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福祉医療機構 評価シート 別紙

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
医療機構第2 法人全体の業務運営の改善に関する事項
1 法人全体の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
1 法人全体の業務の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
1 法人全体の業務の改善に関する目標を達成するためにとった措置
 独立行政法人化する趣旨を十分に踏まえ、業務実施方法の抜本的な改善を図り、機構に期待される社会的使命を効率的、効果的に果たすことができるよう、経営管理の充実・強化を図ること。  機構に期待される社会的使命を効率性、有効性を持って果たしていくために、独立行政法人化を経営改革の好機ととらえ、第一期中期目標期間を独立行政法人にふさわしい経営基盤の確立期と位置づけ、可能な限り民間の経営手法を取り入れることを目指して、次のような機構の事業全般にわたる共通の取組みを実施することとする。  第一期中期目標期間の初年度として、法人全体の業務運営の改善を推進するための体制づくりに着手するとともに、有効な仕組みの検討及び導入準備を進めることに特に重点を置く。
   第一期中期目標期間の初年度として、法人全体の業務運営の改善を目的に、平成15年10月1日付けで次のような体制づくり及び組織改正を行った。<添付資料:共通1・共通2>
(1)  経営企画会議を設置し、次の事項等を審議することにより、機構としての意思決定を行うこととし、平成15事業年度においては10回開催した。
 機構の経営方針、経営計画
 機構の業務運営の経営資源の確保
 機構の業務運営の改善
 機構業務の進捗管理
(2)  経営企画会議の下に企画委員会を設置し、次の事項等を検討・推進することとし、平成15事業年度においては2回開催した。
 機構の業務運営の総合的企画
 中期計画、年度計画の作成
 年度実績に基づく事業評価への対応
 また、上記事項の検討を具体的に実施するための作業部会として、中期計画部会、政策融資部会及び年金貸付部会を設置した。
(3)  経営企画会議の下に業務管理委員会を設置し、次の事項等を検討・推進することとし、平成15事業年度においては2回開催した。
 機構事業の業務目標管理を有効に行うための仕組みの構築とその運用
 ISO9001の導入準備及びその維持管理
 機構の業務運営の改善の推進
 ALM管理(資産負債管理)その他機構事業のリスク管理
 また、上記事項の検討を具体的に実施するための作業部会として、ISO部会、ALM部会及び事務リスク管理部会を設置した。
(4)  経営企画会議の下に情報システム委員会を設置し、次の事項等を検討・推進することとし、平成15事業年度においては1回開催した。
 機構の業務運営における情報化推進計画及び推進方法の策定
 貸付総合電算システムの運用にかかる管理・調整
 機構の各部署で稼動しているコンピュータシステムの管理体制整備及び有効活用方法の検討
 また、上記事項の検討を具体的に実施するための作業部会として、業務電子化部会、LANシステム部会、貸付総合電算システム部会及び業務システム検討部会を設置した。
(5) 業務管理体制の確立を図るため企画指導部に業務管理課を新設するとともに、企画調査部門の強化を図るため調査広報課の調査機能を企画指導部に移管し調査室を設置した。
 福祉医療貸付においては、顧客サービス向上のため、大阪支店に融資相談課を設置するとともに、福祉貸付部に融資相談係を設けた。
 また、特殊法人等整理合理化計画(平成13年12月19日閣議決定)に基づき、事後評価及び評価結果を反映した資源配分を実施するため、基金事業部に全ての助成事業に対し事業評価を行う評価課を設置した。

 また、法人全体の業務改善に資する仕組みを検討及び導入準備を進めていく過程において、
(1)  業務管理を行う体制づくりや経営企画会議によるトップマネジメント機能の発揮はISO9001の規格要求事項にも対応し認証に向けた準備の一環になり、同時に業務管理を通じて各業務の効率化や質の向上の成果に結びつけられたこと
(2)  業務管理と人事評価制度における目標管理とが相互に連携することにより効果的に組織目標の達成を図ることができたこと
(3)  貸付業務における専門的な業務管理としてALMが位置づけられたことや、ALMのバージョンアップ作業の結果として将来のリスク管理債権の管理体制の構築のあり方まで検討できたこと
など、年度計画事項が相互に有機的に連携して、以下のとおり各計画事項の実施成果について相乗効果が生じた。
評価の視点
自己評定  
評定  








福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
(1)  効率的な業務運営体制の確立
 組織編成、人員配置を実情に即して見直すとともに、業績評価等を適切に行うことにより、効率的な業務運営体制を確立すること。
(1)  継続的な業務の質の向上・業務改善を推進するための業務管理の仕組みであるISO9001を中期目標期間中に認証取得する。
(1)  ISO9001の中期目標期間中の認証取得を目指し、理事長のリーダーシップの下で全組織的に業務処理方法の抜本的な見直しを行うことにより、品質マネジメントシステムの導入準備に取り組む。
(1)  平成15事業年度においては、効率的な業務運営体制を確立するため、ISO9001認証取得に向けた次のような取組みを行った。
 (1)  ISO部会を設置し、ISO9001の導入準備及びその維持管理を推進することとした。
 (2)  ISO9001の中期目標期間中の認証取得を目指し、その事前準備としてISO部会において業務革新プロジェクトを開始した。このプロジェクトでは機構の全事業を対象として、各事業の中核となる業務処理手順(9事業部門・108プロセス)について、現状の手順を明確にし、ムリ・ムラ・ムダの発見とそれに対する改善アイデア(延べ375件)を取りまとめ、経営企画会議に報告した。
 なお、業務革新プロジェクトの成果については、ISO9001の品質マニュアルのためのフローチャートとして活用を図ることとしている。
 (3)  役職員に対し、業務革新プロジェクトの進捗状況やISO9001の規格の内容や意義について周知を図るため業務革新プロジェクトニュースを発行し、メール配信した。(発行実績4回)
<添付資料:共通3・共通4>
評価の視点
自己評定
評定

中期目標期間中にISO9001を認証取得できたか。
認証取得後は、その規格要求事項である内部監査マネジメントレビュー、予防是正措置等について、マネジメントシステムが適正に運用されたか。
(理由及び特記事項)
 機構としての初年度は半年間であったことから、ISO9001の導入準備としては次のような改善事項の実施までを年度計画の到達目標とした。
ISOの導入準備体制の整備
業務のムリ・ムラ・ムダの洗い出し
品質マニュアル作成のための業務プロセスの明確化
これらについては、当初の想定どおり実施できた。
 これらに加え、当初想定した成果を上回る次のような改善効果を上げることができた。
 業務プロセスを明確化した結果、従来のものより詳細な業務手順の文書化が可能となったこと
 業務革新プロジェクトは、機構の行う全事業を対象とし、業務改善の三原則「やめられないか、減らせないか、代えられないか」の視点から改善の余地についてインタビュー調査を実施し、多数の改善提案を抽出したこと
 同種の業務について、部署間での取扱いの差異が発見でき、その統一化を通じて業務の効率化の芽を発見できたこと
 ISO9001の規格で要求される対象業務(顧客関連プロセス)以外の業務についての業務改善についても、改善点の洗出しの手法が明確になったこと
 業務革新においては職員間の問題意識の共有が特に重要であり、またISO9001の認証のためには、全職員がISO9001の規格の内容やその意義を明確に理解して運用しなければならないことから、業務革新プロジェクトの進捗状況やISO9001の内容等に関し役職員に情報提供するコミュニケーションツールとして業務革新プロジェクトニュースを発行し、役職員の理解を深めたこと

 全事業を対象とすることは大変困難な目標設定であり、現象としてISO9001認証を導入していく過程に対する効果について実感できるものがあったため、業務の実績(1)の(1)の部分を評価した。
 目標通りISO導入準備体制は整備している。
 平成17年5月には認証取得が確実との自己評価があることを評価する。○新事業の目的意識が明確になっている。
 平成15年度計画に対しては、順調な取り組みが行われている。但し、取組みの方向・目的をより明確にすべきである(いささか無機質な取組みである)。
 評価全体に関する基本スタンスとして、
 定量的目標の設定に際して独法移行前の実績値を基準とすることは、移行期の措置としてやむを得ないと考える。(本来どうあるべきか、あるいは本来どのように設定すべきかは、これから年度が進むに従って序々に検討されることになる。)
 独法としての第1期しかも6か月決算という特殊要因を認識した。(第1期が基準年度である。)
 単年度評価は、あくまで中期計画の中の経過的評価であると考えた。
 上記のことから、今回の評価は極めて甘めのゆるい評価となっている。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
2 法人全体の業務運営の改善に関する事項
1 法人全体の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
1 法人全体の業務の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
(1)  効率的な業務運営体制の確立
(2)  職員の努力を適正に評価し、組織目標を効率的かつ効果的に達成する手段として人事評価制度を導入する。
(2)  人事評価制度を構築し、試行的に運用することを通じて、制度の周知や評価者及び被評価者の制度への習熟を促すとともに、制度設計・運用上の課題を把握することによって、平成16年度以降の制度の改善につなげる。
(2)  人事評価制度の構築に当たっては、組織として経営方針、経営目標の実現・達成を図っていく一方で、職員が長期的視点で養成され、業務において動機付けられることを通じて、雇用者満足を高め、組織・職員双方にメリットを求める戦略として運用することを制度の基本とした。
 その主な特徴は、組織が行動目標を示し、これに対し職員が具体的に目標設定を行うことで、組織目標と個人目標の一体化を図るとともに職務の実績を評価する目標管理を導入したこと、また、職員の職務遂行能力を測る評価を行い、設定した目標の業績・成果に対する評価と合わせた評価制度となっている。試行的運用と合わせて人事評価制度全体が有機的に連動する仕組みを構築するための検討も行った。
 試行に当たっては、全職員を対象に人事評価制度の仕組みを理解させるための研修会を開催し、また、評価者(管理職)に対しては、評価制度の運用方法の習得等に関する研修会を開催した。
 試行的運用により把握した制度運用上の課題や問題点を踏まえ人事評価制度運用マニュアルを作成し、平成16事業年度からの実施に向けて評価者研修を5回及び被評価者研修を5回実施した。
評価の視点
自己評定
評定

人事評価制度が中期目標期間中に導入されたか。
制度導入後、組織目標達成のためにどのように活用されたか。
(理由及び特記事項)
 年度計画で掲げた人事評価制度の設計、運用上の課題を把握することはもとより、平成16年4月からの制度の導入に向けた試行的運用により、制度の課題や問題点を把握し、解決策の検討を行った。
 試行運用の成果として、人事評価制度運用マニュアルを作成し、制度の目的、趣旨を評価者(管理者)及び被評価者(一般職員)に数次の研修により周知徹底した。
 この結果、組織目標や職員の目標達成の基準が明確化され、平成16年4月からの前倒し実施へ向けて万全の体制を整えた。
 また、試行期間を通じて組織としての経営方針・経営目標に対する職員の意欲の向上や評価者と被評価者とのコミュニケーションの向上が図られた。
 機構の経営方針や中期計画・年度計画の事項等を個々人の業務目標に落とし込み、その実施状況を評価する仕組みを作ることにより、個々人の努力目標が効果的に経営上の目標の達成に結びつけられるような運用を目指すことができた。また、評価者と被評価者とのコミュニケーションを通じて相互の納得性や信頼性を高めることにより、業績達成が図られるよう管理目標を設定することができた。

 短期間で人事評価制度を試行し、H16年4月からの導入につなげたことは評価できる。また、人事評価制度の導入により、個々の職員の意識向上を通じて機構全体が活性化されたことは、人事評価制度の波及効果として、高く評価するものである。
 中期目標期間中に導入予定だったものが、早期に導入され、本格実施までに至ったことは、高く評価される。
 人事評価制度の試行的運用を実施し、成果を得ている。職員の意欲向上やコミュニケーションの向上が結果として得られている。
 人事評価制度の導入は、基本的に微妙な感情を残すことがある。勇気をもって実施されたことに敬意を表する。
 これは大変なことだったと思う。人事評価の基礎を十分に検討し、整備されている。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
2 法人全体の業務運営の改善に関する事項
1 法人全体の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
1 法人全体の業務の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
(1)  効率的な業務運営体制の確立
(3)  経営管理を担う経営企画会議(仮称)を設置するなどトップマネジメントを強力に補佐する体制を確立するとともに、事業運営の効果を高めるための企画調査部門を強化する。
(3)  平成15年10月1日付けで設置する経営企画会議の下に組織横断的な企画委員会、業務管理委員会及び情報システム委員会を設置することにより機構の経営管理の一元化を図り、トップマネジメント機能が有効に発揮されるよう適切な運営に努めるとともに、同日付けで企画調査部門の強化を主眼に置いた組織改正を実施する。
(3)  トップマネジメント機能が有効に発揮されるよう、理事長が主宰する経営企画会議の下に組織横断的な企画委員会、業務管理委員会並びに情報システム委員会を設置し、効果的な経営の意思決定を可能にするための体制づくりを行った。
 また、企画調査部門の強化を目指した組織改正を実施し、企画指導部に業務管理課を新設するとともに、情報調査部の調査広報課の調査機能を企画指導部に移管し調査室を設け、次のような取組みを行った。
 (1)  業務管理課においては、中期目標、中期計画及び年度計画の実施状況を適切に把握し、経営トップが業務の状況を把握できるようにするため、経営企画会議に対する業務管理報告のルール化を行うとともに、機構の貸付事業に係るALMを踏まえた意思決定に資するため、ALM分析結果を定期的に報告した。
 (2)  調査室においては、それまでの調査広報課で実施してきた調査を引き続き行うこととし、福祉医療貸付業務の参考とするための「福祉・医療・介護関係諸統計」や民間社会福祉事業従事者に対する退職金給付等の実態を把握し共済業務の参考とするための「民間社会福祉事業従事者共済制度調査」を調査報告書として取りまとめ、都道府県等関係機関に配付した。
 また、これまで実施してきた各種の調査の見直しを行い、今後の調査業務の方向性の検討に着手した。
評価の視点
自己評定
評定

経営管理を担う会議を設置し、トップマネジメント機能が有効に発揮されるよう適切な業務運営が行われているか。
トップマネジメントが業務運営の状況を定期的に把握するシステムが確立され、適切に運用されているか。
企画調査部門の強化を目指した組織改正が実施され、事業運営の効果を高めるために適切に機能しているか。
(理由及び特記事項)
 機構としての初年度は半年間であったことから、当初はトップマネジメント機能が発揮されるような体制づくりができることまでを年度計画の到達目標とした。この点については、経営企画会議等の体制や企画調査部門の強化として、年度計画で想定したとおり実施できた。
 これに加え、当該体制を活用して、トップマネジメントによる有効な経営管理を行うための次のような改善事項を実施することができた。
 中期計画の実施状況を客観的に把握し、各種業務の進捗管理や自己評価をするための取組みとして、中期計画事項に係る業務管理のルール化を行ったこと
 年金貸付部会を設置し、平成16年4月に予定されていた労災年金担保貸付の機構への円滑な移管作業を実施し、トップマネジメントに対しても適宜進捗状況の報告を行ったこと
 経営企画会議等の体制整備を行うことによって、ISO9001の規格要求事項における「マネジメントレビュー」を実施できる準備を先行して進めることができたこと
 経営企画会議の場において、ALMの定期的な状況報告を実施することにより、トップマネジメントにおいてALMを踏まえた経営判断に活用できるようにしたこと
 調査室においては、それまでの調査広報課で実施してきた調査を引き続き行うとともに、これまでの調査機能の強化のための取組みとして、現状の問題点及び今後の機構に相応しい統計内容等及び提供方法等の在り方について検討を行った。
 当面の調査としては
  (1)  融資顧客の属性と需要の把握
  (2)  政策金融機関としての成果の把握等
が検討のテーマに掲げられたため、次のような改善を図った。
 ・  現在作成している統計資料が各部の業務にどの程度活用されているかアンケート調査を実施したこと
 ・  福祉貸付及び医療貸付に係る顧客及び資金調達等のデータ分析を実施したこと
 ・  福祉・医療・介護関係諸統計については、内容等の見直し作業を開始したこと
 以上のように、年度計画においてはトップマネジメント機能が発揮できる体制づくりに主眼を置いたが、実績としては、その運用の効果を高める各種の改善事項も実施でき、かつ、機構の業務運営体制が整備された結果として、業務運営の効率化や業務の質の向上に関し各事業部門においても大幅な改善が図られたことから、想定を大幅に上回る実績を達成できた。

 評価の視点にあたる事項を達成した上で、更にトップマネジメントによる有効な経営管理を行うための改善事項、調査機能の強化のための取組みも新たに達成したことは、波及効果として高く評価する。
 トップ会議を定例化し、意思決定の部署への徹底などのシステムが確立されたことから、今後の目標達成並びに改革が一層期待される。
 経営企画会議等が整備され、トップマネジメント機能が有効に働くよう、整備された。
 体制改革であり、これまでの経験を踏まえて速やかに対応した点は高く評価したい。
 トップマネジメントについては、最も権力と責任が集中している機関であるため、厳しく評価した。
 経営企画会議などの実態を詳しく知れば、評価が変わる可能性がある。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
2 法人全体の業務運営の改善に関する事項
1 法人全体の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
1 法人全体の業務の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
(2)  業務管理の充実
 業務の計画的な推進を図るとともに、継続的な業務改善やリスク管理の徹底のための仕組みを導入することにより、業務管理を充実させること。
(4)  事業部門ごとに業務目標を設定し、業務処理の進行管理を行うことにより、計画的な業務管理を実施する。また、業務管理手法の高度化を図るため、中期目標期間中に、業務別のコストを適切に把握するための管理会計の仕組みの導入計画を策定し、段階的な導入を目指す。
(4)  事業部門ごとに業務管理責任者を中心とした業務管理のための体制づくりに着手する。また、経営企画会議の下に設置する業務管理委員会において、業務管理を有効に行うための仕組みの検討に着手する。
(4)  機構の事業全般にわたる業務管理のための体制や仕組みづくりとして、次のような取組みを行った。
 (1)  経営企画会議の下に業務管理委員会を設置し、各事業部長を業務管理責任者として、機構事業の業務目標管理を有効に行うための仕組みを構築し、定期的に業務管理の状況を報告する体制を構築した。
 (2)  業務管理のための体制づくりとして、企画指導部内に業務管理課を設置し、業務管理報告のルール化を行い、中期目標、中期計画及び年度計画の実施状況について経営トップが適切に把握できるようにした。
 (3)  ALMの観点から機構の貸付事業に係る業務管理を行い、適切な経営意思決定に資することを目的に、ALM分析結果を経営企画会議等に定期的に報告した。
 (4)  業務管理を有効に行うための仕組みとしてISO9001を位置づけ、その認証取得準備として機構の全事業について業務プロセスの改善を目指した業務革新プロジェクトを実施し、業務プロセスを管理された状態に置くための仕組みづくりに着手した。
評価の視点
自己評定
評定

事業部門毎の業務目標が設定され、適切な進行管理が行われているか。
機構にふさわしい管理会計の仕組みについて調査・検討を行い、導入計画を策定し、計画に沿った取り組みを行ったか。
(理由及び特記事項)
 機構としての初年度は半年間であったことから、各事業部長を業務管理責任者とした業務管理のための体制づくりができることまでを年度計画の到達目標とし、具体的には、経営企画会議の下に業務管理委員会を設置するとともに、機構の業務管理を統括する業務管理課を設置した。この点については、年度計画に想定した到達目標を達成した。
 これに加え、当該体制を活用して、次のような改善事項を実施することができた。
 中期計画の実施状況を客観的に把握し、各種業務の進捗管理や 自己評価をするための取組みとして、中期計画事項に係る測定基準・管理手法・報告周期等について業務管理のルール化を行い、毎月1回経営企画会議において定期的に報告することとしたこと
 人事評価制度における職員の目標管理を活用し、機構の経営方針や中期計画・年度計画の事項等を個々人の業務目標に落とし込み、その実施状況を評価する仕組みを作り、上位者と下位者のコミュニケーションがより密になったことにより、個々人の努力目標が効果的に経営上の目標の達成に結びつけられるような運用を開始できたこと
 業務革新プロジェクトを通じて、業務手順の客観化を図り、品質マネジメントシステムによる業務管理の体制づくり(品質マニュアル等)の確立に向けた作業にも着手したこと
 ALM分析も貸付業務に係る専門的な業務管理手段であることから、ALMシステムを活用した定例報告を通じて、機構の財務状況に係る適切な管理体制の構築に着手したこと
 以上のように、年度計画においては適切な業務管理ができる体制の整備に主眼を置いたが、実績としては、その運用の効果を高める各種の改善事項も実施でき、かつ、機構の業務運営体制が整備された結果として、業務運営の効率化や業務の質の向上に関し各事業部門においても大幅な改善が図られたことから、想定を大幅に上回る実績を達成できた。

