平成15年度厚生労働科学研究
「我が国における血液製剤の平均的使用量に
関する研究報告書(案)」


主任研究者 血液製剤調査機構  高野 正義



目次

1.研究目的

2.研究方法

3.研究結果および考察
(1)病院機能分類別の血液製剤使用量
(2)その他の検討
(3)血液製剤使用量の関連要因に関する検討資料
I.病床別に見た調査対象病院の現状
II.輸血部門管理体制と血液製剤使用量との関連
III.血液製剤による副作用(輸血感染症を含む)対策
IV.血液製剤の適正使用対策
V.血液製剤の使用状況
VI.血漿分画製剤の使用状況
VII.外科系診療科の年間使用量
VIII.病院の状況,手術の有無等と血液製剤使用量との関連
IX.血液製剤使用量に及ぼす要因(重回帰解析)
X.考察

(4)血液製剤の平均的使用量の検討資料
I.施設の機能分類による血液製剤の標準的な使用量
-病床区分、全身麻酔、心臓手術、造血幹細胞移植、血漿交換による検討-
II.施設の管理分類による血液製剤の標準的な使用量
-輸血業務の一元管理、輸血療法の監督医師、輸血担当検査技師、輸血療法委員会による検討-
III.都道府県別の血液製剤の使用量
IV.まとめ

4.研究協力者名簿

5.調査票



1.研究目的
 医療機関における血液製剤の使用状況を医療機関の機能別に分類し,各カテゴリーの平均的使用量を明らかにすることによって,各医療機関における血液製剤の使用適正化の活動に対する当面の到達目標を示す事を目的とする.

2.研究方法
調査対象   厚労省統計情報部の医療施設状況調査(平成14年時点)に報告があった病院リストの中の一般病院(8116病院)を対象とした.
調査時期平成16年2月に上記各医療機関に調査票を送付した.
調査内容以下の各項目について,平成14年度(または14年次)1年間の実績を調査した.
1)病院の状況(病床数,救命救急センターの有無,手術件数,造血幹細胞移植件数,血漿交換件数,血液透析ベッド数等)
2)輸血部門の管理体制
3)血液製剤による副作用対策,適正使用対策
4)各血液製剤(輸血用血液・血漿分画製剤)の年間使用量.なお,輸血用血液については平成12年〜14年の3年間を対象とした.
分析方法回収した調査結果をコンピューターに入力し,病院機能分類別,血液製剤管理体制別あるいは病床規模別に血液製剤年間使用量等を統計的に分析した.
回収率8116病院に調査票を送付し,3397病院から回答があった(回収率41.9%).この内血液製剤を使用しないと回答した施設と一般病床が20床未満の施設および回答不備の825病院については集計対象から除いたため,有効回答は2572病院(有効回答率31.7%)であった.有効回答の病床規模別施設数を表1に示す.

表1 病床規模別有効回答病院数
  施設数
a  20-99床 1140 44.3
b 100-199床 534 20.8
c 200-299床 271 10.5
d 300-499床 391 15.2
e 500床以上 236 9.2
2572 100

