(参考2−(2))

日本産科婦人科学会会告(「体外受精・胚移植」に関する見解)
(平成18年4月)

 体外受精・胚移植(以下,本法と称する)は,不妊の治療,およびその他の生殖医療の手段として行われる医療行為であり,その実施に際しては,わが国における倫理的・法的・社会的基盤に十分配慮し,本法の有効性と安全性を評価した上で,これを施行する.

1. 本法はこれ以外の治療によっては妊娠の可能性がないか極めて低いと判断されるもの,および本法を施行することが,被実施者またはその出生児に有益であると判断されるものを対象とする.

2. 実施責任者は日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医であり,専門医取得後,不妊症診療に2年以上従事し,日本産科婦人科学会の体外受精・胚移植の臨床実施に関する登録施設(注)において1年以上勤務,または1年以上研修を受けたものでなければならない.また,実施医師,実施協力者は,本法の技術に十分習熟したものとする.

3. 本法実施前に,被実施者に対して本法の内容,問題点,予想される成績について,事前に文書を用いて説明し,了解を得た上で同意を取得し,同意文書を保管する.

4. 被実施者は婚姻しており,挙児を強く希望する夫婦で,心身ともに妊娠・分娩・育児に耐え得る状態にあるものとする.

5. 受精卵は,生命倫理の基本にもとづき,慎重に取り扱う.

6. 本法の実施に際しては,遺伝子操作を行わない.

7. 本学会会員が本法を行うに当たっては,所定の書式に従って本学会に登録,報告しなければならない.

(注)今回の改定以前からの登録施設に関しては,「体外受精・胚移植,およびGIFTに関する登録施設」と読み替えるものとする.

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