 特に、人事評価制度における職員の目標管理を活用し、機構の経営方針や中期計画・年度計画の事項等を個々人の業務目標に落とし込み、その実施状況を評価する仕組みを作ったことが高く評価できる。
 (1)ISOには業務管理体制づくりの作業着手、(2)月1回の進行管理、報告が定例化された点、ルール化された点が評価される。
 体制整備に主眼を置いていたが、これを達成している。組織の中でのコミュニケーション向上にもつながっている。
 仕組みづくりのみならず、報告体制もできている。
 中期計画を上回っている。
 トップマネジメント機能が充分発揮されることにより、経営企画会議中心の実績達成が別の箇所で評価されているため、これに関連する業務管理の評価はあえて引き下げた。
 この問題の評価を半年間の実績として行うことは難しい。
 具体的な内容の把握が充分できなかった。
 評価のマニュアル化、数値化が必要である。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
2 法人全体の業務運営の改善に関する事項
1 法人全体の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
1 法人全体の業務の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
(2)  業務管理の充実 業務の計画的な推進を図るとともに、継続的な業務改善やリスク管理の徹底のための仕組みを導入することにより、業務管理を充実させること。
(5)  業務運営におけるリスク管理の徹底を図るため、リスク管理委員会(仮称)を設置するなど機構業務全般にわたる仕組みを段階的に導入する。その際、業務委託先や助成先に対する監査業務の成果を業務上の問題点把握に役立て機構業務全般にわたる恒常的なリスク管理に活用する。
 さらに、福祉医療貸付事業については、審査業務におけるリスク把握手法の改善を図るとともに、債権管理業務における貸付先のフォローアップやリスク債権の管理の徹底、債権の保全方法の改善等を図ることにより、貸付残高に対するリスク管理債権の額の比率が中期目標期間中2.0%を上回らないように努める。
(5)  機構の業務運営におけるリスク管理を担当する業務管理委員会を平成15年10月1日付けで設置し、機構業務全般にわたるリスク管理体制を強化するとともに、福祉医療貸付事業については、債権保全方法の改善に取り組むなど適切な債権管理に努める。
(5)  機構業務全般にわたるリスク管理体制の強化及び福祉医療貸付事業にかかる適切な債権管理を図るため、次のような取組みを行った。
 (1)  機構の業務運営におけるリスク管理を行うため、業務管理委員会及びその下に事務リスク管理部会を設置し、業務革新プロジェクトで明確化された機構の業務処理プロセスを用いて事務リスクの洗い出しに着手した。
 (2)  福祉医療貸付における信用リスクの構造、政策融資としての信用リスクへの対処のあり方、信用リスクにかかる具体的なコストの推定などを行うことを目的として、ALM分析の高度化を目指し、信用リスクモデルの開発に着手した。
 (3)  福祉医療貸付事業におけるリスク管理債権の管理として、以下のような取組みを行った。
 福祉医療貸付に係るリスク管理債権の状況とその対処方針について、次のとおり債権保全の強化を図った。
 特殊債権処理状況の報告回数を年3回から4回とした。
 特殊債権処理状況の報告に当たり、作成資料の情報項目を整理・充実(例えば発生要因等の追加)を図り、リスク管理債権の状況把握を容易にした。
 審査業務等へのフィードバックを図るため、リスク管理債権の発生要因項目の標準化の検討に着手した。
 貸付先からの事業報告書の分析によりリスク管理債権の発生防止に努めた。
 法的措置も考慮した回収強化が図れるように個々の案件ごとの管理体制(スタッフ制)の充実を図った。
 この結果、平成15事業年度において期初のリスク管理債権のうち、回収努力により完済したものが21件で回収額2,385百万円、延滞又は条件緩和の解消により正常化したものが16件で債権額1,485百万円、債権償却したものは8件で債権額1,192百万円、合計45件で5,062百万円について債権回収業務を行った。
 施設の経営環境が厳しさを増すに伴って期中において延滞債権等が新規に発生したものの、こうした積極的な債権回収を図るとともに、債権管理手法を充実強化したことにより、福祉医療貸付におけるリスク管理債権の状況は次のとおりとなった。

  平成15年9月末 平成16年3月末
リスク管理債権
比率
1.53% 1.50%
破綻先債権 0.18% 0.21%
6ヵ月以上
延滞債権
0.64% 0.49%
3ヶ月以上
延滞債権
0.08% 0.09%
貸出条件
緩和債権
0.62% 0.70%
リスク管理債権 46,802百万円 47,537百万円
総貸付残高 3,066,237百万円 3,176,431百万円
 (注) 総貸付残高には、貸付受入金を含む。

 (4)  平成15年4月から社会福祉・医療事業団(以下「事業団」という。)が実施した「金融環境の変化に伴う運転資金に対する緊急融資」において、診療報酬債権担保制度の導入を図った。これにより、平成15年4月以降に発生した事故案件のうち診療報酬債権担保融資分(破綻先債権)については全額回収することができた。
評価の視点
自己評定
評定

リスク管理を担当する委員会が設置・運営されるなど、機構業務全般にリスク管理体制が確立されているか。
 その際、業務委託先や助成先も含めた業務上の問題点の把握も行われているか。
福祉医療貸付事業については、リスク管理の改善が図られ、リスク管理債権比率が中期計画の数値を達成しているか。
 なお、介護報酬及び診療報酬の大幅改定等に伴う福祉施設及び医療施設の経営環境の著しい悪化や貸付先からの繰上償還等により機構の貸付残高の著しい変動が生じた場合等は、その事情を考慮する。
(理由及び特記事項)
 機構としての初年度は半年間であったことから、機構の業務運営におけるリスク管理のための体制づくりとして、業務管理委員会及び事務リスク管理部会を設置することまでを年度計画の到達目標とした。
 また、福祉医療貸付事業についての債権保全方法の改善への取組みとしては、従来から行ってきた特殊債権処理の状況報告や貸付先から徴求する事業報告書の分析等を独法後も引き続き実施し、リスク管理債権の状況の適切な把握と対処方策の検討を進めることを年度計画として想定した。
 これらについては、年度計画に想定した到達目標を達成した。
 一方、これらに加えて、福祉医療貸付事業における債権管理方法の高度化に向けた次のような取組みを行った。
 ALM分析の高度化として、機構の福祉医療貸付における信用リスク構造の分析、信用リスクに伴うコストの把握方法のあり方検討等に係る信用リスクモデルの開発に着手し、その検討結果については、今後の債権管理方法の改善の方向性の検討にまで波及させることができたこと
 個別のリスク管理債権の状況を適切に分析するための、データの整備や、審査へのフィードバックも視野に入れたリスク管理債権の発生要因項目の標準化にも着手できたこと
 金融環境の変化に対応する緊急融資において診療報酬債権等担保制度の導入を図った。この試みの成功により、不動産担保や人的担保に限定されない新しい債権保全方法の途を開くことができたこと
 リスク管理債権の管理実績としては、福祉医療貸付の債権管理回収業務において、次のような改善効果が上がった。
 特殊債権処理状況の報告回数を増やしたことにより、機構全体のリスク管理債権の管理体制の強化につながったこと
 回収強化を図る体制の充実により、個々のリスク管理債権からの回収につながったこと
これらの結果、リスク管理債権比率が平成15年9月末の中期計画期初の1.53%から平成15年度末において1.50%と減少した。
 以上のように、年度計画においては適切な債権管理ができる体制の整備に主眼を置いたが、実績としては、その運用の効果を高める各種の改善事項も実施でき、リスク管理債権比率の抑制にも結びついたことから、想定を大幅に上回る実績を達成できた。

 業務管理委員会及び事務リスク管理部会を設置している。さらには事務リスクの洗い出し、信用リスクモデルの開発に着手するなど、設置から実際の活動が始まっている。
 リスク管理体制を組織的につくり上げており、かつリスク管理を審査業務に生かす努力がなされている。
 従来、放漫的管理がなされていたリスク管理債権の管理及びその保全について、科学的手法による客観的管理の仕組みが作られたことは大いに評価できる。特に、施設の経営環境及び経営状況が悪化している中においては、最大の取組み課題といえる。
 2%以内というハードルを1.5%に抑えたという点は評価したい。
 中期計画を上回っている。
 この問題の評価を半年間の実績として行うことは難しい。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
2 法人全体の業務運営の改善に関する事項
1 法人全体の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
1 法人全体の業務の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
(2)  業務管理の充実
 業務の計画的な推進を図るとともに、継続的な業務改善やリスク管理の徹底のための仕組みを導入することにより、業務管理を充実させること。
(6)  福祉医療貸付の原資についての自己資金調達の拡大による金利リスクの拡大が予測されるなか、健全な財務構造を維持するため、ALM(資産負債管理)システムを活用する。そのうえで、市場動向を見極めながら、次のような方策を選択し、適用する。
 (1)  調達市場の金利動向を見極めながら、金利リスクを最小化するための財投機関債の発行期間を検討する。
 (2)  調達の状況を反映した貸付条件の改定等を行う。
 (3)  貸付の動向を踏まえた長期借入金と自己資金調達の割合をコントロールする。
 また、調達に関しリスクヘッジを行う金融商品や資産担保証券(ABS)の活用可能性を調査・研究する。
(6)  ALM(資産負債管理)システムを用いて、機構の貸付事業に係る財務構造の状況を定期的に把握し、経営企画会議に報告するとともに、月次管理モデルや信用リスクモデルの開発を目指す。
(6)  機構の貸付業務におけるALM管理を行うため、次のような取組みを行った。
 (1)  ALM部会を設置し、ALM管理体制の構築を図った。
 (2)  ALMモデルによる試算として、次の4テーマについてシミュレーションを実施した。
 平成16事業年度予算における財投機関債増額発行の影響分析て
 平成16事業年度の財投機関債の発行条件に係るポートフォリオの影響分析て
 平成16事業年度における金利見直しによるALM影響についてて
 平成17事業年度における金利見直し案のALM影響について
 (3)  福祉医療貸付における信用リスクの構造、政策融資としての信用リスクへの対処のあり方、信用リスクにかかる具体的なコストの推定などを行うことを目的として、ALM分析の高度化を目指し、信用リスクモデルの開発に着手した。
 (4)  独立行政法人化に伴う独立行政法人会計基準への対応や従来からのALMモデルの精緻化を目指した月次管理モデルの開発を行った。
<添付資料:共通5・共通6>
(7)  電子政府化については、政府及び厚生労働省の電子政府構築計画における独立行政法人の在り方に即し、各事業の業務の整理・合理化を踏まえ、適切に対応する。
(7)  業務の電子化については、稟議決裁システムの開発等、着手可能なものから実施を図る。
(7)  文書のペーパーレス化及び情報通信基盤を活用した意思決定の迅速化、内部事務処理の効率化を図るため、りん議・決裁システムの開発に着手し、平成16年3月末に完了した。
 文書の処理、保存、管理、情報公開事務を一連の操作で処理できるようにすべく、法人文書管理システム、情報公開システムと連携させた。
 平成16年4月からの稼動に向け、マニュアルを作成し、全職員に対し実環境での研修を行った。
<添付資料:共通7>
評価の視点
自己評定
評定
  (理由及び特記事項)  
  【ALMシステムを用いた貸付事業の財務状況把握等】
 四半期報告については想定を上回る分析、報告を行っている。りん議決裁システムを完成させ、全役職員に対する研修をも実施している。
 目標通りに達成できたのではないかと評価した。
 この問題の評価を半年間の実績として行うことは難しい。
定期的な財務構造の把握、財投機関債の発行期間の検討及び貸付条件の見直し等にALMシステムが適切に活用されているか。
 ALMシステムについては、
 予算編成作業の過程において課題となるテーマについて、概ね四半期毎、したがって機構の初年度の半年間に2テーマ程度を分析し、経営判断にどの程度活用可能かを見極めるため、試行的に経営企画会議に報告すること
 福祉医療の経営環境の変化に伴う信用(貸倒れ)リスク管理の重要性、独立行政法人会計基準への適合、その他モデルの精緻化
などに対応するため、既存のシステムのバージョンアップとして、月次管理モデル及び信用リスクモデルの開発に着手することなどを年度計画の到達目標とした。四半期報告については想定を上回る4テーマの分析を行い、またモデルのバージョンアップについては、システム開発を年度内に完了するなど、目標を上回る実績を上げることができた。
 さらにこれらに加え、信用リスクモデルの開発の過程を通じて、機構のリスク管理債権に係るデータ整備のあり方や今後の信用リスク管理に伴うクレジットスプレッドの考え方のモデル化など、債権保全方法の改善に資する基礎的な検討作業にも発展できたことから、当初想定した到達目標を上回る成果を上げることができた。
  【りん議・決裁システムの開発】
 各事業の整理・合理化を踏まえ業務の電子化に適切に対応できているか。
 なお、本事項の遂行に当たっては、厳しい経費削減目標との関係上、可能な範囲での実施となる事情を考慮する。
 平成15事業年度中にりん議・決裁システムを完成させ、平成16年4月から前倒しして稼動できる体制を整えた。
 りん議・決裁システムの開発にあたっては、システム開発費の抑制を図るため、厚生労働省の同システムを利用し、改造したものであるが、次の機能を付加することにより、事務処理の効率化及び文書管理の適正化を図った。
(1)  決裁文書ごとに保存期間をシステム管理する機能を付加することにより、法人文書の適正な管理及び利便性を向上させた。
(2)  通常の決裁文書のみならず、年次有給休暇及び特別有給休暇の申請についても電子化承認を可能としたため、これら休暇の管理等に関する事務の効率化が図られた。
(3)  文書管理に対する台帳(文書受付配付簿)を電子化することによりデータの共有化が図られた。
 りん議・決裁システムにより処理した新規の文書については、文書管理業務の効率化を図り、かつ、法人文書管理システム及び情報公開システムとの連携を行うことにより、円滑かつ効率的な情報公開事務の執行を可能とするとともに、文書の散逸・改ざんを防ぎ、常にその所在の把握が容易となった。
 りん議・決裁システム操作手順書(マニュアル)を作成するとともに、全役職員に対する研修を実施し、平成16年4月から稼動できるよう万全の体制を整えた。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
2 法人全体の業務運営の改善に関する事項
1 法人全体の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
1 法人全体の業務の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
(3)  業務運営の効率化に伴う経費節減
 一般管理費、福祉保健医療情報サービス事業費等の経費については、効率的な利用に努め、平成16年度において追加される労災年金担保貸付事業にかかる部分を除き、中期目標の期間の最終の事業年度において、平成14年度と比べて13%程度の額を節減すること。
 また、福祉医療貸付事業費については、中期目標の期間の最終の事業年度において、平成14年度と比べて5%程度の削減を目指すこと。この場合、社会経済情勢の変化等を踏まえた政策的要請や金融情勢の変化により影響を受けることについて配慮する。
(8)  一般管理費、福祉保健医療情報サービス事業費等の経費については、効率的な利用に努め、平成16年度に追加される労災年金担保貸付事業にかかる部分を除き、中期目標の期間の最終の事業年度において、平成14年度と比べて13%程度の節減額を見込んだ中期計画の予算を作成する。
 また、福祉医療貸付事業費については、中期目標の期間の最終の事業年度において、平成14年度と比べて5%程度の削減額を見込んだ中期計画の予算を作成する。この場合、社会経済情勢の変化等を踏まえた、政策的要請や金融情勢の変化による影響を考慮する。
(8)  一般管理費、福祉保健医療情報サービス事業費等の経費については、経費節減に関する中期目標の達成を念頭に置きつつ、効率的な利用に努める。
 福祉医療貸付事業については、社会経済情勢の変化等を踏まえた政策的要請や金融情勢の変化による影響を考慮した場合の削減効果を正確に把握することにより、事業費削減に関する中期目標の達成に向けた準備を進める。
(8)  一般管理費、福祉保健医療情報サービス事業費等の経費削減については、平成15事業年度が半年間のため、一概に基準年度の平成14年度と比較することはできないが、平成15事業年度を2倍し仮定計算した場合、基準年度と比較し経費を約2%削減した予算を作成した。その執行においては効率的な利用に努めたことから、平成15事業年度一般管理費、福祉保健医療情報サービス事業費等の経費は、予算に比較して削減を行うことができた。
 また、福祉医療貸付事業費の削減については、経営企画会議等において平成17年度以降の貸付回収金充当費の削減に向けた検討を行い、削減方策をとりまとめた。
 近年の低金利の金融情勢により支払利息が減少する傾向にあること、発行諸費及び発行利回りを抑えた財投機関債の発行に努めたが、その一方で、貸付金の繰上償還が増加、それに伴う借入金の繰上償還の影響から、予算上見込まれてない借入金利息の増加が発生した。こうした予定外の金利変動による影響を控除した平成15事業年度の福祉医療貸付事業費は、中期目標に定められた事業費削減目標を考慮した予算に比較して削減を行うことができた。
<添付資料:共通8>
評価の視点
自己評定
評定

一般管理費、福祉保健医療情報サービス事業等の削減対象経費について、中期計画予算における一般管理費、人件費、各業務経費及び減価償却費の合算額が、平成14年度の相当経費と比較して中期目標の数値を達成しているか。
 なお、削減対象経費のうち自己収入を得るために要した費用については考慮する。
福祉医療貸付事業費の削減対象経費について、中期計画予算における支払利息、業務委託費、債券発行諸費及び貸付回収金充当費の合計額が平成14年度の相当経費と比較して中期目標の数値を達成しているか。
 なお、この場合、社会経済情勢の変化等を踏まえた政策的要請による貸付残高の変動や金融情勢の変化に伴う金利変動による影響を控除する。
(理由及び特記事項)
 一般管理費、福祉保健医療情報サービス事業等の経費については、平成14年度の基準年度に対して、平成15事業年度下期予算額を2倍した仮定通年予算に比べて2%の削減を見込み、さらに平成15年度計画予算額で設定した金額以内の97.5%の執行に努め、削減を行うことができた。
 福祉医療貸付事業費の経費については、平成15年度計画予算額に対して、金融情勢の変化に伴う当該影響を控除した平成15事業年度の事業費の金額で比較した場合、年度計画予算で設定した金額以内の99.8%の執行を行い、削減を行うことができた。

 25%の上乗せ達成を評価した。
 計画予算の97.5%の削減を達成している。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
2 法人全体の業務運営の改善に関する事項
1 法人全体の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
1 法人全体の業務の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
(4)  利用者に対するサービスの向上
 個人情報保護に配慮しつつ、利用者情報の総合化や利用者に対する調査の実施により、業務運営における利用者対応の充実を図ること。
(9)  利用希望者の利便性を向上させるため、各種事業における利用手続き、利用対象者、利用条件その他事業利用に当たって必要な情報を、ホームページ等を積極的に活用して迅速かつ正確に提供する。また、利用者対応の迅速化、利用者の利便性の向上に資するため、顧客情報の総合化を、各事業の横断的な連携を踏まえ、段階的に推進する。
(9)  利用希望者の利便性を向上させるため、各種事業における利用手続き、利用対象者、利用条件その他事業利用に当たって必要な情報を、ホームページ等を積極的に活用して迅速かつ正確に提供する。
(9)  利用希望者の利便性向上を図るため、全事業において事業概要、制度案内及び利用手続き等をホームページに掲載し、迅速かつ正確な情報提供を行った。
 また、事業毎のホームページ活用については、次のような取組みを行った。
 (1) 福祉医療貸付事業
 貸付金利の情報を改定の都度、速やかに掲載するとともに、福祉貸付においては平成15事業年度より融資にかかるQ&Aの掲載を開始した。
 (2) 福祉医療経営指導事業
 セミナーの開催告知を2か月前までに掲載した。
 (3) 長寿・子育て・障害者基金事業
 平成16事業年度分の募集にあたり設定した重点助成分野について掲載し、周知を図った。
 平成16事業年度分の募集要領について2か月前までに要望書様式、記載要領等と併せて掲載した。
 平成16事業年度分の助成事業として採択した事業について平成16年4月下旬に公開するための準備を行った。
 評価結果について、事後評価報告書の内容を掲載するとともに、他団体の参考となると思われる特に優れた事業を紹介した。
 (4) 退職手当共済事業
 退職手当金請求書・被共済職員退職届等届出用紙について、平成15事業年度よりホームページからの入手を可能とした。
 (5) 心身障害者扶養保険事業
 平成14年度決算に基づく心身障害者扶養保険財務状況将来予測を取りまとめた財務状況検討会報告書について、加入者等に対して公表した。
 (6) 年金担保貸付事業
 違法な年金担保貸付に対する情報を掲載し、注意を促すとともに、融資にかかるQ&Aを掲載して制度の周知を図った。
評価の視点
自己評定
評定  