3.研究結果および考察
 (1)病院機能分類と血液製剤使用量
 血液製剤の平均的使用量を算出するための病院機能は,病床数,全身麻酔下手術件数,救命救急センター,病院群輪番制・心臓手術・造血幹細胞移植・臓器移植・血漿交換・血液疾患患者・血液透析ベッドの有無とした.しかし,これらの機能全てを組み合わせると機能分類が多くなり,90%値の解析に必要な施設数(11施設)に満たない分類が多くなるため,後述の川口らの「IX.血液製剤使用量に及ぼす要因」(P31)を考慮して,血液製剤使用量と特に関係の深いと思われる5機能(病床数,全身麻酔下手術数,心臓手術,造血幹細胞移植,血漿交換)とした.病床数は,一般病床規模20-199床,200-499床,500床以上の3分類とし,全身麻酔下手術件数は,なし,2.00件未満/年・1床当り,2.00件以上/年・1床当りの3分類とし,他は有無の2分類とした.
 回答施設のうち血液製剤使用量が未記入のもの及び病院機能5種の何れかが未回答のものは欠損値として除外したため,5機能の組み合わせで施設数が1以上あるのは45パターン,2290施設となった.しかし血液製剤使用量の90%値の解析には1パターンの施設数が11以上必要となるため,解析対象パターンは17パターン,2163施設となり,これは45パターンの施設(2290施設)の94.5%が含まれる事になる.17パターンの病院数を表2に示した.例えば機能パターン10(23112)は病床数200〜499床(2),年間全麻手術件数1床当り2.00件以上(3),心臓手術無し(1),造血幹細胞移植なし(1),血漿交換あり(2)であることを示す.
 機能分類毎の施設数及び血液製剤使用量の解析は,後述の田久の「施設の機能分類による血液製剤の標準的な使用量」(P34)による.田久の報告書を元に,医療機関で利用しやすい病院機能分類別の血液製剤の平均的使用量を提示するにあたっては,使用量の分布が正規分布ではなく,使用量の多い方へ長く尾を引く分布であるため,機能分類ごとの平均的な使用量(単純平均値)では,必ずしも実態を示す事にはならない事から,50%値(中央値,使用量の少ない方から順に並べた中央の施設の値)と90%値(使用量の少ない方から順に並べた90%に相当する施設の値)を表示した(表3).また機能分類の全身麻酔下手術件数は一床当りで表示し,使用量は1床当りに換算した.表3の機能分類に該当しない少数の施設は(1)病床規模3分類と(2)全麻手術件数3分類だけの組み合わせで示すことにした(表4).
 各病院は自施設がどの機能分類に該当するかを見る事により,表3または表4から全国の平均的な年間血液製剤使用量を知る事ができ,自病院の使用量と比較して見る事により,適正使用に向けての当面の目標を定める参考になるものと考える.少なくとも90%値を越える使用量の施設は全国の10%未満であるため,施設内で使用量の多い原因を検討することが必要と思われる.

表2 5種類の機能分類別施設数
番号 機能パターン 施設数
1 11111 440
2 12111 748
3 12112 57
4 13111 192
5 13112 18
6 22111 130
7 22112 74
8 22212 15
9 23111 90
10 23112 96
11 23122 29
12 23211 27
13 23212 55
14 23222 19
15 33112 16
16 33212 32
17 33222 125
  合計 2163
機能パターンの説明(左から)
一般病床規模 1:20-199床(小) 2:200-499床(中) 3:500床以上(大)
全麻手術件数 1:なし  2:2.00件未満/年・1床当り(少) 3:2.00件以上/年・1床当り(多)
心臓手術 1:なし  2:有
造血幹細胞移植 1:なし  2:有
血漿交換 1:なし  2:有

 (2)その他の検討
医療機関の背景と血液製剤使用量との関連
 各調査項目についての病床数別の集計および血液製剤使用量の分析は(3)の「血液製剤使用量の関連要因に関する検討」(P6)にまとめてある.
病院の輸血管理体制別および都道府県別の血液製剤使用量
 輸血部門の管理体制をパタ−ン化して,分類毎の血液製剤の標準的な使用量を(1)と同様に算出し(4)の2)「施設の管理分類による血液製剤の標準的な使用量」(P51)および(4)の3)「都道府県別の血液製剤の使用量」(P55)にまとめた.

