厚生労働省

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第2回建築物の解体等における石綿ばく露防止対策等検討会議事要旨

1 日時

平成20年1月15日(火) 17:00〜19:00

2 場所

中央合同庁舎第5号館2階労働基準局共用第6会議室

3 出席者

(委員)菊池委員、工藤委員、神山委員、小西委員、白石委員、名古屋委員、松村委員、本橋委員、森永委員

(事務局)鶴田安全衛生部長(中座)、榎本化学物質対策課長、荒木石綿対策室長、半田労働衛生課環境改善室長、和田化学物質対策課化学物質情報管理官、他

4 議題

(1) 石綿ばく露防止対策等の課題について

(2) その他

5 議事要旨

(1) 第1回検討会議事要旨の確認が行われた。

(2) 議題(1)について

事務局より資料2-2に基づき説明が行われ、意見交換等が行われた。また、時間の都合上議論できなかった事項については、次回以降において議論することとされた。議論の主な内容については以下のとおり。

[呼吸用保護具関係]

・ 呼吸用保護具の選択基準については、作業形態別というのが現実的な方法ではないかと思う。

・ マスクの選択は、現場の濃度がばく露限界の何倍かというデータを元に、このマスクはそれを何分の1に落とせるので使用する、というのが常識であり、作業毎の発じんのデータがないと判断できないのではないか。

・ 濃度レベルにあっているかどうかは測定しなければわからないので、通常は過去の濃度測定の経験を元にマスクを選んでいるのではないか。測定して作業を止めて、1日待って結果が出て、正しいマスクはこれだと選んで、でも工程の仕方によって今後濃度は変わるかもしれないというのはおかしい。多分できないだろう。

・ 逆に、濃度で決めると、レベル1なのに湿潤化等がうまくいって濃度が低い、それではイージーなマスクでもいいですよと判断される可能性があることを懸念する。

・ JISにマスクの選択基準としてマスク毎の防護率を示しているが、これは安全側のデータなので、自分で防護率を測定した場合はその数値で計算してよいとされている。自分で測定していない場合、安全側の数値を使ってくださいという論理になっている。種類や作業の状態ということでしてする場合は、同様に安全側のマスクを指定せざるを得ない。

・ 濃度などの科学的根拠は非常に大事なことであるが、作業する側から見れば、この作業のときはこれにしなさいとするほうが、安全で実用的だと思う。

・ 濃度を前面に出したら、違反かどうかどうやって判断するのか。監督署の人が現場を臨検しても(判断するのは)無理だと思う。

・ 作業形態で決めた場合、法律の方に責任がくるので、根拠をはっきりさせる必要がある。

・ 記録は必ず取らせているのだから、測定させておけば、後日、濃度がこうで使用したマスクがこれだというのが、記録からトレースできる。

・ 除去作業の準備段階である養生においても、除去作業としてガチガチに決めるのではなく、合理的に判断できるように決めてほしい。

・ 作業形態別については、いまのレベル1、2、3ではなくて、もう少し実態にあって分けられるところは分けて、それに応じたマスクを決めると思うが、今後のヒアリングを通じてもう少し実態調査というか、現実にあったものに分けていき、作業形態別という形で持っていく方が実態にあっているのではないか。そこに若干濃度も加味する。そうすればある程度棲み分けが出てくるのではないかと思う。

[石綿粉じん濃度の測定関係]

・ 濃度が高いのでそれだけの防護をして入れと決めているところ、そこをさらにまた計測するということが果たして目的としていいのか。

・ 作業場の中で、マスクの選定を作業形態でやっていたものをさらに補強するという目的で測定させるのであれば、リアルタイムに把握できないといけないと思う。また、記録として残すという意味で、作業者自身がどういった濃度内で作業しているのか調べるのであれば、個人サンプラーを付けるということも考えなければいけない。いずれにしても、目的に応じて測定の手法は変えるべき。

・ 労働環境か、一般環境か、どちらが主体になって測るかということが大きな問題だが、換気、隔離の効果の確認や、隔離、養生を外す時の内部の確認というのは必須だと思う。

