「牛せき柱を含む食品等の管理方法」に関するQ&A




(規制概要とその理由)
問1  牛のせき柱について、どのような規制が行われたのですか?
問2  なぜ牛せき柱を含む食品等が禁止されたのですか?
問3 BSE検査に加え、特定部位が除去・焼却され、食品の安全性が確保されていたのではないのですか?
問4  「せき柱」や「背根神経節」とは、どのような部位ですか?また、せき柱を使った食品にはどのようなものがありますか?
問5 グリセリンや脂肪酸等については、どのようになりますか?
問6 せき柱の除去は、背根神経節による牛の肉及び食肉に供する内臓並びに当該除去を行う場所の周辺にある食肉の汚染を防止できる方法で行わなければならないとされているが、第6、7胸椎等で枝肉を分割する場合を含め、一般的なせき柱の除去方法における特段の留意点はありますか?
問7 イベント等で行われている牛の枝肉の丸焼きについては、今回の規制の対象となりますか?

(個々の食品の安全性)
問8  牛せき柱を規制したが、牛肉などの安全性は大丈夫ですか?
問9 牛肉やエキスなどを使った加工食品をこれまで食べてきたが大丈夫ですか?
問10  牛せき柱を使って製造された加工食品の安全性確保について、どのようになりましたか?

(背根神経節の取扱い)
問11  食肉処理において牛せき柱を外す際に背根神経節が食肉に残ったりすることはありませんか?
問12  背根神経節をと畜場で除去することはできないのですか?
問13  食品安全委員会は背根神経節を含むせき柱について特定危険部位に相当する対応を講じるべきとしていますが、今回の規制で十分な対応が取られたのですか?

(その他)
問14 海外から輸入される牛せき柱を使用した食品は大丈夫ですか?
問15  牛せき柱が家畜の餌などを通じて再び食品を汚染することはないのですか?

注)牛海綿状脳症(BSE)全般に関するQ&Aは、厚生労働省及び農林水産省のホームページにあります。


(規制の概要とその理由)

問1  牛のせき柱について、どのような規制が行われたのですか?
 答)
 1  今回、新たに食品衛生法の規定により設けられた規制は、次のとおりです。
(1)  牛海綿状脳症の発生国又は発生地域において飼養された牛(以下「特定牛」という。)の肉を、一般消費者に直接販売する場合は、せき柱(胸椎横突起、腰椎横突起、仙骨翼及び尾椎を除く。以下同じ。)を除去しなければならないとしたこと。
(2)  特定牛の肉からせき柱を除去する場合は、背根神経節による牛の肉及び食用に供する内臓並びに当該除去を行う場所の周辺にある食肉の汚染を防止できる方法で行わなければならないとしたこと。
(3)  特定牛のせき柱を原材料として使用して、食品、添加物又は器具若しくは容器包装を製造し、加工し、又は調理してはならないとしたこと。
(4)  特定牛のせき柱に由来する油脂を、高温かつ高圧の条件の下で、加水分解、けん化又はエステル交換したものを食品、添加物又は器具若しくは容器包装の原材料として使用する場合にあっては、上記の限りでないこと。
 注)  BSE発生国の牛肉及び牛由来の加工品については、食品衛生法第9条(旧第5条)等により輸入禁止等の措置が講じられています。

 2  今回設けた規制は、薬事・食品衛生審議会及び食品安全委員会での審議を経たもので、平成16年1月16日に官報に告示され、平成16年2月16日に施行されました。

 3 なお、BSE発生国以外の牛せき柱を使用した食品等及びBSE発生国であっても牛せき柱以外のあばら骨、大腿骨等を使用した食品等については、今回の規制の対象ではありません



問2  なぜ牛せき柱を含む食品等が禁止されたのですか?
 答)
 1 牛海綿状脳症(BSE)の原因となる異常プリオンが蓄積する部位は、頭部やせき髄、回腸遠位部が主なものであることが知られていますが、欧州での調査研究の結果、背根神経節においても異常プリオンの蓄積があることが分かってきました。BSE発症牛では、異常プリオンの量からみると、頭部、せき髄等が約96%、背根神経節は約4%と推定されています。量は少ないながらも、こうした知見から、欧州連合や獣医衛生分野での国際機関である国際獣疫事務局(OIE)において背根神経節を牛などの飼料や食品などの原材料としないよう規制が定められています。OIEは、平成14年5月に総会において国際動物衛生規約を改正し、BSE発生国において牛の背根神経節を食用にすべきではない部位として規定(平成14年9月に公表)しました。

