厚生労働省

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障害者スポーツ

1.障害者スポーツの経緯について

リハビリとしてのスポーツ

4年に1度開催されるパラリンピックは、その度に私たちに多くの感動や勇気を与えてくれています。そのパラリンピックの原点は、第2次世界大戦(1939〜1945年)後にリハビリの一環として取り入れられたスポーツでした。

第2次世界大戦の激化により、脊髄損傷になる兵士が急増することを見越したイギリスのチャーチル首相らは、1944年に、兵士の治療と社会復帰を目的に、ロンドン郊外にあったストーク・マンデビル病院内に脊髄損傷科を開設、その病院の治療としてスポーツが取り入れられました。

当時脊髄損傷科長であったグットマン博士は、1948年ロンドンオリンピックの開会式の日に病院内でスポーツ大会を開催、これがパラリンピックの原点となり、1952年には国際大会(国際ストーク・マンデビル大会)へと発展しました。さらに1960年のローマ大会からは、オリンピック開催年の大会だけはできるだけオリンピック開催国で行うようになりました。このローマ大会が第1回パラリンピックと位置づけられている大会です。

我が国の障害者スポーツ

日本において障害者スポーツが広まった契機は、1964年に日本で開催された東京パラリンピックです。各国の選手たちが生き生きとスポーツをする姿に、日本の障害者や医療関係者、福祉関係者は深い感銘を受け、日本でも障害者スポーツを盛んにしようという動きが高まりました。

そして、翌年には国民体育大会が開催された地で身体障害者の全国スポーツ大会が開催されるようになり、次第に訓練の延長としてではなく、スポーツをスポーツとして楽しむという意識が生まれてきました。

競技性の高いスポーツへ

さらに、1998年に開催された長野パラリンピック冬季競技大会では、障害者スポーツの競技性が重視された大会であった中、日本選手団のめざましい活躍が深い感動を呼び、マスメディア等を通じて広く国民が障害者スポーツをスポーツとして認識することとなりました。 これ以降、障害者スポーツは、一般的にイメージされていた「リハビリテーションの延長」という狭義のものから、生涯スポーツや競技スポーツなど、障害のない人々と同様に多様な目的で行われていることが知られるようになりました。その結果、ノーマライゼーション社会の構築に向けた役割や、障害者の自立や社会参加を支援するという大きな役割も果たすようになりました。

2.主な総合国際競技大会

(1)パラリンピック競技大会

【趣旨・概要】オリンピック終了後に同じ開催地で開催される、障害者スポーツの最高峰の大会(聴覚障害者、知的障害者(※)を除く)。

※1996年のアトランタ大会で知的障害者の参加が認められましたが、2000年シドニー大会で行われた知的障害者のバスケットボールにおいて健常者が知的障害者と偽って出場したことを契機に、知的障害者のパラリンピックへの参加が凍結されました(2012年ロンドン大会では障害認定の厳格化等の条件を満たしたとIPCから承認を受けたいくつかの競技・種目が実施される予定)。

【正式競技】夏季(20競技):陸上競技、水泳、車いすテニス、ボッチャ、卓球、柔道、セーリング、パワーリフティング、射撃、自転車、アーチェリー、馬術、ゴールボール、車いすフェンシング、車椅子バスケットボール、視覚障害者5人制サッカー、脳性麻痺者7人制サッカー、ウィルチェア−ラグビー、シッティングバレーボール、ボート

冬季(5競技):アルペンスキー、クロスカントリースキー、バイアスロン、アイススレッジホッケー、車いすカーリング

各競技の写真付きの説明はリンクからご覧下さい。
http://www.jsad.or.jp/paralympic/para_events.htm

【初回大会】夏季:1960年 ローマ(イタリア)
冬季:1976年 エンシェルツヴィーク(スウェーデン) 
(日本選手団は1964年の東京パラリンピックより参加。)

【開催時期】4年ごとに、夏季競技大会と冬季競技大会があります。
(日本での開催は、1964年の東京パラリンピック(夏季)と1998年の長野パラリンピック(冬季)。)

【パラリンピックとは】 http://www.jsad.or.jp/paralympic/para_history.htm

写真:熱戦を繰り広げる車椅子バスケットボール競技
写真:熱戦を繰り広げる車椅子バスケットボール競技

【最近開催された大会】
2008北京パラリンピック競技大会(夏季大会)