・ 作業者の問題だから、外部への漏洩の確認は不要との理屈もあるが、規制の構成として、養生をしなさいというのは外へ漏らさない目的で養生をしているわけで、外へ漏らしていいのなら養生をしないほうが作業者にとってはいい。漏洩の有無の確認というのは、特に吹付けのところは必須ではないか。

・ すでに環境汚染防止法等、他の規制等でも言っているので、ここで改めて規制してもいいとは思うが、こちらで決めると、他の規制等にも影響するので、調整する必要がある。

・ 漏洩等の判断は、リアルタイムで測定し、外部の大気レベルと比較したり、作業前と作業中での濃度変動により判断できるのではないか。いずれにしても、これはリアルタイム測定でないと無理だと思う。

・ リアルタイム測定はまだどこも認められていないので、やったほうがいいとは思うが、負担が大きいし、バランスが取れた措置かどうかはわからない。

・ 隔離の措置を外す際の確認は、どのくらいであればよいというのか、曖昧である。測定結果が出たとしても、なかなか判断できない。

・ 隔離の効果の確認や隔離の措置を外す際の確認については、測定方法はあっても、それに対する評価方法をどうするか、濃度レベルをどこにおくかということもあって、難しい問題であるので、引き続き議論することとしたい。

[隔離、湿潤化による石綿粉じんの飛散防止措置関係]

・ 材料でレベルを決めているが、その材料をどうやって除去するか、レベル1は掻き落とすしかないが、保温材のようなものは、掻き落として除去する場合とあまり壊さないで除去する場合で発じんの程度が違うので、きめ細かく講ずべき作業の範囲を見直すということができるといい。レベル1であっても、湿式でガチガチしたものもあり、材料だけで単純に分けるのはどうかと思う。

・ レベル2であっても、掻き落とす場合とそうでないばあいの2つは大防法である程度分けているので、できるのではないか。

・ ヒアリングの時に、石綿の種類、建材の種類、どのような工程で除去しているのか、その時に隔離が可能かというところを聞いていただくいいと思う。

・ 負圧除じん装置の設置については、例えばレベル1といわれているようなものでも、本の小さなエリアで掻き落としをしなければいけない場合、設置することは望ましいでしょうが、現実的に可能かという問題もある。グローブバッグ方式等他の方法もあるかもしれないし、例外として規定するのは現実的かもしれないが、基本的には負圧除じん装置を設置するというのが前提である。

・ レベル1については、一応義務化するという形でもよいが、作業別に見直すことは必要。

・ 除去ではなく、封じ込めや囲い込みの場合、必ずしも負圧にしなくてもいいという例を紹介しているものもある。

・ 一つの方法としては、大防法に合わせて同じ規制にするかどうかである。一つのよりどころとしては、整合性をとっていくということ。

・ レベル2は非常に範囲が広い。レベル2はきめ細かく考えるべきだと思う。

[作業衣等関係]

・ 作業衣等や呼吸用保護具等の除染の方法であるが、下着まで含めて全部交換することを前提にするのか、保護衣だけを替えればいいとするのか、そのデータがあまりない。

・ 保護衣は全く通さないということはなく、透過率が0%ということはない。

・ そうであると、下着も捨てないといけないが、欧米では、洗濯するものは事業者の責任で洗濯し、捨てるものは捨てるとされているようである。

・ 石綿は経皮吸収はないので、呼吸保護をしっかりしてもらうのは当然であるが、衣服については、必ずしも保護衣でなければならないということは書いてない。

・ レベル1は作業衣では絶対駄目だろう。ただ、保護衣を脱いだ際、その下に着ているものについては、明記されていない。

・ イギリスでは、廃棄するかクリーニングするか続けて使用するか問わず、持ち去られる前に適当な容器に梱包することを保障しなければならないとされている。

[その他]

・ 吹付け石綿を掻き落とした後、どんなに丁寧に掻き落としても、付着しているのがあるはずだが、最終的な確認はどうやってやるのか。

→ 建築センターの指針では目視で確認し、最後に飛散防止処理剤という薬液を塗るとされている。

(3) 議題(2)について

資料2-3に基づき、今後のヒアリング予定等について、事務局より説明があった。また次回の日程については、2月14日17時から開催することとされた。

(照会先)労働基準局安全衛生部化学物質対策課衛生対策班(内線5515)


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