4. 診療所医師アンケート

a. 年齢
   ほぼ診療所長と同様の分布であった。

グラフ
N=804

b. 経験年数
   こちらも診療所長とほぼ同様であった。

グラフ
N=804

c. 現勤務先の勤続年数
   共通する回答者も多く、診療所長と同様である。

グラフ
N=804

d. 卒後年数
   診療所長と同様の回答者であった。

グラフ
N=804

e. 保有している免許についてお聞かせください。
   医師が8割、歯科医師が2割弱であった。両方の免許を保有している回答者はいなかった。

グラフ
N=804

f. 勤務形態は診療所専任ですか、派遣元医療機関との兼任ですか。
   およそ3分の2が診療所の専任であった。兼任の医師が2割あったことは注目すべきと思われた。

グラフ
N=804

問1  専門医資格の保有状況を聞かせてください。
   専門医を保有している医師・歯科医師は3分の1に過ぎなかった。

グラフ
N=804

問2  日常の診療所活動の中で診断や治療方針の決定に苦慮する場合、どのように対応していますか。
   文献などで独力で解決することもあるが、大部分は専門医に紹介するか、電話で相談して対応している。

グラフ
N=804

問3  インターネットが接続可能なパソコン等を有していますか。
   保有している医師は7割に過ぎなかった。

グラフ
N=804

問3−1  保有している場合、接続環境はどれですか。
   電話回線を利用しているところは少なく、ブロードバンドが普及していた。

グラフ
N=575

問4  遠隔医療についてお答えください。
   遠隔医療を活用しているのは1割であった。

グラフ
N=804

問5  遠隔医療を利用されている場合、内容をお答えください。
   静止画像や電子メールの活用が多かった。テレビ電話による遠隔診断はまだあまり普及していない。

グラフ
N=96

問7  遠隔医療を推進する上での課題についてお答えください。
   ハード面、経済面に加えて、相談相手となる専門医の確保も課題である。

グラフ
N=804

問9  計画的に研修・研究日を設け実施していますか。
   計画的に研修・研究日を設けているのは4割であった。

グラフ
N=804

問10  学会、研修会等による短期の出張の場合どのように対処されていますか。

グラフ
N=804

問11  全国のへき地・離島医療の充実のために、へき地・離島で求められる内容をとりまとめ、多くの分野からの医師がへき地・離島医療を担いやすくするために「へき地・離島医療マニュアル(仮称)」をとりまとめる必要があると考えられますか。

グラフ
N=804

 上記のように考える理由について(自由回答)

 431名の医師・歯科医師から回答が得られた。
 「必要である」「ある程度必要である」とする医師からは今後参加する医師への案内ともなり、医療活動を円滑化するために必要、「(私のようなベテランの医師には必要はないが)若い医師」がへき地・離島に勤務するのには必要であろう、医師等の不安を取り除く効果がある、自己流となりがちなへき地・離島医療の指針となる、個々の地域は独自としても医師交代時などを含め診療をスムーズに行なうことができるようになる、自治体の考え方や拠点病院からのサポートシステム作りなどについて織り込めば体制作りに役立つ、均等化・底上げなどの地域差を減少させる効果がある、多方面のへき地・離島医療への理解に役立つなどの、実際の医療の内容よりもシステム作りに焦点をあてた意見が出された。
 「あまり必要でない」「まったく必要でない」とする医師からは、医療はマニュアルで出来るものではない、個々の地域で事情は異なり一言でまとめられるものではない、へき地と言っても医療に変わりは無い、地域の特性に合わせて医師個人の資質で行なうのが「地域医療」である、マニュアル化するより年に1回程度必要な分野の研修を行なう方が大切である、現在発行されている成書で十分であるなど、医療の本質について考慮した回答が見られた。

問12  「へき地・離島医療マニュアル(仮称)」をとりまとめた場合、へき地・離島で求められる医療内容を踏まえて、拠点病院への患者の搬送基準が明確になる等、へき地・離島での診療の範囲が明確になると思われますか。

グラフ
N=804

 上記のように考える理由について(自由回答)