 2 背根神経節については、と畜場において神経節そのものを完全に取り出すことは現時点の技術では困難です。しかしながら、食肉処理の工程では、背根神経節は、通常、せき柱を外す際にせき柱とともに食肉から取り除かれています。せき柱を含む食肉はTボーンステーキなどが考えられますが、我が国では、これらが消費者に販売されることは一般的にない状況です。なお、骨付きカルビの骨は、肋骨、いわゆる「あばら骨」でせき柱ではありません

 3 厚生労働省では、OIEなどでの規則改正を踏まえ、また平成15年1月に欧州での状況を調査し、平成15年4月から牛の背根神経節による食品を介した人の健康のリスクについて評価するとともに、リスクの管理方法について、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会伝達性海綿状脳症対策部会において検討を行ってきました。その結果、「牛のせき柱に含まれる背根神経節のリスクについては、現在特定部位とされているせき髄と同程度である。」(平成15年6月26日、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会伝達性海綿状脳症対策部会とりまとめ)との結論が得られました。この結果は、平成15年7月に設置された食品安全委員会においても評価され、平成15年9月にこの結論が妥当であり、背根神経節を含むせき柱については特定危険部位に相当する対応を講じることが適当である旨の意見が示されました。

注)「特定部位」とは、頭部やせき髄など、牛海綿状脳症対策特別措置法の規定により、と畜場において設置者等が除去及び焼却することにより衛生上支障のないよう処理することが義務づけられている部位のこと。

 4  せき柱に係る食品のリスク管理について、厚生労働省では、平成15年8月に試案を示し広く意見を募集し、その結果を踏まえ、我が国を含むBSE発生国について、消費者に販売される食肉にせき柱が含まれてはならないこと及びせき柱を食品の製造等に使用してはならないこと等を食品衛生法第11条(旧7条)第1項及び第18条(旧第10条)第1項に基づく規格基準として規定し、これに違反する食品については販売等を法的に禁止しました。



問3 BSE検査に加え、特定部位が除去・焼却され、食品の安全性が確保されていたのではないですか?
 答)
 1  BSE検査陽性についてはそのすべてを、また、BSE検査陰性の牛であっても特定部位を除去・焼却することにより、主要な汚染は排除されており、食品の安全性確保については一定の担保が得られていると考えられます。しかしながら、検査においては技術的に微量なレベルでの検出限界が存在することや背根神経節のリスクが現在特定部位として除去されているせき髄と同程度であると考えられることから、食品を介した人へのBSEのリスクについて、万全の対応を行いました。

 2 これは、これまでの薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会伝達性海綿状脳症対策部会での審議から、(1)牛のせき柱に含まれる背根神経節のリスクについては、現在特定部位とされているせき髄と同程度であること、(2)BSE検査の実施や頭部、せき髄の除去によりBSEのリスクは大幅に低下していること(問2をご参照ください。)、(3)BSE感染牛(潜伏期を含む)であって、BSE検査による検出限界以下であるため陰性と判断される牛は、感染の早期又は中期に相当するものであり、その大部分の異常プリオンたんぱく質は現在既に特定部位として除去されている回腸又は扁桃に存在するものと考えられることとの結論が得られているためです。



問4 「せき柱」や「背根神経節」とはどのような部位ですか?また、せき柱を使った食品にはどのようなものがありますか?
 答)
 1 「せき柱」とは、各椎骨(頸・胸・腰・仙・尾椎)が関節形成や融合することによって全体に一本にまとまった骨格をいい、せき椎(いわゆる背骨)と同義語です。今回の規制案の対象となるのは、BSE発生国の牛せき柱のうちで、尾椎、腰椎横突起、胸椎横突起及び仙骨翼を除いた部分になります。

牛せき柱背側断面模式図

せき随神経の模式図

 2 「背根神経節(はいこんしんけいせつ)」とは、せき柱の中を通過するせき髄から分枝した神経が、せき柱から出る前につくる膨らみをいいます。食肉処理の過程でせき柱と食肉を分離する際には、背根神経節は一般的にせき柱側に残ると考えられています。なお、背根神経節にはリスクがありますが、せき柱の骨は本来、伝達性海綿状脳症の感染性を有するものではありません。

