厚生労働省

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連絡先

厚生労働省医政局研究開発振興課

担当 佐藤・梅垣(内線2545)

電話 03-5253-1111(代表)

03-3595-2430(直通)

平成20年7月16日

厚生科学審議会科学技術部会
第5回ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会
議事概要

1.日時

平成20年7月16日(水) 10:00〜12:00

場所

経済産業省別館10階 1031号会議室

2.出席委員

永井委員長
青木委員 阿部委員 位田委員 掛江委員 春日井委員
貴志委員 高坂委員 小島委員 高橋委員 中畑委員
西川委員 松山委員 水澤委員 山口委員

(事務局)

厚生労働省 医政局研究開発振興課

3. 議事概要

すでに厚生科学審議会科学技術部会に付議されたヒト幹細胞臨床研究実施計画のうち、継続審議となっていた信州大学医学部附属病院からの計2件の申請、及び慶應義塾大学の申請に加え、平成20年7月4日付で新たに付議された田附興風会医学研究所北野病院、東京女子医科大学の申請、および国立循環器病センターからの変更申請の合計6件の申請について審議された。

その結果、継続審議案件の3件(信州大学2件、慶應義塾大学)および変更申請(国立循環器病センター)については、持ち回り審議とし、他の新規申請2件に関しては、次回審査委員会以降も継続して審議していくこととされた。

(審議された臨床研究実施計画の概要は別紙1〜6参照。)


(別紙1)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成20年7月16日審議分

研究課題名 若年者における有痛性関節内軟骨障害に対するI型コラゲンを担体としたヒト培養自己骨髄間葉系細胞移植による軟骨再生研究
申請受理年月日 平成19年10月1日
実施施設及び
研究責任者

実施施設:信州大学医学部付属病院

研究責任者:加藤 博之

対象疾患 若年者の肘、膝、足関節に発症した有痛性離断性骨軟骨炎・若年者の膝蓋骨骨軟骨障害
ヒト幹細胞の種類 (自己)骨髄間葉系幹細胞
実施期間及び
対象症例数
3年間、年齢13歳以上の10症例
治療研究の概要 治療困難であり、自然修復が期待できない重症化した上記軟骨疾患(特に若年者)を対象とし、患者の骨髄液から採取した骨髄間葉系幹細胞を増幅した後、担体であるコラーゲン(アテロコラーゲン・ペルナック)に包埋させる。採取より数週間後、軟骨欠損部に外科的に移植して表面を骨膜でパッチすることで、軟骨欠損部および軟骨下骨の早期修復を図る。
その他(外国での状況等) 軟骨損傷に対する治療は従来、骨髄刺激法、モザイクプラスティー、自己培養軟骨細胞移植などが行われているが、骨髄間葉系幹細胞移植に関しては、1994年Wakitaniらによりウサギ膝関節軟骨欠損に対してMSC移植後、硝子軟骨様組織が形成されることが示されたのを期に、2002年ヒト膝蓋骨軟骨損傷への臨床応用例が初めて報告された。それ以降、下肢関節軟骨を中心とした国内での臨床応用が、少数例ではあるが報告されている。
新規性について これまで、骨髄間葉系幹細胞による軟骨再生の臨床研究は国内では産業技術総合研究所を中心に行われてきたが、今研究は申請者である信州大学医学部付属病院として初めて行われる研究であり、また上肢の骨軟骨損傷に対する同様の治療報告はなく、新規性を認める。

(別紙2)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要  平成20年7月16日審議分

研究課題名 青壮年者の四肢良性骨腫瘍および骨腫瘍類似疾患掻爬後の骨欠損に対するβ-リン酸三カルシウムを担体としたヒト培養自己骨髄間葉系細胞移植による骨欠損修復研究
申請年月日 平成19年10月1日
実施施設及び
研究責任者