 361名の医師・歯科医師が回答した。
 「なる」「かなりなる」と回答した医師・歯科医師からは、ある程度一般化されると無理に診療することがなくなりゆとりかできる、医師の能力には差があるので基準はあったほうがよい、病診連携の一助となる、全ての分野に精通することは不可能でありマニュアルがあれば参考になる、拠点病院の意識づけに効果がある、へき地診療所の役割が明確になる、「○○村では」という具体例をあげたものが良いなどの意見があった。
 「ならない」とする回答では、マニュアル通りに行くのなら医療は難しくない、へき地や人がさまざまなので一律には行かない、気象状況や設備、スタッフ等の差が大きすぎる、最終的に医師の診断能力で判断するしか方法はない、医師の能力が違うのに一律に決められない、マニュアル作成は現場を知らない人間の考えることである、へき地特有のEBMが少ない、「お上」が決められるものではない、マニュアルに縛られて診療がしにくくなるなどの意見が寄せられた。

問13  医師の臨床研修の必修化により、へき地医療に対してどのような効果があると考えられますか。
   「へき地医療に対する効果はない」とする回答がもっとも多かった。

グラフ
N=804

問14  診療活動以外に担当している保健福祉業務はありますか。

グラフ
N=804

問15  診療所の活動について、行政の支援・協力の体制はいかがですか。
   4分の3の医師がそれなりの支援・協力があると回答していた。

グラフ
N=804

問16  保健福祉行政に診療所医師、歯科医師としての意見が反映されていますか。

グラフ
N=804

問17  あなたの家族構成についてお答えください。

グラフ
N=804

問18  あなたの住居についてお答えください。

グラフ
N=804

問19  へき地での診療で困った事例を教えてください(3つまで回答)。

グラフ
N=804

   診療でもっとも困ったことは何ですか。

グラフ
N=463(無回答341)

   へき地での生活で困った事例を教えてください(3つまで回答)。

グラフ
N=804

   生活でもっとも困ったことは何ですか。

グラフ
N=401(無回答307)

問20  へき地診療所での勤務を続けるために必要なことは何ですか(3つまで回答)。

グラフ
N=804

   そのうち最も重要なことは何ですか。

グラフ
N=559(無回答245)

問21  今後へき地医療活動に求められるものは何ですか(3つまで回答)。

グラフ
N=804

   そのうち最も重要なものは何ですか。

グラフ
N=535(無回答269)

問22  へき地診療所に勤務している理由についてご記入ください(3つまで回答)。

グラフ
N=804

   そのうち最も大きな理由は何ですか。

グラフ
N=503(無回答301)

問23  現在、勤務されている施設での勤務についてお聞かせください。

グラフ
N=804

   「できるだけ長く勤務したい」とする回答が3分の1ある一方、「任期が終了するまで」が3分の1を占め、「後任が見つかるまで」「早く退職したい」とする回答も10%に認められた。

 現在、へき地診療所に勤務する医師・歯科医師に継続して勤務してもらうことはへき地医療を向上させる1つの条件であるためこの設問とこのアンケート内の他の回答との関連について検討するためクロス集計を行った。

Q9)計画的に研修、研究日を設けて実施しているか vs. Q23)今後の勤務意向
問9/
問23
できるだけ長く勤務したい 任期が終了するまで 後任が見つかるまで 早期に退職したい 一定期間後、再赴任したい その他 無回答
実施している 94 133 17 8 9 41 16 318
実施していない 167 130 39 19 7 71 40 473
無回答 1 2 2     2 7 14
262 265 58 27 16 114 63 805

 「早期退職を希望する」群では、「できるだけ長期」群および「任期終了まで」群にくらべて「計画的に研修・研究日を設けて実施していない」割合が高い傾向が認められた。

Q15)診療所の活動に対する行政の支援・協力体制 vs. Q23)今後の勤務意向
問15/
問23
できるだけ長く勤務したい 任期が終了するまで 後任が見つかるまで 早期に退職したい 一定期間後、再赴任したい その他 無回答
十分な支援・協力がある 68 73 13 2 3 28 11 198
一応の支援・協力がある 132 145 31 13 9 62 27 419
あまり支援・協力がない 37 28 9 12 3 14 7 110
わからない 15 19 4 0 1 8 7 54
無回答 10 0 1   0 2 11 24
262 265 58 27 16 114 63 805
 「早期退職を希望する」群では、「できるだけ長期」群および「任期終了まで」群にくらべて「あまり支援・協力がない」とする割合が高かった。