 3 平成15年8月に厚生労働省が行った実態調査でせき柱を使って製造されたものとして報告のあった食品には、「牛骨エキス」及び「牛骨油(ぎゅうこつゆ)」がありました。

 4 牛骨エキスは、一般に骨などを煮出して濃縮したものです。牛骨エキスについては、全国で8社からせき柱を使って製造したとの報告があり、そのうち3社は既にせき柱を使った製造を中止していると報告しています。さらに、牛骨エキスについては、BSE非発生国の原材料に切り替える等の対応が進められていると聞いています。

 5 牛骨油は骨などから抽出された油脂です。牛骨油については、全国で4社からせき柱を使って製造したとの報告があり、そのうち3社は既にせき柱を使った製造を中止していると報告しています。「牛脂」は、牛の脂身から製造されるものが大半(流通する牛脂のうち牛骨油の割合はおよそ2%のみ)で、牛の脂身から製造された牛脂は異常プリオンの汚染の可能性はありません。

 6 ゼラチンは、牛骨、牛皮のほか豚皮などを原料に、酸やアルカリによる処理などを経て製造されます。牛骨ゼラチンについては、平成15年8月の実態調査では国産せき柱を使用するとの回答はありません。欧州での研究では、ゼラチンの製造工程で感染性が低下する(マウスに継代したBSE株などを添加した試験で、製造工程と同じ条件で処理すると、感染性が一万〜百万分の一に低下するとの結果が出ています。)とされています。牛骨ペースト(骨をすりつぶしペースト状にしたもの)は、平成15年8月の実態調査ではせき柱使用の回答はありません

 7  牛骨エキス、牛骨油やゼラチンは、今回の規制によりBSE発生国のせき柱を使用したものを製造、販売等することはできなくなりました。



問5 グリセリンや脂肪酸等については、どのようになりますか?
 答)
 1 牛脂(牛の脂身から製造された油脂等)を用いてグリセリン、脂肪酸及びこれらのエステル類等が製造されていますが、これらの原材料の油脂の一部として牛骨油が使用されています。しかし、これらの製造に当たっては、油脂を高温高圧下で加水分解、けん化又はエステル交換の処理がされており、OIEにおける国際規約においても、これらの処理を行ったものは規制の対象外とされています。このような製造方法について、薬事・食品衛生審議会の意見を確認した上で、グリセリン、脂肪酸及びこれらのエステル類等、油脂を高温高圧下で加水分解、けん化又はエステル交換したものについては今回の規制の対象外としました。

 2  なお、牛骨油等を原料としてグリセリン等を製造している油脂会社は我が国に4社と報告されており、これら油脂会社では、その製造過程において、250℃、50気圧、3時間の連続高圧加水分解処理をしており、加えて蒸留等の処理も行われています。この条件に加え、EU指令(76/768/EEC)における200℃以上20分間、EUのSSC(科学運営委員会)の意見(2003年4月10日)における200℃以上2時間のいずれについても、本基準の「高温かつ高圧の条件」に該当するものとして取り扱って差し支えないことを、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会伝達性海綿状脳症対策部会の委員に確認して、平成16年2月に都道府県に通知しました。ただし、この対象となるのはその条件下でいわゆる骨油を加水分解、けん化又はエステル交換したものに限られます。



問6 せき柱の除去は、背根神経節による牛の肉及び食肉に供する内臓並びに当該除去を行う場所の周辺にある食肉の汚染を防止できる方法で行わなければならないとされているが、第6、7胸椎等で枝肉を分割する場合を含め、一般的なせき柱の除去方法における特段の留意点はありますか?
 答)
   せき柱の脱骨時の注意事項については、平成16年1月16日に通知にてお示ししているところであり、その他の問題点は一般的にはないものと考えています。なお、枝肉を第6、7胸椎等で分割する場合には、椎間(椎体と椎体の間)を切断するなど背根神経節を傷つけないよう留意してください。



問7 イベント等で行われている牛の枝肉の丸焼きについては、今回の規制の対象となりますか?
 答)
   イベント等で行われている牛の枝肉の丸焼きについては、そのこと自体が今回の規制に違反するものではありませんが、一般消費者に販売及び授受する場合には、せき柱を除去したものでなければなりません。



(個々の食品の安全性)