2008北京パラリンピック競技大会が、2008年の9月6日から17日までの12日間、北京を中心に開催されました。13回目の開催となった当大会には、過去最多の146ヶ国・地域から、約4000人の選手が参加し、20競技で熱戦が繰り広げられました。

日本からは162名の選手が参加し、27個のメダルを獲得しました。メダル獲得数は過去5大会の中でもっとも低い結果になりましたが、これはパラリンピックの競技性を高めるため、障害の程度により細分化されていたクラスが統合されたり、参加選手の少ないクラスの種目を取りやめたりと、少ないメダルを競うかたちとなったことや、各国の競技力が高まってきたことが原因となっています。

本大会より、夏季、冬季ともにオリンピックとパラリンピックが同一組織により運営されることとなり、パラリンピックの位置づけはオリンピックに並ぶ名実ともに最高峰のスポーツ大会となりました。オリンピックと同じように、人間の限界を追求し、最先端のスポーツ科学を背景とした効果的なトレーニングがなければ勝てない、競技性の高い国際大会となっています。

[日本選手団の成績]
開催年 開催地 参加数 国別
金メダル
ランキング
選手 日本選手
2008 北京/中国 146 3951 162 5 14 8 27 17
2004 アテネ/ギリシャ 135 3808 163 17 15 20 52 10
2000 シドニー/オーストラリア 122 3881 151 13 17 11 41 12
1996 アトランタ/アメリカ 104 3259 81 14 10 13 37 10
1992 バルセロナ/スペイン 83 3001 75 7 8 15 30 17
バンクーバー2010パラリンピック冬季競技大会(冬季大会)

バンクーバー2010パラリンピック冬季競技大会が、2010年の3月12日から21日までの10日間、カナダのバンクーバーにおいて開催されました。今回で10回目の開催となった当大会には、冬季大会としては過去最多の44ヶ国・地域から、約500人の選手が参加し、5競技で熱戦が繰り広げられました。

日本からは41名の選手が参加し、金メダル3個、銀メダル3個、銅メダル5個の計11個のメダルを獲得しました。これは、前回のトリノ大会の9個を大きく上回る結果です。特に、アイススレッジホッケーの銀メダル獲得という快挙は、夏季・冬季大会を通して、はじめての団体競技での決勝進出であり、男子の団体競技での初のメダル獲得となりました。

[日本選手団の成績]
開催年 開催地 参加数 国別
金メダル
ランキング
選手 日本選手
2010 バンクーバー/カナダ 44  502  41 3 3 5 11 8
2006 トリノ/イタリア 39  477  40 2 5 2 9 8
2002 ソルトレーク/アメリカ  36  416  35 0 0 3 3 22
1998 長野/日本 32  571  71 12 16 13 41 4
1994 リレハンメル/ノルウェー  31  492  27 0 3 3 6 18
【次回大会】

【夏季】ロンドン2012パラリンピック競技大会
開催地:イギリス・ロンドン市

【冬季】ソチ2014パラリンピック冬季競技大会
開催地:ロシア・ソチ市

写真:北京パラリンピック競技大会開会式
写真:北京パラリンピック競技大会開会式

(2)デフリンピック競技大会

【趣旨・概要】聴覚障害者の最高峰の大会で、パラリンピックより古い歴史をもっています。コミュニケーションが全て国際手話により行われ、競技は基本的にオリンピックと同じルールで運営されます。

【正式競技】夏季(19競技):陸上、水泳、卓球、テニス、射撃、バドミントン、ボウリング、オリエンテーリング、自転車、バスケットボール、バレーボール、ビーチバレー、サッカー、柔道、空手、テコンドー、レスリング(グレコローマン)、レスリング(フリースタイル)、マウンテンバイク

冬季(5競技):アルペンスキー、スノーボード、アイスホッケー、クロスカントリースキー、カーリング

【初回大会】夏季:1924年 パリ(フランス)
冬季:1949年 ゼーフェルト(オーストリア)
(日本選手団は1965年の第10回夏季競技大会(開催地:ワシントン)より参加。)

