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資料3

「最終報告に向けた論点整理(案)」


主要検討項目における論点(案) 関連事項等
1.電子カルテが備えるべき共通の機能及びこれらの機能を満たすためのシステム要件
標準的電子カルテが備えるべき共通の機能(公共的な目的に資する報告データの生成等を含む)を整理した上で、これらの機能を満たすためのシステム要件を記述、列挙していく。』
以下の研究成果等を踏まえ機能モデル等について提言することとしたらどうか。
電子カルテ機能全体でJ-MIX(電子化された診療録情報の交換のための項目セット)のように機能項目セットを構築し、個々の機能に8分類視点(アクター、起動条件、使用場所、対象データ、操作対象、目的、方法、アクション)の階層体系の位置を付与して記述できる。
最上位の抽象化した機能は、表示する機能、指定する機能、収集する機能、比較する機能、通知する機能、編集機能(追加、修正、破棄)、出力機能、保持機能と大きく8分類に区分できる。
個々の医療機関の特性ごとに必要な機能を選択して、その機能項目記述をこの多軸分類コードで記述することにより、機能要件の記述が明確になる。
個々の機能項目とHL7RIM(参照情報モデル)との関連性にも言及する必要がある。
<中間論点整理メモ>
「標準的な電子カルテシステムの目的や目標を明確化し、これに基づいて電子カルテが提供すべき機能やその構成を検討していく。」



<その他>
日本医療情報学会の取り組み。

米国IOM(医学アカデミー)の電子カルテの機能モデル等。
2.電子カルテシステムを普及させていくための方策
電子カルテシステムを普及させていくための方策について、開発者、医療提供者、医療サービス利用者それぞれの視点を十分にふまえながら検討を行う。』
第7回委員会における報告と検討等を踏まえ、例えば、下記のような事項について提言してはどうか。
これまでの普及策等の評価と今後の方向性。
電子カルテの標準化と今後の適切な普及策との関係の明確化。
<電子カルテの普及を明記した計画等>
「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン(平成13年12月)」
「e-Japan重点計画2004(平成16年6月)」
「規制改革・民間開放推進3カ年計画(平成16年3月)」
3.電子カルテの導入効果を評価する方法の明確化
標準的電子カルテシステムが導入された場合の医療に対する効果や経済的な効果を明らかにするため、その効果の評価方法や指標を検討する。』
第7回委員会における報告と検討等を踏まえ、重要事項について提言してはどうか。
<委員からの主要な意見>
「医療の品質管理」に寄与するという視点が必要。

<次年度の研究事業>
平成17年度厚生労働科学研究公募課題「電子カルテシステム等の導入による医療の安全性と質の改善の評価に関する研究」(小項目)
4.様々なモデルの開発における優れたマン・マシンインターフェイスの実現
現実に運用しやすいシステムとするためには、様々なモデルの開発において、優れたマン・マシンインターフェイスの実現を目指す必要がある。』
第7回委員会における報告と検討等を踏まえ、重要事項について提言してはどうか。
<委員からの主要な意見>
標準的電子カルテに必要な機能の達成とシステムのレスポンスへの影響等との関係も考慮。
5.共通の機能に対応するソフトウェア部品の標準化
医療現場における業務のワークフローに沿って、システム上の共通の機能に対応するソフトウエア部品の標準化を検討していく。検討に当たっては、IHE(Integrating Healthcare Enterprise)で採用されている手法も参考にできる。』
以下の提案等を踏まえ、重要事項について提言してはどうか。
中長期的な視点に立った施策が必要ではないか(例えば、Enterprise Architecture的なアプローチ)。
諸外国のEHRの進展状況を参考としつつ、医療情報ネットワーク整備と公共的機能の標準化検討。
医療安全等の利用者視点の優先度に基づく基盤の整備が必要。
ソフトウェア部品を安心して使える制度(適合性認定)の整備について検討。
既存の病院情報システムとのコネクティビティとラッピングを考慮する必要がある。
<委員からの主要な意見>
ソフトウェア部品のビジョン作りについては、必要なコスト等を含め検討。
6.電子カルテのセキュリティ基準の明確化等
電子カルテシステムのセキュリティ基準を明確にし、特に医療の継続のための可用性の確保に関して具体的手法を含めた指針を示すとともに、前二項の対策と一体化した安全対策をとれるようにすることが求められている。』
以下の他の委員会での検討を踏まえた報告から、重要事項について提言することとしたらどうか。
現行の電子保存のガイドラインが技術的中立を徹底したために、抽象的でわかりにくいという指摘を踏まえ、トレンド技術にも言及し、運用管理及び技術的対策を適切に組み合わせた具体的な対策等の提示を行うべき。
診療自体に影響を与えない可用性の維持と守秘義務の達成等に軸足を置いた安全対策から、個人情報保護の視点からの医療情報システムの一般的なセキュリティ対策にも対応。
技術的なブレークスルー等に対応した継続的な改訂等の体制を確保することが必要。
常に自己の安全対策を評価し適切に見直すこと(PDCAサイクル確立)が求められる。
医療従事者の公的資格の確認を含む電子署名を実現する公開鍵基盤の整備が必要である。
<中間論点整理メモ>
「標準的電子カルテの備えるべき共通の機能の実装に当たっては、既存の診療録等の電子媒体保存に係るシステム運用のガイドライン等を分かり易いものに改訂し定期的に更新していく必要がある。」○「個人情報保護の観点からのシステムの運用のあり方について、何らかの標準的な指針等を作成することが求められている。」