問8  牛せき柱を規制したが、牛肉などの安全性は大丈夫ですか?
 答)
 1 牛肉は、BSE検査に加え、食肉加工時にせき柱(背骨)を外していることから、従来から安全性が確保されています。せき柱以外の骨は安全性に全く問題はなく骨付きカルビの骨は、肋骨、いわゆる「あばら骨」でせき柱ではありません

 2  せき柱(背骨)を使って製造されたエキス(牛骨エキス)や油脂(牛骨油)などを含む加工食品は、BSE検査、特定部位除去などから、食品を介した人へのリスクの程度はごくわずかですが、今回、BSE発生国のせき柱(背骨)を使用して製造・販売することを禁止し、万全の対応を行いました。

 3 牛の脂身から製造される牛脂は、BSE汚染の可能性がないことから、安全性が確保されています。また、BSE発生国の牛肉及び牛由来の加工品は、現在、輸入禁止等の措置が講じられています



問9 牛肉やエキスなどを使った加工食品をこれまで食べてきたが大丈夫ですか?
 答)
 1 牛肉については、BSE検査でBSEが陰性であることが確認されているほか、従来から食肉処理においてせき柱を除くことにより背根神経節が取り除かれていたことから、今回の規制により禁止されるTボーンステーキなどを除き、その安全性が確保されています。

 2 また、せき柱を使って製造された牛骨エキスや牛骨油などやそれらを使って製造された加工食品については、BSE検査でBSEが陰性であることが確認されていることはもちろん、仮に検査の検出限界以下の感染性があったとしても、(1)感染牛(潜伏期を含む)は感染の早期又は中期に相当するものであって、大部分のプリオンは回腸又は扁桃に存在すると考えられ、それらは頭部など特定部位として除去されていること、(2)人のBSEに対する感受性は牛に比べて低い(牛から牛への伝達に比べ牛からマウスは約500分の1)こと、(3)エキス等は製造過程で希釈され最終的に消費される加工食品に含まれる量がわずかなことなどから、人がエキス等を用いた食品を介してBSEに感染するリスクはごくわずかです。(牛骨ゼラチンについては、問4をご参照ください。)

 3  上記のとおり、せき柱を使って製造された牛骨エキスなどのリスクはごくわずかではありますが、せき柱を食品の製造等に使用してはならないこととし、今回の規制により万全の対策を講じました。



問10  牛せき柱を使って製造された加工食品の安全性確保について、どのようになりましたか?
 答)
 1  今回の規制により、BSE発生国の牛せき柱を使ったエキスや骨油はもちろんのこと、そのエキスや骨油を使った加工食品については、グリセリン等を除き、販売のほか、食品の調理などに使用することも禁じられます。この規制は、平成16年1月16日に官報に規格基準を告示され、平成16年2月16日に施行されました。

 2  欧州において2001年にせき柱の規制を始めた際には、それまでにせき柱を使って製造された食品について、特段回収等の措置を行っていないと聞いていますが、厚生労働省においては、規制の実施前であっても、BSE発生国のせき柱を使用したエキス及び骨油またはこれらを使用した食品など今回の基準の対象となる食品等の製造、加工、販売自粛の対象としました。



(背根神経節の取扱い)

問11 食肉処理において牛せき柱を外す際に背根神経節が食肉に残ったりすることはありませんか?
 答)
 1 背根神経節は、我が国で行われている通常の食肉処理ではせき柱を外す際に、せき柱とともに除去されています。厚生労働科学研究の中間報告によると、ナイフを用いた通常の食肉処理では問題ないが、「吊り除骨(つりじょこつ)」(機械を用いて枝肉を吊り下げた状態で、骨を外す(脱骨)食肉処理方法)及び仙骨部分の脱骨に際しては注意を要すると報告されています。

 2  このため、せき柱の除去時に背根神経節の汚染が起こらないよう、食肉加工業者など食肉処理を行う営業者に対し、「吊り除骨」や仙骨部分の脱骨の場合における注意点について周知しています。



問12 背根神経節をと畜場で除去することはできないのですか?
 答)
 1 背根神経節は、せき柱を構成する骨の内部にあるため構造的に剥離や吸引などの方法により全てを確実に除去することは困難です。と畜場において技術的な創意工夫などにより、32対ある背根神経節のうち約7割(平成15年10月現在)が除去できることが、厚生労働科学研究により確かめられています。しかしながらせき柱除去のように確実に背根神経節を除去するまでには至っていません。なお、と畜場でせき柱そのものを除去することは、食肉が枝肉で取引される現在の食肉流通では実施することは困難です。厚生労働省が行った調査結果では、欧州においても、と畜場ではなく食肉処理場等においてせき柱が除去されています。

