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Canada Food Inspection Agency

ファクトシート


水銀および魚の消費量

魚は、良質タンパク質の優れた供給源であり飽和脂肪酸が低く、よって健康食としての選択肢となっている。ある種類の魚はしかし、カナダの水銀ガイドライン値を超えるため、程々の摂取が望ましい。カナダ厚生省(Health Canada)は、メカジキ、鮫、生・冷凍マグロについてはその消費は一週間に1食に制限すべきとしている。幼児・妊娠可能年齢の女性については、メカジキ、鮫、生鮮・冷凍マグロの奨励される限度は月1食である。

水銀とは?
水銀は、土壌や岩石に天然に存在する成分であって、湖、小川、海洋にも存在する。自然界に加え、パルプ・紙加工過程、鉱山作業、ゴミ焼却、化石燃料など、人為的な活動により環境中に放出される。

我々は、天然および人工の、多くの源から少量の水銀を吸収しており、これには、アマルガム歯科剤(詰め物)、大気・水質汚染、食品中の微量成分などが含まれる。様々の種類の食品から摂取するが、魚が一般には最も多い摂取源である。

高用量の水銀は、ヒト・動物の神経系に障害を与えることはよく知られている。微量については、その影響は明確ではない。特に幼児における、水銀の低用量影響を調べるため、長期試験を実施中である。

魚中の水銀
水銀は、有機および無機の2種類の形態で存在する。水環境中では、有機態のメチル水銀が最も一般的な形態であり、これは魚の組織中でタンパク質と強固に結合する。多くの魚は微量のメチル水銀を含む。魚の水銀レベルは、その水環境や食物連鎖中のその位置における水銀レベルに関連する。水銀は、食物連鎖中で蓄積する傾向があり、よって、大型の捕食魚類は、非捕食魚や食物連鎖中でより低いところに位置する種類より高レベルを含有する傾向がある。

厚生省による、海水・淡水魚の総水銀含量のガイドライン値は、0.5 ppmである。これは、1970年に初めて設定されたが、近年の再評価の結果、メチル水銀の毒性影響からカナダ人の健康を保護するためには妥当であると考えられている。カナダのレベルは諸外国、例えば米国(メチル水銀単独で1.0 ppm)等に比べ厳しいものである。

CFIAの役割
CFIA(Canada Food Inspection Agency)は、ガイドラインに合致しているどうかを調べまた特定水環境の特定種における基準レベルを設定することを目的として、定期に市販魚貝類のテストを実施している。国内で消費される海水魚における試験では、常に、平均水銀値は、メカジキ、鮫、生鮮・冷凍マグロ(缶詰は除く)を除いては、基準値0.5 ppmより遙かに低い。大半の海水魚は基準値より遙かに低いため、これらの消費に関して制限はない。これらには、最も一般的に消費される魚介類、すなわち鮭、鱈、ポラック(黒タラ)、舌平目、二枚貝、ホタテ、缶詰ツナが含まれる。

CFIAは、免除・非免除種における水銀の定期的な試験を継続している。

免除種および消費制限
国内で市販される特定の魚、すなわちメカジキ、鮫、生鮮・冷凍マグロはガイドラン値0.5 ppmを超えるレベルの水銀を含有する。これらの含有量は一般には、0.5〜1.5 ppmの範囲であり、時々の摂取は許容される。よってこれら(缶詰は除く)は、ガイドラン値0.5 ppmから免除されており、別のリスク管理手法が適用されている。すなわち、消費に関する適切な規制を奨励する勧告の発令である。これにより、国民は時々の食事ではこれらの魚をも消費可能である。

メカジキ、鮫、生鮮・冷凍マグロは、週1食に制限すべきである。幼児、妊婦および妊娠可能年齢の女性は月に1食に制限すべきである。魚の栄養的価値に鑑み、有害レベルの水銀の暴露を回避するため消費を制限する奨励を遵守した上で、カナダの消費者はこれらの種類を継続的に消費可能である。

この免除規定が缶詰には適用されないということは、重要な留意点である。ツナ缶詰に使用される種類は、一般に、生鮮・冷凍市場で流通するものより小型で寿命が短い。よって、ツナ缶詰の水銀レベルは生鮮・冷凍マグロより低い傾向がある。

淡水魚
淡水魚の水銀レベルは、収穫される湖・河川水系により様々であり、採水魚同様、捕食魚は非捕食魚より高レベルを含有する。

全ての商業漁場について調査を実施しており、高レベルの検出があった場合は、その漁場は禁漁とされ、特定種類の魚は捕獲や販売が制限される。

娯楽フィッシングについては、水銀レベルの監視や安全消費基準・ガイドラインの設定または公布は、通常、地方政府の責任となる。消費目的で非商業用に捕獲された淡水魚の安全に関する詳細情報は地方当局へ照会されたい。


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