輸血用血液製剤でHBV(B型肝炎ウイルス)
感染が疑われた事例(3月22日報告)について


 経緯
 平成16年3月22日及び30日、日本赤十字社から輸血(人血小板濃厚液及び人赤血球濃厚液)によるHBV感染の疑い事例の報告があった。

 事例
 70歳代の女性。原疾患は急性骨髄性白血病。平成15年10月5日〜平成16年1月22日の間に、輸血を計18回(人血小板濃厚液10単位を11袋分並びに人赤血球濃厚液1単位を3袋分及び2単位を4袋分)受ける。
 輸血前の血液検査(平成15年10月3日)ではHBs抗原及び抗体検査(B型肝炎ウイルスの検査)はいずれも陰性であったが、輸血後の平成16年3月19日に実施したHBs抗原検査は陽性、肝機能検査(GOT、GPT及びLDH)は高値を示す。
 患者は4月26日に死亡したことを確認済み。死因は現在調査中。

 状況
(1) 輸血された血液製剤について
 当該患者には、37人の供血者から採血された血小板製剤及び赤血球製剤を輸血。
 当該製剤に関わる血漿のうち、4人分由来の5本が新鮮凍結血漿(FFP)として医療機関へ供給された(残りは原料血漿)。
(2) 37人の供血者について
 37人の供血者のうち、30人の献血者がその後献血しており、検査は陰性であった。(平成17年4月21日現在)。
(3) 供血者の個別NATの試験結果
 供血者37人の保管検体について、個別NATを実施したところ、全て陰性であった。
(4) 患者の保管検体の個別NAT及びHBs抗原の試験結果
 平成16年3月19日(輸血後)の医療機関に保管されていた患者検体は個別NAT及びHBs抗原検査はいずれも陽性(輸血前は保管されていなかった)。
(5) 輸血とHBV感染との関連
 現在のところ、輸血とHBV感染(当該事例の死亡原因を含む)の因果関係については不明。

 今後の対応(案)
(1) 当該事例への対応
 医療機関へ供給した5本の新鮮凍結血漿に関して情報提供した医療機関における受血者(患者)5名の健康状態を確認した結果、輸血後陰性が2名、不明が3名であった。
 37人の供血者のうち、その後献血に来ていない7人のフォローを行う。
(2) 血液の安全対策の推進
 「輸血医療の安全確保のための総合対策」を着実に実施する。

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