利用希望者の利便性を向上させるため、どのような措置が講じられたか。
(理由及び特記事項)
 事業毎の実績で評価
 


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとった措置
 通則法第29条第2項第2号の業務運営の効率化に関する目標及び同項第3号の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標のうち、事業毎に掲げるものは、次のとおりとする。  独立行政法人通則法第30条第1項第2号の業務運営の効率化に関する目標及び同項第3号の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標のうち、事業毎に掲げるものは、次のとおりとする。
 福祉医療貸付事業
 福祉医療貸付事業
 福祉医療貸付事業
 福祉医療貸付事業
 福祉医療貸付事業については、国の福祉政策及び医療政策に即して民間の社会福祉施設、医療施設等の整備に対し長期・固定・低利の資金を提供すること等により、福祉、介護、医療サービスを安定的かつ効率的に提供する基盤整備に資するため、以下の点に特に留意してその適正な実施に努めること。
 また、特殊法人等整理合理化計画(平成13年12月19日閣議決定、以下「整理合理化計画」という。)に基づき、貸付資産等のリスク管理及び引当金の開示については、引き続き適切に実施するとともに、病院等融資については、中期目標期間中も「民間でできるものは、できるだけ民間に委ねる」という原則の下に、融資対象事業を医療政策上真に必要なものに限った上で、コストに応じた金利設定の導入を検討し、段階的に実施すること。
 福祉医療貸付事業については、国の福祉政策及び医療政策に即して民間の社会福祉施設、医療施設等の整備に対し長期・固定・低利の資金を提供すること等により、福祉、介護、医療サービスを安定的かつ効率的に提供する基盤整備に資するため、以下の点に特に留意してその適正な実施に努める。
 また、特殊法人等整理合理化計画(平成13年12月19日閣議決定。以下「整理合理化計画」という。)に基づき、貸付資産等のリスク管理及び引当金の開示については、引き続き適切に実施するとともに、病院等融資については、中期目標期間中も「民間でできるものは、できるだけ民間に委ねる」という原則の下に、融資対象事業を医療政策上真に必要なものに限った上で、コストに応じた金利設定の導入を検討し、段階的に実施する。
 福祉医療貸付事業については、国の福祉政策及び医療政策に即して民間の社会福祉施設、医療施設等の整備に対し長期・固定・低利の資金を提供すること等により、福祉、介護、医療サービスを安定的かつ効率的に提供する基盤整備に資するため、以下の点に特に留意してその適正な実施に努める。
 なお、当該事業に係る貸付契約額、資金交付額及び原資を次のとおり見込む。

(参考)
区分 平成15事業年度
変更後予定額
  千円
貸付契約額 269,400,000
資金交付額 226,500,000
原資 財政融資資金借入金 180,400,000
貸付回収金等 46,100,000
 福祉医療貸付事業については、国の福祉政策及び医療政策に即して民間の社会福祉施設、医療施設等の整備に対し長期・固定・低利の資金を提供すること等により、福祉、介護、医療サービスを安定的かつ効率的に提供する基盤整備に資するため、以下の点に特に留意してその適正な実施に努めた。
 なお、当該事業に係る貸付契約額、資金交付額及び原資の実績は次のとおりである。

(実績)
区分 平成15事業年度
(実績)
  千円
貸付契約額 269,399,900
資金交付額 226,500,000
原資 財政融資資金借入金 181,700,000
貸付回収金等 44,800,000
(注)  財政融資資金借入金については、事業団から の予算を承継している。
中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 福祉医療貸付事業
 福祉医療貸付事業
 福祉医療貸付事業
(1)  業務運営の効率化に関する事項
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとった措置
 国の福祉政策や医療政策における政策目標を着実に推進するため、政策融資の果たすべき役割を踏まえつつ、政策効果の高い融資内容となるよう努めること。
 国の政策と密接に連携し、ゴールドプラン21、新エンゼルプラン、新障害者プラン等に基づく介護、子育て支援、障害者の社会参加等の基盤整備を推進するとともに、医療制度改革に対応し医療施設の質的向上と効率化を推進することにより、福祉及び医療の政策目標の推進に積極的に貢献する。また、国の要請に基づき、災害、民間金融機関の貸し渋り等への緊急措置等に臨機応変に対応する。
 こうした政策融資の果たすべき役割を踏まえつつ、政策優先度に応じて重点化した融資メニューや合理的な金利体系への改善を図ることにより費用対効果を高めていく。
 国の政策と密接に連携し、ゴールドプラン21、新エンゼルプラン、新障害者プラン等に基づく介護、子育て支援、障害者の社会参加等の基盤整備を推進するとともに、医療制度改革に対応し医療施設の質的向上と効率化を推進することにより、福祉及び医療の政策目標の推進に積極的に貢献する。
 また、医療施設の経営の安定化を図るため、金融環境の変化に対応する緊急融資を引き続き適切に実施する。
 平成15事業年度は半年間であったが、福祉医療の施設整備計画については年度を基本としていることから、福祉医療貸付事業の貸付審査実績については通年で整理することとし、平成15年度通年の両貸付に係る貸付審査の状況は、次のとおりである。<添付資料:貸付1>
(1)  福祉貸付では、平成15年度通年において1,157件の貸付審査を行ったところであるが、うち老人福祉関係施設589件(うち特別養護老人ホーム361件)、障害者福祉関係施設232件、児童福祉関係施設323件(うち保育所289件)、その他13件となっている。
 これらの貸付は、国の政策と密接に連携し、ゴールドプラン21、新エンゼルプラン、新障害者プラン等に基づく重点分野の施設整備に対し優先的に貸付を行うことにより、介護、子育て支援、障害者の社会参加等の基盤整備の推進に貢献した。
 その内容を3プランの主要な施設に対応してみると、
 ゴールドプラン21関連では、要援護の高齢者が自立した生活を尊厳をもって送ることができるよう、また、介護家族への支援が図られるよう、介護サービス基盤の質・量両面にわたる整備を推進するため、特別養護老人ホーム18,289人分、痴呆性高齢者グループホーム132か所、短期入所生活介護3,185人分、デイサービス254か所の貸付審査を行った。
 特に、特別養護老人ホームについては、国が新たな方向として掲げた、「家庭に近い居住環境の下で一人一人の生活リズムを基本に据えた介護等を行う」ことを目的とする個室化整備(小規模生活単位型)に即応して、増加する融資枠を確保し、15,451人分(特養整備の84.5%)の貸付審査を行った。
 新エンゼルプラン関連では、低年齢児の保育所受入れ及び延長・休日保育等多様な需要に応える保育サービス等子育て支援サービスを推進するため、保育所整備に併せ低年齢児の受入れ拡大170か所、一時保育の推進176か所の貸付審査を行った。
 新障害者プラン関連では、新障害者基本計画に掲げられた「共生社会」の実現を目的として、地域生活の支援、住まいや活動の場等としての福祉サービス基盤整備等を充実するため、通所授産施設2,951人分、ショートステイ191人分、グループホーム97人分の貸付審査を行った。
 さらに3プラン関連以外のものでも、国庫補助事業を前提としたものを優先的に貸付審査を行った。
<添付資料:貸付2>

 
(2)  医療貸付では、平成15年度通年において584件の貸付審査を行ったところであるが、うち病院168件、診療所259件、介護老人保健施設151件、その他6件となっている。<添付資料:貸付1>
 これらの貸付は、「医療の普及向上」を目的として、病院の病床・診療所不足の地域に対する貸付(新築資金・甲種増改築資金)を金利優遇するとともに、病院の病床・診療所充足の地域にあっても、医療の向上という観点から広く貸付(乙種増改築資金)を行い、医療基盤整備の推進を支援している。
 また、高度・特殊な医療機能に着目し、法人立の大規模な病院等については、特定病院制度を設け、施設整備の需要に対応している。
 さらに、厚生労働省において、今後の医療提供体制の改革について、将来のイメージを示した「医療提供体制の改革のビジョン(平成15年8月)」に掲げられた当面進めるべき施策をはじめとした種々の医療制度改革等を施設整備の面から金融的手法により、その推進を支援しており、貸付の対象施設・対象事業は、医療政策の方向性に沿ったものである。
 病院の病床・診療所の不足・充足の地域への対応としては、病院については、不足の地域に対する実績が70件(新築資金16件、甲種増改築資金54件)、充足の地域に対する実績が98件(乙種増改築資金)で、診療所については、不足の地域に対する実績が239件(新築資金190件、甲種増改築資金49件)、充足の地域に対する実績が20件(乙種増改築資金)となっている。
 「医療提供体制の改革のビジョン」への対応としては、特定病院制度にも区分されている医療の機能分化という観点において、地域医療支援病院2件、臨床研修病院9件、200床以上の精神(指定)病院22件、100床以上の特殊診療機能を有する病院18件(救急医療、老人性精神疾患)の貸付審査実績をあげた。
 療養病床については、療養病床を有する病院として86件、4,704床を純増し、一般病床から療養病床への病床転換の促進については、1,898床となっている。
 また、民間金融機関の貸し渋り等への緊急措置として、「金融環境の変化に伴う運転資金に対する緊急融資」については、受理774件、受理額10,371百万円、契約額9,679百万円、交付額9,661百万円の貸付実績をあげた。

(注) 特定病院とは、法人が開設する地域医療支援病院、大学病院、臨床研修病院、100床以上の開放型病院、200床以上の精神(指定)病院及びがん・小児・救急など特殊診療機能を有する病院並びに療養病床を有する病院である。
<添付資料:貸付3・貸付4・貸付5>
 政策融資としての機能を毎年点検することとし、事業内容を不断に見直す等事業の効率化を進めること。また、中期目標期間中の新規契約分のうち、国の政策目的の達成のために特に定めるもの以外は、将来にわたる利差益を確保するよう事業運営を行うこと。
 政策融資としての機能を毎年点検し、政策優先度が低下したものに対しては、貸付対象、貸付条件、貸付形態等を見直す。
 こうした事業の効率化を進めることにより、政策の変更、緊急措置等やむを得ない事情によるものの外、新規契約分の利差額に関する中期目標を達成する。
 国の政策目的の達成のために特に定めるものを除外し、政策の変更、緊急措置等やむを得ない事情による影響を控除した上で、新規契約分の利差額の状況を適切に把握する。
 経営企画会議等において、利差益の確保を図るため平成16事業年度以降の貸付金利体系の見直しを開始した。
 国の政策目的の達成のために特に定めるものを除外し、政策の変更、緊急措置等やむを得ない事情による影響を控除した、新規契約分に対する貸付金利と調達金利との金利差を0.029%、利差額を約17百万円確保した。
<添付資料:貸付6>
 既存施設の増改築や新設施設の中長期の需要動向を可能な限り事前予測することにより、事業の計画的な推進を図ること。
 事業の計画的な推進を図るため、国の政策動向や国庫補助整備状況を勘案し、利用者に対する定期調査を行うことにより中長期の需要動向の事前予測に努める。
 なお、福祉貸付については、国庫補助対象事業による整備動向を把握し、3プラン等重点分野に対し優先的に貸し付ける。
 事業の計画的な推進を図るため、国の政策動向や国庫補助整備状況を勘案し、平成15年度上期に実施した利用者に対する定期調査の結果を用いて中長期の需要動向の事前予測に努める。
 なお、福祉貸付については、国庫補助対象事業による整備動向を把握し、3プラン等重点分野に対し優先的に貸し付ける。
 医療貸付に係る中長期の需要動向の事前予測は、平成15年度上期に実施(15年3月末にアンケートを郵送、4月中旬回収、5月以降集計分析)した「病院の施設整備動向調査(アンケート調査)」を基礎資料とし、調査結果を年度単位の概算予算要求値と検証し、近似性等の妥当性を判断したうえで、予算要求の補足資料とした。
<添付資料:貸付7>
 民業補完の観点から、貸付対象となる事業の政策上の重要性を勘案しつつ、民間金融機関による融資の促進策等、民間資金の一層の活用を図る方策を検討し、段階的に導入すること。
 民業補完の観点から他の政策金融の例も参考にしつつ、民間金融機関との協調融資のあり方等を適宜検討し、中期目標期間中に民間資金の一層の活用を促す仕組みに改善する。
 民間資金の一層の活用を促す仕組みについて、他の政策金融機関における実態を調査する。
 平成15事業年度においては、協調融資制度を既に導入している政策金融機関3機関の実態を調査するとともに、導入する際の問題点を抽出するため民間金融機関4機関へのヒアリング調査を実施した。これらの調査結果について政策融資部会において検討し、経営企画会議に報告を行った。
評価の視点
自己評定
評定
  (理由及び特記事項)  
  【政策目標推進への貢献、緊急融資への対応】
 国の政策に連動しているということではないか。
ゴールドプラン21、新エンゼルプラン、新障害者プランや医療制度改革など、福祉及び医療の政策目標に沿った融資実績となっているか。
国の要請等を受けて、政策融資として災害、民間金融機関の貸し渋り等への緊急措置に臨機応変に対応できたか。
どのような観点から融資メニューや金利体系の見直しが行われたか。
 福祉貸付では、国の政策と密接に連携し、3プランに基づく施設整備に対して重点的に貸付を行った。
 平成15年度通年の貸付審査実績の内訳は、ゴールドプラン21関連を主とした老人福祉関係施設51%(うち特別養護老人ホーム31%)、新障害者プランを主とした障害者福祉関係施設20%、新エンゼルプランを主とした児童福祉関係施設28%(うち保育所25%)となっている。
 ちなみに、国庫補助事業として採択されたものとの関連を特別養護老人ホームについて見ると、平成15年度国庫補助事業の新規事業として採択された件数は397件であり、そのうち平成15年度中に福祉貸付審査を行ったもの317件、平成16年度に貸付審査を繰り越したもの41件の合計358件となっており、国庫補助事業の90.2%に対して貸付を行う状況となっている。
 このように福祉貸付は、国の補助金制度とも密接に関連することにより、介護、子育て、障害者の福祉ニーズに必要な基盤整備に多大に貢献しており、その結果、地域福祉の推進が図られていると考えている。
 なお、これらの福祉サービスの基盤整備の効果として、地域経済、特に雇用機会の拡大にも貢献しているものと考えられる。
 医療貸付の実績を、医療の普及向上の観点、「医療提供体制の改革のビジョン」に掲げられた当面進めるべき施策への対応、ゴールドプラン21関連における介護老人保健施設の整備についてみると、次のとおりである。
 医療の普及向上の観点については、病院の病床・診療所の不足の地域に対する整備でみると、不足の地域は309件、充足の地域は118件となっており、医療普及について大いに貢献するとともに、充足の地域における医療の向上にも資するものとなっている。
 「医療提供体制の改革のビジョン」に掲げられた当面進めるべき施策への対応については、特定病院制度にも区分されている病院が51件あり、療養病床の整備については一般療養4,704床を純増し、病床転換の促進についても1,898床を一般病床から療養病床へ整備した。都道府県の病床許可に基づく整備支援の観点及び医療の機能分化の促進に貢献しているものと考えられる。
 ゴールドプラン21関連における介護老人保健施設の整備については、国庫補助対象127施設に補助対象外24施設を加えた151施設の貸付審査実績をあげており、国庫補助採択案件の整備のみならず、都道府県の介護保険事業支援計画にも貢献している。
 ちなみに、平成15年度国庫補助事業として採択された件数142件に対して、機構貸付審査実績の127件は89.4%の貸付となっている。
 厚生労働省の要請により、平成15年4月25日から実施した「金融環境の変化に伴う運転資金に対する緊急融資」については、事業団のPR効果、夏季賞与資金等の需要に伴い、5月・6月の相談・問い合わせの実績は500件から600件に至り、月間20億円を超える貸付実績であった。
 独立行政法人移行後(10月以降)は、利用者の問い合わせや資金需要も落ち着き、年度後半には緊急的要素は終息した。
 こうした緊急的貸付への対応としては、審査専属担当者を割り当て、鋭意、取り組むとともに、「緊急」という観点及び貸付金額が小額であることから、審査は簡素なチェック方式とし、持ち回りによる担当部長・支店長承認により、迅速性を高めた。さらに、診療報酬債権等担保に係る債権譲渡について、社会保険診療報酬支払基金や各都道府県の国民健康保険団体連合会との年間を通した事務的調整も行い、債権保全の確実性の観点から診療報酬債権等担保制度を新たに導入した。
 緊急的な融資制度としては、平成10年度から3か年、いわゆる貸し渋り対応資金を実施したが、当該資金が152件、3,102百万円であったことに対して、今回の緊急融資は件数で5倍、金額で3倍の実績であり、大きな成果を得ている。
 当該貸付では、担保物件の種類に新たに診療報酬債権等を設定したことで、利用者の需要に大いに貢献したものと考えられ、この実績により平成16事業年度から長期運転資金の貸付けについても同債権等担保を導入することが財務省によって認められたところである。
  【新規契約分の利差益確保】
新規貸付契約平均利率と新規調達平均利率との比較において、中期目標の定める利差益が確保されているか。
 なお、貸付金利の設定において、政策の変更、緊急措置等やむを得ない事情による影響を控除する。
 貸付契約の執行管理については、安定的な施設整備を図るという国の政策に即して適正な貸付を行った。一方でその貸付原資の調達についても、適正に行った結果、調達金利との金利差を確保することができた。
  【医療貸付における中長期需要事前予測、福祉貸付における重点分野への貸付】
医療貸付については、整備計画、資金需要等に関するアンケート調査を実施し、中長期需要動向の予測に反映させているか。
福祉貸付については、国庫補助対象事業による整備動向を適切に把握し、重点分野に対する貸付が優先されているか。
 医療貸付においては、中長期の需要動向の事前予測として全国の民間病院全てを対象とした「病院の施設整備動向調査」を実施し、48%の回収率をもって整理した。医療法の改定による一般病床・療養病床の本格的な届け出、今後の医療計画策定に係る病床算定方法等の議論の前に実施したので、今後の医療政策等の環境変化により、その結果は変動が予想されるものであるが、調査直近の平成16年度需要については、これら要素には左右されないものと考えられたので、平成16年度予算要求書の補足資料とした。
 「福祉貸付における重点分野への貸付」については、政策目標推進への貢献の項のとおり
  【民間資金の活用策】
民間金融機関との協調融資のあり方等についてどのような検討が行われ、民間資金の一層の活用を促す方向で適切な改善策が実施されたか。
 既に協調融資制度を導入している政策金融機関の実態調査の実施に加え、民間金融機関に対するヒアリング調査を実施した。
 これらの調査の結果を検討したことに加え、協調融資制度の導入方式の素案を策定し、導入に向けての具体的な検討まで着手することができた。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 福祉医療貸付事業
 福祉医療貸付事業
 福祉医療貸付事業
(2)  業務の質の向上に関する事項
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとった措置
 審査業務の迅速化により、特殊異例な案件を除き、借入申込み受理から貸付内定通知までの年平均所要期間を、中期目標期間中に福祉貸付については4か月以内に、医療貸付については3か月以内に短縮すること。
 相談・審査体制の強化、審査方針の見直し、事務の合理化等により審査業務の迅速化を進め、審査期間に関する中期目標を達成する。
 相談体制の強化、審査方針の見直し、事務の合理化等により、審査期間に関する中期目標の達成を念頭に置きつつ、審査業務の迅速化に努める。
 相談体制の強化を図るため、大阪支店に融資相談課を設置し、福祉貸付部においては、融資相談係を設けた。
 また、審査業務の迅速化を図る観点から、文書処理規程を改正し、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設に係る承認者区分を見直し、決裁権限を引き下げ委譲するとともに、医療貸付においては、一部持ち回りによる担当部長・支店長承認とし、審査承認手続を効率化した。
 さらに、借入申込受理案件を月次で整理し、業務の進行管理を行うことにより、審査状況、未審査状況及び特殊異例案件状況の把握に努めた。
 その結果、平成15事業年度は半年間の実績ではあったが、借入申込み受理から貸付内定通知までの平均所要期間については、福祉貸付においては99日、医療貸付においては75日で処理を行った。
 貸付契約締結後の資金交付については、請求内容の不備が著しいもの等を除き、請求後20営業日以内に行うこと。
 資金交付業務の迅速化を図ることにより、資金交付時期に関する中期目標を達成する。
 資金交付時期に関する中期目標の達成を念頭に置きつつ、資金交付業務の迅速化に努める。
 資金交付業務の迅速化については、契約・交付の進行管理の徹底、請求書の記載内容・添付書類の点検や条件不備への速やかな対応に努め、福祉貸付事業にあっては交付回数を増やし、事務処理の簡素化等を図った。
 さらに、契約・交付手続きの解説を冊子として整理し貸付予定者へ配付することにより、制度周知も実施した。
 その結果、福祉貸付事業は1,007件、医療貸付事業は846件、すべてにおいて20営業日以内に資金交付を行った。
 借入申込み書類の簡素合理化等により、利用者の事務手続き負担の軽減を図ること。
 利用者の事務手続負担の軽減を図るため、借入申込み書類を簡素合理化する。
 現行の借入申込書類の記載事項や様式の見直しに着手する。
 現行の借入申込書類の記載事項や様式の見直しに着手した結果、福祉貸付においては、国庫補助事業を前提とした融資であることを踏まえ、多重な負担をかけていた申込書作成事務を軽減させる観点から、福祉貸付単独申込み用の借入申込書を作成するほか、各種様式及び添付書類の見直しを行い、平成16事業年度から用いることとした。
<添付資料:貸付8>
 相談窓口の体制整備や受託金融機関への業務指導の徹底により、契約前の利用者サービスの向上を図ること。
 契約前の利用者サービスを向上させるため、相談窓口の体制を充実するとともに、受託金融機関への業務の指導を強化する。
 相談窓口の体制整備の一環として、全国数か所で融資相談会を開催する。
 相談窓口の体制整備の一環として、次のとおり融資説明会及び融資相談会を実施した。
(1)  福祉貸付
 平成16年度に社会福祉法人を創設して借入申込を希望している者を対象とした融資説明会及び相談会を開催した。

