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魚介類による水銀の摂取量について




暫定規制値(昭和48年7月23日付環乳第99号)
 耐容週間摂取量0.17mg/人(体重50kg)/週に基づき、
  総水銀として、0.4ppm
  メチル水銀として、0.3ppm



1.1日摂取量調査結果

  1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 平均
総水銀 8.7 8 8.6 9.1 9.8 9.8 6.7 9.7 6.8 7 8.4

(μg/人/日、厚生科学研究報告書による)
注: 上記調査結果は、平均的な食生活による総水銀の摂取量であり、これら全てがメチル水銀であると仮定しても、昭和48年(1973)に設定したメチル水銀の週間耐容摂取量(0.17mg/人(体重50kg)/週=24μg/人/日)と比較すると、35%となる。

総水銀の食品群別摂取量(2001年)

  μg/人/day %
0.31 4.4
雑穀・芋 0.12 1.7
砂糖・菓子 0.01 0.1
油脂 0.003 0
豆・豆加工品 0.02 0.3
果実 0.01 0.1
有色野菜 0.01 0.1
野菜海草 0.02 0.3
嗜好品 0.02 0.3
魚介類 6.1 87.6
肉・卵 0.33 4.7
乳・乳製品 0.01 0.1
加工食品 0.004 0.1
飲料水 0 0
合計 7 100

2.耐容週間摂取量

(1) 現在のわが国及びJECFAでの耐容週間摂取量は、
0.17mg/人(体重50kg)/週
であり、1日当たりに換算すると
24μg/人/日
(1)2001年の総水銀の摂取量のうち、魚介類の占める割合は87.6%、魚介類以外は12.4%であることから、耐容摂取量から魚介類分以外を除くと
24μg/人/日-(8.4μg/人/日×12.4%)=23.0μg/人/日
(2)耐容摂取量から、総水銀の平均摂取量8.4μg/人/日を除くと
24μg/人/日-8.4μg/人/日=15.6μg/人/日
(2) 米国EPAが採用しているReference Dose(RfD;参照用量、耐用量の目安)は、0.1μg/kg体重/日であり、2001年の総水銀の摂取量のうち、魚介類の占める割合は87.6%、魚介類分以外は12.4%であることから、耐容摂取量から魚介類分以外を除くと
0.1μg/kg体重/日=5μg/人(体重50kg)/日
5μg/人/日-(8.4μg/人/日×12.4%)=4.0μg/人/日
注: 米国EPAは2000年に上記RfDを公表している。他方、魚介類の水銀に関する規制を行っているFDAは、魚介類の基準を変更するのではなく、EPAのRfDを踏まえた上で、2001年5月に食事指導を公表している。
(3) 小児について、同様に試算。
現在のわが国及びJECFAでの耐容週間摂取量は、
0.17mg/人(体重50kg)/週
であり、1日当たり、小児あたり(平均体重15.9kg)に換算すると
7.7μg/人(体重15.9kg)/日
(1)2001年の総水銀の摂取量のうち、魚介類の占める割合は87.6%、魚介類以外は12.4%であることから、耐容摂取量から魚介類分以外除くと
1日摂取量調査結果 8.4μg/人(体重50kg)/日=2.7μg/人(体重15.9kg)/日
7.7μg/人/日-(2.7μg/人/日×12.4%)=7.4μg/人/日
(2)耐容摂取量から、総水銀の平均摂取量2.7μg/人/日を除くと
7.7μg/人/日-2.7μg/人/日=5.0μg/人/日
(3) 米国EPAが採用しているReference Dose(RfD;参照用量、耐用量の目安)は、0.1μg/kg体重/日であり、2001年の総水銀の摂取量のうち、魚介類の占める割合は87.6%、魚介類以外は12.4%であることから、耐容摂取量から魚介類分以外を除くと
0.1μg/kg体重/日=1.6μg/人(体重15.9kg)/日
1.6μg/人/日-(2.7μg/人/日×12.4%)=1.3μg/人/日



水銀濃度の高い魚中の総水銀濃度とメチル水銀濃度(ppm)

魚種 日、米、英のデータをまとめたもの 日本のみのデータをまとめたもの
総水銀 メチル水銀 備考 総水銀 メチル水銀
検体数 最小 最大 平均 検体数 最小 最大 平均   検体数 最小 最大 平均 検体数 最小 最大 平均
アマダイ*1 67 0.02 3.73 1.31 米を含む 7 0.02 0.17 0.09
カジキ*3 598 0.1 3.22 1
クロカジキ 5 1.1 9.3 3.98 5 0.17 0.69 0.44   5 1.1 9.3 3.98 5 0.17 0.69 0.44
メカジキ 27 0.63 1.2 2.07 10 0.46 1 0.71 10 0.63 1.2 1 10 0.46 1 0.71
ギンダラ*2 109 ND 0.7 0.22 3 0.32 0.62 0.42 米を含む 7 ND 0.4 0.15 3 0.32 0.62 0.42
キンメダイ 19 0.07 0.86 0.46 13 0.33 0.99 0.58   19 0.07 0.86 0.46 13 0.33 0.99 0.58
サメ 331 0.05 4.54 0.98 米、英を含む 2 0.26 0.6 0.43
メヌケ 2 0.53 0.53 0.53 2 0.86 0.86 0.86   2 0.53 0.53 0.53 2 0.86 0.86 0.86
ウスメバル 3 0.71 0.71 0.71   3 0.71 0.71 0.71
ユメカサゴ 50 0.18 0.67 0.34 50 0.2 0.52 0.33   50 0.18 0.67 0.34 50 0.2 0.52 0.33
                                   
インドマグロ 8 0.79 2.6 1.27 8 0.68 2 1.08   8 0.79 2.6 1.27 8 0.68 2 1.08
クロマグロ 19 0.39 6.1 1.15 19 0.29 4.2 0.81   19 0.39 6.1 1.15 19 0.29 4.2 0.81
メバチマグロ 16 0.33 3.1 0.98 16 0.22 2.3 0.74   16 0.33 3.1 0.98 16 0.22 2.3 0.74
                                   
サワラ*1 221 0.01 1.67 0.71 米を含む 8 0.01 0.1 0.04
センネンダイ 10 0.07 1.46 0.6
ニジマス*2 9 0.02 0.45 0.14 1 0.33 0.33 0.33   9 0.02 0.45 0.14 1 0.33 0.33 0.33
ブリ*2 24 0.02 0.51 0.13 2 0.39 0.39 0.39   24 0.02 0.51 0.13 2 0.39 0.39 0.39
マダイ*2 81 ND 0.55 0.12 4 0.34 0.38 0.36 英を含む 77 ND 0.55 0.12 4 0.34 0.38 0.36
マンボウ 1 0.6 0.6 0.6
メロ*2 6 0.03 0.22 0.15 2 0.35 0.35 0.35   6 0.03 0.22 0.15 2 0.35 0.35 0.35
注: 厚生労働科学研究による調査結果、各都道府県及び水産庁による国内の検査結果(約300種、約2,600検体)、米国及び英国にお
ける検査結果を合わせて、メチル水銀が0.3ppmを超える魚種、及びメチル水銀を実施していない場合には総水銀が0.4ppmを超える魚種について表にしたものである。
*1:わが国と米、英国のデータに大きな差があるもの
*2:メチル水銀量が総水銀量を大きく上回っているもの
*3:
  総水銀 メチル水銀
  検体数 最小 最大 平均 検体数 最小 最大 平均
マカジキ 26 0.02 0.92 0.67 7 0 0.85 0.25


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