表3


表4


(3)血液製剤使用量の関連要因に関する検討資料
   昭和大学教授 川口 毅
   昭和大学助教授 神田 晃

I.病床別に見た調査対象病院の現状
1. 配布施設数に対する有効回答施設数及び割合
  配布施設数 有効回答施設数 有効回答施設率(%) 病床数別の割合(%)
a  20-99床 3667 1140 31.1 44.3
b 100-199床 2307 534 23.1 20.8
c 200-299床 832 271 32.6 10.5
d 300-499床 865 391 45.2 15.2
e 500床以上 445 236 53.0 9.2
8116 2572 31.7 100

2. 3次高度救急の救命救急センターの有無
  救命救急センター
無し あり
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 1118 98.8 14 1.2 1132 100
b 100-199床 515 97.5 13 2.5 528 100
c 200-299床 263 97.4 7 2.6 270 100
d 300-499床 345 90.6 36 9.4 381 100
e 500床以上 131 56.2 102 43.8 233 100
合計 2372 93.2 172 6.8 2544 100
3次高度救急の救命救急センターは500床以上の病院の43.8%が指定されており,499床以下の病院では10%以下であった

3. 病院群輪番制
  病院群輪番制
入っていない 入っている
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 618 58.0 447 42.0 1065 100
b 100-199床 221 43.2 290 56.8 511 100
c 200-299床 80 30.9 179 69.1 259 100
d 300-499床 110 29.8 259 70.2 369 100
e 500床以上 88 41.5 124 58.5 212 100
合計 1117 46.2 1299 53.8 2416 100
救急医療における病院群輪番制の参加状況は200床から499床の病院に多く,99床以下でも42.0%が参加している

4−(1)全身麻酔下の手術の有無
  全身麻酔下の手術
なし あり
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 409 37.6 679 62.4 1088 100
b 100-199床 40 7.9 466 92.1 506 100
c 200-299床 9 3.4 254 96.6 263 100
d 300-499床 2 0.5 368 99.5 370 100
e 500床以上 2 0.9 232 99.1 234 100
合計 462 18.8 1999 81.2 2461 100

4−(2)全身麻酔下手術件数(千床当たりの件数と各病院の千床当たり件数の平均,標準偏差)
  施設数 一般病床数
合計*
全身麻酔下手術件数 千床当全身麻酔下手術件数
合計** 全件/全床x千 平均 SD
a  20-99床 636 36,504 55,312 1515.2 1591.2 2700.7
b 100-199床 447 63,331 98,123 1549.4 1514.4 1486.7
c 200-299床 239 57,875 122,546 2117.4 2110.4 1458.2
d 300-499床 361 132,738 356,517 2685.9 2651.2 1367.9
e 500床以上 230 158,889 591,208 3720.9 3665.9 1296.5
合計 1913 449,337 1,223,706 2723.4 2087.6 2067.5
全身麻酔下手術件数の算出は,千床当たりの件数と,各病院の千床当たり件数の平均,標準偏差で示す.
全麻件数は,対象病院の[全身麻酔下手術件数の合計**]÷[一般病床数の合計*]×1,000,千床当全身麻酔下手術件数は,各病院の千床当手術件数の平均とSDである(以下同).

5−(1) 心臓手術の有無
  心臓手術
なし あり
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 1115 98.7 15 1.3 1130 100
b 100-199床 495 94.8 27 5.2 522 100
c 200-299床 239 90.5 25 9.5 264 100
d 300-499床 264 70.2 112 29.8 376 100
e 500床以上 48 20.9 182 79.1 230 100
合計 2161 85.7 361 14.3 2522 100
心臓手術は500床以上では79.1%が行っており,99床以下では1.3%である

5−(2) 心臓手術件数
 (千床当たりの件数と,各病院の千床当たり件数の平均,標準偏差)
  施設数 一般病床数 心臓手術件数 千床当心臓手術件数
合計 全件/全床x千 平均 SD
a  20-99床 14 1,030 753 731.1 737.7 616.4
b 100-199床 27 4,066 2,670 656.7 682.2 890.6
c 200-299床 24 5,810 2,544 437.9 454.5 482.9
d 300-499床 109 40,924 8,791 214.8 221.3 257.4
e 500床以上 180 128,133 22,421 175.0 174.0 122.6
354 179,963 37,179 206.6 268.6 380.7