区分 開催日 開催地 参加
法人数
相談
件数
東日本 H16.2.19
〜20
機構
東京本部
153法人 81件
西日本 H16.2.26
〜27
大阪市 125法人 36件
    278法人 117件


(2)  医療貸付
 平成16年度に医療関係施設・介護老人保健施設の整備を計画して借入申込を希望している者を対象とした個別融資相談会を開催した。
区分 開催日 開催地 件数 備考
北海道
ブロック
H16.2.26
〜27
札幌市
病院  5件
老健  4件
9件
東北
ブロック
H16.3.9
〜10
仙台市
病院  7件
老健  5件
その他 1件
13件
関東
ブロック
H16.3.4
〜5
機構
東京本部
病院  7件
老健  22件
29件
東海
ブロック
H16.3.2
〜3
名古屋市
病院  1件
老健  8件
9件
関西
ブロック
H16.3.8
〜9
機構
大阪支店
病院  3件
老健  7件
10件
中四国
ブロック
H16.3.11
〜12
岡山市
病院  10件
老健  6件
その他 1件
17件
九州
ブロック
H16.3.3
〜4
福岡市
病院  4件
老健  7件
その他 1件
12件
   
病院  37件
老健  59件
その他 3件
99件
評価の視点
自己評定
評定
  (理由及び特記事項)  
  【相談体制の強化及び審査業務迅速化】
 短縮化は予想を上回るものだと評価でき、サービス向上が顕著である。
 迅速化を図れたこと、説明会・相談会の実施等が成果を上げている。
 進行管理体制を確立(改善)した結果、質の確保を図りつつ期間短縮が図られたという説明であり、理解できた。
 最も重要なことは、業務の質を維持・向上しつつ業務を効率化することであり、審査業務の質の確保ができなければならない。
 目標の立て方が不明で、低いレベルから見ている。
相談体制の強化、審査方針の見直し、事務の合理化等がどのように実施されたか。
審査期間に関する適切な業務管理に基づき審査業務の迅速化が進められ、中期目標が達成されたか。
 なお、特殊異例な案件については、その事情を考慮し評価対象から除外する。
 借入申込み受理から内定通知までの平均所要期間については、相談・審査体制の強化、事務の進行管理の徹底、審査承認手続きの効率化等を図った結果、福祉貸付の目標値「4か月以内」、医療貸付の目標値「3か月以内」を、ともに大幅に上回る実績を上げた。
  【資金交付業務の迅速化】
資金交付期間に関する適切な業務管理に基づき資金交付業務の迅速化が進められ、中期目標が達成されたか。
 なお、請求内容の不備が著しいもの等については、評価対象から除外する。
 資金交付業務迅速化については、進行管理の徹底、事務処理の簡素化、制度周知等を図るとともに、資金交付回数を増やした結果、福祉貸付、医療貸付ともに資金交付を行ったすべての案件について20営業日を超えたものはなく、中期目標の目標数値を達成できた。
 さらに制度周知のため、契約・交付手続きの解説を貸付予定者に配布したことで請求内容の不備が軽減したことは、施設整備の煩瑣な各種手続き(補助金整備、各種許認可関係等)において、利用者の事務手続きの一助となったと考えられる。
  【借入申込書類等の見直し】
借入申込書等について、以前と比較して、どの程度簡素合理化が図られているか。
 利用者の事務手続負担の軽減を図る観点から、現行の借入申込書類の記載事項や様式の見直しに着手した結果、利用者サービスの向上や審査事務の迅速化を図る観点から、国庫補助制度を前提とした融資である福祉貸付においては、国庫補助協議と重複する事項等について見直しを行うなど借入申込書様式及び添付書類の簡素合理化を行い、平成16事業年度から速やかに実施することによって平成15事業年度の計画を上回る成果を上げた。
  【相談窓口体制整備の一環としての融資相談会等の開催】
相談窓口体制が充実されたか。
受託金融機関への業務指導が強化されたか。
その他、契約前の利用者サービスの向上のために何か改善が図られたか。
 福祉貸付については、平成15年度創設法人からの借入申込受理件数は301件となっており、今回参加した法人数278は、平成16年度予定の全数に近く、平成16事業年度の借入申込相談業務処理に寄与した。
 医療貸付については、利用者の借入申込みを前提に、法人の財務状態・収支状況を基に、事業計画・資金計画、収支償還確実性といった計画の妥当性とともに、担保・保証人についても相互に確認しながら、今後の事業者の施設運営を勘案した融資相談を行っている。
 これまで、医療貸付の融資相談は、東京と大阪の機構事務所で対応していたが、全国を網羅する融資相談会を平成15年度より開催した結果、利用者の移動距離・時間が短縮され、各地の医療貸付資金利用者のサービス向上につながった。
 また、効率的な融資相談会の開催により、直接貸付の年間相談件数の平均約300件に対し、その3分の1の件数を集中的に実施することができた。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 福祉医療経営指導事業
 福祉医療経営指導事業
 福祉医療経営指導事業
 福祉医療経営指導事業
 福祉医療経営指導事業(集団経営指導(セミナー)、個別経営診断及び開業医承継支援事業)については、民間の社会福祉施設、医療施設の経営者に対し、公的な立場から経営に関わる正確な情報や有益な知識を提供し、あるいは経営状況を的確に診断することにより、福祉、介護、医療サービスを安定的かつ効率的に提供できる施設の経営を支援するため、以下の点に特に留意してその適正な実施に努めること。  福祉医療経営指導事業(集団経営指導(セミナー)、個別経営診断及び開業医承継支援事業)については、民間の社会福祉施設、医療施設の経営者に対し、公的な立場から経営に関わる正確な情報や有益な知識を提供し、あるいは経営状況を的確に診断することにより、福祉、介護、医療サービスを安定的かつ効率的に提供できる施設の経営を支援するため、以下の点に特に留意してその適正な実施に努める。  福祉医療経営指導事業(集団経営指導(セミナー)、個別経営診断及び開業医承継支援事業)については、民間の社会福祉施設、医療施設の経営者に対し、公的な立場から経営に関わる正確な情報や有益な知識を提供し、あるいは経営状況を的確に診断することにより、福祉、介護、医療サービスを安定的かつ効率的に提供できる施設の経営を支援するため、以下の点に特に留意してその適正な実施に努める。  福祉医療経営指導事業(集団経営指導(セミナー)、個別経営診断及び開業医承継支援事業)については、民間の社会福祉施設、医療施設の経営者に対し、公的な立場から経営に関わる正確な情報や有益な知識を提供し、あるいは経営状況を的確に診断することにより、福祉、介護、医療サービスを安定的かつ効率的に提供できる施設の経営を支援するため、以下の点に特に留意してその適正な実施に努めた。
(1)  業務運営の効率化に関する事項
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとった措置
 集団経営指導については、開催方法の工夫等による効率化や適正な受講料の設定に努めること。
 集団経営指導については、適正な受講料を設定するとともに、必要に応じ開催経費等の見直しを行うなど効率化を図りながら、最低限実費相当経費を自己収入で賄う。
 また、地方における福祉・医療両経営セミナーの同時期、同一場所での開催等を含め、開催の時期、場所等を工夫することにより、効率的な開催・運営を行う。
 集団経営指導については、当面現行の水準で受講料を徴収するとともに、会場借料、謝金、旅費、印刷製本費及び通信運搬費を、受講料収入で賄うこととする。
 集団経営指導については年度の上期と下期で対象者が異なり、上期に安定した受講者数、収支状況が見込める新設法人・施設開設者向けのセミナーを開催し、下期に既設法人・施設向けのセミナーを開催している。平成15事業年度は半年間であったが、セミナーの実施計画は年度を基本としていることから、通年で整理することとし、平成15年度通年における集団経営指導に係る収支状況については、次のとおりである。
 受講料収入  30,600千円
 開催必要経費  25,112千円

 差引き  5,488千円
 個別経営診断については、実地調査を伴うもの及び償還の緩和申請や経営安定化資金の融資申請に義務付けられているものを除き、事務処理の迅速化により、申込書の受理日から報告書の提示までの期間を中期目標期間の平均で60日以内に短縮すること。
 個別経営診断については、必要に応じ経営診断・指導マニュアルの見直し等を行って事務処理の迅速化を図ることにより、所要日数に関する中期目標を達成するとともに、最低限実費相当経費を自己収入で賄う。
 個別経営診断については、案件の難易度に応じ事務処理体制を見直すことにより、処理日数の短縮化を図るとともに、料金収入で賄う実費相当経費の範囲を明確化する。
 個別経営診断については、平成15事業年度に実施したすべての診断先において60日以内(平均57.1日)に報告書を提示した。
 また、個別経営診断における料金収入で賄う実費相当経費の範囲については、原則として、
経営診断パンフレット作成費
経営診断事業に必要な文献収集費
経営診断事業に必要な施設等実態調査費
と定めた。ただし、実地調査を伴うもの及び償還の緩和申請や経営安定化資金の申請に義務付けられているものは除くこととする。
評価の視点
自己評定
評定
  (理由及び特記事項)  
  【集団経営指導の収支相償】
 500万円以上の黒字を上げ、処理日数を短縮している。
 集団経営指導の収支相償について、計画を達成した。
セミナー受講料収入によりセミナー開催経費が賄われているか。
セミナーの効率的な開催・運営のため、どのような工夫がなされたか。
 平成15事業年度は半年間であったが、年度を基本としたセミナーの実施計画を考慮して通年で整理すると、集団経営指導収支状況については、開催に必要な経費を受講料収入で十分に賄うことができた。
  【個別経営診断の処理日数の短縮化】
申込書受理日から報告書提示までの所要期間が中期目標を達成しているか。
実費相当経費が自己収入で賄われているか。
 平成15事業年度に実施した個別経営診断18件のうち、償還の緩和申請や経営安定化資金の申請に義務付けられているものを除く16件の申込書受理から報告書の提示日までの期間については、決裁区分の見直し等事務処理の迅速化を図り、目標管理を徹底したことにより、実施した16件全てにおいて中期目標に定められた60日以内で処理することができた。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 福祉医療経営指導事業
 福祉医療経営指導事業
 福祉医療経営指導事業
(2)  業務の質の向上に関する事項
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとった措置
 経営指導業務の質の向上を図るため、担当部門の調査研究能力の充実強化に努めること。
 経営指導業務の質の向上を図るため、調査研究能力の充実強化のための体制づくりを行うとともに、担当職員の資質向上を図る。また、調査研究の成果のうち施設経営の参考指標については、その対象施設の種類を中期目標期間中に4種類以上に増加させる。
 経営指導業務の質の向上を図るため、福祉・医療施設等の実態調査、外部セミナーへの参加及び外部機関が発行する資料の収集を行い、担当職員の専門能力を向上させる。また、調査研究能力の充実強化に配慮した組織改正を平成15年10月1日付けで実施する。
 経営指導業務の質の向上及び担当職員の専門能力の向上を図るため、次のような取組みを行った。
(1)  特定施設入所者生活介護の指定を受けているケアハウス(2施設)及びユニットケアを実施している特別養護老人ホーム(1施設)への訪問調査を行った。
(2)  平成16年2月に医療法人の理事長を講師に招き、「医療施設経営から地域ニーズに対応した介護事業への展開」をテーマとした研修会を実施した。
(3)  情報収集の一環として、これまでの情報誌14部に加え、新たに福祉・医療関連の機関紙3部の定期購読を開始した。
 また、調査研究能力の充実強化を目指し、調査室の保有するデータやノウハウを共有することにより、新たな経営指標の作成等の検討に活用するため、情報調査部の調査広報課の調査機能を企画指導部に移管し調査室を設けた。
 集団経営指導については、セミナー利用者の受講機会を確保するため、中期目標期間の平均で遅くとも実施2か月前までに開催内容を告知すること。
 また、中期目標期間中においては、国の政策、方針により受講対象者が変動する法人・施設開設者向けのセミナーを除き、中期目標期間中の延べ受講者数を、9,600人以上とすること。
 集団経営指導については、セミナーの開催の時期、場所、回数、内容等に係る関係者との調整を迅速に行うとともに、開催告知内容等を工夫し、事前告知に関する中期目標を達成する。
 また、アンケート調査の実施により受講希望者のニーズの把握に努め、開催の時期、場所、回数、内容等を工夫し、セミナーを毎年17回程度開催することにより、受講者数に関する中期目標を達成するとともに、アンケート調査における受講者の満足度指標を65ポイント以上にする。
 集団経営指導については、告知までの事務処理の迅速化を図ることにより、実施2か月前までの開催告知に努める。
 福祉セミナーを東京、仙台、名古屋、岡山、福岡の5か所で計6回、医療セミナーを東京、大阪、福岡の3か所で計6回開催するとともに、アンケート調査における受講者の満足度指標65ポイント以上、延べ受講者数1,600人以上の確保に努める。
 集団経営指導については、平成15事業年度に12回のセミナーを開催し、開催2か月前(平均73.8日前)までにホームページ等で告知を行うとともに、延べ受講者数1,722人(法人・施設開設者向けのセミナーを除く。)、受講者の満足度指標65.8ポイントを確保した。また、アンケートにより得た受講者からの意見・要望等については、次回以降のセミナーに反映させることとした。
(注)  満足度指標とは、非常に満足100ポイント、満足75ポイント、普通50ポイント、やや不満足25ポイント、不満足0ポイントを与え、これとそれぞれの回答数を用いて算出された平均ポイント数である。
<添付資料:経営指導1>
 個別経営診断については、社会福祉や医療の制度変更、経営環境の変化等による経営者のニーズを的確に把握し経営診断の対象拡大又は診断手法の確立を行うこと。
 個別経営診断については、関係団体のセミナーで個別経営診断事業をPRする等、事業の広報宣伝を充実強化することにより、中期目標期間中の延べ診断件数を150件以上とする。また、利用者ニーズに対応して診断手法の改善に努めるとともに、支援費対象施設を経営診断対象に追加するため、経営指標の策定、診断手法の確立等に関する年次計画に基づき、段階的に導入する。
 個別経営診断については、14件以上の実施に努める。また、「医療経営指導事業の見直しに関する研究会」等において経営診断・指導手法の改善について検討する。
 個別経営診断については、福祉施設6件(特別養護老人ホーム5件、ケアハウス1件)、医療施設12件(病院8件、介護老人保健施設4件)の計18件の診断を実施した。
 また、「医療経営指導事業の見直しに関する研究会」については、平成15年9月30日付けで中間報告をとりまとめ、以降は厚生労働省主催の「医療施設経営安定化推進事業」の検討会に当機構からも参画して、引き続き検討を行った。(計3回)
 さらに経営診断手法の改善等に向けた取組みとして、特別養護老人ホームに関して、新たな指標の開発に着手するとともに、介護老人保健施設及び特別養護老人ホームに関して共通した「経営指標」や各々施設の特性に応じた「経営指標」の仕分けを行った。
 開業医承継支援事業について中期目標期間中における紹介件数の総数を135件以上とするとともに、譲渡希望及び開業希望の登録後のフォローアップ・サービスを充実強化すること。
 開業医承継支援事業については、雑誌広告や地区医師会等に対するポスター掲示依頼など広報宣伝を充実強化することにより、紹介件数に関する中期目標を達成する。また、登録者のニーズに対応し、インターネットを通じた情報提供等を行うことにより、フォローアップ・サービスの充実強化に努める。
 開業医承継支援事業については、雑誌広告などの広報宣伝により、紹介件数を15件以上確保するよう努める。また、登録者に対するフォローアップ・サービスとして、譲渡希望医の物件案内についてメール配信サービスを行う。
 開業医承継支援事業については、医療関係誌、医師会雑誌への広告掲載により制度の周知を図り、紹介を36件実施した。
 また、登録者に対するフォローアップ・サービスとして譲渡希望医の物件案内を登録する開業希望医全員に毎月1回郵送しているが、メール配信希望者については、メール配信サービスを実施した。(郵送登録者370名、メール配信登録者40名)
評価の視点
自己評定
評定
  (理由及び特記事項)  
  【職員の専門能力向上及び企画研究能力強化のための組織改正】
 受講者は目標を大幅に上回り、平均満足度指標は目標と同等か上回る程度、その他は目標を上回る程度であると思われる。
 医療と福祉の一本化による社会情勢への適合に充分な基礎努力が払われ、実績が積み上げられ始めている。
調査研究能力の充実強化のため、どのような体制づくりが行われたか。
職員の資質向上に向け、どのような取り組みがなされているか。
公表した施設経営の参考指標の対象施設の種類について中期計画の数値を達成しているか。
 なお、経営参考指標については、対象施設の決算処理に起因するデータの信頼性の問題で、参考指標にまとめることが困難な場合は、その事情を考慮する。
 施設調査を実施したことにより、社会福祉施設の経営の現状と問題点などを把握し、経営指導・診断業務に係るノウハウの強化を図ることができた。
 外部から講師を招いての研修会、外部機関からの情報収集の強化を実施したことに加え、外部のセミナーに職員を講師として派遣した。
 さらに組織改正により、経営指導業務の質の向上につなげるため、それまで福祉と医療で分かれていた経営指導室を経営指導課に一本化し、これまで福祉、医療各々別に実施していた経営診断会について、合同で開催することで、福祉医療を相互的にとらえた知識を養うことにより、担当職員のより一層の専門能力の向上を図った。
  【集団経営指導の開催実績】
セミナーの開催告知について、中期目標に定められた期間内にホームページへ掲載できたか。
セミナーの受講者数について、中期目標の数値を達成しているか。
受講者へのアンケート調査の結果、満足度指標が中期計画の数値を達成しているか。
 セミナー開催に係る告知については、目標管理を徹底して取り組んだ結果、中期目標に定められた「実施2か月前」に対して2週間程度早めることができた。
 また、延べ受講者数については、年度計画で目標とした人数の7.6%増となった。
 さらに、受講者へのアンケート調査の満足度指標についても、中期計画の目標値である65ポイントを上回る数値を確保したとともに、アンケートの結果を次回以降のセミナーに反映させることとした。
 以上のとおり、セミナー開催にかかる全ての項目について、年度計画を達成することができた。
  【個別経営診断の診断実績及び診断手法の改善】
個別経営診断について、延べ診断件数が中期計画の数値を達成しているか。
経営者のニーズに対応して、経営診断の対象拡大や診断手法の確立等に向けてどのような取り組みが行われたか。
 個別経営診断については、年度計画で目標とした件数の28%増となった。
 厚生労働省主催の検討会に参画し、専門家の意見等を聴取するとともに、今後の経営診断手法の改善等に向けた取組みを行った。
 以上は平成15年度計画で想定した取組みであるが、これに加え、組織改正で経営指導課を一本化したことに伴い、これまで福祉と医療の経営指標について整合が取れていなかった経営指標の見直しにも取り組むことができた。
  【開業医承継支援事業の実績及びフォローアップ・サービス】
紹介件数について、中期目標の数値を達成しているか。
インターネットを通じた情報提供等、フォローアップ・サービスの充実強化のための取り組みがなされたか。
 開業医承継支援については、目標管理を徹底するとともに、ユーザーへ積極的にアプローチしニーズに対応したことで、年度計画で目標とした紹介件数の140%増と目標を大幅に上回る件数を達成することができた。
 登録者に対するフォローアップ・サービスの充実強化の一環としてメール配信サービスを新たに実施したことにより、潜在化していたニーズの掘り起こしにつながり、高い達成率となった。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 長寿・子育て・障害者基金事業
 長寿・子育て・障害者基金事業
 長寿・子育て・障害者基金事業
 長寿・子育て・障害者基金事業
   長寿・子育て・障害者基金事業については、国から出資を受けた長寿・子育て・障害者基金の運用益を用いて、独創的・先駆的な活動など民間の創意工夫を活かしたボランティア団体等における自発的な福祉活動に対し、次に掲げる方針の下で、効果的に資金助成を行うことにより、多様な福祉ニーズに対応できる社会環境の醸成に努めること。
   長寿・子育て・障害者基金事業(以下「基金事業」という。)においては、国から出資を受けた長寿・子育て・障害者基金の運用益を用いて、独創的・先駆的な活動など民間の創意工夫を活かしたボランティア団体等における自発的な福祉活動に対し、次に掲げる方針により本中期目標期間内における基金事業を実施し、効果的に資金助成を行うことにより、多様な福祉ニーズに対応できる社会環境の醸成に努めることとする。
   長寿・子育て・障害者基金事業(以下「基金事業」という。)においては、国から出資を受けた長寿・子育て・障害者基金の運用益を用いて、独創的・先駆的な活動など民間の創意工夫を活かしたボランティア団体等における自発的な福祉活動に対し、次に掲げる方針により、平成14事業年度分の助成事業の適切な評価、平成15事業年度分の助成事業の適正な実施、並びに平成16事業年度分の助成事業の募集及び選定の適正な実施に努めることとする。
   長寿・子育て・障害者基金事業(以下「基金事業」という。)においては、国から出資を受けた長寿・子育て・障害者基金の運用益を用いて、独創的・先駆的な活動など民間の創意工夫を活かしたボランティア団体等における自発的な福祉活動に対し、次に掲げる方針により、平成14事業年度分の助成事業の適切な評価、平成15事業年度分の助成事業の適正な実施、並びに平成16事業年度分の助成事業の募集及び選定の適正な実施に努めた。
(1)  国における社会福祉施策の推進とあいまって、高齢者・障害者の在宅福祉と生きがい・健康づくり、子育て支援、障害者の社会参加等、社会福祉の振興を図ること。
 その際、助成団体としての専門性・自主性を発揮して、民間福祉活動の推進が必要な分野に資金助成が適切に行われるように配慮すること。
 その中で、専門的助成団体として、地域における独創的・先駆的事業への助成について、国の政策の動向や事業評価の結果も踏まえ、毎年度4分野以上重点助成分野を設け、優先的に助成を行うこと。
(1)  長寿社会福祉基金、高齢者・障害者福祉基金、子育て支援基金及び障害者スポーツ支援基金の4基金により、高齢者・障害者の在宅福祉と生きがい・健康づくり、子育て支援、障害者の社会参加等様々な民間福祉活動からの資金助成ニーズに対応していく。
 なお、この場合、次の点に留意する。
(1)  長寿社会福祉基金、高齢者・障害者福祉基金、子育て支援基金及び障害者スポーツ支援基金の4基金により、高齢者・障害者の在宅福祉と生きがい・健康づくり、子育て支援、障害者の社会参加等様々な民間福祉活動からの資金助成ニーズに対応していく。
 なお、この場合、次の点に留意する。
(1)  平成16事業年度分の助成事業の選定に当たっては、我が国を代表する福祉や医療の専門家にNPO活動や評価の専門家を加えた、外部有識者からなる基金事業審査・評価委員会(以下「審査・評価委員会」という。)を設置し、同委員会において、「平成16年度における長寿・子育て・障害者基金助成事業の選定方針(以下「選定方針」という。)」を策定の上、選定を行った。
<添付資料:基金1・基金2>
 
