり、生活保護以下の水準に設定されているため、十分な役割を果たしていないのではないか。

○ 我が国におけるナショナルミニマムの確定という大きな成果が得られた時に、それをどのように安定させるのかを考えていただきたい。各分野にそれが派生していくことを考えると、各分野の当事者を参加させていくことが必要ではないか。

○ 社会保険の給付や受給範囲を狭めてきたことによって、生活保護でカバーしなければならない部分が増えてくるという悪循環が起こっているのではないか。

○ 社会保険について給付範囲の問題だけでなく受給対象者として外れる方が増えてきており、政策的な問題もあるのかきちんと検証し、原因を明確にして対策を出す必要があるのではないか。

○ ホームレスというのは状態を指すと考えるので、自立支援センターや緊急一時宿泊施設の人も含めた状態としてのホームレス調査ができないか。

<文責:厚生労働省(事後修正の可能性があります。)>

【照会先】

政策統括官付社会保障担当参事官室
政策第一係(内線7691、7692)


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