資料1

オランダにおいて発生した変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)について


1 経緯
 2005年4月22日付けでオランダ厚生当局が、オランダにおいてvCJD患者が確認されたことをホームページ上で公表した(別添1)。
 4月26日にオランダ在住の妊婦尿を原料としたヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤(hCG、販売名:プレグニール)及び閉経後女性尿を原料としてヒト下垂体性性腺刺激ホルモン製剤(hMG、販売名:ヒュメゴン)(別添2)を製造販売している日本オルガノン株式会社(以下、オ社)から独立行政法人医薬品医療機器総合機構に海外措置報告がなされ、当該報告を受け追加情報の収集を指示。

2 事例
 今回の症例(26歳女性)は、オランダ国内でプリオン病の監視を行っているロッテルダムのエラスムス大学病院内の研究センターによるCJDの検査に基づくもので、エディンバラのCJD欧州研究センターも脳のX線写真及び病状の経過をもとにこの診断を追認。
 また、4月26日付けでオランダ厚生当局は、当該患者が血液や臓器の提供者あるいは被提供者では無かったことなどを公表している(別添3)。
 その後、オ社によるオランダ当局の担当者等に対する調査の結果、当該患者は15歳及び19歳時に妊娠歴があり、2児を出産していることが確認され、5月3日にはオランダ当局からオ社に対し、当該患者が国内で死亡した旨の連絡があった。
 また、オ社より提出された尿由来製剤のドナーリストをもとにオランダ当局より、当該患者はプレグニールの尿提供者でなかった旨の連絡があり、ヒュメゴンについては閉経後の女性尿を原料としていることから尿提供者である可能性は否定された(別添4)。

3 その他の状況
在庫状況
 オ社からの報告によるとヒュメゴン(力価75、100、150)の5月末現在の在庫量は、約4ヶ月、約7ヶ月、約6ヶ月に相当。プレグニールについては約8ヶ月に相当。

オランダ当局の対応状況等
 血液由来及び尿由来製品のvCJD感染リスクに関するEU当局の見解(CHMP Position Statement on Creutzfeldt-Jakob disease and plasma-derived and urine-derived medical products, June 2004)において、過去25年間使用の疫学的データ等から、孤発性CJDの尿由来製品の感染のリスクは問題とならないとしている。
 オランダ当局は、オ社から提出されたドナーリストをもとに調査を行い、当該製品の販売に関して特別な措置及び規制は要求していない。

4 検討課題
既に製造されている当該製剤の取り扱いについて
今後新規に製造される製剤の原料の切り替えについて

トップへ