 2 厚生労働省では、と畜場における背根神経節の除去率が十分高くなるなど今後の技術の進展に応じて、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会伝達性海綿状脳症対策部会においてあらためて審議することとしています。



問13  食品安全委員会は背根神経節を含むせき柱について特定危険部位に相当する対応を講じるべきとしていますが、今回の規制で十分な対応が取られたのですか?
 答)
 1 食品安全委員会は、食品健康影響評価結果に基づいて、背根神経節を含むせき柱について特定危険部位(脳、せき髄、眼、小腸の一部など)に相当する対応を講じることが適当であるとしています。ここでいう「特定危険部位」は、OIE規則にいう「食用などにすべきではない部位」と同義であると解されます。類似の用語として、牛海綿状脳症対策特別措置法に規定される「特定部位」がありますが、「特定部位」は、同法第7条第2項で「牛の脳及びせき髄その他の厚生労働省令で定める牛の部位」と定義され、省令において牛の特定部位を「牛の頭部(舌及び頬肉を除く。)、せき髄及び回腸(盲腸との接続部分から2メートルまでの部分に限る。)」と定められています。同法の規定により、特定部位は、と畜場においてその設置者又は管理者が除去及び焼却することにより衛生上支障のないよう処理することが義務づけられているものです。他方、背根神経節は、厚生労働科学研究では、と畜場における除去について十分な結果が得られていません。一方で、欧州においては、と畜場でなく食肉処理場においてせき柱とともに除去され、死亡牛等の専用施設において焼却を行っています。したがって、背根神経節をと畜場で除去、焼却する特定部位として取り扱うことは困難です。

 2 このような実態を踏まえた上で、消費者に販売する食肉にせき柱が含まれてはならないことやせき柱を食品の製造などに使用してはならないことを食品衛生法に基づき法的な規制を設けたことから、食品の安全上、必要な対応が取られたものと考えています。また、今回の規制は、OIEの規定に合致するものと考えます。



(その他)

問14 海外から輸入される牛せき柱を使用した食品は大丈夫ですか?
 答)
 1 今回の規制は、輸入食品にも適用されます。検疫所では、輸入食品について基準に適合しているかどうか書類審査を行うほか、必要に応じ、実際の貨物を確認、検査します。

 2 またBSE発生国からは、既に牛肉のほかエキスなどを使用した牛加工食品ついては既に輸入禁止等の措置を講じており、この措置に変更はありません



問15 牛せき柱が家畜の餌などを通じて再び食品を汚染することはないのですか?
 答)
 1 政府は、平成14年6月に成立した「牛海綿状脳症対策特別措置法」に基づき、牛の肉骨粉を原料等とする飼料の使用禁止、感染した牛の届出や検査、と畜場でのBSE検査や特定部位の焼却など必要な措置をまとめ、厚生労働省や農林水産省のほか地方自治体を含め、BSEの発生予防、まん延防止等の対策を進めてきました。これは、BSEでは、この病気を起こす異常プリオンが肉骨粉などを通じて新たな感染を引き起こし被害が拡大してきたと推定されているためです。

 2  今回の規制はBSE発生国の牛せき柱の食品等への使用を禁止するもので、他の用途への使用やその処理方法について規定するものではありませんが、平成15年4月の審議会における検討の開始から関係省庁に対し適宜、通知や情報提供を行うなど対応してきたところであり、農林水産省においても、食品安全委員会の食品健康影響評価を踏まえ、飼料及び肥料に関する規制を平成16年5月1日から施行されることとされました。これにより、餌などを通じてBSEの感染が拡大し、再び食品を汚染するような事態が発生しないよう総合的な対応が取られることになるものと考えます。厚生労働省では、食品の安全性確保に万全を期すとともに、農林水産省など関係省庁などと連携し、BSE対策の推進に努めてまいります。



関連ホームページ:伝達性海綿状脳症に関する食品等の安全性確保について
食品添加物等の規格基準の一部改正について

照会先医薬食品局食品安全部基準審査課
電話03−5253−1111(内線2488、2489)


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