(1) | 独立行政法人の発足と評価の視点 独立行政法人福祉医療機構の前身である特殊法人社会福祉・医療事業団は、高齢化社会の到来等、時代の変化に対応した新しい観点から社会福祉の増進、医療の普及向上を図っていくという要請に適切に対応するため、福祉貸付事業、社会福祉施設職員退職手当共済事業及び心身障害者扶養保険事業を行っていた社会福祉事業振興会(昭和29年発足)と医療貸付事業を行っていた医療金融公庫(昭和35年発足)が昭和60年1月に統合して設立された特殊法人である。事業団発足後においても、昭和60年に経営診断・指導事業を、昭和63年、平成元年、8年、10年及び12年の各年度に政府からの出資を受け、その政府出資金の運用益を財源とする長寿・子育て・障害者基金事業を、平成2年に福祉保健医療情報サービス事業を行うようになった。 さらに、平成13年には年金福祉事業団の廃止に伴い、年金担保貸付事業を承継し、より多岐にわたる業務を行うようになり、そのすべての業務を承継する独立行政法人福祉医療機構(以下「福祉医療機構」という。)が平成15年10月に発足したものである。 また、平成16年4月より労働福祉事業団の廃止に伴い労災年金担保貸付事業を承継している。 今年度の福祉医療機構の業務実績の評価は、平成15年10月に厚生労働大臣が定めた中期目標(平成15年度〜19年度)の初年度(平成15年10月〜16年3月)の達成度についての評価である。 なお、福祉医療機構の業務は非常に多岐にわたり、それぞれの業務の性質が異なっていることを特記しておきたい。 |
(2) | 平成15年度業務実績全般の評価 福祉医療機構は、福祉医療貸付事業をはじめとして、福祉医療経営指導事業、福祉保健医療情報サービス事業、長寿・子育て・障害者基金事業、社会福祉施設職員等退職手当共済事業、心身障害者扶養保険事業、年金担保貸付事業など、国の福祉・医療政策等に密接に連携した多様な事業を公正かつ効率的に運営していかなければならない。 平成15年度においては、ISO9001の認証取得に向けた取組みや目標管理型人事評価制度の試行的運用など、業務の運営管理の改善のための新たな取組みが積極的に行われている。また、業務運営の効率化に伴う一般管理費の経費節減等については、計画を上回る実績を上げている。 福祉医療貸付事業については、国の福祉政策及び医療政策に即して民間の社会福祉施設、医療施設等の整備に対し貸付が行われている。当該貸付業務については、リスク管理体制の強化が重要となっていることから、リスク要因の分析等の取組みを積極的に進めていかなければならない。 心身障害者扶養保険事業については、中期目標で定める当該事業の見直しについて、検討が進められることとなっている。 他にも、国民・利用者に対するサービスの向上についての取組みがなされており、審査期間の短縮などの実績を上げている。今後とも引き続き、計画の達成に向けて、一層の努力が期待される。 これらを踏まえると、中期目標の初年度に当たる平成15年度の業務実績については、全体としては福祉医療機構の設立目的である「社会福祉事業施設及び病院、診療所等の設置等に必要な資金の融通並びにこれらの施設に関する経営指導、社会福祉事業に関する必要な助成、社会福祉施設職員等退職手当共済制度の運営、心身障害者扶養保険事業等を行い、もって福祉の増進並びに医療の普及及び向上を図ること」及び「厚生年金保険制度、船員保険制度及び国民年金制度に基づき支給される年金たる給付の受給権を担保として小口の資金の貸付けを行うこと」に資するものであり、適正に業務を実施したと評価できる。 なお、福祉医療機構の多岐にわたる業務内容について積極的に周知に努めるとともに、今後とも時代の状況に的確に対応して業務を展開していくことを期待する。 中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については、2のとおりである。個別項目に関する評価結果については、別紙として添付した。 |
(1) | 各事業の共通事項に関する評価
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(2) | 各事業ごとの評価
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