戻る

UK Food Standards Agency

Agency updates advice to pregnant and breastfeeding women on eating certain fish
食品基準局、特定の魚の摂取について、妊婦と授乳中の女性に対する勧告を更新  2003年 2月 17日
Ref: 2003/0330

 食品基準局(FSA)は妊婦、授乳中の女性及び妊娠を考えている女性に対し、1週間に中形の缶詰 2個又は新鮮なマグロステーキ 1枚より多くのマグロを食べないように勧告している。また、これらの女性は、サメ、メカジキ、マカジキも食べるのを避けるように勧告されている。

 この予防的勧告は、ある種の魚中の水銀から、まだ生まれていない子供及び母乳を飲んでいる赤ん坊に対する小さなリスクから守るためである。

 食品基準局の食品安全副デレクター、アンドリュー=ウェイジは次のように話した:「多くの妊婦や授乳中の女性が毎週これらの魚の勧告量よりも多くを食べるとは思われない。しかし、現在摂取している食事をわずかに変更することは、分別ある用心だろう。このことはまだ生まれていない子供と発達中の母乳を与えられている赤ん坊を守るために役立つだろう。出産を考えている女性や妊婦又は授乳中の女性は自分の健康と胎児の健康に特別な注意をする必要がある」。

 マグロに関するこの新しい勧告は、子供や他の大人には当てはまらない。

 しかし、幼児と 16才以下の子供は、いぜんとしてサメ、メカジキ、マカジキを食べるのを避けることが勧告されている。サメ及びメカジキ・マカジキは、ツナ缶より約5〜7倍、マグロより2〜4倍高い水銀レベルである。当局は2002年5月10日にこの問題に関する勧告を発表した。

 魚はバランスのとれた重要な食事である。それは良質のタンパク質及びほかの栄養素の良い源である;脂肪が少なく、油の多い魚は心臓発作による死亡を防止するのに役立つ。これらの長所のため、魚は妊婦にとってバランスのとれた重要な食事の一つである。

 2002年にFSAによって行われた魚の調査により、一部の大型魚での比較的高レベルの水銀が明らかになった。この現在のアドバイスはリスクの可能性について、毒性委員会(COT)による広範囲の再評価後に発表された。

 この再評価の結果、COTは水銀の1週間あたりの摂取のための世界保健機構の安全指針と、魚に認められた水銀レベルとを比較した。COTはこの限度は一般集団を守るために適切であると考えるが、中枢神経系への影響の可能性があるため、発達中の胎児及び母乳を飲んでいる赤ん坊には十分保護的でないかもしれないと懸念した。COTは、これらのグループについてのみ、より予防的アプローチが必要であると結論した。

 妊婦と授乳中の女性、妊娠を考えている女性のためのこのアドバイスは、一般集団のものより約5倍低い。

 食品基準局の魚摂取に関する一般的勧告は、魚を1週間に2食とすることであり、そのうち1食はバランスが取れた多様な食事の一部として油の多い魚であるべきだとしている。この勧告は、このレベルの魚消費は心臓発作の危険を減らすという発見に基づいている。平均で、英国内の人々は、白身魚4分の3食と油の多い魚4分の1食しか週に食べていない。


