厚生労働省

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(照会先)
大臣官房総務課調整連絡係
内線:7118

第8回厚生労働省政策会議 議事要旨

  1. 日時:平成22年1月22日(金)17:10〜18:40
  2. 場所:参議院議員会館 第2,3会議室
  3. 出席者:長妻大臣、細川副大臣、長浜副大臣、山井政務官、足立政務官ほか
  4. 議題
    • 平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律案(仮称)について
    • 介護保険法施行法の一部を改正する法律案について
    • 雇用保険法等の一部を改正する法律案について
    • その他
  5. 議事要旨(○は出席議員、●は厚生労働省側)

1.平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律案(仮称)について

資料1−1及び1−2に基づき、説明後、質疑。

○支給の制限について具体的な中身を教えてほしい。

○給食費を払っていない親、子どもの養育を放棄した親等への支給について、除外できるという規定をおくような考えがあるのか。

○子ども手当のシステムについて、厚労省として奨励している方式やソフトがあるのか。

○施設入所児童については、全ての子どもに手当をということをマニフェストにあげているので、子ども手当の中で支給できる方向を模索していきたい。イギリスでは監護人制度が機能している。追加は約5,000人と言われているので、予備費から拠出できるのではないか。

○施設内の親のいない子どもへ手当を支給すると、同じ福祉施設に生活する子どもの中で、親が手当を受給している場合とで、格差が生じるのではないか。

●子ども手当は全ての子どもが対象であり、親のいない子どもも対象にしていきたいという思いは共有をしている。しかし、6月支給に向けて時間もなく、今後1年かけて議論していきたい。暫定措置の一年目だけは他の方法で支給するということをご理解いただきたい。また、施設入所児童への支給については、現在検討中であるが、親のいない子どもに関しては直接施設に支給され、親がいる子どもには親に支給されることになるが、子ども手当が本当に子どものために使われるかは課題である。親元から虐待や家庭の事情で離れている子どもの子ども手当というものがどうあるべきか、一年間かけて議論していきたい。

●子ども手当のシステム関係については、市町村にはそれぞれソフトウェアを持っており、それに改修していくという構造なので、国で一律に決めるというのは難しい。必要な情報を提供することで円滑なシステム開発を支援していきたい。

●支給の制限については、個々の親の状況を見て制限を加えるというものではなく、必要な手続きを取られなかった方についての支給の制限である。あくまでも、子どもを監護しているかどうか、という状況を満たせれば支給するということになっている。給食費を払っていないというような親に対して、個々に支給の制限をするものではない。子ども手当は、公租公課の禁止、また差し押え禁止となっており、天引きは難しい。

○支給を停止できるという規定を置けば、給食費を払わない、養育を放棄しているということに対しての抑止力になるのではないか。支給するだけというのは、おかしいのではないかという問題意識を持っている。

●監護を放棄したと認めうるような親に対しては、市町村でも、監護要件を満たさないということで支給対象にしていない。ただし、給食費を払っている、払っていないというだけで支給の判断をすることは、現場の市町村にとっては非常に厳しいものがあると考える。むしろ子ども手当については、責務規定などを設け、受給したら子どものための使用を徹底する形で、子ども手当を受けているにもかかわらず、給食費を払わないといった親が少しでも無くなるように、啓発していきたい。

●現行の公的な手当については、差し押さえ禁止、債権の相殺、給食費が払われない場合の相殺的な意味合いは禁止されていると解釈せざるを得ない。手当の支給を受けた権利は一身専属的な権利であり、手当が本来の目的に従って支給されることを確保せざるを得ない。これは、子ども手当のスキームを作る際に、昨年末12月の税制改正大綱の閣議決定の中においても、今のような形で権利保護がされている。法律の書き方において、こういうことをせざるを得ないので、少なくとも暫定一年法案の中において、モラルの向上、親と子どもの在り方、給食費とはどういうものか、何のための子ども手当なのかという点も含めて、周知徹底していく努力は続けないといけないと思っている。

○市町村が、国から来るお金をもとに、他の市の事業に使うといったことは、法律上できないと考えている。受給要件の認定をしないということはあり得ないということが担保されているのか確認したい。もう一つは、今回の税制改正を経て、子どもがいる家庭で、どういった方が最も所得増の幅が少ないのか、平成23年の1〜3月ベースの試算はないか。

○養護施設入所児童への子ども手当の支給に関して、唯一日本で捨て子を受け入れている「こうのとりのゆりかご」についてはどうなるのか。病院ということでその後、施設に行くことになると思うが。

○支給要件の「子どもを監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母であって、父母に監護されず又はこれと生計を同じくしない子どもを監護し、かて、その生計を維持するもの」について、具体的にはどういうことか。

●市町村長にこの子ども手当の支給事務をやっていただくということは、ご理解いただくための努力は必要だが、法定受託事務という形になっているので、お断りになることはないと考えている。扶養控除の廃止と子ども手当との関係について、平成22年度は、23年1月、2月、3月だけが扶養控除廃止の効果が出るので、年度で収入減になる世帯は、中学校修了前のお子さんが居る限りにおいては基本的にはない。仮に、満年度で控除がなくなると、1万3千円では、マイナスになる家庭は出てくる。これについては、23年度の子ども手当の在り方の検討の中で、全体の控除の問題も含めて検討がなされると考えている。