 各基金の助成分野に跨る活動や従来の枠を超えた新しい活動に対しても助成対象としていくよう努める。
 
 世代間交流を内容とする事業や幅広い者を対象とする事業など、必ずしも従来の枠に留まらない新しい事業に係る要望についても、行政施策や地域のニーズの動向等を踏まえ、積極的に助成する方向で選定するとともに、関係方面に広報する。
 
 従来の枠に留まらない新しい事業については、その幅広い助成に努めることを機構のホームページ等を通じて周知するとともに、選定方針において、「多種多様に展開される民間福祉活動に幅広く対応できるよう、基金の助成分野では複数にわたる事業や従来の枠を超えた新しい事業を積極的に対象とすること」を明記し、選定を行った結果、福祉活動の振興にとどまらず、保健医療との連携に取り組む事業や併せて地域社会の再構築に取り組む事業、事業の対象者を基金の別にとらわれることなく、幅広くとらえて取り組む事業など12事業を採択した。
<添付資料:基金3>
 
 民間福祉活動の専門的助成団体としての戦略的視点に立ち、事業評価の結果も踏まえ、地域における特定非営利活動法人などによる民間福祉活動の育成・支援の観点から、重点的助成分野を設定するなど、特に必要な分野に適切かつ重点的に助成を実施していく方策を検討し、可能なものから実施することにより、重点分野に関する中期目標を達成する。
 
 平成16事業年度分の募集にあたり、4基金のそれぞれにつき、国の政策方針等を勘案した重点助成分野を設定し、その重点助成分野に該当する要望について優先的に採択する。
 
 重点助成については、平成16事業年度分の募集に当たり、募集要領に4基金で5項目の重点助成分野を設定した上で、その旨を機構のホームページや社会福祉協議会を通じて周知するとともに、選定方針において「重点助成分野に関する助成事業を優先的に選定すること」を明記し、選定を行った結果、88事業を採択した。
<添付資料:基金4>
 
 民間福祉活動育成という趣旨に鑑み、地域における独創的・先駆的事業及び地域の実情に即したきめ細かな事業については、事業継続の能力及び意向の確認を重視した審査を行うことにより、中期目標期間内において、平均して80%以上の助成団体において助成終了後も事業が継続されるようにするものとする。
 
 民間福祉活動育成という趣旨に鑑み、地域における独創的・先駆的事業(特別分)及び地域の実情に即したきめ細かな事業(地方分)については、事業継続の能力及び意向の確認を重視した審査を行うことにより、平成16事業年度分の助成事業の80%以上につき、助成終了後も当該団体において事業が継続されるようにするものとする。
 
 平成16事業年度分の助成事業の選定に当たっては、選定方針において、事業継続の能力及び意向を重視した審査を行うことを明記し、助成事業を選定した。
 なお、平成16事業年度分の助成事業の事業継続状況の確認については、事業終了後1年以上継続していることを確認するため、平成18事業年度のフォローアップ調査において実施することとしている。
評価の視点
自己評定
評定  

助成対象先の選定に当たっては、従来の枠を超えた新しい活動を助成対象としているか。
重点助成分野の設定数は中期目標を達成しているか。
地域における独創的・先駆的事業及び地域の実情に即したきめ細かな事業については、助成終了後も事業を継続している助成団体割合が中期計画の数値を達成しているか。(助成事業実施の翌々年度に測定)
(理由及び特記事項)
 第2−3−(2)イ(イ)の実績で評価
 


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 長寿・子育て・障害者基金事業
 長寿・子育て・障害者基金事業
 長寿・子育て・障害者基金事業
(2)  全国的な活動から地域の実情に即したきめ細かな活動、あるいは独創的・先駆的な活動など、多種多様に展開される民間福祉活動に幅広く対応することとすること。
 このため、中期目標期間内において、地域における特定非営利活動法人等による活動の育成・支援に特に留意すること。
(2)  全国的な活動、地域におけるきめ細かな活動、そして独創的・先駆的活動のそれぞれへの助成の募集及び選定の方針及び方法につき、適宜見直しを行い、多様なニーズに適切に対応できる助成となるよう努め、助成のうち70%以上は、地域において特定非営利活動法人等が実施する独創的・先駆的事業や地域の実情に即したきめ細かな事業に助成するものとする。
(2)  平成16事業年度分の助成事業の選定において、地域における特定非営利活動法人等による活動の育成・支援に特に留意し、そのうち70%以上は、地域において特定非営利活動法人等が実施する独創的・先駆的事業や地域の実情に即したきめ細かな事業に助成するものとする。
(2)  基金事業は、全国的な規模で効果を期待できる事業を助成する「一般分」助成、独創的・先駆的事業を助成する「特別分」助成及び地域におけるきめ細かな事業を助成する「地方分」助成からなるが、平成16事業年度分の助成事業の選定に当たっては、助成事業の選定方針において、「地域における独創的・先駆的事業や地域の実情に即したきめ細かな事業を推進すべく、特別分助成事業及び地方分助成事業の占める割合が70%以上を占めるよう配慮すること」を明記し、選定を行った。
 その結果、採択した全助成事業766事業のうち、特別分助成事業は62事業、地方分助成事業は556事業、両事業の合計は618事業となり、両事業件数が全助成事業件数に占める割合は80.7%に達した。
<添付資料:基金5>
評価の視点
自己評定
評定  

総助成件数に占める特定非営利活動法人等が実施する独創的・先駆的事業及び地域の実情に即したきめ細かな事業への助成件数の割合が中期計画の数値を達成しているか。
(理由及び特記事項)
 第2−3(2)イ(イ)の実績で評価
 


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 長寿・子育て・障害者基金事業
 長寿・子育て・障害者基金事業
 長寿・子育て・障害者基金事業
(3)  整理合理化計画に基づき、助成した事業の事後評価の実施、評価結果を反映した資源配分を実施すること。
(3)  全助成事業を対象として事後評価を実施し、その成果を、事業の採択及び基金事業運営の改善に活かしていくことにより、評価結果を反映した資源配分を実施する。
(3)  平成14事業年度分の全助成事業を対象とした事後評価を実施し、その成果をまとめ、平成16事業年度分の助成事業の選定及び平成17事業年度分の募集要領の策定に反映する。
(3)  800事業を超える平成14事業年度分の全助成事業を対象に、初めて本格的な助成事業の事後評価に取り組んだ。
 事後評価の実施に当たっては、助成団体において自己点検・自己啓発の機会を持つという意味も込めて、まず、事業の目標や計画の達成度について、助成団体による自己評価を求め、実施した。
   このため、以下の点に特に留意してその適正な実施に努めること。
   このため、以下の点に特に留意してその適正な実施に努めることとする。
   このため、以下の点に特に留意してその適正な実施に努めることとする。
   その上で、事業の実施体制、プロセス、成果に加えて、事業目標や計画そのものについての評価も含めた、事業全体に関する総合評価を、審査・評価委員会(評価部会)及び機構事務局によるヒアリング評価並びに機構事務局による完了報告書等に基づく書面評価により重層的に実施し、多角的な視点から精力的に評価を行った。
 事後評価の成果については、中間取りまとめとして、平成15年12月、「平成16年度助成事業の選定に当たっての留意事項」が取りまとめられ、その内容が、平成16年度助成事業の選定方針の策定に反映され、平成16事業年度分の助成事業の選定に当たっては、これらを踏まえた事業選定が行われた。
 また、平成16年3月に取りまとめられた最終報告、「平成14年度助成事業に関する事後評価報告書」(以下「事後評価報告書」という。)においては、平成17事業年度分助成事業の募集要領等の策定に当たって反映させるべき提言がまとめられ、平成16年夏に予定されている同募集要領の見直しにおいてその反映を図ることとした。
<添付資料:基金6・基金7・基金8>
評価の視点
自己評定
評定  

事後評価の成果が、資源配分に適切に反映されているか。
(理由及び特記事項)
 第2−3−(2)イ(ウ)の実績で評価
 


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 長寿・子育て・障害者基金事業
 長寿・子育て・障害者基金事業
 長寿・子育て・障害者基金事業
(1)  業務運営の効率化に関する事項
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとった措置
 基金の運用については、安全かつ確実な方法による運用を基本としながらも可能な限り運用効率を高めるよう努めること。
 以下の措置を講じることにより、中期目標期間における助成が効率的かつ安定的なものとなるよう努める。
(ア)  本中期目標期間内の各年度における各基金の運用益、助成額等について、一定の前提の下に中期助成計画を策定し、金融情勢の変動を踏まえ、定期的にその見直しを行う。
 中期助成計画及び金利情勢を踏まえ、平成16事業年度分の事業計画及び運用計画を策定する。
 平成15年12月の長寿・子育て・障害者基金資金運用委員会及び平成16年3月の審査・評価委員会の審議等を経て、平成16事業年度分の事業計画及び運用計画を策定し、平成16事業年度分の助成事業を選定した。
<添付資料:基金9>
 
(イ)  安全かつ確実な方法による運用を基本としながらも、経済情勢や市場状況に関する情報を不断に把握し、適切な運用資産及び金融機関の選択に努めることにより可能な限り運用効率を高める。
 基金の運用については、安全かつ確実な方法を基本としながらも、経済情勢や市場状況に関する情報を不断に把握し、適切な運用資産及び金融機関の選択に努めることにより可能な限り運用効率を高める。
 また、新しい金融商品の開発・普及動向に留意し、基金の運用に適していると認められる金融商品があれば、積極的にその導入に向け検討する。
 基金の運用に当たっては、財投機関債を中心とした運用を行い、再運用した105億円について、長期金利の指標である国債の平均利回り1.3%を0.3%上回る実績をあげた。
 また、通常の情報収集に加えて、平成15年11月に証券会社セミナーへ職員を派遣するとともに、平成16年1月及び2月の2回にわたり証券会社の主任エコノミストを招へいした勉強会を開催し、最新の金融情勢や市場状況に関する情報収集に努めた。
<添付資料:基金10>
 助成金の交付申請の受理から交付決定までの所要期間について、事務処理の効率化を図り、申請内容の不備などを除き、中期目標期間最終年度において平均で30日以内で処理するよう努めるものとする。
 助成金の交付申請の受理から交付決定までの所要期間について、事務の合理化等により、毎年度計画的に縮減に努め、所要期間に関する中期目標を達成する。
 平成15事業年度分の助成金の交付申請の処理について、受理から交付決定までに要した平均所要期間を検証し、更に処理の迅速化を図るための方策について検討する。
 平成15事業年度分の助成金の交付申請処理については、平成15事業年度途中に独立行政法人へ移行したことに伴い、事業団の間に処理の殆どが終了していたため、事業団当時における事務処理日数等を用いて平均所要期間の検証を実施するとともに、処理の迅速化に向けて、手続きに時間を要した要因分析等を行った。(一般分48.7日、特別分50.2日、地方分44.4日)
 なお、事業団当時の事務処理日数は、申請書類の不備等を補正するために長期を要した事例も含めた日数である。
 また、日数短縮の障害となる申請内容不備の減少を図るための取組みとして、別途に実施した電子申請に関するニーズ等調査において、併せて申請書の様式や添付書類に関する調査項目を設け、助成団体等の意見を求めるとともに、申請事務の円滑化を図るため、平成16事業年度分の交付申請に向け、助成事業の事務手引き(団体用)の見直しを実施した。
<添付資料:基金11>
評価の視点
自己評定
評定
  (理由及び特記事項)  
  【平成16事業年度分の事業計画及び運用計画の策定】
 中期目標第3の3の(1)のイの30日以内という目標は達成していないものの、それ以外は中期計画、評価の視点の水準を満たしている、あるいは上回る水準であると考える。
 先駆的、開拓的事業への支援として、ユニークな助成事業として評価したい。さらに、助成事業の成果を広く広報し、効果性を活用してほしい。
年度ごとの事業計画及び運用計画が策定されているか。
金融情勢や市場状況に関する情報収集を十分に行い、運用判断に活かしているか。
 低金利が継続する厳しい運用環境を踏まえた上で、独創的・先駆的事業への助成及び地域におけるきめ細かな事業への助成を重視する方針のもと、これらの助成に重点的に資金配分することを見込んだ中期助成計画に沿って、平成16事業年度分の事業計画及び運用計画を的確に策定することができた。
 通常の情報収集に加えて、我が国を代表するエコノミストを講師に招へいした勉強会を開催するなどして、最新の金融情勢等について積極的に情報収集を行い、運用判断に活用するとともに、財投機関債を中心とした運用を行い、長期金利の指標である国債の平均利回りを上回る運用実績を上げることができた。
  【助成金交付手続きの迅速化の検討】
○助成金交付申請書受理日から交付決定日までの所要期間について、中期目標の数値を達成しているか。
 平成15事業年度分の助成金交付申請処理については、事業団の間に処理の殆どが終了していたため、平均所要期間の検証に当たっては事業団当時における事務処理日数等を用いざるを得ないという制約がある中ではあったが、中期計画における初年度として、助成金の交付申請に要する事務処理期間の実態把握に努めるとともに、処理の迅速化に向けて、手続きに時間を要した要因分析等を行うことができた。
 また、所要期間の検証にとどまらず、処理の迅速化に向けた方策の一環として申請様式等について助成団体等の意見を求める調査を実施するとともに、手続きに時間を要している主因の一つである申請内容の不備の減少を図るため、助成事業の事務手引きについて見直しを行う等の取組みを進めた。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 長寿・子育て・障害者基金事業
 長寿・子育て・障害者基金事業
 長寿・子育て・障害者基金事業
(2)  業務の質の向上に関する事項
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとった措置
 助成の仕組みや手続が国民に理解しやすく利用しやすいものとなるように、その見直しを進め、手続の簡素合理化、相談対応や広報の充実を図ることにより、活動団体の応募機会の確保及び便宜に努めること。
 助成の仕組みや手続が国民に理解しやすく利用しやすいものとなるよう、次の措置を講じる。
 助成の仕組みや手続が国民に理解しやすく利用しやすいものとなるよう、次の措置を講じる。
 助成の仕組みや手続が国民に理解しやすく利用しやすいものとなるよう、次の措置を講じた。
(ア)  助成の募集の広報を幅広く積極的に行い、周知を図るとともに、様々な相談に対応する。このため、募集要領を募集締め切りの2か月前までにホームページなどで公開する。
(ア)  助成の募集の広報を幅広く積極的に行い、周知を図るとともに、様々な相談に対応する。このため、募集要領を募集締め切りの2か月前までにホームページなどで公開する。
(ア)  募集要領等について、平成15年8月下旬にホームページに掲載するとともに、ラジオ・新聞等を通じた全国的な広報の実施や、募集チラシ57万枚の配布、厚生労働省ホームページや社会福祉協議会を通じた情報提供等により、広範に周知普及を図ることができた。
(イ)  助成の応募などの手続について電子申請の実現に向けて準備を進める。
(イ)  助成の応募などの手続について電子申請の実現に向けて準備を進める。
(イ)  電子申請の実現に向けた準備の一環として、平成15事業年度の助成団体及び都道府県等の社会福祉協議会に対し、「助成の応募手続等に係る要望状況調査」を行い、電子申請のニーズ等を調査し、その結果を取りまとめて課題の把握に努めた。
<添付資料:基金12>
 助成事業の事後評価を徹底し、その成果を、助成事業採択や基金事業運営の改善、助成団体への指導助言に活かしていくとともに、評価の高い助成事例については、広く周知を図ることにより、民間団体の活動の推進に資するとともに、有望な助成案件の把握に努めること。
 助成事業の選定及び事後評価について,外部有識者の委員会を設けて一体的に審議するとともに、以下の措置を講じる。
 助成事業の選定及び事後評価について、以下の措置を講じる。
 助成事業の選定及び事後評価について、以下の措置を講じた。
(ア)  助成事業の選定にあたっては、客観性及び透明性を確保するため、次の措置を講じる。
(ア)  外部有識者からなる「基金事業審査・評価委員会」(以下、「審査・評価委員会」という。) を設置する。
 審査・評価委員会の運営に当たっては、選定及び評価について、それぞれ部会を設け独立して審議を行うとともに、総会における議論等を通じ一体性を確保するものとする。
(ア)  機構の発足に合わせて、平成15年10月に、我が国を代表する福祉や医療の専門家にNPO活動や評価の専門家も加えた、外部有識者29名の委員からなる審査・評価委員会を設置した。
 また、審査・評価委員会の運営に当たっては、助成事業の選定を行う「審査部会」(委員15名)及び事後評価を行う「評価部会」(委員14名)を設け、それぞれ独立して審議を行うとともに、両部会合同で開催する総会における議論等を通じその一体性を確保した。
 なお、平成15事業年度においては、延べ8回の会合を開催した。
<添付資料:基金13>
(イ)  平成16事業年度分の助成事業の選定にあたっては、客観性及び透明性を確保するため、次の措置を講じる。
(イ)  平成16事業年度分の助成事業の選定に当たっては、客観性及び透明性を確保するため、次の措置を講じた。
 
 助成については、原則として単年度限りとし、全国的規模の事業については、事業の内容によっては3年間まで継続を認めるが、毎年度の事業終了後に行う事業評価の結果によっては打ち切る。
 
 助成については、原則として単年度限りとし、全国的規模の事業については、事業の内容によっては3年間まで継続を認める。
 
 外部有識者からなる審査・評価委員会(審査部会)において、中期計画及び平成14事業年度助成事業の事後評価の成果等を踏まえて、助成事業の選定方針が策定され、これに沿って事業の選定が行われた。
 
