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現在の日本赤十字社の遡及調査ガイドラインは、B型肝炎ウイルスの低濃度キャリアの存在を念頭に置いて実施してきたものであり、引き続き、低濃度キャリアによる複数回献血の感染事例が把握できた場合は同ガイドラインの実施により対応する。 |
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また、今回の事例では、遡及の途中で供血者の保管検体のNATが陰性になった時期もあったが、ガイドラインとは別に「研究的に必要な調査を行う」こととしており、このように連続して陽性を呈する場合は、過去の可能な限りの献血歴を入念的に調査し、該当する受血者の健康管理を行うこととする。 |
(3) |
血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン(仮称)に基づき、医療機関において輸血前後の感染症検査の実施を図ることにより、今回と同様の事例が発生した場合には、副作用・感染症報告を速やかに行っていただき、できる限り早く遡及調査へつなげていく。 |
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低濃度キャリアによるB型肝炎の感染事例については、低濃度キャリアと受血者の感染の程度についてはさらに調査・研究を進める必要がある。 |
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現時点でミニプールNATや個別NATをすり抜ける低濃度キャリアを事前に把握する有効な手段はないが、低濃度キャリアを含む方々に対し日頃の健康管理を促すような方策を検討する。 |