<その他>
「医療情報ネットワーク基盤検討会」の最終報告(平成16年9月)
7.医療安全の確保に電子カルテが寄与できる領域等の検証及び安全性の確保の視点からのシステムのあり方等
医療安全の確保に標準的電子カルテシステムが寄与できる領域等を検証しつつ、安全性の確保の視点からのシステムのあり方等について検討を行う。』
以下の検討報告から、重要事項について提言することとしたらどうか。
医療安全への関与については、(1)システム導入により直接事故発生等を低減可能、(2)システムによる操作者に対する注意喚起または情報提供により間接的に事故発生等を低減可能、(3)事故の低減は見込めないもの、という区分が想定される。
(1)については、医薬品等や患者との識別、システムのガイダンス等による指示時の改善、重複受診時の情報共有、情報システム経由で作業を自動化等による寄与が考えられる。
実際の取り組みに向けては、方法、コストや実施者の負担軽減策等を検討する必要がある。
<検討要点メモ>保健医療福祉情報システム工業会
(資料3 別添

<委員からの主要な意見>
医療安全に標準的電子カルテがいかに貢献できるか、または、そのために持つべき機能は何かという視点等での検討が必要。
システムと人(利用者)の責任分担の明確化。

<次年度の研究事業>
平成17年度厚生労働科学研究公募課題「医療安全の確保に資する電子カルテシステム等の開発と評価に関する研究」
8.新旧システム間での円滑なデータ移行、異なるシステム間での互換性確保
基盤整備のあり方を検討するに当たり、システム更新時の新旧システム間での円滑なデータ移行や、異なるシステム間での互換性確保を常に重視する。』
以下の研究報告等を踏まえ、提言することとしたらどうか。
異施設間の情報連携の範囲については、記述のヒエラルキーの明確化が必要。「画像、臨床検査等のデータ」は各種コードやHL7/DICOMを採用し、「定型文書」(退院時抄録、紹介状、各種レポート、処方せん他)は、これに加え、情報の構造、タグ、データタイプ(文字列、整数、+−等)の検討が必要であり、また、「所見、経過、専門性内容、経営指標」については、さらに、内容の詳細構造の検討を行うことが必要である。
構造、タグ、データタイプについては、J-MIXが基盤として網羅性があり、J-MIXのHL7 RIM準拠が望ましい。また、各種詳細内容は、データベース検索を考えるなら、各専門グループで検討すべきであり、標準的形式による記述の指針を作る必要がある。
個々の新旧システムデータ移行については、標準的形式に落として見読性を確保する等が必要。検査結果や処方はHL7、画像はDICOM準拠で可。所見などはHL7 RIM準拠のJ-MIXを規範とすべきである。また、各種マスターの標準化を移行の機会に推進すべきであり、マスター間対照表、各種マスターの履歴が重要。
<委員からの主要な意見>
本委員会での検討全体に関わる重要事項であり、他の主要検討項目との関連等を踏まえ、提言を行うべきである。
9.関連組織・団体の有機的な連携体制の構築
標準的電子カルテの推進基盤として、産・官・学の枠組みで役割を明確化した上での関連組織・団体の有機的な連携体制の構築を図っていく。』
以下の提案等を踏まえ、重要事項について提言してはどうか。
EHR対応に向けた国内標準化体制の整備が必要(海外標準化団体とのリエゾン推進、国内の標準化団体の連携)。
地域中核病院等を中心とした医療情報ネットワーク運営維持のための仕組み作り。
EHR関連情報技術のフィージビリティのための体制作り(「標準」の調査/フィージビリティ/評価/策定、「標準」適合の検証)。
医療とは直接関係のない組織等とのコラボレーションも必要。
<委員からの主要な意見>
日本独自の情報モデル等を確立して、国際標準に反映させるという方向性が重要ではないか。
中核的病院だけでなく、開業医等の地域医療を担う関係組織とのコラボレーションが必要ではないか。


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