Q16)保健福祉行政に診療所医師、歯科医師としての意見が反映されているか vs. Q23)今後の勤務意向
問16/
問23
できるだけ長く勤務したい 任期が終了するまで 後任が見つかるまで 早期に退職したい 一定期間後、再赴任したい その他 無回答
十分反映されている 30 24 4 1 3 8 2 72
反映されている 108 112 22 6 6 35 20 309
あまり反映されない 67 78 20 7 4 35 14 225
まったく反映されない 10 13 2 12 0 6 2 45
わからない 37 35 9 1 3 25 14 124
無回答 10 3 1 0 0 5 11 30
262 265 58 27 16 114 63 805
 「早期退職を希望する」群では、「できるだけ長期」群および「任期終了まで」群にくらべて「保健福祉行政に診療所医師、歯科医師の意見がまったく反映されない」割合が高い傾向が認められた。

Q22)へき地診療所に勤めている最も大きな理由 vs. Q23)今後の勤務意向
問22/
問23
できるだけ長く勤務したい 任期が終了するまで 後任が見つかるまで 早期に退職したい 一定期間後、再赴任したい その他 無回答
やりがいがあるから 94 34 17 4 5 25 3 182
働きやすいから 38 15 3 1 0 10 1 68
自然環境が良いから 15 10 2 1 0 10 1 39
義務年限内だから 7 69 1 2 5 3 0 87
大学医局からの派遣 1 14 1 0 2 3 0 21
近隣に両親、知人 5 4 1 0 0 2 2 14
両親から継承 10 0 1 0 0 2 0 13
好報酬 3 1 0 1 0 1 0 6
後任が不在 3 4 9 2 0 3 2 23
近隣病院からの派遣 4 16 2 0 0 2 1  
その他 8 4 0 0 1 10 2 25
無回答 74 94 21 16 3 43 51 302
262 265 58 27 16 114 63 805
 「できるだけ長期」群では「やりがいがあるから」と回答するものが多く、当然ながら「任期終了まで」群では「義務年限内だから」「大学医局からの派遣」とするものが多かった。「早期退職を希望する」群では、上記2群にくらべて勤務している理由を答えない無回答の割合が高い傾向が認められた。

問23−1  前問で「後任が決まるまで」もしくは「早く退職したい」理由は何ですか。

 113名の医師・歯科医師が回答した。
 高齢、体調不良、疲れた、開業予定、派遣元での診療に専念したい、専門知識・技術を習得したい、仕事に対する意欲・モチベーションを高いレベルで維持することが出来ない、報酬・社会保険・身分などの待遇、人事権・経営権はないのに経営責任が問われること、行政から「人」として扱われていない、家族の理解・協力が得られないなどの理由があげられた。

問24  現在勤務されている施設での勤務期間の予定はどのくらいですか。

グラフ
N=804

問25  現在勤務されている診療所以外のへき地・離島に勤務したいと思われますか。
   「勤務したい」が4分の1に認められた。へき地に定着する医師を増やすには、「たとえ現任地を任期終了で退職しても将来再びへき地・離島に勤務したい」と考える医師を増やすことも必要である。

グラフ
N=804

問26  今後のへき地医療対策にご意見等ありましたら、どうぞご記入ください。

 239名の医師・歯科医師が回答した。
 へき地医療は福祉との複合体と認識すべきである、基幹病院の確保・整備が最も大切である、へき地医療に従事するのは定年後の医師が適任である、診療所での調剤は問題が多く公的に調剤薬局を設置すべきである、医療スタッフの複数配置が必要である、救急搬送のネットワーク(特にドクターヘリ)を充実すべきである、広域的に対応すべきである、へき地住民も医療スタッフを労わる優しさが必要である、公的医療機関は財政的理由で削減すべきではない、へき地のために経営が成り立たないのであるから、現場に犠牲を強いてはならない、へき地医療をどういう尺度で進めるか決める時期である、へき地医療に従事するのは独身時代が最適である、十分な支援体制のもとに若い医師にへき地勤務を義務付けるべきである、へき地医療に携わっている人材が医学教育に関与すべきである、各県にある医学部・医科大学がへき地医療に関与していない、もっと現場の意見を聞いてへき地医療を理解した人がへき地医療対策に関わってほしい、自治医大卒業医師はもっとまじめにへき地医療を行なうべきである、義務でへき地に医師を赴任させるのは最悪の方法である、へき地医療対策では歯科も重要である、へき地医療を向上させるのには行政の協力が最も大切である、へき地と言われても出身地でありへき地との意識はない、一部の献身的な医師に任せるのではなく一般の医師が積極的に行きたいと思う職場にしてほしい、市町村合併により医療に限らず住民にしわよせがある、総合医の育成を、住民が多額の交通費を使わずに診療所を受診できるメリットを経営的に評価すべきであるなどの回答があった。