 上記委員会において、審査及び選定の方針を定め、それに基づき選定を行う。
 
 審査・評価委員会において、平成16事業年度分の助成事業の審査方針を策定し、多様なニーズに適切に対応できる助成となるよう努める。
 
 その結果、全助成事業に占める独創的・先駆的事業及び地域の実情に即したきめ細かな事業に対する助成事業の割合が、中期計画で目標とした70%を大きく上回り、80.7%に達するなど、多種多様に展開される民間福祉活動への助成が推進された。
 なお、平成16事業年度分の助成事業として採択された766事業のうち、722事業(約94.3%)が新規に採択された事業であり、全国的な規模の事業として継続して助成を行うこととされた事業は44事業(約5.7%)であった。
 
 採択した事業については、毎年1回4月下旬までにホームページや広報誌などで公開する。
 
 採択した事業については、平成16年4月下旬までにホームページや広報誌などで公開する。
 
 また、採択した事業については、平成16年4月下旬に機構のホームページ等において公開するため、必要な準備を行った。
(イ)  助成事業の事後評価については、適切に評価を行うため、次の措置を講じる。
(ウ)  平成14事業年度分の助成事業の事後評価については、適切に評価を行うため、次の措置を講じる。
(ウ)  平成14事業年度分の助成事業の事後評価については、適切に評価を行うため、次の措置を講じた。
 
 事後評価は、助成先団体が行う自己評価並びに上記委員会及び事務局が行う総合評価により行う。
 
 事後評価は、助成先団体が行う自己評価並びに審査・評価委員会及び事務局が行う総合評価により行う。
 
 800事業を超える平成14事業年度の全助成事業を対象に、助成団体による自己評価を行った上で、審査・評価委員会(評価部会)及び機構事務局によるヒアリング評価並びに機構事務局による書面評価に基づく総合評価を重層的に行った。
 助成先団体による自己評価については、平成14事業年度に助成を行った全助成事業の98.3%に当たる825事業から提出があった。
 総合評価のうちヒアリング評価については、全助成事業の10.1%に当たる85事業について、事業目標や計画自体の妥当性等も含め総合的に評価することが必要であるとの観点から、実施者の適性、手法の妥当性等、目的の達成度、社会的波及効果、今後の事業展開等の10項目について多角的な視点から評価を実施した。
 また、総合評価のうち書面評価については、全助成事業を対象に自己資金の投入状況や総事業費に占める外部委託費の割合等について事業費の支出内容を分析するとともに、「一般分」及び「特別分」の全助成事業、「地方分」のおおむね2分の1の事業を対象に、事業計画の達成度に加えて費用対効果、今後の事業展開の観点から評価を実施した。
 事後評価の成果については、中間取りまとめとして、平成15年12月、「平成16年度助成事業の選定に当たっての留意事項」が取りまとめられ、その内容が、平成16年度助成事業の選定方針の策定に反映され、平成16事業年度分の助成事業の選定に当たっては、これらを踏まえた事業選定が行われた。
 また、平成16年3月に取りまとめられた事後評価報告書においては、平成17事業年度分助成事業の募集要領等の策定に当たって反映させるべき提言がまとめられ、平成16年夏に予定されている同募集要領の見直しにおいてその反映を図ることとした。
 
 評価結果については、ホームページ、広報誌などで公開する。また、評価結果の公表にあたっては、特に評価の高い事業を、毎年度平均20事業以上選び出し特に明記するとともに、年2回以上の各地での事業報告会、年4回発行する広報誌等で紹介し、広く周知を図る。
 
 評価結果については、ホームページ、広報誌などで公開する。また、評価結果の公表にあたっては、特に評価の高い事業を、20事業以上選び出し特に明記するとともに、平成15事業年度又は平成16事業年度における年2回以上の各地での事業報告会、年4回発行する広報誌等で紹介し、広く周知を図る。
 
 評価結果については、平成16年3月の審査・評価委員会で報告した後、ホームページに事後評価報告書の内容を掲載した。
 また、他団体の活動の参考となると思われる特に優れた事業として24事業を選び出し、事後評価報告書に明記するとともに、ホームページで紹介した。
 なお、これらの事業のうち一部については、平成15年11月の高齢者福祉活動支援セミナーにおいて紹介し、広く周知を図った。
 
 職員の専門性を高めるとともに、評価の専門家を確保することにより、助成団体の事業実施に対し的確な指導助言ができるように努める。
 
 事業評価に関する専門家による職員研修を行う。
 
 民間の助成事業の審査及び評価に精通した専門家(有識者)による職員研修を平成16年3月に2日間実施した。
 助成先の団体や、他の資金助成を行う団体などと積極的に情報交換・意見交換を行うとともに、基金による資金助成が真に必要な分野についての調査研究に努めること。
 多様なニーズを踏まえた助成事業の運営を可能とするため、次の措置を講じる。
 多様なニーズを踏まえた助成事業の運営を可能とするため、次の措置を講じる。
 多様なニーズを踏まえた助成事業の運営を可能とするため、次の措置を講じた。
(ア)  助成先の団体との意見交換により民間福祉団体のニーズを把握するとともに、他の大手の民間資金助成団体との間で、基金事業における事業の実施・評価の情報提供等、情報交換・意見交換を年2回以上行うことにより、各民間資金助成団体との事業実施ノウハウの共有化、助成の効率化に資する。
(ア)  助成先の団体との意見交換により民間福祉団体のニーズを把握するとともに、他の大手の民間資金助成団体との間で、基金事業における事業の実施・評価の情報提供等、情報交換・意見交換を行うことにより、各民間資金助成団体との事業実施ノウハウの共有化、助成の効率化に資する。
(ア)  助成団体に対する事務指導等の機会を活用して、助成ニーズ等の聴取に努めた。
 事業団当時の平成15年5月及び独立行政法人に移行後の平成15年12月の2回にわたって、(財)助成財団センター、(財)日本船舶振興会(いわゆる日本財団)及び(福)中央共同募金会との間で意見交換会を開催した。
(イ)  我が国の福祉施策や地域福祉の動向、さらには本基金の果たしている役割、助成事業の社会的波及効果等について調査研究を行い、今後の基金助成の方向について検討する。
(イ)  我が国における民間社会福祉活動への助成に関する需給関係の状況を踏まえ、基金事業の役割を検討する調査研究を実施する。
(イ)  さらに、調査研究については、今後の基金による助成事業の参考とするため、2か年事業の初年度として、民間福祉活動団体を取り巻く環境の変化の分析及び民間資金助成団体の現状把握を行った。
<添付資料:基金14>
評価の視点
自己評定
評定
  (理由及び特記事項)  
  【助成募集要領の2か月前公開及び電子申請手続きの準備】
 審査・評価委員会が設置され、選定・評価に積極的に取り組み、成果を上げていることや、優れた事業の公表などが評価される。
 中期計画を上回っている(目標70%→実績80.7%)。
 電子申請の推進はよいことである。
 工夫のあとがみられる。
 事後評価システムの導入自体は評価するが、先駆的・画期的導入とは言えない。
募集要領の公開について、中期計画で示された期日までにホームページへ掲載できたか。
助成金の電子申請について、どのような準備が進められたか。
 募集要領等の助成事業実施に関する情報については、年度計画で定めた期日より早期に機構ホームページで公表するとともに、多様な方法で、より広範に周知普及ができた。その結果、例えば重点助成分野の設定等についても十分な周知が図られ、全助成事業の1割を超える重点助成分野に係る助成事業等を採択することができた。
 電子申請については、平成15事業年度の全助成団体及び都道府県・指定都市の社会福祉協議会に対し、初めて電子申請についてのニーズ等調査を実施し(回収率99.3%)、その結果を取りまとめることができた。調査の成果として要望の多かった申請書等の各種様式のホームページからのダウンロードについては、これまでも一部実施していたが、平成17事業年度分の募集からはすべての助成事業について実施できるよう改善を図ることとした。
  【平成16事業年度分の助成事業選定及び平成14事業年度分の事後評価】
基金事業審査・評価委員会が設置され、適切に運営されているか。
助成事業の選定については、中期計画に示されたとおり適切に行われているか。
事後評価については、中期計画に示されたとおり適切に行われているか。
助成対象先の選定に当たっては、従来の枠を超えた新しい活動を助成対象としているか。(前文(1))
重点助成分野の設定数は中期目標を達成しているか。(前文(1))
地域における独創的・先駆的事業及び地域の実情に即したきめ細かな事業については、助成終了後も事業を継続している助成団体割合が中期計画の数値を達成しているか。(助成事業実施の翌々年度に測定)(前文(1))
総助成件数に占める特定非営利活動法人等が実施する独創的・先駆的事業及び地域の実情に即したきめ細かな事業への助成件数の割合が中期計画の数値を達成しているか。(前文(2))
事後評価の成果が、資源配分に適切に反映されているか。(前文(3))
 審査・評価委員会については、平成15事業年度は半年間という限られた期間であったが、総会2回、部会等が6回と精力的に開催した。
 助成事業の選定については、審査・評価委員会(審査部会)において、選定方針を策定のうえ、客観性及び透明性を有する助成事業の選定を行うことができた。
 新しい活動については、事業の対象者を基金の別にとらわれず、幅広くとらえて取り組む事業など、12事業を採択することができ、助成事業の幅の拡大に途を開くことができた。
 また、重点助成については、長寿社会福祉基金、高齢者・障害者福祉基金及び障害者スポーツ支援基金については各1分野、子育て支援基金については2分野、重点助成分野を設定することができ、全体としては5分野と中期目標に掲げられた基準の4分野(以上)を上回る重点助成分野を設定することができた。
 その結果、各基金において重点助成分野に関する助成テーマへの応募が増加する傾向が見られ、初めての試みであったにもかかわらず、全助成事業の1割を超える88事業を重点助成分野に係る事業として採択することができ、国の政策の動向等を踏まえた助成が推進された。
 独創的・先駆的事業及び地域の実情に即したきめ細かな事業の合計件数が全助成事業件数に占める割合は80.7%に達し、中期計画で目標とした70%を大きく上回ることができ、多種多様に展開される民間福祉活動に、一層的確に対応することができた。
 事後評価については、中期計画に従って、平成14事業年度分の全助成事業を対象に、初めて本格的な助成事業の事後評価を実施し、その成果を助成事業の選定の見直しに反映させることができた。
 事後評価の実施方法については創意工夫に努め、助成団体において自己点検・自己啓発の機会を持つという意味も込めて、まず、事業の目標や計画の達成度について助成団体による自己評価を求め、実施した。
 その上で、事業の実施体制、プロセス、成果に加えて、事業目標や計画そのものについての評価も含めた、事業全体に関する総合評価を、審査・評価委員会(評価部会)及び機構事務局によるヒアリング評価並びに機構事務局による完了報告書等に基づく書面評価により重層的に実施し、多角的な視点から精力的な事後評価を行うことができた。
 事後評価の成果については、平成16事業年度分助成事業の選定方針に「外部への委託の制限」、「事業内容に照らした物品購入の妥当性の確認」等に留意することを盛り込むとともに、平成17事業年度分助成事業の募集要領等について、「事業目的の明確化」、「今後の事業展開に関する意向の把握」等の見直しが行われることとなった。
 その結果、事後評価の成果については、翌事業年度分の助成事業選定時と翌々事業年度分の助成事業募集時の2段階にわたって、助成事業の選定のあり方に反映されることとなり、中期目標に掲げられた評価結果を反映した資源配分の推進が図られた。
  【情報交換・意見交換の実施及び助成事業についての調査研究】
民間福祉団体との意見交換の実施にあわせて、民間資金助成団体との情報交換・意見交換を中期計画に示されたとおり実施しているか。
本基金の果たしている役割、助成事業の社会的波及効果等についての調査研究が、中期計画に示されたとおり適切に実施されているか。
 助成団体との意見交換及び主要な民間資金助成団体との情報交換・意見交換については、年度計画どおりに実施できた。助成団体のニーズ把握については、助成事業の完了報告作成に向けた事務指導の場を活用し、全国14か所(13都県及び1政令指定都市)において、助成団体及び助成事業の推薦を行う社会福祉協議会から意見を聴取したことによって、これまで十分でなかった地方レベルの助成ニーズの把握に努めた。さらに、主要な民間資金助成団体との意見交換については、平成15年12月の会合において、今後もこのような意見交換会を定期的に開催することを参加団体間において合意した。
 調査研究については、基金の役割の検討に向けて、主要な民間資金助成団体の動向等の現状把握、分析を行うことができた。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 退職手当共済事業
 退職手当共済事業
 退職手当共済事業
 退職手当共済事業
 退職手当共済事業は、社会福祉施設等を経営する社会福祉法人等の相互扶助の精神に基づき、社会福祉施設等に従事する職員について退職手当共済制度を確立し、もって社会福祉事業の振興に寄与するため、以下の点に留意してその適正な実施に努めること。  退職手当共済事業は、社会福祉施設等を経営する社会福祉法人等の相互扶助の精神に基づき、社会福祉施設等に従事する職員について退職手当共済制度を確立し、もって社会福祉事業の振興に寄与するため、以下の点に留意してその適正な実施に努める。  退職手当共済事業は、社会福祉施設等を経営する社会福祉法人等の相互扶助の精神に基づき、社会福祉施設等に従事する職員について退職手当共済制度を確立し、もって社会福祉事業の振興に寄与するため、以下の点に留意してその適正な実施に努める。
 なお、当該事業における退職手当金支給者数及び退職手当金支給額を次のとおり見込む。

(参考)
区分 平成15事業年度
変更後予定額
退職手当金支給者数 23,662人
退職手当金支給額  23,338,072千円
 退職手当共済事業は、社会福祉施設等を経営する社会福祉法人等の相互扶助の精神に基づき、社会福祉施設等に従事する職員について退職手当共済制度を確立し、もって社会福祉事業の振興に寄与するため、以下の点に留意してその適正な実施に努めた。
 なお、当該事業における退職手当金支給者数及び退職手当金支給額の実績は次のとおりである。

(実績)
区分 平成15事業年度
(実績)
退職手当金支給者数 23,756人
退職手当金支給額  23,338,072千円
(注)  退職手当金の支給者数及び支給額は、当初計画では、7,153人、8,239,650千円であったが、国の補正予算成立(平成16年2月9日)に伴い、支給者数23,662人、支給額23,338,072千円に年度計画を変更している。
 業務の質の向上に関する事項  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとった措置
 退職手当金の給付事務の効率化により、請求書の受付から給付までの平均所要期間を中期目標期間中に75日以内に短縮すること。
 退職手当金支給に係る事務処理の効率化を図るとともに、掛金等の給付財源が早期に確保できるよう必要な措置を講ずることによって、請求書の受付から給付までの平均所要期間に関する中期目標を達成する。
 退職手当金支給に係る中期目標の達成に向けて、退職手当金決定手続きの簡素化(機械処理手順の短縮化)を試行実施することなどにより期間の短縮化を図る。
 退職手当金の支給手続き(書類審査を終わってから振込までの手続き)のシステムを簡素化(機械処理手順の短縮化)し、支給手続きに要した日数を、平成14年度の26.7日から21.1日へと5.6日間短縮した。
 しかしながら、請求件数の増加に伴い給付財源が不足したこと等により、審査が終了したにもかかわらず国の補正予算が成立するまでの間、支給が遅延したことなどから、退職手当金請求書の受付から支給までの平均日数は平成14年度に79.8日であったものが、93.7日となり13.9日遅延した。
<添付資料:共済1>
 提出書類の簡素化等により、利用者の手続き面での負担の軽減に努めること。
 提出書類の簡素化、提出書類の作成支援を進めることにより、利用者の手続き面での負担を軽減する。
 退職手当金請求書・被共済職員退職届(以下、「請求書・退職届」という。)等提出書類の届出用紙を、インターネットホームページからプリントアウトできるようにする。
 退職手当金請求書・被共済職員退職届等届出用紙について、機構ホームページからプリントアウトできるようにした。
 業務委託先への業務指導を徹底することにより、窓口相談、届出受理の機能強化を図ること。
 年次計画を定め、順次業務委託先を通じて、共済契約者の事務担当者に対する実務者研修を実施することとし、研修会開催が困難な業務委託先には、現地における事務指導を行う機会を設けるなど全都道府県において共済契約者の事務担当者に研修の機会を提供する。
 すべての業務委託契約者(都道府県社会福祉協議会等)を対象とした事務打合会を実施する。
 また、約30都道府県において開催される共済契約者の事務担当者に対する実務者研修会(都道府県社会福祉協議会等主催)に赴き指導するとともに、請求書・退職届の記載誤りが多い共済契約者について、個別に指導する。
 なお、直近5年間において実務研修会を開催していない業務委託契約先を訪問し、個別に事務指導を行う。
 平成16年2月に、すべての業務委託契約者(都道府県社会福祉協議会等)を対象とした事務打合会を実施した。
 また、31都府県において延べ39回開催された共済契約者の事務担当者に対する実務研修会(都道府県社会福祉協議会等主催)に職員を講師として派遣し、制度及び事務取扱上の注意事項について指導した。
 なお、直近5年間において実務研修会を開催していない業務委託先が3県あったが、うち2県については平成15事業年度中に研修会を開催させ、職員を派遣した。開催をしなかった1県については、個別に指導を行った。
評価の視点
自己評定
評定
  (理由及び特記事項)  
  【退職手当決定手続きの簡素化及び支給期間の短縮化】
 法人の自己評価における見解を了承する。
 中期計画を達成している。
 請求件数の増加への対応が課題である。
請求書受付日から退職手当金の振込日までの所要期間について中期目標を達成できているか。
 なお、退職手当金の支給原資のうち、国及び地方公共団体の補助金等の予算制約が生じた場合は、当該事情を考慮する。
 退職手当金の請求書受付から支給までの平均所要期間が平成14年度に比べ遅延したのは、請求件数の増加に伴い、予算が不足したことなどによるものであり、当機構としては、退職手当金の支給事務を簡素化し、支給手続きに要した日数を、平成14年度に比べ平均5.6日短縮した。
  【ホームページを利用した請求書・退職届様式の提供】
提出書類及び記載項目が以前と比較して簡素化が図られているか。なお、手続きについては、法令等により一定の制約があることを考慮する。
提出書類の作成支援がどのように進められているか。
 提出書類の届出用紙を所定用紙以外でも使用できることとし、機構ホームページからの用紙の取得も可能となったため、利用者の手続き面での負担が軽減された。
  【事務打合会の開催及び実務研修会への職員派遣】
業務委託先への業務指導を徹底し、窓口相談、届出受理の機能強化が図られているか。
年次計画が定められ、共済契約者の事務担当者に対する研修会が年次計画どおりに開催されているか。
 事務打合会の開催及び実務研修会への職員派遣については、年度計画を達成するとともに、実務研修会については、複数回の開催もあり、共済契約者事務担当者に対し、年度計画以上の頻度で事務指導を行うことができた。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 心身障害者扶養保険事業
 心身障害者扶養保険事業
 心身障害者扶養保険事業
 心身障害者扶養保険事業
 心身障害者扶養保険事業(以下「扶養保険事業」という。)については、地方公共団体が実施する心身障害者扶養共済制度(以下「扶養共済制度」という。)によって地方公共団体が加入者に対して負う共済責任を保険する事業に関する業務を安定的に行うことにより、心身障害者の保護者の不安を解消し、保護者死亡後の心身障害者の生活安定に寄与することを目的とし、以下の点に特に留意してその適正な実施に努めること。
 また、扶養保険事業の財務状況について、加入者等に対し定期的に公表すること。
 なお、中期目標期間の出来るだけ早い時期に事業が見直されるものとすること。
 心身障害者扶養保険事業(以下「扶養保険事業」という。)については、地方公共団体が実施する心身障害者扶養共済制度(以下「扶養共済制度」という。)によって地方公共団体が加入者に対して負う共済責任を保険する事業に関する業務を安定的に行うことにより、心身障害者の保護者の不安を解消し、保護者死亡後の心身障害者の生活安定に寄与することを目的とし、以下の点に特に留意してその適正な実施に努める。
 また、扶養保険事業の財務状況について、加入者等に対し定期的に公表する。
 心身障害者扶養保険事業(以下「扶養保険事業」という。)については、地方公共団体が実施する心身障害者扶養共済制度(以下「扶養共済制度」という。)によって地方公共団体が加入者に対して負う共済責任を保険する事業に関する業務を安定的に行うことにより、心身障害者の保護者の不安を解消し、保護者死亡後の心身障害者の生活安定に寄与することを目的として、以下の点に特に留意してその適正な実施に努める。
 また、平成14年度の決算を踏まえ、財務状況検討会で取りまとめ、国に対し報告した財務状況検討会報告書について、(1)道府県・政令指定都市に対しては、事務担当者会議において報告、(2)加入者等に対しては、インターネットホームページで公表、(3)障害者関係団体(親の会等)に対しては、情報提供を行う。
 なお、当該事業における新規加入者数その他を次のとおり見込む。