6−(1) 造血幹細胞移植の有無
  造血幹細胞移植の有無
なし あり
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 1129 99.7 3 0.3 1132 100
b 100-199床 516 98.3 9 1.7 525 100
c 200-299床 253 95.1 13 4.9 266 100
d 300-499床 314 83.7 61 16.3 375 100
e 500床以上 73 31.7 157 68.3 230 100
合計 2285 90.4 243 9.6 2528 100

6−(2) 造血幹細胞移植件数
 (千床当たりの件数と,各病院の千床当たり件数の平均,標準偏差)
  施設数 一般病床数 造血幹細胞移植件数 千床当造血幹細胞移植件数
合計 全件/全床x千 平均 SD
a  20-99床 3 213 15 70.4 64.9 31.7
b 100-199床 9 1,237 30 24.3 27.8 36.2
c 200-299床 12 2,861 99 34.6 36.1 60.4
d 300-499床 56 21,299 558 26.2 26.7 34.3
e 500床以上 153 113,497 2,608 23.0 22.3 24.1
合計 233 139,107 3,310 23.8 24.9 30.3

7−(1) 臓器移植の有無
  臓器移植の有無
なし あり
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 1132 99.9 1 0.1 1133 100
b 100-199床 524 99.6 2 0.4 526 100
c 200-299床 263 98.5 4 1.5 267 100
d 300-499床 357 93.9 23 6.1 380 100
e 500床以上 158 68.4 73 31.6 231 100
合計 2434 95.9 103 4.1 2537 100
臓器移植(腎移植,肝移植)を行っている施設は103である.主として300床以上の施設が臓器移植を行っている

7−(2) 臓器移植件数(千床当たりの総件数と,各病院の千床当たり件数の平均,標準偏差)
  施設数 一般病床数 臓器移植件数 千床当臓器移植件数
合計 全件/全床x千 平均 SD
a  20-99床 1 66 1 15.2 15.2 0
b 100-199床 2 272 3 11.0 12.2 8.6
c 200-299床 4 915 31 33.9 35.1 36.4
d 300-499床 23 9,004 102 11.3 11.2 17.0
e 500床以上 73 58,602 999 17.0 15.0 23.0
合計 103 68,859 1,136 16.5 14.8 22.3

8−(1) 血漿交換の有無
  血漿交換
なし あり
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 1078 96.8 36 3.2 1114 100
b 100-199床 441 86.0 72 14.0 513 100
c 200-299床 157 61.6 98 38.4 255 100
d 300-499床 142 39.1 221 60.9 363 100
e 500床以上 17 7.8 202 92.2 219 100
合計 1835 74.5 629 25.5 2464 100
500床以上が92.2%と高くなっていた.血漿交換は200床以上の施設が行っている.逆に99床以下では3.2%しか行っていない.病床規模が大きくなるにつれて血漿交換ありの率が高くなっている

8−(2) 血漿交換件数
 (千床当たりの件数と,各病院の千床当たり件数の平均,標準偏差)
  施設数 一般病床数 血漿交換件数 千床当血漿交換件数
合計 全件/全床x千 平均 SD
a  20-99床 32 1,920 470 244.8 239.0 720.7
b 100-199床 67 9,761 1,178 120.7 122.9 346.1
c 200-299床 89 21,522 1,338 62.2 62.7 156.9
d 300-499床 207 77,838 4,798 61.6 59.1 167.0
e 500床以上 196 136,163 9,570 70.3 66.0 90.0
合計 591 247,204 17,354 70.2 78.9 242.1

9−(1) 血液疾患患者の有無
  血液疾患患者
なし あり
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 918 86.4 144 13.6 1062 100
b 100-199床 344 71.5 137 28.5 481 100
c 200-299床 111 49.8 112 50.2 223 100
d 300-499床 97 29.6 231 70.4 328 100
e 500床以上 9 4.2 204 95.8 213 100
合計 1479 64.1 828 35.9 2307 100
500床以上が95.8%と高くなっている.逆に99床以下では13.6%である.病床規模が大きくなるにつれて血液疾患患者ありの率が高くなっている