5. 拠点病院アンケート

問1  貴病院の診療科は下記のどれですか(複数回答)。

グラフ
N=223

問2  貴病院の特徴のうち、あてはまるものに○をつけてください。

グラフ
N=223

問3  貴病院が担当しているへき地医療支援の具体的内容についてご記入ください。

グラフ
N=223

問6  へき地医療支援の責任体制についてお答えください。
   院内で責任者を決めている施設は4割であった。

グラフ
N=223

問7  貴病院のへき地医療支援に対する方針は院内で理解されていますか。
   過半数の施設が「全ての職員が自院の立場を知っている」と回答した。

グラフ
N=223

問8  貴病院が行なっているへき地医療支援の内容の評価は行なわれていますか。
   評価が行われていない施設が6割近くに認められた。

グラフ
N=223

問9  へき地医療支援に対する貴病院の立場にもっとも近いものをあげてください。

グラフ
N=223

問10  現在行われているへき地医療支援は地域の必要をどの程度満たしていますか。

グラフ
N=223

問11  今後、必要と考えるへき地支援は何ですか(複数回答)。

グラフ
N=223

問12  へき地診療所医師・歯科医師を支援するための定期的代診医・歯科医派遣を行っていますか。
   定期的に派遣を行っている施設は3分の1であった。

グラフ
N=223

   行っている場合の対応についてお聞きします。
   「病院全体で対応」しているところも3分の1にあったが、6割は「特定の医師」が対応していた。

グラフ
N= 81

   行っていない場合の理由は何ですか。
   「医師が確保できない」が2割であった。「需要がない」については遠距離や費用が捻出できないなどで、依頼できない可能性もある。

グラフ
N=122

問13  へき地診療所医師・歯科医師の傷病や冠婚葬祭等の際に、臨時の代診医・歯科医派遣を行っていますか。
   「臨時の派遣」は「定期の派遣」よりも対応している施設がやや増えていた。

グラフ
N=223

   行っている場合の対応についてお聞きします。
   「病院全体の医師で対応している」施設が増加し、過半数を占めていた。

グラフ
N= 93

   行っていない場合の理由は何ですか。
   「行っていない」理由は「定期的派遣」と同様であった。

グラフ
N=109

問14  代診医・歯科医派遣の実績は下記のどれですか。
   「必ず応えている」施設は2割に過ぎなかった。

グラフ
N=223

問15  へき地診療所に派遣される代診医・歯科医師についてお答えください。
   「ルールが明確になっている」施設は3割に満たさず、「代診医」や「ルール」が明確でない施設が半数近くであった。

グラフ
N=223

問16  へき地診療所勤務医師・歯科医師の代診派遣を行う体制は下記のどれですか。

グラフ

   体制のある施設が3分の1を占めていたが、3割はその都度対応していた。
N=223

問17  医師・歯科医師が確保できないへき地診療所への医師・歯科医師派遣を行っていますか。
   代診ではなく、常勤の医師・歯科医師を派遣している施設は3分の1であった。

グラフ
N=223

   行っている場合の対応についてお聞きします。
   全体の医師が対応しているところは3割に過ぎず、6割は「特定の医師」が対応していた。

グラフ
N= 82

   行っていない場合の理由は何ですか。
   「医師が確保できない」とする回答が4分の1であった。

グラフ
N=122

問18  技師、看護師など医師・歯科医師以外のスタッフを地域のへき地診療所に派遣していますか。
   医師・歯科医師以外を派遣している施設は4分の1に過ぎなかった。