編集者への注

  1.  この勧告は、1缶につき内容量140 gのある中形缶詰2缶に基づいている。これは週に6枚のツナサンドイッチ又は3回のツナサラダに相当する。
  2.  メチル水銀の暫定的な週間耐用摂取量(PTWI)は、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議 (JEFCA) によって、週に体重1 kgあたり3.3ug (ug/kg bw/week)と設定されている。1ugは100万分の1グラム。
  3.  妊婦及び妊娠を考えている女性、授乳中の女性のためにCOTが採用した 0.7ug/kg/週の限度は、米国環境保護庁のものと同じである。
  4.  2002年5月、食品基準局はメチル水銀含量について336種類の新鮮・冷凍・加工海産魚介の調査を発表した。これらにはマス・サケ・マグロ・オヒョウ・ホキ(注:メルルーサの仲間)・スズキ・ロブスター・イガイ・クルマエビがあった。
  5.  私たちが食べるほとんどの魚は、わずかなメチル水銀を含み、通常検出されるレベルで健康に有害と考えられない。水銀は地殻と海洋から脱気によって環境中に自然に放出される。また、家庭廃棄物と産業廃棄物の焼却からも遊離される。水銀は水に落ち、そこで化学変化が水銀から、私たちが食べる場合更に有毒な形、メチル水銀に変える。
  6.  2002年調査で発見されたメチル水銀の平均レベルには次のものがある。
    サメ  1.52mg/kg
    メカジキ 1.35mg/kg
    マカジキ1.09mg/kg
    生マグロ 0.40mg/kg
    ツナ缶 0.19mg/kg
    mg/kg:1 キログラムにつき1 ミリグラム;1ミリグラムは1000分の1グラム
  7.  以前の英国調査は、英国の最も良く消費される魚で懸念を生じるレベルでメチル水銀を検出しなかった。これらの魚の平均レベルは次の通りである:
    タラ 0.066mg/kg
    ハドック(タラの仲間): 0.043mg/kg
    カレイ 0.056mg/kg
  8.  生のマグロは油の多い魚であるが、ツナ缶は缶詰加工の間に多くの油を失うので油が多くない。他に油の多い種類には、サケ・サバ・ニシン・ニジマス(生と缶詰)が含まれる。
  9.  当局は以前2002年5月10日にこの件に関する勧告を発表した。

【解説】
 現在私たちが食品から取り込んでいる水銀(メチル水銀を含めてる)の大部分は魚から取り込んでいる。

 研究が進むにつれて、特に汚染された海域以外から漁獲されたサメやカジキ類で、高濃度の水銀が検出されている。米国や英国ではサメやカジキなど特定の魚を食べなければ問題ないと考えられていた。

 しかし、近年発達中の中枢神経系は水銀の影響に敏感であることが分かってきた。このため、米国の環境保護庁や食品医薬品局は、女性や子供に対して特別な魚摂取勧告を出している。

 英国でも、この報道発表に見られるように、サメやメカジキなど成人で禁止されている魚以外に、生マグロとツナ缶の摂取を制限するように、妊婦や授乳中の女性・子供をもうけようとしている女性に勧告した。