9−(2) 血液疾患患者の1日平均入院患者数
 (千床当たりの件数と,各病院の千床当たり件数の平均,標準偏差)
  施設数 一般病床数 1日の平均入院患者数 千床当1日入院患者数
合計 全件/全床x千 平均 SD
a  20-99床 103 6,069 502 82.7 90.8 156.7
b 100-199床 95 13,753 516 37.5 37.4 67.4
c 200-299床 81 19,792 732 37.0 36.8 46.2
d 300-499床 190 71,119 2,219 31.2 31.2 31.8
e 500床以上 184 130,769 5,570 42.6 42.4 24.0
合計 653 241,502 9,539 39.5 45.4 74.9

10−(1) 血液透析のベッドの有無
  血液透析のベッド
なし あり
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 915 80.9 216 19.1 1131 100
b 100-199床 288 54.9 237 45.1 525 100
c 200-299床 105 39.6 160 60.4 265 100
d 300-499床 102 26.9 277 73.1 379 100
e 500床以上 23 10.1 204 89.9 227 100
合計 1433 56.7 1094 43.3 2527 100

10−(2) 血液透析のベッド数(千床当たりの件数と,各病院の千床当たり件数の平均,標準偏差)
  施設数 一般病床数 血液透析ベッド数 千床当透析ベッド数
合計 全件/全床x千 平均 SD
a  20-99床 206 11,736 5,085 433.3 514.1 535.0
b 100-199床 231 33,479 5,307 158.5 165.2 174.7
c 200-299床 151 36,893 3,213 87.1 87.4 70.7
d 300-499床 269 99,851 5,916 59.2 60.1 47.2
e 500床以上 203 143,435 4,103 28.6 30.0 25.7
合計 1060 325,394 23,624 72.6 169.3 307.0

11 日本赤十字社血液センターへの依頼時の入手に要する時間
  昼間(概ね9時から18時まで,分) 夜間(概ね18時から9時まで,分)
施設数 平均(分) SD 施設数 平均(分) SD
a  20-99床 973 85.2 61.3 749 67.5 64.3
b 100-199床 490 75.6 50.7 458 66.4 52.7
c 200-299床 250 72.2 47.9 241 62.8 36.5
d 300-499床 361 63.3 41.0 360 57.4 37.8
e 500床以上 229 50.1 32.4 230 45.4 28.3
合計 2303 74.8 53.6 2038 62.4 51.8


II.輸血部門管理体制と血液製剤使用量との関連

12.輸血業務(血液入出庫,輸血検査,台帳管理等)の一元管理
  していない している
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 784 69.0 352 31.0 1136 100
b 100-199床 304 57.3 227 42.7 531 100
c 200-299床 126 46.8 143 53.2 269 100
d 300-499床 135 34.7 254 65.3 389 100
e 500床以上 35 14.9 200 85.1 235 100
合計 1384 54.1 1176 45.9 2560 100

12−(1)輸血業務一元管理の有無と血液製剤使用量との関連
 12−(1)-ア MAP(千床当たりの使用量と,各病院の千床当たり使用量の平均,標準偏差)
  一元管理 施設数 MAP使用量(単位) 千床当MAP使用量(単位)
全件/全床x千 平均 SD
a  20-99床 いいえ 741 134319 3469.3 3563.2 5499.2
はい 344 73430 3849.3 3693.7 3377.3
b 100-199床 いいえ 295 144585 3536.6 3607.9 3159.3
はい 220 158076 4997.2 4882.5 3890.7
c 200-299床 いいえ 123 128723 4266.4 4289.3 2571.5
はい 141 182677 5365.6 5376.0 3970.4
d 300-499床 いいえ 135 289681 5900.8 5840.5 4113.1
はい 251 613765 6625.1 6556.8 3783.8
e 500床以上 いいえ 35 187007 8467.2 8260.2 4037.5
はい 199 1384822 9870.2 9528.3 3421.7
一元管理している施設の方がしていない施設より,千床当たりの使用量も平均使用量も多い.
これは使用量が多い施設ほど管理体制の整備がなされており一元管理を行っているためと推察される

