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確定拠出年金
連絡会議
第9回
平成16年3月26日
資料7−2


企業型確定拠出年金
実態アンケート企業調査結果



平成16年3月26日
(社)生活福祉研究機構




回答企業の属性(1)
全151社のうち、企業規模別(従業員数と加入者数)と業種別の企業数は下表の通りである。なお、割合については「不明」を含めて100%になる。

 企業規模 従業員数別
社数と割合
加入者数別
社数と割合
10人未満 4(3%) 4(3%)
10人以上99人以下 45(30%) 55(36%)
100人以上299人以下 28(19%) 23(15%)
300人以上499人以下 13(9%) 12(8%)
500人以上999人以下 13(9%) 18(12%)
1000人以上4999人以下 26(17%) 14(9%)
5000人以上9999人以下 7(5%) 5(3%)
10000人以上 10(7%) 8(5%)
 合計 151
(不明5)
151
(不明12)

 業種 社数 割合
建設業 12 8%
製造業 40 27%
電気・ガス業 1 1%
運輸・通信業 3 2%
卸売・小売業 28 19%
金融・保険業 9 6%
不動産業 5 3%
サービス業 36 24%
その他 16 11%
 合計 151
(不明1)
100%
(含む不明)



回答企業の属性(2)
全151社のうち、出資金額と創立年度別の企業数は下表の通りである。なお、割合については「不明」を含めて100%になる。

 出資金額 社数 割合
5千万円未満 32 21%
5千万円以上1億円未満 15 10%
1億円以上5億円未満 21 14%
5億円以上10億円未満 8 5%
10億円以上50億円未満 14 10%
50億円以上100億円未満 5 3%
100億円以上500億円未満 9 6%
500億円以上1000億円未満 2 1%
1000億円以上 7 5%
 合計 151
(不明38)
100%
(含む不明)

 創立年度 社数 割合
1899年以前 1 1%
1900〜19年 10 7%
1920〜39年 15 10%
1940〜59年 31 21%
1960〜79年 33 22%
1980〜99年 26 17%
2000年以降 21 14%
 合計 151
(不明14)
100%
(含む不明)


I.確定拠出年金の導入理由等について
1)確定拠出年金の導入理由については、「企業会計改革に合わせた退職給付債務の解消」(48%)「従業員が自らライフ・プランを考える契機」(43%)「企業の財務体質の改善」(42%)「給与、報酬体系の再構築」(32%)「福利厚生の充実・見直し」(26%)「従業員の老後生活保障の多様化」(24%)等の理由が上位を占めている(複数回答)。

理由 割合(%)
(1)企業会計改革に合わせた退職給付債務の解消 48
(2)従業員が自らライフ・プランを考える契機 43
(3)企業の財務体質の改善 42
(4)給与、報酬体系の再構築 32
(5)福利厚生の充実・見直し 26
(6)従業員の老後生活保障の多様化 24
(7)転職時などのポータビリティの確保 17
(8)新規人材確保などに向けた企業の魅力向上 15
(9)従業員、労働組合の要請 6
(10)その他 10


2)確定拠出年金の導入理由を、企業の創立年度別にみたものが下表である。総じて、創立年度が古い企業ほど「財務体質の改善」「退職給付債務の解消」の割合が高い。新しい企業では、「福利厚生の充実・見直し」「新規人材確保」の割合が比較的高い(3つまで選択)。

確定拠出年金の導入理由を、企業の創立年度別にみたもののグラフ


II.確定拠出年金以外の退職給付について
1)調査時点で確定拠出年金以外の退職給付が「ある」割合は66%である。それを従業員規模別にみたものが下表であり、規模に応じて「ある」割合が高くなる傾向がみられる。

調査時点で確定拠出年金以外の退職給付のグラフ


2)確定拠出年金の導入パターンについて、「既存制度の過去分を一部減額して導入」した割合が62%と高く、「全く新規に導入」した割合が17%、「既存制度の過去分をすべて廃止して一本に全面移行」した割合が16%でこれに続く。 また、導入に際して廃止・凍結した退職給付の割合は「適格退職年金」73%が一番高く、一部減額した退職給付の割合は「退職一時金」47%が一番高い(複数回答)。

 導入パターン 割合(%)
(1)新規に導入 17
(2)既存の退職一時金、企業年金に上乗せ 5
(3)旧制度を廃止・凍結して新たに全面移行 16
(4)旧制度の過去分を一部減額して導入 62

 退職給付の種類 廃止・凍結
(%)
一部減額
(%)
(1)厚生年金基金 16 18
(2)適格退職年金 73 27
(3)退職一時金 31 47
(4)その他 3 12