実施施設:信州大学医学部付属病院

研究責任者:加藤 博之

対象疾患 内軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、骨巨細胞腫、単純性骨嚢腫、動脈瘤様骨嚢腫、骨内ガングリオン、非骨化性線維腫、線維性骨異形成症
ヒト幹細胞の種類 (自己)骨髄間葉系幹細胞
実施期間及び
対象症例数
3年間、年齢16歳以上の10症例
治療研究の概要 若年者に多い良性骨腫瘍の摘出後生じる骨欠損で、骨折を生じる危険性が高い症例に対して、あらかじめ自己骨髄液から採取して、培養して得た骨髄間葉系幹細胞を付着させた人工骨を骨欠損部に充填することで早期の良好な骨形成を図る。
その他(外国での状況等) 骨髄から採取した骨形成前駆細胞を培養して増幅し、人工骨(ハイドロキシアパタイト)に播種させ、骨欠損部に移植した例は2001年Quartoら(伊・露)が3例報告した。国内でも同じく2001年Ohgushiが骨髄間葉系細胞を培養・増殖し骨形成細胞に分化させ、HAやβ-TCP等の表面に播種して移植した臨床例での報告を行っており、歯科領域でも2006年Yamadaらの報告がある。奈良医科大学、大阪大学でも臨床使用例が報告されている。
新規性について 培養骨髄間葉系幹細胞と人工骨を組み合わせて作成した再生培養骨に関しては、すでに産業技術総合研究所、奈良医大、大阪大などで臨床応用例の報告があるが、信州大学医学部付属病院での臨床研究は今回が初めてであり、新規性・審議の必要性を認める。

(別紙3)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成20年7月16日審議分

研究課題名 角膜上皮幹細胞不全症に対する培養上皮細胞シート移植
申請受理年月日 平成20年1月16日
実施施設及び
研究責任者

実施施設:慶應義塾大学医学部

研究責任者:坪田 一男

対象疾患 スティーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡、角膜化学傷/熱傷、膠様滴状角膜変性症、先天性無虹彩症
ヒト幹細胞の種類 角膜上皮幹細胞
実施期間及び
対象症例数

厚生労働大臣の意見発出から2年間

5例

治療研究の概要 自己健眼の角膜輪部上皮細胞、又は同種角膜輪部上皮細胞(海外ドナー由来)を採取。同種骨髄間葉系幹細胞をフィーダー細胞として、フィブリン上で培養し、シート化したものを移植する。
その他(外国での状況等) 生体外の培養環境で作成した培養角膜上皮シートによる眼表面再建術としては、現在羊膜を用いた培養角膜上皮幹細胞シートの臨床利用例が報告されている。またその後、国内グループにより培養口腔粘膜上皮シート、羊膜を用いない温度応答性ポリマーシートも開発され、臨床研究がなされている。
新規性について 本研究は角膜上皮シート移植としては、フィーダーとして異種細胞である3T3細胞を用いない点、羊膜を用いない点で新規性が認められる。

(別紙4)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成20年7月16日審議分

研究課題名 末梢動脈疾患患者に対するG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植治療のランダム化比較試験
申請年月日 平成20年6月17日
実施施設及び
研究責任者

実施施設:田附興風会 医学研究所 北野病院

研究責任者:塚本 達雄

対象疾患 既存の治療に抵抗性の末梢動脈疾患(慢性閉塞性動脈硬化症・バージャー病)
ヒト幹細胞の種類 自家末梢血単核球細胞
実施期間及び
対象症例数
厚生労働大臣の意見発出から3年間、144例(推奨療法群72例,推奨療法+細胞移植治療群72例)
治療研究の概要 G-CSF皮下注射から4日目に自己末梢血を採取、アフェレシスによりCD34陽性細胞を採取、末梢動脈疾患患肢に筋肉内注射し、末梢血管再生効果を見る。札幌北楡病院をはじめとする計19施設による多施設共同研究を予定。
その他(外国での状況等) Inabaら、Asaharaらは,G-CSFで動員された末梢血単核球からCD34陽性細胞を単離・純化し,慢性重症下肢虚血患者に対して臨床研究を実施。一方,Kawamuraら(2005)はCD34陽性細胞を単離・純化することなく,G-CSF動員による末梢血由来の単核球細胞を重症下肢虚血患者への移植を報告している。その他、Huang, Ishida(2005)、Hoshino(2007)による同様の臨床研究の報告がある。
新規性について 本研究は用いる幹細胞、対象疾患としての新規性はないが、計19施設が参加予定の多施設臨床研究として実施され、推奨療法群あるいは推奨療法及びG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植併用治療群のいずれかを無作為に割り付け,この併用治療の有効性と安全性を推奨療法との比較によって評価するものであり、プロトコールとしての新規性を認める。