●税制との関係で、従来は、高所得者ほど制度の恩恵を受けていた。手当が出るとしても、差引でいうと、低所得者の方は従来の税制の恩恵が少なかった。そういう意味では高所得者の方が、効果が減殺されるという形になる。

○1月〜3月で可処分所得が実際には減ってしまったという人が、どういうパターンで何人くらいいるのかということを出してほしい。

●「こうのとりのゆりかご」のケースについては、子どもが預けられた場合、すぐに乳児院等に預けられるので、子ども手当については乳児院で対応される。支給要件については、自分の子どもだけではなく、甥っ子を預かる場合等を想定してこの規定を置かせていただいている。

2.介護保険法施行法の一部を改正する法律案について

資料2−1及び2−2に基づき、説明後、質疑。

○実態調査はこの資料にある項目しか調べていないと聞いた。しかも、このような調査は初めてと聞いた。医療と介護の連携チームを立ち上げたと聞いたが、一度どのような状況で入所しているのか、もう少し詳細を調査すべきではないか。その過程で、介護も医療もどうあるべきかが分かってくるはずなので、要望したい。

●24年の診療報酬と介護報酬の同時改定に向けて、この2年間は大きな意味がある。今の意見を尊重しながら、今後報告できるようにしていきたい。

3.雇用保険法等の一部を改正する法律案について

資料3−1及び3−2に基づき、説明後、質疑。

○雇用保険について今後の見通しを教えていただきたい。安定資金残高については、厳しい状態であるが、借り入れを行っても来年にはまた同様の状況が生じると思われる。これで根本的な問題の解決にはなるのか。中長期的な議論をお願いしたい。

○景気がいい時には積立金が積み上がり、景気が悪い時には急速にしぼむが、景気の底で保険料を引き上げるのは景気の状況に負のインパクトを与える。もっと大胆に別のところから借りるということはなかったのか。景気の底で保険料を上げるということのないように中長期な見直しが必要ではないか。

○雇用保険の適用基準を「6か月以上の雇用見込み」から「31日以上の雇用見込み」に拡大するということであるが、これによりどれくらい給付が増えるのか試算があったら教えていただきたい。

●雇用保険の積立金については、景気のいい時には積み上がり、景気の悪い時は減るということで、平成14年は非常に厳しい状況であった。平成20年は5兆円くらいたまっていたが、平成21年、平成22年と年約8000億円の減となっているところ。今お話したのは失業等給付本体の方であるが、雇用保険二事業についても、赤字の状態であり、雇用調整助成金によって約7000億円のお金が出ている。来年度も要件緩和によって同じくらいの支出が見込まれるところ。どこかからお金を借りるということが必要であるが、まずは同じ労働特会の中でということで今回措置させていただいた。雇用保険の適用拡大については、900億円強の失業等給付費の増加が見込まれるところであるが、新たに約250万人に適用が拡大されるものと考えている。

○中長期の議論をお願いしたいということを言っている。積立金は景気にいいときに積み増すが、底で保険料を上げるというのは問題である。平成14年も失業率は今と同じ5.7%くらいであったが、やはりあのときも景気は底の状態で、保険料を上げることにより企業経営を圧迫した。

●雇用保険の特別会計については、総務省の行政評価局から厚労省に対して勧告があったところ。雇用能力開発機構の見直しを含めて、本体と二事業についても中長期的に見直していこうと思っているので、その中でご指導いただければと考えている。

4.その他について

資料4−1及び4−2に基づき、説明後、質疑。

○診療報酬改定の内容には、国会議員はどのように絡めば良いのか。どのようにすれば取り上げてもらえるのか。

○政務3役は「適切な医療費を考える議員連盟」でまとめた緊急提言に是非目をとおし、検討してほしい。また、地域医療再生交付金が大学病院などの規模の大きな病院に流れている。市中病院から不満がある。さらに、大学病院で、診療で稼いだ金を研究に回すと言っている人がいるが、おかしい。必要な研究費は文部科学省で確保すべき。

○有床診療所はかつて不要と言われていたが、今回支援する理由は何か。また、公的病院の役割はどう考えているか。医師不足についてどう考えているか。

●今回の改定は、マニフェスト、党の予算要望などに沿って行われており、各議員の要望はそのような形でいただいたものと考えている。まだ緊急提言は手元に届いていないが、届いたら検討させていただきたい。地域医療再生基金は都道府県が自由に使途を決めるもの。今回の診療報酬改定は、民主党マニフェストを実現する第一歩と考えている。急性期病院、特に大学病院は診療部門の赤字が大きいと聞いている。急性期病院の後方病床は必要である。看取りや緩和の部分で役立っている診療所もあるので、このような診療所は手厚くする。これから1年かけて、医師だけでなく、医療関係職種などの活用するための議論をし、年内にまとめるようにしたい。

●10年ぶりのネットプラス改定となったのは、議員のみなさんの声のおかげ。これからも追い風となっていただきたいと考えている。

○もう少し、専門の議員や地元の声を知っている議員の声を聞いてほしい。スケジュールが決まっているが、議員が議論をし、反映するようなことができないか、と思っている。この場ではできなかったが、意見交換をするよう、内山筆頭とも考えていきたい。政権交代後、3役に遠慮して事務方にはあまり質問などしてこなかったが、これからは、担当者の人間を呼んで、「どうなっているのか」と聞くことも、もっとして良いと思う。

●厚生労働省に意見を言っていただいて結構です。

○医療と介護のダブル改定では、医療と介護の在り方に我々が参加できる形でお願いしたい。

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