3)確定拠出年金の導入前後の退職給付割合は、全企業の平均では、「厚生年金基金」17%から12%へ、 「適格退職年金」49%から8%へ減少している。また、導入後の 「確定拠出年金」の割合は平均で58%である。これを従業員規模別にみると、規模が小さい企業で、「確定拠出年金」の割合が高く、「適格退職年金」の割合が激減していることがわかる。

  【全体】 【〜99人以下】 【100人〜499人】
 退職給付の種類 導入前の割合(%) 導入後の割合(%) 導入前の割合(%) 導入後の割合(%) 導入前の割合(%) 導入後の割合(%)
1 確定拠出年金 - 58 - 67 - 74
2 厚生年金基金 17 12 9 5 6 4
3 適格退職年金 49 8 51 4 62 5
4 退職一時金 30 18 32 17 27 12
5 その他 3 5 8 7 6 4
 退職給付全体 100 100 100 100 100 100

【500人〜999人】 【1000人〜4999人】 【5000人〜9999人】 【10000人以上】
導入前の割合(%) 導入後の割合(%) 導入前の割合(%) 導入後の割合(%) 導入前の割合(%) 導入後の割合(%) 導入前の割合(%) 導入後の割合(%)
- 52 - 50 - 35 - 26
24 16 24 17 33 17 35 28
56 24 44 10 23 0 29 8
21 9 32 21 44 33 36 32
0 0 0 2 0 16 0 6
100 100 100 100 100 100 100 100


III.掛金等の状況について
1)規約に定める掛金額の上限金額は、平均値で22,635円(月額)であり、その下限金額の平均値は5,592円(月額)となっている。また、上限金額を「他年金なし」と「他年金あり」に区分してみると、前者の平均値は26,399円、後者の平均値は15,298円となっている。下表には、企業毎の上限金額(月額)の分布を纏めている。

金額の区分 他年金なし
(%)
他年金あり
(%)
5,000円未満 2 2
5,000円以上10,000円未満 9 18
10,000円以上15,000円未満 3 5
15,000円以上20,000円未満 21 76
(うち18,000円ちょうど) (14) (71)
20,000円以上25,000円未満 8
25,000円以上30,000円未満 2
30,000円以上36,000円未満 3
36,000円ちょうど 51
合計 100 100

なお、「他年金あり」は厚生年金基金、適格退職年金などを採用している企業を指す


2)全加入者の掛金月額の平均値は、12,211円である。その金額を「他年金なし」 と「他年金あり」に区分してみると、前者は13,744円、後者は8,929円となっている。 下表には、企業毎の平均掛金月額の分布を纏めている

金額の区分 他年金なし
(%)
他年金あり
(%)
5,000円未満 4 21
5,000円以上10,000円未満 33 39
10,000円以上15,000円未満 26 31
15,000円以上20,000円未満 19 10
20,000円以上25,000円未満 8
25,000円以上30,000円未満 8
30,000円以上36,000円以下 4
合計 100 100

なお、「他年金あり」は厚生年金基金、適格退職年金などを採用している企業を指す


3)給付の形態については、年金と一時金の併給型がほとんどである。給付の種類については、老齢給付、障害給付の両者について、終身年金の割合は低く、有期年金だけのところが6割以上を占める。

 給付形態 老齢給付
(%)
障害給付
(%)
(1)年金のみ 4 8
(2)一時金と年金の併給 86 80
(3)選択型  8 7
 不明 2 6
 合計 100 100

 給付種類 老齢給付
(%)
障害給付
(%)
(1)終身年金 12 15
(2)有期年金 65 61
(3)選択型 23 24
 合計 100 100


IV.運営管理機関について
運用関連運営管理機関による商品情報の提供手段は多様であり、「ウェッブ・サイト」(85%)、「コールセンター」(76%)、「資料の配布」(72%)、そして「ビデオ、DVDの配布」(31%)となっている(複数回答)。

 提供方法 割合(%)
(1)資料配布 72
(2)ウェッブ・サイト 85
(3)コールセンター 76
(4)ビデオ、DVDの配布 31
(5)その他 8
 不明 7


V.投資教育について
1)確定拠出年金導入前と導入後の投資教育について、その実施機関を比較している。導入前教育については、「運営管理機関」83%が「自社」48%を上回っている。導入後(新入社員)教育については、逆に「自社」66%が「運営管理機関」32%を上回っている。継続教育の実施主体は、「自社」38%、「運営管理機関」46%、「投資教育の専門機関」4%そして「その他」8%である(複数回答)。

 実施主体 導入前教育
(%)
新入社員教育
(%)
継続教育
(%)
(1)自社 48 66 38
(2)運営管理機関 83 32 46
(3)投資教育専門機関 13 2 4
(4)その他 1 5 8
 不明 1 11 18