(別紙5)ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成20年7月16日審議分

研究課題名 自己培養口腔粘膜上皮細胞シートを用いた口腔顎顔面の再建
申請年月日 平成20年6月25日
実施施設及び
研究責任者

実施施設:東京女子医科大学

研究責任者:安藤 智博

対象疾患 外傷、腫瘍切除、加齢などによる、口腔前庭の狭窄、口腔粘膜欠損、口腔瘢痕拘縮
ヒト幹細胞の種類 口腔粘膜上皮由来上皮幹細胞
実施期間及び
対象症例数

厚生労働大臣の意見発出から2年間

10例

治療研究の概要 広範囲に渡った付着歯肉の欠損に起因した口腔前庭の狭窄や口腔粘膜欠損、瘢痕拘縮を対象とし、新規に開発した手法である自己培養口腔粘膜上皮細胞シート移植によって、低侵襲な顎顔面再建技術の治療効果及び安全性を検討する。
その他(外国での状況等) マウス由来フィーダー細胞を用いた自己口腔粘膜由来の培養口腔粘膜上皮移植は1997年に上田らによって報告されている。温度応答性培養皿を用いた自己口腔粘膜上皮細胞シートは、大阪大学眼科との共同研究による角膜再生、大阪大学心臓外科との心筋シート、さらに東京女子医大外科で食道粘膜欠損部への移植等の臨床研究がすでに行われている。
新規性について 本研究では異種血清や、フィーダー細胞を用いない。また、温度応答性培養皿上で作製された培養口腔粘膜上皮細胞シートは、培養の間に沈着した細胞外マトリックスを底面に保持したまま回収できるので、酵素を用いた従来法で回収された細胞シートと比較し、移植創への短時間かつ良好な生着が確認され、無縫合で移植を行うことができる点で新規性が認められる。

(別紙6)ヒト幹細胞臨床研究実施計画変更概要 平成20年7月16日審議分

研究課題名 急性期心原性脳塞栓症患者に対する自己骨髄単核球静脈内投与の臨床応用に関する臨床研究
変更申請年月日 平成20年6月27日
申請者 国立循環器病センター 総長 橋本信夫
実施施設及び
研究責任者

実施施設:国立循環器病センター

研究責任者:成冨 博章

対象疾患 心原性脳塞栓症
ヒト幹細胞の種類 自己骨髄単核球細胞
実施期間及び
対象症例数

1年間

12症例

治療研究の概要 心原性脳塞栓症は多くの患者に恒久的かつ重篤な後遺症を残すことが特徴である。本臨床試験は脳梗塞発症7-10日後の重症心原性脳塞栓症患者に対し、自己骨髄細胞を採取し、骨髄単核球分画を精製後静脈内への投与を行い、その神経機能回復効果および安全性を明らかにすることを目的としている。
今回申請された主な実施
計画の変更点
細胞調製を行う施設を産業総合技術研究所セルプロセッシングセンターから、国立循環器病センター内に新たに設置されたセルプロセッシングセンターに変更。

(参考)

厚生科学審議会科学技術部会
ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会委員名簿

  氏名 所属・役職
  青木   清 上智大学名誉教授
  阿部  信二 日本医科大学呼吸器感染腫瘍内科部門講師
  位田  隆一 京都大学公共政策大学院教授
  掛江  直子 国立成育医療センター研究所成育保健政策科学研究室長
  春日井  昇平 東京医科歯科大学インプラント・口腔再生医学教授
  貴志  和生 慶應義塾大学医学部形成外科准教授
  木下   茂 京都府立医科大学眼科学教室教授
  高坂  新一 国立精神・神経センター神経研究所長
  小島   至 群馬大学生体調節研究所所長
  島崎  修次 杏林大学救急医学教室教授
  高橋  政代 理化学研究所神戸研究所網膜再生医療研究チームチームリーダー
  戸口田  淳也 京都大学再生医科学研究所組織再生応用分野教授
永井  良三 東京大学大学院医学系研究科循環器内科学教授
  中畑  龍俊 京都大学大学院医学研究科発達小児科学教授
  中村  耕三 東京大学大学院医学系研究科整形外科学教授
  西川  伸一 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター 副センター長
  前川   平 京都大学医学部付属病院輸血部教授
  松山  晃文 大阪大学医学部附属病院未来医療センター准教授
  水澤  英洋 東京医科歯科大学大学院脳神経病態学教授
  湊口  信也 岐阜大学大学院医学研究科再生医科学循環病態学・呼吸病学教授
  山口  照英 国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部長
 

(○は委員長)

敬称略 50音順


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