(参考)
区分 平成15事業年度
新規加入者数 638人
新規年金受給者数 956人
保険対象加入者数 99,679人
年金給付保険金支払対象
障害者数
37,867人
死亡・傷害保険金額 3,515,200千円
年金給付保険金額 4,573,888千円
 心身障害者扶養保険事業(以下「扶養保険事業」という。)については、地方公共団体が実施する心身障害者扶養共済制度(以下「扶養共済制度」という。)によって地方公共団体が加入者に対して負う共済責任を保険する事業に関する業務を安定的に行うことにより、心身障害者の保護者の不安を解消し、保護者死亡後の心身障害者の生活安定に寄与することを目的として、以下の点に特に留意してその適正な実施に努めた。
 また、平成15年9月22日に財務状況検討会を開催し、平成14年度決算に基づく心身障害者扶養保険財務状況将来予測を取りまとめ、平成15年9月29日に厚生労働省に対し報告した。また、(1)障害者関係団体(親の会等)に対しては、10月27日及び28日に説明、(2)道府県・指定都市に対しては、平成15年10月30日及び同11月11日に実施した事務担当者会議において報告、(3)加入者等に対しては、平成16年1月末にインターネットホームページで公表した。
 なお、当該事業における新規加入者数その他の実績は次のとおりである。

(実績)
区分 平成15事業年度
(実績)
新規加入者数 836人
新規年金受給者数 908人
保険対象加入者数 98,576人
年金給付保険金支払対象
障害者数
37,854人
死亡・傷害保険金額 3,305,000千円
年金給付保険金額 4,577,370千円
(1)  業務運営の効率化に関する事項
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとった措置
 扶養保険資金の運用については、市場動向を考慮し、中期目標期間中において、安全性を重視した運用に努めること。  扶養保険資金については、制度に起因する資金の特性を十分に踏まえ、厚生労働大臣の認可を受けた金銭信託契約の内容に基づき、市場動向を考慮し、安全性を重視した運用を行う。また、運用の適正な実施を確保するため、共同受託者に対し定期的な運用成績等の報告を求めるとともに上記方針等に従って適切に指導を行う。  扶養保険資金については、制度に起因する資金の特性を十分に踏まえ、厚生労働大臣の認可を受けた金銭信託契約の内容に基づき、市場動向を考慮し、安全性を重視した運用を行う。また、運用の適正な実施を確保するため、共同受託者に対し定期的な運用成績等の報告を求めるとともに上記方針等に従って適切に指導を行う。  扶養保険資金の運用については、金銭信託契約内容に基づき、安全性を重視した運用を行うことができた。
 運用の資産構成割合実績(平成15年度末)
 ・ 債券などの安全資産  73.4%【50%以上】
 ・ 株式、外貨建資産  26.6%【30%以下】
 ・ 不動産 0.0%【20%以下】
 (注) 【 】内は、金銭信託契約上の資産構成割合である。
 また、共同受託者に対しての定期的な運用成績等の報告を求め、市場動向を考慮し、安全性を重視した運用を行うよう指導を行った。
<添付資料:保険1>
(2)  業務の質の向上に関する事項
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとった措置
 心身障害者及びその保護者に対するサービスの向上を図るため、扶養共済制度を運営する地方公共団体と相互の事務処理が適切になされるように連携を図ること。  心身障害者及びその保護者に対するサービスの向上を図るため、扶養共済制度を運営する地方公共団体と相互の事務処理が適切になされるよう連携を図るため、事務担当者会議(年間2か所)を開催する。
 「事務の手引き」の配布や加入者名簿の電算処理化などにより、事務処理方法の改善を行い、適正かつ円滑な事務処理に努める。
 地方公共団体の事務処理の円滑な実施のため、「事務の手引き」を作成し、1,185部を道府県・政令指定都市及び福祉事務所に配布した。また、平成15年12月から「加入者名簿及び死亡脱退等の異動処理」について、電算による処理を実施した。
 事務担当者会議を2か所で開催し、諸手続きに係る疑義照会にきめ細かに対応する。
 事務担当者会議を以下のとおり開催した。
 (1) 開催日 平成15年10月30日
開催場所 福井市
出席者数 38名
 (2) 開催日 平成15年11月11日
開催場所 神戸市
出席者数 33名
評価の視点
自己評定
評定
  (理由及び特記事項)  
  【財務状況の定期的公開】
 法人の自己評価における見解を了承する。
 中期計画を達成している。
 加入者の数が増えないのはなぜか。
加入者等に対し、財務状況が定期的に公開されているか。
 財務状況検討会を開催し、平成14年度決算に基づく心身障害者扶養保険財務状況将来予測を取りまとめ、厚生労働省に対し報告した。
 また、(1)障害者関係団体(親の会等)に対しては直接説明し、(2)道府県指定都市に対しては事務担当者会議で報告、(3)加入者等に対してはインターネットホームページで公表した。
  【金銭信託契約に基づく運用実績及び共同受託者への指導】
金銭信託契約に基づいて安全性を重視した運用が行われているか。
 心身障害者扶養保険事業における扶養保険資金の運用については、共同受託者からの運用成績等の定期的な報告を受け、市場動向を踏まえた、安全性を重視した運用を行うことができた。
  【事務処理方法の改善及び実務研修会の実施】
地方公共団体の担当者を対象とした事務担当者会議が中期計画どおり開催されているか。
 地方公共団体等に配付した「事務の手引き」は、平成8年度改訂版以降の改正内容を盛り込み、また、独立行政法人化に伴う心身障害者扶養保険事業に係る関係法令、関係規程等を掲載して作成した。
 加入者名簿及び死亡脱退等の異動処理について、電算による処理を実施し、事務処理時間が月当たり2人日短縮された。
 事務担当者会議の開催に当たっては、次のような工夫をこらした取組みを行った。
 日常業務において、疑義照会や記載誤りが多い事項について、新たにQ&A(23問)を作成し、会議資料に掲載したこと
 会議資料における事務処理上の留意事項や各種手続書類・期日一覧表等により、適正な事務処理について説明したこと


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 福祉保健医療情報サービス事業(WAM NET事業)
 福祉保健医療情報サービス事業(WAM NET事業)
 福祉保健医療情報サービス事業(WAM NET事業)
 福祉保健医療情報サービス事業(WAM NET事業)
 WAM NET事業については、福祉及び保健医療に関する情報システムの整備及び管理を行い、行政機関や福祉保健医療に関係する民間団体に対して全国規模での共通の基盤を提供することにより情報交換の推進を支援し、併せて福祉・介護及び保健医療サービスの利用者に対する提供情報の拡充を目的とし、以下の点に特に留意してその適正な実施に努めること。  WAM NET事業については、福祉及び保健医療に関する情報システムの整備及び管理を行い、行政機関や福祉保健医療に関係する民間団体に対して全国規模での共通の基盤を提供することにより情報交換の推進を支援し、併せて福祉・介護及び保健医療サービスの利用者に対する提供情報を拡充することを目的とし、
 ・  平成12年度の介護保険制度の施行に際しては、指定事業者データの蓄積及び利用者への情報提供
 ・  平成13年度の福祉サービスの第三者評価事業の導入に当たっては、第三者評価機関及び受審済事業者の評価結果の情報提供
 ・  平成15年度の障害者支援費制度の導入に当たっては、指定事業者データベースの構築及び利用者への情報提供
 ・  その他、社会福祉法人等の情報提供システムやデータベースの構築
等、国の施策を支援するための事業を展開してきたところであるが、今後、事業の運営に当たっては、以下の点に特に留意してその適正な実施に努める。
 WAM NET事業については、福祉及び保健医療に関する情報システムの整備及び管理を行い、行政機関や福祉保健医療に関係する民間団体に対して全国規模での共通の基盤を提供することにより情報交換の推進を支援し、併せて福祉・介護及び保健医療サービスの利用者に対する提供情報を拡充することを目的として、以下の点に特に留意してその適正な実施に努める。  WAM NET事業については、福祉及び保健医療に関する情報システムの整備及び管理を行い、行政機関や福祉保健医療に関係する民間団体に対して全国規模での共通の基盤を提供することにより情報交換の推進を支援し、併せて福祉・介護及び保健医療サービスの利用者に対する提供情報を拡充することを目的として、以下の点に特に留意してその適正な実施に努めた。
中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 福祉保健医療情報サービス事業(WAM NET事業)
 福祉保健医療情報サービス事業(WAM NET事業)
 福祉保健医療情報サービス事業(WAM NET事業)
(1)  業務運営の効率化に関する事項
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとった措置
 福祉及び保健医療情報の利用者ニーズに対応するため、効率的な情報提供基盤の整備及び活用に努めること。
 WAM NET事業の運営に当たっては、事業の効率的な運用及び管理のために必要な機器等基盤の整備に努める。
 WAM NET利用者のニーズに応えるために、平成10年度に取得したWAM NETのネットワーク基盤を構成する中央センター及び地方センターの運用に必要な機器の更新を行う。
 平成10年度に取得したWAM NETのネットワーク基盤を構成する中央センター及び地方センターの運用に必要なサーバ及びパソコン等の機器更新を行い、事業の効率的な運用及び管理に資する基盤の整備を行った。
<添付資料:情報1>
 支援費事業者情報システム等については、行政機関や関係団体がWAM NETに直接入力することにより、情報の蓄積、活用が同時に行えるという特性を活かし、情報収集の効率化や利便性の向上を図っているところであるが、今後は、他の事業についてもこのような特性を適用していく。
 厚生労働省が実施を計画している福祉保健医療事業の中からWAM NETの特性を活かすことが期待できる事業をリストアップし、WAM NETの利活用の可能性について検討を行う。
 平成16年度に厚生労働省医政局が計画している「看護師等養成所運営報告システム等」をWAM NET上に構築することにより、行政事務の支援を行うとともに、公開できる情報をWAM NETにより広く国民へ提供するための検討を行った。
<添付資料:情報2>
 福祉及び保健医療分野において多様で多数の利用者が存在するというメリットやセキュリティーの高いイントラネットの環境を活かし、他の機関の事務事業について、その執行の便宜性、効率性の観点からWAM NETの基盤を利活用することが有効と判断されるものについて、本事業の目的を損なわない範囲で委託を受け入れること等により収入の確保を目指す。
 インターネットを利活用して収入の確保を図る方針の策定を行う。
 上記に掲げる「看護師等養成所運営報告システム等」の受託について検討を行った。
 また、WAM NETにバナー広告を掲載、既存コンテンツを広告情報誌的に取り扱う等の手法により収入を得る方法についてネットワークを用いたアンケート調査や施設事業者に対する訪問聞き取り調査を実施し、インターネットを利活用した収入確保の基本方針を策定した。
<添付資料:情報3>
評価の視点
自己評定
評定

事業の効率的な運用及び管理のために必要な基盤整備が適切に行われているか。
 なお、本事業の遂行に当たっては、厳しい経費削減目標との関係上、可能な範囲での実施となる事情を考慮する。
WAM NETの特性を活かして情報収集の効率化や利便性の向上が適切に図られているか。
既存コンテンツの見直しを含めた新たな有料コンテンツの構築、又は外部からの業務受託により収入確保につながっているか。
(理由及び特記事項)
 機器の耐用年数満了にあたり、分散型運用管理から中央集中型運用管理に改善することにより、機器・システムの一元的な保守管理による運用及び処理速度の改善等が図られ、より効率的なネットワーク基盤の整備を行った。
 WAM NETの特性に基づき、効率的かつ早期実現可能な事業選定を行い、厚生労働省に提案しただけでなく、さらに厚生労働省所管課と実現のための協議を継続している。
 インターネットを利活用した収入確保基本方針を策定するとともに、実施に向けた課題を整理し、16事業年度に試行するための準備を早めに進めることができた。

 新機器への更新の結果がどのように出るかがまた見えないが、様々な試行は評価に値する。
 機器の更新期への対応、有料化の検討を行っているが、広告収入は不明で、目標値はみえない。
 インターネットを活用して収入を図る方針は策定したが、実績は不明である。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 福祉保健医療情報サービス事業(WAM NET事業)
 福祉保健医療情報サービス事業(WAM NET事業)
 福祉保健医療情報サービス事業(WAM NET事業)
(2)  業務の質の向上に関する事項
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとった措置
 福祉及び保健医療情報の総合的な情報窓口として、網羅的かつ速やかな情報提供と内容の充実に努めること。
 従来の福祉介護分野にとどまらず保健医療分野に至る国の施策に対する支援を基本としつつ、他の機関のホームページ等とリンクを拡張することにより、福祉及び保健医療を網羅する情報の充実に努め、
 今後の医療制度改革に伴う医療機関の情報開示の一環として、行政機関情報の有効利用等による医療機関情報の提供
 利用者の健康管理のための保健医療情報とリンクすることにより、時宜を得た迅速な情報提供
などにより、利用者の利便性の向上を図っていく。
 福祉保健医療分野の行政情報について、厚生労働省と調整を行い、網羅性及び迅速性の更なる向上を図る。
 また、国民の医療機関選択を支援するための医療機関情報提供システムの運用を開始するとともに、医療制度改革を踏まえ、広告可能な情報の提供について拡充を図っていく。
 従来、機構へ情報提供があった行政情報を中心に情報提供を行ってきたが、平成15年度においては、これに加えて厚生労働省ホームページの福祉保健医療分野の行政情報にも直接リンクを設定することにより、厚生労働省情報の掲載件数について平成14年度は982件のうち直接リンク0件であったものを平成15年度においては1,328件のうち直接リンク528件とし、網羅性及び迅速性を向上させた。
 また、従来の医療情報で提供していた情報(病院の名称、住所等)に加え、施設基準に係る情報、医療機能評価に係る情報、機構独自の調査によって得た各病院のホームページアドレス情報等を新たに提供することによりWAM NETの提供情報の内容について拡充を図った。
 さらに、外部の保健医療関連サイトのリンク集を再編し、医療機関情報提供システムに付加することにより利便性を向上させた。
<添付資料:情報4>
 利用者の利便性の向上を図るとともに、WAM NETの利用促進策を積極的に講じ、中期目標期間中に年間アクセス件数700万件以上、利用機関登録数5万件以上を達成すること。
 WAM NET利用機関の中からモニターを抽出し、操作性、コンテンツなどについてのアンケート調査を定期的に実施、意見聴取することにより、操作性の向上及びコンテンツの整備充実を図り、情報利用者の満足度を高め、利用者の拡大に繋げる。
 WAM NETモニター調査を実施し、操作性、コンテンツ等について意見聴取を行うことにより、利用機関登録数やアクセス件数の増加に役立てる。また、福祉医療貸付先を対象に、WAM NETの有効活用を説明し、利用機関登録の促進を図る。これらによって年度末の利用機関数42,000件、平成15年度通年のアクセス件数420万件の確保を目指す。
 介護保険事業者を対象に平成15年10月にWAM NETの満足度についてアンケート調査を行い、その結果を参考に平成16年度のコンテンツの見直しを行った。
<添付資料:情報5・情報6>
 また、各都道府県のWAM NET地方センターの担当者を対象に、WAM NETの改善課題を抽出するため、WAM NETの満足度調査を実施した。
<添付資料:情報7>
 利用機関登録促進の一環として、福祉医療貸付の融資先を対象に貸付内定通知書や払込案内を利用して登録促進を図った。
 平成15年度末の利用機関登録数は42,814件、平成15年度通年のアクセス件数は6,172,611件である。
<添付資料:情報8>
 
 利用者の利便性の向上を図るとともに、WAM NETの利用の促進を図るため、次の措置を講じることにより、年間アクセス件数及び利用機関登録数に関する中期目標を達成する。
 医療貸付事業における利用者に対し利活用を勧めることにより、保健医療分野における利用機関登録の促進を図る。
 利用頻度の低い地方を中心に利用機関等を対象とした活用講習会を年2回以上開催する。
 WAM NETのコンテンツの充実について審議を行う学識経験者で構成する委員会を年1回開催し、幅広い分野での利用を可能とする。
 WAM NETの利用の促進を図るため、接続回数が少ない都道府県を対象にWAM NETの利用促進を図る講習会を開催する。また、WAM NETのコンテンツやネットワークの充実について、学識経験者の意見を聴取するWAM NET事業推進専門委員会を開催し、今後のWAM NET事業の展開に役立てる。
 WAM NETの利用の促進を図るため、東京で開催した「WAM NET地方センター説明会」、東京、大阪で開催した「WAM NET支援費事業者台帳システム操作説明会」、地方センターが延べ6回開催した「WAM NET操作講習会」及び「各地方センターの機器更新作業完了時の新機器説明会」の講習会等において、利用促進依頼を行った。
 また、平成16年1月28日にWAM NET事業推進専門委員会を開催し、中期計画に基づいた今後のWAM NETの事業展開に関わる内容について、学識経験者より意見聴取を行った。
 情報更新や内容確認の頻度を高めることにより、提供情報が正確で最新の内容となるよう努めること。
 情報の改定に併せて情報更新や内容確認を行うほか、利用頻度の高い基本情報は月1回、その他全データについては年1回、情報の正確性、最新性についての検証作業を行う。
 情報の改定に併せて情報更新や内容確認を行うほか、利用頻度の高い基本情報は月1回月末に、その他全データは年1回年度末に、情報の正確性、最新性についての検証作業を行う。
 情報の更新、データの検証作業については、次のとおり行った。
 行政資料、イベント・新聞情報等、専ら機構が取材あるいは加工することにより発信源となる情報については、確実かつ速やかにその更新を行った。
 各種施設、第三者評価情報、社会福祉法人経営情報等、定期的な行政の実績・情報公開関連情報については、行政機関と調整しつつ、公表できる最新の情報を掲載した。
 利用頻度の高い介護保険事業者情報及び支援費事業者情報については、報告内容の整合性等について毎月検証した。
 介護報酬体系の改定に伴い、提供している介護保険事業者の報酬情報について改定後の情報を各都道府県から収集し、その情報更新を行った。
 市町村合併等の自治体再編の都度、提供情報における所在地の修正について確実に更新を行った。
評価の視点
自己評定
評定
  (理由及び特記事項)  
  【行政情報の網羅性・迅速性の向上及び医療機関情報提供システムの運用】
 短期間に利用しやすいデータベースを構築した点は評価できる。
 施設基準による検索機能の実現は評価する。
 情報提供のための積極的努力を評価したい。また、WAMNET 利用者の満足度が高い。
 利用件数600万件を超えており、内容も絶えず見直しして改善している。
 医療機関情報提供システムは初めての試みとのことで高く評価されるが、福祉機関情報についても取り組むよう望みたい。
 極めて重要な情報サービス事業であるが、迅速性や情報の探しやすさについては多くの改善事項がある。(現実の利用者としては、不満がある。)
 内容の充実については充分感じられるが、今期の中でもさらに発展性が得られるのではないかと考えた。
 自己評価のSを支持するだけの根拠に不安があった。
保健医療情報については、他機関とのリンクの拡張が図られているか。
医療機関の情報提供がどのように充実されたか。なお、本事業の遂行に当たっては、厳しい経費削減目標との関係上、可能な範囲での実施となる事情を考慮する。
 福祉保健医療分野の行政情報について、効率的に情報収集・判別を行うとともに、保健医療関連サイトのリンク集を再編し、医療機関情報提供システムに付加することにより、大幅にリンクの拡張を図り、利用者の利便性を向上させた。
 医療機関情報提供システムについては、当初予定していた病院情報にとどまらず、全国の診療所(歯科診療所を含む。)まで対象を拡大し、我が国初の施設基準による検索機能を実現させた。
 さらに、公的機関としての特性を生かして厚生労働省から提供を受けた行政情報により、信頼性、網羅性を確保するだけでなく、利用者の利便性を高めるため、一般的に利用者が理解しにくい施設基準の各項目について独自の解説を作成・掲載するとともに、検索条件を追加入力する毎にその時点での結果が確認できるように画面表示に工夫を凝らす等、信頼性・利便性の両方を備えた利用者主体のシステムを再構築した。