FSA
 魚に含まれる水銀について、疑問にお答えします。

Q.  魚の水銀の問題はなんですか。
A.  ほとんどすべての魚は、微量の水銀を含むが、多くの魚は問題のない量である。しかし、比較的高いレベルの水銀を含む魚もいる。
Q.  水銀によって、影響を受けるの可能性があるのは、誰ですか。またそれはどうしてですか。
A.  まず問題となるのが、妊娠女性、そして、妊娠する可能性のある女性、出産適齢期の女性である。なぜなら、胎児や幼児の発達中の神経系に対して、リスクの可能性があるからである。
Q.  どの魚について言っているのですか。
A.  母親と、出産適齢期の女性はサメやメカジキやマカジキを避けるべきである。また、マグロの摂取も制限すべきである。
Q. 子供に関してはどうですか。
A.  16歳以下の子供は、サメ、メカジキ、マカジキの摂取を避けるべきであるが、マグロは食べてもかまわない。
Q.  他の人々はどうか。
A.  高いレベルの水銀はすべての人に影響を与えうるが、サメ、メカジキ、マカジキを避ける必要はない。その一方で、FSAはそれらの摂取を週に1回に制限するよう、アドバイスしている。
Q.  マグロはまだ食べていいのか。
A.  全ての人はマグロを食べてもかまわない。しかし、FSAはもし、妊娠していたり、妊娠するつもりであったり、出産適齢期ならば、一週間に、ツナ缶のミディアムサイズを2つ、もしくは、マグロステーキ1枚以上食べるべきではない。これは、一週間にツナサンド6つもしくは、ツナサラダ3皿を食べるのに匹敵する。
Q.  子供と、他の大人はどうか。
A.  この勧告は、子供やその他の大人には適用されない
Q.  私は妊娠しているが、たくさんのマグロを食べてきた。私の子供は障害を持っているだろうか
A.  除外はできないが、あなたの胎児がなんらかの傷害を持っている可能性はありそうにない。なぜなら、この勧告は予防的であり、安全マージンとって制限しているからである。しかし、より安全な立場をとるなら、マグロの量は今から制限すべきである。
Q.  私は妊娠しているが、魚が食べたい。どうすればいいでしょう。
A.  サメと、メカジキ、マカジキを食べるべきではない。マグロの摂取量も制限すべきである。毎日食べる、マダラやモンツキ、カレイなど、好きなものは、これらの勧告によって、全く影響されない。また、健康によいとされるその他の油質の魚、さば、にしん、まいわし、にしいわし、ます、さけといったものを、マグロの代わりに食べることができる。
Q.  未だ魚は、健康的な食生活の重要な一部分であるのか。
A.  そのとおりである。われわれのほとんどは、魚を十分には食べていない。FSAは、人々が少なくとも一週間に2回食べ、そのうちの一回は心臓病の予防になると言われる栄養素を含むような、健康によいとされる油質の魚を食べるべきである。
Q.  なぜ、この勧告が今問題となっているのか
A.  それぞれの科学的な専門家が主要な魚種についての水銀レベルと、特に胎児と幼児の発達中の神経系に関係した暴露の可能性のリスクについて注意深く調査を行ってきており、これらのリスクの可能性のため、影響を受ける群へのより予防的な措置として勧めているものである。適用される安全性ガイドラインは一般的な汚染よりほぼ5倍低い。


UK Food Standards Agency

食品基準局、鮫、メカジキ、マカジキに関する予防勧告を発表 2002年5月

食品基準局は、妊婦、妊娠希望女性、乳児および16歳未満の子供は鮫、メカジキ、マカジキの摂取は避けるよう勧告している。

基準局は、調査により比較的高レベル水銀がこれの種類から検出されることが明らかとなり、予防段階として暫定勧告を出した。鮫、メカジキ、マカジキ等の大型の捕食魚は、比較的高レベルの水銀をメチル水銀として含有する恐れがあり、母親が定期的に摂取した場合胎児の神経系に有害影響を与える可能性がある。乳児や子供は、水銀中毒の危険性が大きい可能性があるが、これは大人と比較し身体サイズ当たりの食品消費量が大であるからである。

大人の場合、バランスの取れた食事の一部として鮫、メカジキ、マカジキを時々摂取することは、有害影響をもたらす可能性は低い。しかし、予防の観点からは、週1食分を超える摂取は避ける様忠告されている。基準局は336種類の生鮮・冷凍・加工魚介類の水銀含量を調査した。これらはマカジキ鱒、鮭、マグロ、オヒョウ、ホキ、シーバス、伊勢海老、二枚貝、海老を含む。鮫、メカジキ、マカジキ以外の魚については水銀レベルは心配を招くものではなかった。過去のUKの調査によると、国民が最も頻繁に消費する魚(鱈、ハドック、アカガレイ)については、懸念を招くレベルの水銀は検出されていない。

英国では、2001年に、鮫、メカジキ、マカジキについては1506トンまた鱈、ハドックについては244,366トン消費した。

基準局の一般勧告では、週に2食分の魚を食べる様奨励しており、食事のバランスと多様性の観点から1回は脂肪分の多い魚が望ましいとしている。これは、Committee of Medical Aspects of Food Policy (COMA) の勧告に基づくものであるが、COMAによると、このレベルの魚を消費した場合、心臓発作の危険性を有意に低減することが判明した。英国では、平均、白身魚は週に3/4食分、赤身魚は1/4食分しか消費しない。