グラフ
N=223

   行っている場合の対応についてお聞きします。
   医師・歯科医師同様、「特定のスタッフ」が対応している施設が6割であった。

グラフ
N= 54

   行っていない場合の理由は何ですか。
   医師・歯科医師にくらべて、「需要がない」とする回答が多かった。

グラフ
N=153

問19  へき地診療所からの救急患者を受け入れていますか。

グラフ
N=223

問20  現在、地域のへき地診療所との診療に係る情報交換に主に用いられている通信手段は何ですか(複数回答)。

グラフ
N=223

問21  今後、地域のへき地診療所との診療に係る情報交換のために必要な通信手段は何ですか(複数回答)。
   現在利用されている、電話・FAXが減り、画像転送や電子メールの比重が増加していた。

グラフ
N=223

問22  貴病院は臨床研修病院ですか。
   7割が臨床研修指定病院と回答したが、内訳では協力型が半数近くであった。。

グラフ
N=223

問23  総合的な臨床医を養成するための特別な研修プログラムがありますか。

グラフ
N=223

問23−1  総合的な臨床医研修の専任教育スタッフはいますか。

グラフ
N= 92

問23−2  総合的な臨床医研修プログラムを検討する委員会はありますか。

グラフ
N= 92

問24  地域の医療機関に勤務する医師の定期的な臨床研修を受けいれていますか。

グラフ
N=223

問25  貴病院で行われている症例検討会や研修会に地域の医療機関に勤務する医師は参加していますか。

グラフ
N=223

問26  へき地医療支援機構(以下、機構)が設置されましたが、貴都道府県における機構がどこに設置されているかご存知ですか。
   市町村や診療所長は機構の所在を知らなかったが、拠点病院では認知している施設が7割であった。

グラフ
N=223

問27  機構の機能として代診医の派遣や研修会の開催などがありますが、利用したことがありますか。
   認知度は高いものの、利用したことがない施設が3分の2を占めた。

グラフ
N=223

問28  機構から貴病院に何か情報が送られてきたことがありますか。
   診療所長にくらべ、情報を受け取っている施設が多かった。

グラフ
N=223

問29  貴病院にとって機構の機能は満足のいくものですか。
   診療所長よりは多く3分の1が満足していた。

グラフ
N=223

問30  機構が円滑に活動するための障害にはどのようなものがあると思われますか。

 61病院が回答した。
 医師の適正配置に対する機構の権限や位置づけが弱い、医育機関・行政機関との協力関係の構築が十分でない、拠点病院においても医師が不足しており機能するシステムとなっていない、機構自体のスタッフを充実すべきである、拠点病院に指定されても社会的認知や財政的支援が乏しい等の回答があった。

問31  貴病院でへき地医療を積極的に支援するために必要と思われる項目は何ですか。
   「人材の育成」と「院内スタッフの確保」を挙げる施設が多かった。

グラフ
N=223

問32  歯科診療を行っておられる医療機関にお聞きします。
 へき地における歯科保健支援として、必要と思われることをお書きください。

 17病院が回答した。
 歯科医師会等と連携の下、巡回診療を行なう必要がある、巡回診療では健診の性格が強くなるため実際の診療は地元歯科医師会とも協力して行なっていく必要がある、高齢化社会を迎え歯の問題は重要であるので充実して行く必要がある、住民に対する健康教育が大切である等の回答が得られた。

問33  へき地保健医療対策に関するご意見をお聞かせください。

 40病院から回答があった。
 拠点病院としても医師確保が難しい情勢である、広域的にとらえて地域医療の提供体制を見直す必要がある、へき地医療における診療報酬を見直してほしい、機構の充実のために財政的援助をお願いしたい、第10次へき地保健医療計画においては市町村合併も考慮して「へき地」の定義を考えてほしい(助成を含む)、診療所と拠点病院のスタッフ(医師)が連携できる体制を整備してほしい、へき地での診療を行なうのではなく住民を送迎し当院で診療を行ないたい、医師よりも看護・介護を主に担当する看護師の配置の方が効果的ではないか、私的医療機関も含めてへき地医療対策を考えるべきである、巡回診療など不採算な事業の必要性を院内外に周知する必要がある、受診者が少ない診療所などの見直しが必要であるなどの意見が寄せられた。

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