平成17年10月20日

輸血用血液製剤に係る受血者へのHEV感染防止策について(案)

 現状
   ALT高値の献血者のHEV感染率が高い北海道において、試行的に、(1)豚、猪、鹿(動物種不明を含む)の生肉・生レバーの喫食歴を問診するとともに、(2)研究の一環として道内の全献血者のNATを実施してきた結果、平成17年1〜8月までにHEV−NAT陽性が16例見られたが、問診で確認されていたのは1例のみであった。なお、その後の調査で計5例に該当する喫食歴が疑われた。

 今後の対策
(1)  NAT及び感染症範囲に係る調査の実施
 HEV−NATについては、引き続き、北海道の献血者で前例実施するほか、感染の広がりをより正確に確認するため、まずはHEV−NATについては抗体検査を全国の基幹センターで1,000〜1,500献体程度無作為に実施する。この際、献血者に対してはHEV抗体検査については適宜NATを実施し、今後のNAT拡大の必要性を検討する。

(2)  問診の強化
 HEV−NAT陽性者16例に対する喫食歴の調査結果から、動物種やレバーの加熱の有無にかかわらず、「生肉(生焼けを含む)、レバー、ホルモンの喫食歴を有する者」が回答者10例全例に確認できた。
 このような結果から、北海道の献血受付時の予診において、研究的に質問内容を拡大して「過去3ヶ月以内の生肉(生焼けを含む)、レバー、ホルモンの喫食歴」を聴取し、該当する場合は詳細な調査を施行し、その結果を踏まえて、より効果的な問診を実施刷るための検討を行う。
 なお、現在、受付時に高等で確認しているが、紙に書かれた質問用紙を示して聴取するなど、より的確に確認する。

(3)  HEVのスクリーニング法の開発等
 平成17年度厚生科学特別研究費補助金等により、現在、使用している自家製の抗体及びNAT試薬の標準化を進めるとともに、NATの迅速な実施のため、機械化・自動化に取り組む。

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