 12−(1)-イ 新鮮凍結血漿(FFP)
(千床当たりの使用量と,各病院の千床当たり使用量の平均,標準偏差)
  一元管理 施設数 FFP使用量(単位) 千床当FFP使用量(単位)
全件/全床x千 平均 SD
a  20-99床 いいえ 425 43904 1833.9 1768.0 4593.8
はい 212 22352 1731.5 1864.4 6744.8
b 100-199床 いいえ 259 64721 1800.8 1845.3 2963.4
はい 204 73796 2492.2 2440.4 5011.4
c 200-299床 いいえ 114 67104 2397.4 2451.2 2736.7
はい 137 96554 2921.4 2963.0 3881.6
d 300-499床 いいえ 131 175789 3689.0 3625.7 3662.2
はい 249 383239 4167.3 4118.9 4017.6
e 500床以上 いいえ 34 123859 5858.7 5692.9 4003.6
はい 200 1191230 8448.3 7800.0 5504.2
99床以下の施設を除いて,一元管理している施設の方がしていない施設より,千床当たりの使用量も平均使用量も多い.これは使用量が多い施設ほど一元管理を行っているためと推察される

13.血漿分画製剤(アルブミン,免疫グロブリン等)管理を行っている部門(複数回答可能)
  輸血部 検査部 薬剤部 その他 総施設数
施設数 施設数 施設数 施設数
a  20-99床 0 0 52 4.6 1051 92.2 78 6.8 1140
b 100-199床 1 0.2 17 3.2 525 98.3 4 0.7 534
c 200-299床 1 0.4 4 1.5 266 98.2 4 1.5 271
d 300-499床 1 0.3 4 1.0 386 98.7 1 0.3 391
e 500床以上 7 3.0 1 0.4 228 96.6 3 1.3 236
合計 10 0.4 78 3.0 2456 95.5 90 3.5 2572

14.輸血療法,輸血業務監督医師(責任医師)の配備
  責任医師がいない 責任医師がいる
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 814 73.6 292 26.4 1106 100
b 100-199床 331 63.3 192 36.7 523 100
c 200-299床 114 43.2 150 56.8 264 100
d 300-499床 113 29.5 270 70.5 383 100
e 500床以上 22 9.5 210 90.5 232 100
合計 1394 55.6 1114 44.4 2508 100
輸血業務監督医師の配備とは病院の輸血療法全般および輸血業務を監督し責任を持つ医師(輸血業務担当や責任者として病院等から任命されている)をいう(以下同じ)
輸血療法の指針では輸血業務監督医師を任命することを推奨している.500床以上では90.5%が任命されているが99床以下では26.4%である

14-(1)輸血療法,輸血業務監督医師(責任医師)の配備の有無と血液製剤使用量との関連
 14-(1)−ア MAP(千床当たりの使用量と,各病院の千床当たり使用量の平均,標準偏差)
  責任医師 施設数 M・A・P総使用量 千床当M・A・P総使用量
計(単位) 全件/全床x千 平均(単位) SD
a  20-99床 いない 777 142050 3439.1 3431.3 3599.8
いる 283 60786 4029.3 4109.0 7536.5
b 100-199床 いない 319 168600 3792.3 3752.5 2860.4
いる 188 130675 4881.0 4893.0 4419.9
c 200-299床 いない 110 110985 4156.1 4169.7 2606.0
いる 149 194713 5354.6 5382.8 3807.8
d 300-499床 いない 113 226792 5738.2 5688.2 4188.2
いる 267 659996 6593.7 6537.6 3761.8
e 500床以上 いない 22 93670 7089.2 7207.6 3688.0
いる 209 1454625 9886.2 9536.7 3447.8