《掲載情報数》
  病院 9,140件 (うち医療評価機構へのリンク946)
  診療所 96,305件  
  歯科診療所  65,653件  
《病院URL情報等調査成果》
  調査数 9,140件
  回答数 3,863件
  病院URL登録数 2,533件
  病院メールアドレス登録数  3,513件
(参考)  医療機関情報提供システムのリニューアルに伴うアクセス件数増
 平成15年度(通年)月平均 29,465件
 平成16年度第1・四半期月平均  47,097件
  【利用機関数、アクセス件数の目標数確保及び利用促進措置】
アンケート調査を実施し、その結果をどのように反映したか。
中期計画に示されたとおりの利用促進措置が講じられたか。
年間アクセス件数及び利用機関登録数に関する中期目標の数値を達成しているか。
 介護保険事業者を対象としたアンケート調査の結果、WAM NETに対する利用者の満足度は74.9%、また、地方センターの担当者を対象とした満足度調査では87.2%と高い評価を得たが、さらに利用者の利便性向上を図るため、アンケートによる意見を踏まえて、早急な見直しが必要な事項を絞り込んで検討し、より見やすい画面デザインのリニューアル、音声ブラウザ等利用者意見に基づくアクセシビリティの向上、iモード対応情報範囲の拡大、利用機関登録利用マニュアルの再整備、情報更新方法の効率化など、迅速かつ適切に改善を図った。
 障害者支援費制度に係る情報提供システム(国の政策支援)、こどもWAM NETの構築等、提供情報の内容充実を図るとともに、WAM NET画面リニューアル・操作機能の改善等利用促進を実施した結果、前年度に比して、アクセス件数は約74%増、利用機関の登録数は約8%増を達成した。
  【情報更新、確認作業及び定期的な検証作業の実施】
情報の改定に併せて情報更新及び内容確認が適切に行われているか。
中期計画に示された更新周期で検証作業が行われているか。
 コンテンツの特性に合わせた内容精査を実施し、適切なデータ整備を行ったことにより、計画どおり実施して提供情報の正確性を確保した。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 年金担保貸付事業
 年金担保貸付事業
 年金担保貸付事業
 年金担保貸付事業
 年金担保貸付事業については、公的年金の受給者に対し、その受給権を担保にする特例措置として低利で小口の資金を貸し付けることにより、高齢者等の生活の安定を支援することを目的として、以下の点に留意してその適正な事業実施に努めること。
 また、業務運営に当たっては、利用者の利便性に配慮するとともに、年金受給者にとって無理のない返済となるよう配慮した運用に努めること。
 年金担保貸付事業については、公的年金の受給者に対し、その受給権を担保にする特例措置として低利で小口の資金を貸し付けることにより、高齢者等の生活の安定を支援することを目的として、以下の点に留意してその適正な事業実施に努める。
 また、業務運営に当たっては、利用者の利便性に配慮するとともに、年金受給者にとって無理のない返済となるよう配慮した運用に努めることとする。
 年金担保貸付事業については、公的年金の受給者に対し、その受給権を担保にする特例措置を用いて低利で小口の資金を貸し付けることにより、高齢者等の生活の安定を支援することを目的として、以下の点に留意してその適正な事業実施に努める。
 また、業務運営に当たっては、利用者の利便性に配慮するとともに、年金受給者にとって無理のない返済となるよう配慮した運用に努めることとする。
 なお、当該事業における貸付契約額、資金交付額及び原資を次のとおり見込む。

(参考)
区分 平成15事業年度
  千円
貸付契約額 125,900,000
資金交付額 125,900,000
原資 財政融資資金借入金 25,000,000
貸付回収金等 100,900,000
 年金担保貸付事業については、公的年金の受給者に対し、その受給権を担保にする特例措置を用いて低利で小口の資金を貸し付けることにより、高齢者等の生活の安定を支援することを目的として、以下の点に留意してその適正な事業実施に努めた。
 また、業務運営に当たっては、利用者の利便性に配慮するとともに、年金受給者にとって無理のない返済となるよう配慮した運用に努めた。
 なお、当該事業における貸付契約額、資金交付額及び原資の実績は次のとおりである。

(実績)
区分 平成15事業年度(実績)
  千円
貸付契約額 118,206,550
資金交付額 118,206,550
原資 財政融資資金借入金 20,500,000
貸付回収金等 97,706,550
中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 年金担保貸付事業
 年金担保貸付事業
 年金担保貸付事業
(1)  業務運営の効率化に関する事項
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置
(1)  業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとった措置
 年金担保貸付事業における業務運営コストを分析し、その増加を抑制するとともに、貸付金利の水準に適切に反映することにより、安定的で効率的な業務運営に努めること。  年金担保貸付事業における業務運営コストを分析し、その増加を抑制するとともに、貸付金利の水準に適切に反映することにより、安定的で効率的な業務運営に努める。  年金担保貸付事業の安定的で効率的な業務運営を行うため、業務運営コストを分析し、その増加を抑制するとともに、年度当初においてそれを貸付金利に適切に反映させるため、利率の設定方式を見直す。  安定的で効率的な業務運営を行うため、年金担保貸付に係る業務運営コストについて、年金貸付部会において分析・検討し、経営企画会議に報告した。
 また、年金担保貸付事業における貸付金利については、業務委託費等受益者負担とし必要最小限の範囲で貸付金利に上乗せしているところであるが、独立行政法人設立時において会計処理基準の変更に伴い貸倒引当金の積み増しをする必要が生じたため、上乗せ金利部分について平成16年1月から0.1%引き上げる所要の見直しを行った。
評価の視点
自己評定
評定

業務運営コストを分析し、その増加を抑制するための管理が適切に行われているか。
 なお、本事業は年金受給者の増大に伴って事業量の増、コストの増大が見込まれるが、オンコスト金利によって充てられる事情を考慮するとともに、単位あたりコストの状況も考慮する。
貸付金利に業務運営コストを適切に反映する利率の設定方式となっているか。
(理由及び特記事項)
 年金貸付部会において、年金担保貸付事業にかかる業務運営コストを分析し、検討を行った。
 年金担保貸付事業における貸付金利の設定に際しては、従来は財政融資資金借入利率(5年)に業務委託費(受託金融機関手数料)、債券発行費用及び債券発行利息差を受益者負担とし必要最小限の範囲で貸付金利に上乗せしていたところであるが、独立行政法人設立を機に、それに加え電算委託費及び貸倒引当金を上乗せすることとしたものである。
 しかしながら、平成15年度上期の事業団決算において、調達期間(5年)と運用期間(3年)のミスマッチ等により当期損失金が発生する結果となったことに加え、独立行政法人設立時における貸倒引当金の計上方法の変更に伴い貸倒引当金の積み増しの必要が生じた。
 分析の結果、これらの要因から平成15年度下期の機構決算において大幅な欠損金が見込まれたことから、欠損金の縮小を図るため、貸付金利の見直しを行った。

 やや酷かも知れないが、目標達成という観点から不安あり。
 貸倒引当金、電算処理委託費が足かせとなっているのか。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
3 事業毎の業務運営の改善に関する事項
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
2 事業毎の業務運営の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
 
 年金担保貸付事業
 年金担保貸付事業
 年金担保貸付事業
(2)  業務の質の向上に関する事項
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
(2)  業務の質の向上に関する目標を達成するためにとった措置
 年金担保貸付制度の周知を図るとともに、受託金融機関の窓口等における利用者への適切な対応に努めること。
 悪質な貸金業者が年金証書等を預かり高金利で融資を行う問題についての国の注意喚起とあいまって、リーフレット等により、年金担保貸付制度の周知を図る。
 また、受託金融機関事務打ち合せ会議を年4回以上開催し受託金融機関に対する指導を強化する。
 年金担保貸付制度の周知を図り、かつ悪質な貸金業者に対する注意喚起や生活に無理のない借入れなどの注意を促すため、リーフレットを刷新し、関係各機関に配布する。
 また、申込窓口等における利用者への適切な対応に努めるため、年金担保貸付事務取扱等を見直すとともに受託金融機関事務打ち合せ会議を開催することにより、受託金融機関への指導を強化する。
 悪質な貸金業者に対する注意喚起や生活に無理のない借入れなどの注意を促すことを目的として、次のような取組みを行った。
(1)  次の内容を強調したリーフレットを作成し、全ての社会保険事務所313か所及び受託金融機関452機関等に48万部配布した。
 リーフレットについては、「悪質な貸金業者にご注意を」、「融資の利用にあたっては生活に支障のないよう」、「お金を借りる時のご注意を」という見出しをつけて、注意喚起を図った。
(2)  リーフレットに加えて悪質な貸金業者に対する注意喚起のためのポスターを新たに作成し、都道府県市区町村、社会保険事務所及び被害者救済団体等に1万4千部配布した。
(3)  ホームページに違法な年金担保貸付に対する情報を掲載し注意を促した。また、融資にかかるQ&Aを掲載し、周知を図ると共に制度の説明に努めた。
(4)  悪質な年金担保融資に関する被害者救済団体と連絡を取り合い、機構融資の改善に向けて意見交換した。
(5)  テレビや雑誌等の取材にも積極的に応じ、融資制度の周知に努め、悪質な融資に対する注意喚起を行った。
(6)  社会保険庁と協調し、年金受給者に送付する源泉徴収票に悪質な融資に対する注意と公的年金担保融資制度を掲載し、注意喚起と制度の周知を図った。
(7)  当機構の名前を使って高齢者に対して融資を行おうとしていた業者を警察に告発し、被害者発生の未然防止に努めた。
<添付資料:年担1・年担2>
 また、受託金融機関への指導強化を図るため、次のような取組みを実施した。
(1)  受託金融機関事務打ち合せ会議を平成16年2月に東京で3回、大阪で1回の計4回開催し、268機関の参加があった。
(2)  マニュアル(年金担保融資事務取扱)を刷新し、受託金融機関に2万4千部配布した。
 事務処理方法の見直し等により、借入申込みから貸付実行までの期間を、平成15年度(概ね4週間)に対し、1週間(事務処理日数5日)短縮することを目指すこと。
 事務処理方法の見直し及び電算処理システムの改善等を行うことにより、借入申込みから貸付実行までの事務処理期間の短縮に関する中期目標を達成する。
 借入申込から貸付実行までの期間を短縮するため、事務処理方法(電算処理システムを含む。)を見直し、改善箇所を明らかにする。
 平成15事業年度においては、中期目標期間中の貸付処理期間短縮に向けて、事務処理方法及び電算処理システムについて、改善個所、改善方法などについて幅広い検討を行った。
 具体的には次の方式について、それぞれに検討した。
  ・ 振込の直接送金
  ・ 申込報告の電子メール送信
  ・ 直接貸付方式
  ・ エラー分の次回送り
  ・ 年金受給権の確認方法の変更
 検討内容について機構内部の関係各部署、システム運営委託会社、信用保証機関、受託金融機関と精力的に調整を行った。
 また、平成16年4月に移管予定であった労災年金担保貸付も視野に入れつつ検討を行った。
 その結果、事務処理方法の見直し及び電算処理システムの改善により、実施時期を前倒しして、中期目標期間中の前半である平成17年10月に導入できる目処が立った。
<添付資料:年担3>
評価の視点
自己評定
評定
  (理由及び特記事項)  
  【制度の周知、悪徳貸金業者に対する注意喚起】
 年金担保融資を受ける者を保護するため、また、一般の年金受給者を啓発するための対策を積極的に展開している。
 いわゆる弱者救済に目が向けられており、かつ事業PRに努力がみられる。
 事務処理期間について、従来の4週間を3週間とするなど、中期計画を概ね達成している。
 1週間の前倒しが可となったことは努力が認められる。
利用者に対し、リーフレット等による制度周知が適切に行われているか。
受託金融機関打ち合せ会議について、中期計画で示された回数を開催しているか。
 融資のリーフレットを、借入後の生活に無理のない返済となるように呼びかけるとともに悪質な貸金業者への注意喚起を強調したものに刷新し、受託金融機関等関係機関に配布し融資制度の周知を図った。
 いわゆるヤミ金融対策法の改正等、国の動向をふまえ、高齢者をターゲットにした悪質な融資が社会問題化していることから、悪質な貸金業者に対する注意を喚起するため、機構として新たにポスターを作成し都道府県、市区町村等に配布、掲示を行った。また当機構の名前を使って融資を行おうとしていた業者を警察に告発し、被害者の発生を防いだ。
 新たな取組みとして、ホームページで違法な貸付に対する注意を喚起するとともに、利用者の利便性を考慮して融資制度や内容に対する質問に応えるため、融資に関するQ&Aを掲載した。
 このほか、テレビや雑誌などの取材に応じるとともに、社会保険庁からの年金受給者への郵便物に公的年金担保融資のお知らせを掲載する等、制度の周知や注意喚起について積極的に対応した。併せて被害者救済団体と意見交換を行い被害者の実情や要望を聴取し機構融資の改善の参考とした。

【受託金融機関への指導強化】
 利用者の直接の窓口である受託金融機関の店舗において適切に対応するため、マニュアル(年金担保融資事務取扱)を大幅に刷新し、4回の受託金融機関事務打ち合せ会議においてその内容について説明するとともに、各店舗に配布した。併せて悪質な融資に対する注意喚起を行った。
  【事務処理期間短縮化の検討】
業務処理方法の見直し及び電算処理システムの改善がどのように行われているか。
借入申込から貸付実行日までの所要期間短縮について中期目標の数値を達成できているか。
 幅広く検討を行った中で、現行の事務処理を基本とした短縮方式について改善箇所、改善方法を明らかにした。
 年金担保貸付事業は全国の金融機関450機関を代理店とし、約22,000店舗を窓口とした代理貸付方式を採用していることから、期間短縮には金融機関における事務処理方法の見直しが欠かせず、これらは、金融機関の業務に大きな影響を与えることとなる。
 新規貸付は平成15年度通年で20万件を超え同年度末では約30万件の残高件数を有していることから、電算システムにより業務処理を行っている。所要期間の短縮を図るには電算プログラムを変更する必要があるなど、電算システム運営会社の大幅な業務の見直しが必要となる。
 また、貸付の際の連帯保証人を信用保証機関の債務保証とすることができるため、事務処理の見直しを行うにあたっては保証の申込や保証料の送金方法等、信用保証機関の業務方法についても影響を与えることとなる。
 これらは、自己完結できる一般的な貸付事業とは異なり機構内部のみの事務処理方法の見直しや、改善だけでは中期目標を達成できるものではなく、おのずと限界があることから、それぞれの内部での事務処理方法の改善が必要不可欠である。
 このような状況の中、関係各機関に対して機構法成立時の国会の附帯決議や中期目標に掲げられた期間短縮の意義等を説明し、目標を達成できるよう働きかけて貸付期間の短縮に向けての検討を要請し、それらの検討内容について機構内部の関係各部署、受託金融機関、システム運営委託会社及び信用保証機関と精力的に調整を行った。
 この結果、所要期間短縮の導入時期については、労災年金担保貸付を含めて、大きく前倒しして中期目標期間中の前半に導入できる目処が立った。


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
第4  財務内容の改善に関する事項
第3  予算、収支計画及び資金計画
第3  予算、収支計画及び資金計画
 
 通則法第29条第2項第4号の財務内容の改善に関する目標は、次のとおりとする。

 運営費交付金以外の収入の確保
 運営費交付金を充当して行う事業については、それぞれの事業目的を損なわない範囲で、利用者負担その他の自己収入を確保することに努めること。

 貸付原資についての自己資金調達の拡大
 福祉医療貸付事業及び年金担保貸付事業において、財投機関債の発行等自己資金調達の拡大に努めること。

 貸付事業におけるリスク管理の徹底
(1)  リスク管理債権の適切な処理
 福祉医療貸付事業については、審査業務におけるリスク把握手法の改善を図るとともに、債権管理業務における貸付先のフォローアップやリスク債権の管理の徹底、債権の保全方法の改善等を図ることにより、貸付残高に対するリスク管理債権の額の比率が中期目標期間中2.0%を上回らないように努めること。
 年金担保貸付事業については、信用保証制度等を活用することにより、貸倒れリスクの抑制に努めること。
(2)  適切な資産負債管理(ALM)の実施
 福祉医療貸付の原資についての自己資金調達の拡大による金利リスクの拡大が予測されるなか、健全な財務構造を維持するため、ALM(資産負債管理)システムを活用して、調達や運用のポートフォリオを設定すること。
 予算
  別表1のとおり
 予算
  別表1のとおり
 収支計画
  別表2のとおり
 収支計画
  別表2のとおり
 資金計画
  別表3のとおり
 資金計画
  別表3のとおり
第4  短期借入金の限度額
第4  短期借入金の限度額
 限度額
127,700百万円
 限度額
127,700百万円
 想定される理由
 想定される理由
 1)  運営費交付金の受入れの遅延等による資金不足に対応するため。
 1)  運営費交付金の受入れの遅延等による資金不足に対応するため。
 2)  一般勘定及び年金担保貸付勘定において、貸付原資の調達の遅延等による貸付金の資金不足に対応するため。
 2)  一般勘定及び年金担保貸付勘定において、貸付原資の調達の遅延等による貸付金の資金不足に対応するため。
 3)  共済勘定において、退職者の増加等による給付費の資金不足に対応するため。
 3)  共済勘定において、退職者の増加等による給付費の資金不足に対応するため。
 4)  予定外の退職者の発生に伴う退職手当の支給等、偶発的な出費に対応するため。
 4)  予定外の退職者の発生に伴う退職手当の支給等、偶発的な出費に対応するため。
第5  重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、その計画
なし
第5  重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、その計画
なし
第6  剰余金の使途
第6  剰余金の使途
全勘定に共通する事項
  業務改善にかかる支出のための原資
職員の資質向上のための研修等の財源
全勘定に共通する事項
  業務改善にかかる支出のための原資
職員の資質向上のための研修等の財源
長寿・子育て・障害者基金勘定に係る事項
  剰余金が生じた年度の翌年度以降の助成の業務の財源
長寿・子育て・障害者基金勘定に係る事項
  剰余金が生じた年度の翌年度以降の助成の業務の財源
評価の視点
自己評定  
評定  








福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
4 財務内容の改善に関する事項
7 その他主務省令で定める業務運営に関する事項
7 その他主務省令で定める業務運営に関する事項
 
 独立行政法人福祉医療機構の業務運営並びに財務及び会計に関する省令(平成15年厚生労働省令第148号)第4条の業務運営に関する事項は、次のとおりとする。  
 職員の人事に関する計画
 職員の人事に関する計画
(1)  方針
(1)  方針
(1)  方針
 (1)  職員の努力を適正に評価し、組織目標を効率的かつ効果的に達成するための人事評価制度を構築すること。
 (1)  職員の努力を適正に評価し、組織目標を効率的かつ効果的に達成するための人事評価制度を構築すること。
 (1)  人事評価制度は、組織として経営方針、経営目標の実現・達成を図っていく一方で、職員が長期的視点で養成され、業務において動機付けられることを通じて、雇用者満足を高め、組織・職員双方にメリットを求める戦略として運用することを制度の基本として構築した。
 (2)  有為な人材の育成や能力の開発を行うための研修を実施すること。
 (2)  有為な人材の育成や能力の開発を行うための研修を実施すること。
 (2)  有為な人材の育成や能力の開発を行うため、平成15年度通年で計14回の研修を開催するとともに、外部の研修に計55回にわたり職員を参加させた。
 (3)  業務処理方法の改善を図ることにより、業務の量・質に対応した、より適正な人員配置を行うこと。
 (3)  業務処理方法の改善を図ることにより、業務の量・質に対応した、より適正な人員配置を行うこと。
 (3)  平成15年10月の組織改正は、業務管理体制の確立を図るため企画指導部内に業務管理課を新設するとともに、企画調査部門の強化を図るため調査広報課の調査機能を企画指導部に移管して調査室を設置した。福祉医療貸付においては、顧客サービス向上のため、大阪支店に融資相談課を設置するとともに、福祉貸付部に融資相談係を設けた。
 また、特殊法人等整理合理化計画(平成13年12月19日閣議決定)に基づき、事後評価及び評価結果を反映した資源配分を実施するため、基金事業部に全ての助成事業に対し事業評価を行う評価課を設置した。
 引き続き、組織の簡素化、業務の効率化及び適正な人事配置を図るため、平成16年4月の組織改正に向けての検討を行った。
(2)  人員に係る指標
期末の常勤職員数を期初の100%以内とする。
(参考1)
期初の常勤職員数264人
(参考2)
中期目標期間中の人件費総額見込み9,754百万円
 ただし、上記の額は、役員報酬並びに職員基本給、職員諸手当及び時間外勤務手当に相当する範囲の費用である。
(2)  人員に係る指標
 平成15年度末の常勤職員数を年度当初の100%以内とする。
(2)  職員数は業務の実態を踏まえつつ、可能な限り職員数の抑制を図った結果、期末の常勤職員数は254人となった。
評価の視点
自己評定
評定  

人員に関する指標は、中期計画を達成できているか。
(理由及び特記事項)
 個別事項の実績で評価
 


福祉医療機構 評価シート

中期目標 中期計画 平成15年度計画 平成15年度の業務の実績
4 財務内容の改善に関する事項
7 その他主務省令で定める業務運営に関する事項
7 その他主務省令で定める業務運営に関する事項
 
 施設及び設備に関する計画
なし
 施設及び設備に関する計画
なし
 積立金の処分に関する事項
なし
 積立金の処分に関する事項
なし
評価の視点
自己評定  
評定  








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