厚生労働省

  • 文字サイズの変更
  • 小
  • 中
  • 大

がん対策について

(健康局総務課がん対策推進室)

がんは、我が国において昭和56年より日本人の死因の第1位で、現在では、年間30万人以上の国民が、がんで亡くなっています。また、生涯のうちにがんにかかる可能性は、男性の2人に1人、女性の3人に1人と推測されています。

厚生労働省としては、国、地方公共団体、また、がん患者を含めた国民、医療従事者及びマスメディア等が一体となってがん対策に取り組むことにより、「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会」の実現を目指すことを最大の目標として、様々ながん対策を講じているところです。

1.わが国の「がん」の現状は?

2.がん対策基本法とは?

3.がん対策推進基本計画とは?

4.がん対策に関する最近の話題は?

5.がんについて、さらにお知りになりたい方へ

1.わが国の「がん」の現状は?

厚生労働省人口動態統計によると、平成19年の年間死亡者数は110万8,334人です。このうち、33万6,468人(男性:20万2,743人、女性:13万3,725人)の方が、がんにより亡くなっています。このため、「日本人の3人に1人ががんで死亡している。」とも言われています。

がんの死亡数の推移(厚生労働省人口動態統計)

近年では、生活習慣の欧米化等に伴い、これまで多かった胃がん、子宮がんが減少し、それに代わって乳がん、大腸がん、肺がんなどが増加しています。

部位別がん死亡数(厚生労働省人口動態統計)

平成14年に新たに診断されたがんは、58万9,293例(男性:33万9,650例、女性:24万9,643例)です。臓器別では、罹患数が多い順に、男性で胃、大腸、肺、前立腺、肝臓、女性で大腸、乳房、胃、子宮、肺の順になっており、男女とも上位5部位のがんで、全がん患者の6割以上を占めています。

地域がん登録全国推計によるがん罹患数(国立がんセンターがん対策情報センター)

また、国立がんセンターがん対策情報センターの推計によると、一生涯のうちに何らかのがんになる割合は、男性で49%、女性で37%とされています。このため、「日本人男性の2人に1人、女性の3人に1人ががんになる。」とも言われています。

2.がん対策基本法とは?

わが国のがん対策は、これまでの取り組みにより進展し、成果を収めてきましたが、今なお、がんが国民の生命および健康にとって重大な問題となっている現状を踏まえ、「がん対策基本法」が平成19年4月から施行され、より一層がん対策を推進していくための環境が整備されました。

政府におけるがん対策の主なあゆみ

がん対策基本法は、4章20条で構成されており、関係者(国、地方公共団体、医療保険者、国民および医師等)の責務を明らかにするとともに、がん対策の一層の充実を図るために、国が新たに設置する審議会である「がん対策推進協議会」の意見を聴いた上で「がん対策推進基本計画」を策定し、それを基に都道府県が地域特性を踏まえて「都道府県がん対策推進計画」を策定することとされています。これらの計画により、本法律に掲げられた基本的施策を総合的かつ計画的に推進することとされています。

このように広範囲にわたってわが国の今後のがん対策の進むべき道を体系的に示したがん対策基本法に基づき、そこに示された考え方、目標等を具体化する各種施策について、政府としてより一層の充実強化を図っていくこととしています。

がん対策基本法

3.がん対策推進基本計画とは?

平成19年4月の「がん対策基本法」の施行後、平成19年6月には、同法に基づき、「がん対策推進基本計画」が策定(閣議決定)されました。この基本計画は、長期的視点に立ちつつ、平成19年度から平成23年度までの5年間を対象として、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策の基本的方向について定めるとともに、都道府県がん対策推進計画の基本となるものです。

(参考1)がん対策推進基本計画
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/06/s0615-1.html

(参考2)都道府県がん対策推進計画
http://ganjoho.jp/public/news/2008/plan.html

具体的には、今後のがん対策の全体目標として、

がんによる死亡者の減少(がんの年齢調整死亡率(75歳未満)の20%減少)

すべてのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の維持向上

を掲げるとともに、

放射線療法及び化学療法の推進並びにこれらを専門的に行う医師等の育成

治療の初期段階からの緩和ケアの実施

がん登録の推進

に重点を置きつつ、各分野別施策を、がん患者を含めた国民の立場に立って、総合的かつ計画的に推進していくことを内容としています。

がん対策推進基本計画

今後は、基本計画に基づき、国及び地方公共団体、また、がん患者を含めた国民、医療従事者、医療保険者、学会、患者団体を含めた患者団体及びマスメディア等が一体となってがん対策に取り組み、がん患者を含めた国民が、進行・再発といった様々ながんの病態に応じて、安心・納得できるがん医療を受けられるようにするなど、「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会」の実現を目指すこととしています。

また、平成21年度末を目途に、基本計画の進捗状況を国会に中間報告することとしています。さらに、都道府県がん対策推進計画に基づく施策をより一層推進するために、「がん対策推進計画を推進するための都道府県の主な取組(アクションプラン)」の作成を都道府県に推奨していくこととしています。

4.がん対策に関する最近の話題は?

がん対策推進基本計画においては、「がん患者を含めた国民の視点に立ったがん対策の実施」が、基本方針の一つとして掲げられており、今後のがん対策を推進するにあたっては、がん及びがん医療に関する正しい理解の促進を図ることは、基本計画に掲げる各施策を推進する上で、必要不可欠です。

(例)がんの早期発見のためには、がん検診の受診率の向上が重要であるが、わが国のがん検診受診率は欧米諸国に比べ低く、この改善のためには、国民の皆さんに、がんの病態、治療法に正しく理解していただくことが重要です。

がん検診の受診率の推移(国民生活基礎調査)

このため、がんの病態、がん検診の重要性、がん登録、緩和ケア等に対する、正しい理解の普及・啓発のための方策について検討するとともに、有効かつ的確な普及・啓発事業を実施することを目的として、「がんの普及啓発に関する懇談会」を開催しています(第1回:平成20年10月24日)。

第1回がんに関する普及啓発懇談会の模様第1回がんに関する普及啓発懇談会の模様

本懇談会の委員には、がん医療や教育に関する専門家をはじめ、広告業界、芸能界、患者会など、様々な分野で活躍されている方々にお願いし、それぞれの立場から、がんの普及啓発に関する意見を伺うこととしています。

今後は、この懇談会で報告、発表された先駆的な事例をもとに、がんの病態、検診の重要性、がん登録、緩和ケア等に対する正しい理解の普及・啓発のための方策について、具体的な検討を行っていくこととしています。

5.がんについて、さらにお知りになりたい方へ

がん情報サービス(国立がんセンターがん対策情報センター)

がん対策について(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan.html

がん患者・家族の皆さんへ

がんについていろいろな相談ができる「相談支援センター」は全国の「がん診療連携拠点病院」にあります。

がん診療連携拠点病院は、全国どこにお住まいでも質の高いがんの医療が受けられるように、厚生労働大臣が指定した施設です。指定された施設は、がん医療の内容や設備、がん関連の情報提供などについて、一定の基準を満たしています。

相談支援センターは、がんのことやがんの治療について知りたい、今後の療養や生活のことが心配など、がんの医療にかかわる質問や相談にお答えしています。

(参考)相談支援センター一覧

http://ganjoho.jp/pub/hosp_info/index_03.html

お問い合わせ健康局総務課がん対策推進室


トップへ