2)投資教育の実施方法を、導入前と導入後に分けて設問した結果、導入前および新入社員の投資教育手段は、「説明会の開催」と「資料の配布」が主である。継続的な投資教育では、「説明会の開催」の割合は31%へ低下し、「資料の配布」64%および「ウェッブ・サイト」52%が中心になっている(複数回答)。

 実施方法 導入前教育
(%)
新入社員教育
(%)
継続教育
(%)
(1)説明会開催 96 71 31
(2)資料配布 97 87 64
(3)ウェッブ・サイト 55 39 52
(4)ビデオ・DVD 65 49 11
(5)その他 5 4 5
 不明 1 9 15


3)投資教育の際に重点を置いているのは、「リスクとリターンの関係」49%、「分散投資の考え方とその効果」44%、そして「長期投資の考え方とその効果」41%である(2つまで選択)。また、投資教育に対する取組み姿勢については、「最低限度は行うべきである」41%、「事業主の責務」40%とする割合が高い。

 重点項目 割合
(%)
(1)リスクとリターンの関係 49
(2)分散投資の考え方とその効果 44
(3)長期投資の考え方とその効果 41
(4)リスクの種類と内容 32
(5)加入手続き 19
(6)課税繰延べなどの税制メリット 5
(7)その他 5
 不明 6

投資教育に対する取組み姿勢 割合
(%)
(1)最低限度は行うべきである 41
(2)事業主の責務 40
(3)費用対効果を重視する 10
(4)労使対話として積極的に 4
(5)その他 3
 不明 5


4)従業員規模別に、投資教育への取組み姿勢をみたものが下表である。規模別に明確な傾向はみられないが、規模の小さいところで「最低限度は行うべき」の割合が高く、規模の大きいところで「事業主の責務」の割合が高くなっている。

従業員規模別に、投資教育への取組み姿勢をみたもののグラフ


5)投資教育効果の把握状況については、「把握している」23%、「今後把握する予定である」35%であるのに対して、「把握する予定はない」37%となっている。 それを従業員規模別に整理したものが下表である。

投資教育効果の把握状況のグラフ


6)教育効果の把握状況別に、「導入前の退職給付割合」と「導入後の退職給付割合」を比較している。 「導入前の退職給付割合」については、投資教育の把握状況別にほとんど相違はない。

教育効果の把握状況別のグラフ


7)「導入後の退職給付割合」を比較してみると、「把握している」企業群において、「確定拠出年金」の割合が高いことがわかる。

導入後の退職給付割合のグラフ


VI.手数料について
各種手数料については、運用関連業務、記録関連業務そして資産管理業務に分け、さらに各々について初期費用と月額の維持管理費用を設問し、その結果を下表に纏めている(なお、数値は 1人当たりの手数料金額 )。

  初期費用
(円)
維持管理費用
(円/月)
(1)運用関連業務 2,786 240
(2)記録関連業務 1,188 276
(3)資産管理業務 450 119
(4)投資教育 2,484 54


VII.運用商品について
1)事業主が加入者に提供している運用商品数は、平均で12.9であり、その内の元本確保型商品数は平均で3.2である。従業員規模別にその相違をみると、従業員規模別に応じて運用商品数が多くなる傾向にある。

事業主が加入者に提供している運用商品数のグラフ


2)従業員1人当りの運用残高割合を商品類型別にみると、「預貯金」50%が高く、続く「株式投資信託」「保険商品」は各々25%、11%となっている。年齢別にみると、年齢層が上がるにつれて「預貯金」の割合が増加し、「株式投資信託」の割合が低下する傾向にある(単位は%)。

 商品類型 10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 全体
(1)預貯金 40 44 48 50 56 50
(2)信託商品 0 4 4 3 2 4
(3)公社債投信 9 3 5 5 4 5
(4)株式投信 36 34 28 28 23 25
(5)債券 1 4 4 3 2 4
(6)株式 2 1 1 1 0 2
(7)保険商品 11 11 11 11 13 11
 合計 100 100 100 100 100 100


3)運用残高割合を導入年度別に比較すると、2003年度に導入した企業で、「預貯金」の割合が高く、「株式投資信託」の割合が低いことがわかる。

運用残高割合を導入年度別に比較したグラフ


4)投資教育の取組み別に運用残高割合を比較すると、「最低限度は行うべき」「事業主の責務」とする企業群では、リスクをとらない運用行動となっていることがわかる。

投資教育の取組み別に運用残高割合を比較したグラフ


5)投資教育の把握状況別に、運用残高割合を比較すると、「把握している」企業群で、「預貯金」割合が低く、「株式投資信託」割合が高い傾向がみられる。

投資教育の把握状況別に、運用残高割合を比較したグラフ


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