厚生労働省

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(照会先)
大臣官房総務課調整連絡係
内線:7118

第11回厚生労働省政策会議 議事要旨

I
日時:平成22年3月3日(水)17:00〜18:30
II
場所:衆議院議員会館 第1会議室
III
出席者:長妻大臣、長浜副大臣、山井政務官、足立政務官ほか
IV
議題:予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について
V
議事要旨(○は出席議員、●は厚生労働省側(大臣のみ◎))
冒頭、長浜副大臣から挨拶及び本日の議題の紹介が行われた。
資料1及び2に基づき説明後、質疑。
○季節性インフルエンザワクチンと新型インフルエンザワクチンを次シーズンは混ぜて接種するのか。
●WHOの次シーズンのワクチン推奨株には、今回の新型インフルエンザの株が含まれている。
○今回の新型インフルエンザの在庫が随分あると聞いているが、どうするのか。
●アメリカ、イギリスでは第2波までの間隔は18週間であったので、日本では来るとすれば4月くらいになる可能性はある。ワクチンの備蓄が必要と考えている。
○既感染者への対応ガイドラインを作る予定はないのか。今回について、外国産のワクチンの有効性や安全性、タミフルやリレンザの効果などがどうであったのか、またワクチンによって医療費がどれくらい抑制されるのか、などという調査をするべきではないのか。
●既感染者と既ワクチン接種者の抗体価を確認する研究は行っている。現在のところ、既感染者はおよそ2,000万人、既ワクチン接種者はおよそ3,000万人と推定されている。
○低所得者からは接種費用を徴収しないとあるが、低所得者とは具体的にどのような方をさしているのか。
●生活保護受給者と住民税非課税の世帯である。
○ワクチン接種の勧奨のタイミングはどうやって決めるのか。
●WHOの判断や、国内の定点報告の動向などを見て決める。
○新型インフルエンザ対策には、検疫による水際対策など色々あると思うがワクチンの位置付けはどうなっているのか。
●今回の対策については、今後検証を行う予定である。また、ワクチン対策は、重症化や発病、死亡率を下げるため重要という位置づけと認識している。
○インフルエンザワクチンの値段がばらばらだと聞いているが、自費といえども一定の基準を示すべきではないか。ワクチンの分野で日本は遅れていると感じている。ワクチンは少子化対策の一部だと思うので、産まれてきた子供に対しての施策が重要ではないか。2歳以下では細菌性髄膜炎が流行していると聞いているが、既に渋谷区や品川区ではワクチン費用の助成を行っている。 国としては副作用以外の効果の面を国民に伝え、無料化するなどしてワクチンの接種を推進していくべきであろう。
○細菌性髄膜炎の主な原因菌はHib(インフルエンザ菌b型)と肺炎球菌なので、これらについて議論を進めて頂きたい。定期接種化することで、母親や小児科医の負担や耐性菌を減らせるし、医療費の削減にもつながる。そのためには90%以上の接種率が必要で、アメリカのように就学時のワクチン接種を条件とするなど、何らかの方策をすべきではないか。また、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンについてだが、これは検診率の向上も併せて考えなければならない。 加えて、HPVは欧米とわが国で流行している型が若干異なっており、一方承認されているワクチンは欧米型であるが、これについてどう考えているか。
●Hibワクチンの公費助成の件も含め、ワクチン接種の推進については、ワクチンそのものに反対な方もいらっしゃることもあり、国民的な議論が必要と考えている。そのためにも、審議会で議論を続けていただくこととしている。HPVは検診との兼ね合いがあるとは理解しており、子宮頸がんの検診率を50%以上に向上させたいと考えている。ワクチンについては、欧米と日本で型が違うのは承知しているが、国立感染症研究所で全ての型に有効なワクチンを研究していると聞いている。
○現在の定期接種の枠組みの中で、接種率をどのようにして向上させていくべきと考えているか。
●ワクチンの接種についての国民的な議論を高めていく必要がある。
●アメリカにはACIPという、ワクチンについてのオープンな議論の場がある。日本でもこのような仕組みを検討する必要がある。わが国で何故ワクチン接種が有料なのかというと、現状では検診を含め、予防医療を健康保険で扱っていないからであり、これがある意味ハードルとなっている。癌の検診率を含め、大きな枠組みの中で考えていくべきである。
○予防接種で健康被害に遭われた方の数を具体的に示してほしい。
●新型インフルエンザワクチンの健康被害救済の申請件数は現時点で32例ある。他の予防接種については後で資料をお配りする。
○予防接種の抜本見直しのスケジュールを教えてほしい。先ほど、予防医学を診療報酬の中で見てこなかったと言われたが、海外ではHPVは学校保健の分野でされており違う仕組みでなされている。 ワクチンで予防できる病気は予防する必要があるので、従来の保険の枠組みだけで行うのではなく、保健分野全体として考え直す必要があるのではないか。また、国内メーカーで国民のワクチン需要をまかなうため、5年以内に細胞培養法の確立を目指すとの説明だったが、3年以内に早めることはできないのか。
●抜本改正は、予防接種部会の委員も意欲を見せており、委員の任期が2年なので、その任期のうちにできればと思っている。検討の状況次第だが、早ければ来年の通常国会で法案提出を目指したい。医療費については、予防医療を含めた医療費全体で考えるべきであり、2年後の医療と介護の診療報酬の同時改定の時に議論が必要である。 また、ワクチンについては、これで100%予防できるということではないことを前提として考えてほしい。5年という数字は、改正法案の附則の損失補償についての検討規定に明記しているが、期限を切ってワクチン製造だけではなく、全体的な制度改正について検討するということである。
○損失補償規定は国内企業にも適用されるのか。
●損失補償の対象は、特例承認されたワクチンに限定している。
○病原性の高さは、発生当初はわからないのではないか。途中で適用する臨時接種の類型が変わることがあり得るのではないか。
●WHOのパンデミック状況の判断や、国内の流行状況を踏まえ、変更することはありうる。
○今回の新型インフルエンザワクチン接種事業のために、輸入したワクチンは、どの程度余っており、その使用期限はいつであるのか。
●今回のワクチン確保については、ほぼ全国民分を準備するということを決断し進めたところであり、その判断については適切であった。現状では状況が見えてきており、備蓄分や第二波への備えを考慮してもワクチンは余る見込みであるので、現在、メーカーと交渉中である。 輸入したのは9,900万回分で、GSK社製の使用期限は1年半、ノバルティス社製の使用期限は半年である。
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