独立専門家委員会、Committee on Toxicity of Chemicals in Food, Consumer Products and Environment (COT)は、6月の会議で調査結果および消費者への影響を検討する予定である。COTの検討が終了後、必要に応じ更なる勧告を出すこととなる。基準局のバランスの取れた食事に関する勧告は、ホームページで入手出来る。

編集者に対する覚書

  1.  この調査はより一般的に消費される魚の初期の調査を補完するものである。新しい調査では鮫、メカジキ、マカジキのレベルは比較的高い(平均約1.5 mg/kg)ことが判明した。この結果は、魚以外の食品に由来する暴露を考慮し、異なる年齢群におけるこれらの魚の平均消費サイズについてのデータを合わせたものである。その結果、大人に関する魚の食事由来の暴露は、メチル水銀(魚中の最も多い水銀形態)の安全ガイドライン(PTWI)に近いものでるが、子供はこれを超える恐れがある。
  2.  WHOは、メチル水銀のPTWIは一般的には適用できるが、成長期の神経系におけるメチル水銀の影響に関する懸念のため、妊婦や乳児には危険性が高い恐れがあると見なしている。
  3.  メチル水銀はヒト・動物に対し神経毒性があることが知られている。影響には、感覚異常(皮膚の刺す様な痛み、うずき、はい回る様な感覚)、不安感、視力のぼやけを含む。成長期の胎児および乳児に関する懸念は、潜在的な神経系行動影響、例えば運動機能、注意力、言語、視覚空間能力、記憶における欠陥、に関連する。
  4. 今回および過去の調査結果を添付する。
PTWI:FAOおよびWHOの化学物質の安全性に関する国際計画の合同食品添加物専門家会議(JECFA)によって奨励された1週間当たりの暫定耐用量。


魚の水銀調査―Q&A

 メカジキ、マカジキの代替品としてどんな魚を摂取すべきか? A: 英国で一般的に摂取される脂肪性の魚には、鯖、鰊、ピルチャード、鰯、鱒、鮭や生鮮マグロ(缶詰は除く)がある。
Q:  平均的消費者は、鮫、メカジキまたはマカジキを1週間当たりどの程度摂取すべきか?
A:  全年齢の妊婦、妊娠希望女性、乳児および子供は、暫定予防措置として鮫、メカジキ、マカジキの摂取は避けるべきであると勧告しているが、これは最近の基準局の調査から、これらの魚から比較的高レベルのメチル水銀が検出されたことによるものである。その他のグループについては、バランスの取れた食事の一部として鮫、メカジキ、マカジキを時々摂取することで有害影響をもたらす可能性は低いが、予防の観点からは、妊婦、妊娠希望女性以外の大人については、週に1食分を超える摂取は避ける様忠告されている。
Q:  これらの魚の摂取を避けるべき人は誰か?
A:  妊婦、妊娠希望女性、乳児および16歳未満の子供は避けるべきである。
Q:  勧告量以上を摂取した場合に起こりうる影響は何か?
A:  鮫、メカジキ、マカジキの何れかを週に1食分を超えて摂取すると、WHOの水銀消費に関する安全性ガイドラインを超える恐れがある。
Q:  食品から高レベルの水銀を摂取した場合に起こりうる有害影響は?
A:  水銀の安全ガイドラインを越えることは必ずしも有害ではない。毎日魚を摂取した母親から生まれた子供に関する研究では、有害影響に関し説得力のある根拠は得られていない。しかし、摂取量がガイドラインを超えて増加した場合、ある人々にとっては神経系に対する有害影響を経験する可能性が高くなる。以下は起こりうる影響である:

子供
-成長期の神経系における影響の可能性:注意力や記憶等の精神機能および身体的な調整運動に影響を与える恐れがある。
妊婦
-胎児の神経系における影響の可能性:児童期における注意力や記憶等の精神機能および身体的な調整運動に障害を与える恐れがある。
大人
-最初の兆候は感覚異常(皮膚におけるはい回る様なうずきの様な感覚)である可能性が高い。暴露量が非常に高くない限り、これらの影響は一時的な物のようである。
Q:  どのような魚を1週間にどのぐらいの分量摂取すべきか?またその効果は何か?
A:  脂肪分の多い魚は、長鎖のn-3PUFAsの唯一の食品供給源であり、心臓発作に起因する死亡の危険性を低減する。これらの効果は、脂肪の多い魚の週1食分の摂取に基づくものである。週1食を超えて摂取したからといってより大きな保護効果は得られない。白身の魚は、タンパク質の高い供給源であり、赤身または白身肉の良質の代替品である。
Q:  鮫、メカジキ、マカジキは脂肪分の多い魚か?
A:  鮫は脂肪分の多い魚であると見なされていないが、メカジキおよびマカジキは脂肪分の多い魚である。
Q:
Q:  高レベルの水銀による影響を受ける魚の他の種類は?
A:  全ての魚にはメチル水銀として幾らかの水銀が含くまれる。大型の補食魚は、食物連鎖の上位にあり、体内に高レベルのメチル水銀を蓄積する可能性がある。しかしながら、我々の調査では、唯一3種類(鮫、メカジキ、マカジキ)に、あるレベルの懸念(不安)を確認した。


魚介類

魚介類は、タンパク質、ビタミン、ミネラルの有益な供給源である。健康的な食事の一部として、週に少なくとも2食分、内1食は脂肪分の多い魚、を摂食する事が望ましい。

魚は、沃素等のミネラルの優れた供給源である。また、鰯、しらす、ピルチャード、ツナ缶詰等の魚は、骨ごと摂取すれば、カルシウム、リン、フッ化物と優れた供給源である。

鰯、鰊、鯖、鱒、鮭等の脂肪分の多い魚や、鱈、オヒョウの肝臓はビタミンAやDの優れた供給源である。脂肪分の多い魚はまた、オメガ3酸を含み心臓病の防止に役立つ。


細菌とウイルス

魚介類は、適切に保存、処理、加熱調理される限り、バランスの取れた食事の一部として享受する事ができる。

生または不完全加熱された海産物は有害なウイルスや細菌を含む。アサリや牡蛎などの貝類は、フィルターフィーダー(filter feeder)―清浄かまた汚染されているかによらず、水がそこを通過する事を意味する―である。

ビブリオ菌は、海産物や生の貝類が適切に処理されなかった場合、最も一般的に報告される食中毒の原因物質である。健康な人は胃の不快感や吐き気または下痢を起こす場合がある。

ノーウォークウイルス(流行性胃腸炎ウイルス)は、生牡蛎から検出され、吐き気、脱水性下痢、腹痛を引き起こす。これに感染すると頭痛や微熱を起こす場合もある。

A型肝炎は、肝臓のウイルス性疾患である。このウイルスは、生または部分加熱貝類から検出される。特に、伝染性A型肝炎ウイルスは、感染者からサラダ等の食品へと伝播する。症状には、熱、倦怠感、吐き気、腹部不快感、黒ずんだ尿や黄疸が含まれる。感染後長くて2週間以内に症状が現れる。

危険性のあるのは誰か?
妊婦、胎児、幼児、老人は魚介類を介して感染する危険性が高い。

免疫機能の低下した人、糖尿病患者、臓器移植した人、抗癌剤治療中の人は特に危機性が高い。

アレルギー反応の危険性が有るため、6ヶ月未満の乳児には魚介類は与えるべきでない。

勧告を受けた人々は、生または部分加熱された魚介類は摂取すべきでない。


化学物質残留物
水銀は神経系に影響を与える毒物であって、補食魚類は、食物連鎖の頂点に位置するためその体内には蓄積される可能性がある。鮫、マカジキ、メカジキからは最高濃度で検出される。