 14-(1)−イ FFP(千床当たりの使用量と,各病院の千床当たり使用量の平均,標準偏差)
  責任医師 施設数 FFP総使用量 千床当FFP総使用量
計(単位) 全件/全床x千 平均(単位) SD
a  20-99床 いない 447 37928 1475.2 1490.9 2680.1
いる 178 26894 2604.5 2591.3 9248.0
b 100-199床 いない 289 74469 1841.8 1815.6 2623.5
いる 167 62122 2587.8 2625.3 5647.4
c 200-299床 いない 104 61974 2452.2 2478.4 2663.5
いる 142 99486 2873.7 2946.9 3913.5
d 300-499床 いない 110 144216 3743.6 3706.9 3950.0
いる 264 401944 4061.1 4015.2 3868.0
e 500床以上 いない 21 63048 5139.2 5102.6 3459.8
いる 210 1236491 8363.9 7731.6 5480.2

15.輸血業務監督医師が,日本輸血学会認定医である割合
  認定医でない 認定医である
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 671 99.1 6 0.9 677 100
b 100-199床 276 96.8 9 3.2 285 100
c 200-299床 171 95.0 9 5.0 180 100
d 300-499床 282 95.6 13 4.4 295 100
e 500床以上 138 63.9 78 36.1 216 100
合計 1538 93.0 115 7.0 1653 100
日本輸血学会認定医の配置は115病院で7割は500床以上である

16.輸血担当検査技師(責任技師)の配置
  任命していない 任命している
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 890 79.5 230 20.5 1120 100
b 100-199床 391 74.1 137 25.9 528 100
c 200-299床 147 57.2 110 42.8 257 100
d 300-499床 134 35.0 249 65.0 383 100
e 500床以上 26 11.1 209 88.9 235 100
合計 1588 62.9 935 37.1 2523 100
病床規模が大きくなるにつれて任命している率が高くなり500床以上では88.9%である

16−(1)責任技師の任命の有無と血液製剤使用量との関連
 16-(1)−ア.MAP(千床当たりの使用量と,各病院の千床当たり使用量の平均,標準偏差)
  責任技師の任命 施設数 M・A・P総使用量 千床当M・A・P総使用量
計(単位) 全件/全床x千 平均(単位) SD
a  20-99床 していない 847 156190 3455.2 3411.1 3597.9
している 226 48300 4089.1 4304.4 8198.2
b 100-199床 していない 377 200371 3823.7 3760.4 2781.4
している 135 98683 5054.2 5179.0 4969.8
c 200-299床 していない 144 158917 4520.5 4512.9 2552.8
している 108 141459 5435.5 5496.8 4389.3
d 300-499床 していない 134 260593 5503.4 5504.5 3424.8
している 246 626865 6798.6 6719.1 4100.0
e 500床以上 していない 26 137889 8460.5 8308.6 3485.4
している 208 1434368 9818.0 9471.2 3531.4

 16−(1)−イ.FFP(千床当たりの使用量と,各病院の千床当たり使用量の平均,標準偏差)
  責任技師の任命 施設数 FFP総使用量 千床当FFP総使用量
計(単位) 全件/全床x千 平均(単位) SD
a  20-99床 していない 510 54530 1856.7 1797.2 5330.4
している 120 9974 1433.9 1714.6 5784.9
b 100-199床 していない 334 87240 1868.3 1821.2 2978.9
している 125 49158 2705.3 2830.1 5894.8
c 200-299床 していない 134 80376 2457.3 2493.1 2636.2
している 106 79653 3118.1 3191.3 4306.4
d 300-499床 していない 131 166816 3599.0 3602.6 3753.5
している 243 378951 4160.4 4087.0 3986.7
e 500床以上 していない 25 111587 7268.1 6769.9 5106.9
している 209 1205216 8210.3 7596.3 5382.6