現在、基準庁は、妊婦、妊娠希望女性、子供は鮫、メカジキ、マカジキの摂取は避けるよう勧告している。この種の魚に存在する比較的高レベルのメチル水銀が胎児や子供の神経系に影響を与える恐れがあるためである。

これに対し、英国人が最も一般的に摂食する魚介類に含まれる水銀レベルは遙かに低い。

PCBやダイオキシンは全ての食品から検出される傾向があるが、特に脂肪分の多い魚のように脂肪を含有する食品ではその傾向が強い。食品中から最高濃度で検出されても、健康への差し迫った影響はない。

PCBやダイオキシンについては、長期的な暴露を受けた場合、有害な健康影響の可能性が ある。しかし、これら化学物質の潜在的な危険性に比べ、脂肪分の多い魚を週に1食分摂取する事の健康効果の方が勝っていることは留意すべき重要な点である。


魚介類をより安全に処理するにはどうすべきか?

魚介類の選択には以下を留意するよう心がけること。

魚介類はいつ保存・調理すべきか?



イギリスにおける魚類と甲殻類の水銀レベル

最近の調査 前回の調査
SPECIES 平均(mg/kg)  範囲 検体数
魚類
カレイ Halibut 0.29 0.038-0.617 2
ホキ Hoki 0.186 0.065-0.307 8
アンコウ Monkfish 0.198 0.096-0.300 2
オレンジラフィー Orenge Roughy 0.595 0.527-0.647 6
その他 Other 0.105 0.006-0.664 12
タラ Pollack 0.012 0.007-0.020 4
サケ Salmon 0.05 0.029-0.079 14
シーバス Sea Bass 0.065 0.030-0.094 4
マダイ Sea Bream 0.053 0.051-0.056 4
サメ Shark 1.521 1.006-2.200 5
マカジキ Marlin 1.091 0.409-2.204 4
メカジキ Swordfish 1.355 0.153-2.706 17
マス Trout 0.06 0.014-0.103 14
マグロ Tuna 0.401 0.141-1.500 34
甲殻類
外国産エビ Exotic prawns 0.025 0.006-0.047 14
ロブスター Lobster 0.075 0.009-0.231 4
ムール貝 Mussel 0.03 0.017-0.041 4
その他 Other 0.038 0.003-0.186 9
エビ Prawns 0.048 0.013-0.249 14
イカ Squid 0.011 0.003-0.036 9
SPECIES 平均(mg/kg)  範囲 検体数
海水魚
マダラ Cod 0.066 0.029-0.098 10
モンツキ Haddock 0.043 0.023-0.072 25
ニシン Herring 0.091 0.044-0.13 9
サバ Mackerel 0.054 0.024-0.10 14
アカ(ツノ)カレイ Plaice 0.056 0.029-0.086 15
レッドフィッシュ Red Fish 0.12 0.12-0.12 2
タラの類 Whiting 0.14 0.029-0.26 15
タラの類 Cod fish fingers 0.016 0.006-0.025 3
甲殻類        
メキシコブラウン Brown shrimps 0.065 0.061-0.068 2
イシガキガイ Cockles 0.026 0.013-0.046 3
カニ Crab 0.092 0.051-0.13 2
ロブスター Lobster 0.29 0.15-0.49 4
ムールガイ Mussels 0.063 0.028-0.11 4
アマエビ Pink Shrimps 0.089 0.079-0.099 2
セイヨウイタヤガイ Queen Scallops 0.017 0.016-0.018 2
イカ Squid 0.04 0.016-0.058 3
ホタテガイ Scallops 0.01 0.008-0.011 3
クルマエビ Scampi 0.11 0.11-0.12 2
タマキビガイ Winkles 0.037 0.026-0.049 4
調査元:Bristol大学の調査
「輸入魚類と甲殻類およびイギリスの養殖魚とそれらの製品」(非公表)
調査元:FSIS 151
「海水魚と甲殻類における金属およびその他の物質の生物濃縮」


トップへ
戻る