17.輸血検査技師による輸血検査の24時間対応体制
 注:検査技師の勤務時間外は医師が輸血検査をする場合は該当しない
  体制は無い 体制はある
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 478 42.5 647 57.5 1125 100
b 100-199床 70 13.2 460 86.8 530 100
c 200-299床 9 3.3 260 96.7 269 100
d 300-499床 10 2.6 376 97.4 386 100
e 500床以上 9 3.8 227 96.2 236 100
合計 576 22.6 1970 77.4 2546 100

18.輸血療法委員会(またはそれに代わる委員会)の設置
  委員会はない 委員会はある
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 761 68.1 356 31.9 1117 100
b 100-199床 262 49.8 264 50.2 526 100
c 200-299床 62 23.2 205 76.8 267 100
d 300-499床 36 9.3 353 90.7 389 100
e 500床以上 4 1.7 232 98.3 236 100
合計 1125 44.4 1410 55.6 2535 100
500床以上では,98.3%の施設が設けているが300-499床規模で90.7%,200-299床で76.8%,100-199床では50.2%と必ずしも高い設置率とはいえない.

18−(1)輸血療法委員会の有無と血液製剤使用量との関連
 18−(1)−ア MAP(千床当たりの使用量と,各病院の千床当たり使用量の平均,標準偏差)
  輸血療法委員会 施設数 M・A・P総使用量 千床当M・A・P総使用量
計(単位) 全件/全床x千 平均(単位) SD
a  20-99床 ない 726 121507 3245.0 3252.0 3296.4
ある 343 82055 4235.3 4313.1 7269.7
b 100-199床 ない 253 127848 3675.2 3633.9 2905.1
ある 257 170324 4599.4 4614.5 4012.1
c 200-299床 ない 61 58350 3934.3 3950.9 2813.8
ある 201 251558 5145.7 5171.6 3568.3
d 300-499床 ない 36 56505 4466.8 4489.0 2923.2
ある 350 845726 6552.8 6483.3 3957.3
e 500床以上 ない 4 6074 2420.9 2840.1 3136.5
ある 231 1569467 9785.1 9442.1 3441.4

 18−(1)−イ FFP(千床当たりの使用量と,各病院の千床当たり使用量の平均,標準偏差)
  輸血療法委員会 施設数 FFP総使用量 千床当FFP総使用量
計(単位) 全件/全床x千 平均(単位) SD
a  20-99床 ない 404 33001 1457.6 1465.0 2723.4
ある 223 31811 2347.5 2390.3 8322.9
b 100-199床 ない 225 54655 1759.7 1751.3 2671.9
ある 233 82074 2427.7 2432.8 4953.6
c 200-299床 ない 55 32190 2417.4 2421.7 2937.7
ある 194 131724 2789.2 2857.0 3563.2
d 300-499床 ない 34 29177 2431.4 2450.3 2479.3
ある 346 528803 4144.4 4087.2 3987.6
e 500床以上 ない 3 4669 2985.3 2908.8 2766.1
ある 232 1313609 8154.4 7547.6 5349.1

19.血液製剤管理台帳のコンピューター管理
  していない している
施設数 施設数 施設数
a  20-99床 840 80.0 210 20.0 1050 100
b 100-199床 282 56.5 217 43.5 499 100
c 200-299床 92 36.4 161 63.6 253 100
d 300-499床 73 20.3 287 79.7 360 100
e 500床以上 9 4.1 210 95.9 219 100
合計 1296 54.4 1085 45.6 2381 100
血液製剤管理台帳は98.6%の施設で有と回答したが,コンピューター管理は45.6%である.

20.使用した血液の記録の保存義務20年間の周知
  95.4%が知っている

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