【開催時期】4年ごとに夏季競技大会と冬季競技大会がある。

【デフリンピックとは】 http://www.jfd.or.jp/deaflympics

写真:台北デフリンピック開会式
写真提供:(財)全日本ろうあ連盟
写真:台北デフリンピック開会式

【最近開催された大会】
第21回夏季デフリンピック(通称:台北デフリンピック)

2009年9月に、台湾・台北で第21回夏季デフリンピックが開催されました。当大会には、77カ国・地域から2500名の選手が参加し20競技が実施されました。日本からは、154名の選手が12競技に参加し、金メダル5個を含む夏季大会では過去最高タイの20個のメダルを獲得、金メダル獲得数は、77か国中9位の結果となりました。

[日本選手団の成績]
開催年 開催地 参加数 国別
金メダル
ランキング
選手 日本選手
2009 台北/台湾 77 2493 154 5 6 9 20 9
2005 メルボルン/オーストラリア 63 2043 102 3 7 1 11 18
2001 ローマ/イタリア 67 2215 60 10 5 5 20 5
1997 コペンハーゲン/デンマーク 65 2029 44 6 1 1 8 8
1993 ソフィア/ブルガリア 52 1680 41 4 7 5 16 7

※ICSD(国際ろう者スポーツ委員会)HP参照

写真:台北デフリンピック 女子サッカー
写真提供:(財)全日本ろうあ連盟
写真:台北デフリンピック 女子サッカー

第16回冬季デフリンピック(通称:ソルトレークデフリンピック)

2007年2月に、米国・ソルトレークシティで第16回冬季デフリンピックが開催されました。当大会における日本選手団のメダル総数は24か国中7位と、冬季デフリンピック過去最高の成績を挙げました。金メダル獲得数では24か国中3位と米国に並ぶ快挙となりました。

[日本選手団の成績]
開催年  開催地 参加国 国別
金メダル
ランキング
選手 日本選手
2007 ソルトレークシティ/アメリカ 23 298 17 3 0 1 4 7
2003 スンツバル/スウェーデン 21 252 14 2 0 0 2 11
1999 ダボス/スイス 18 265 10 0 1 1 2 14
1995 ウッラス/フィンランド 18 260 10 0 0 0 0
1991 バンフ/カナダ 16 181 9 0 0 0 0

※ICSD(国際ろう者スポーツ委員会)HP参照

写真:ソルトレークデフリンピック アルペンスノーボード金メダリスト
写真提供:(財)全日本ろうあ連盟
写真:ソルトレークデフリンピック アルペンスノーボード金メダリスト

2011年2月には、スロバキアのハイタトラスおいて、第17回冬季デフリンピックが開催されます。

【次回大会】

【冬季】第17回デフリンピック冬季大会
期間:2011年2月18日〜2月26日 
開催地:スロバキア共和国・ヴィソケ・タトラ市(ハイタトラス)

【夏季】第22回デフリンピック夏季大会
期間:2013年7月31日〜8月13日
開催地:ギリシャ・アテネ市

(3)アジアパラ競技大会

【趣旨・概要】1975年より9回にわたり開催してきた極東・南太平洋障害者スポーツ大会(フェスピック大会)の実績を引き継ぐとともに、アジア地域におけるパラリンピック・ムーブメントの推進と競技スポーツのさらなる進展を図るために開催するアジア地域の障害者総合スポーツ大会。アジアパラ競技大会としては、2010年が第1回目であり、今後4年に一度、国際パラリンピック委員会(IPC)の地域委員会であるアジアパラパラリンピック委員会(APC)が主催しています。

【正式競技】 正式競技は規定されていませんが、基本的な考え方としては、パラリンピック正式競技のうちアジア地域で一定の参加数が見込める競技と、フェスピック大会実施競技としての実績のある競技の中から決定されます。
広州大会では、馬術、セーリング、ウィルチェアーラグビーを除く17のパラリンピック競技にバドミントン、テンピンボウリングを加えた19競技が行われました。

【初回大会】 2010年 広州2010アジアパラ競技大会(中国)
(期間:2010年12月12日〜19日 8日間)
(開催地:中国・広州)

【開催時期】 4年ごとに夏季競技大会があります。

 

【アジアパラ競技大会とは】
http://www.jsad.or.jp/event_info/2010/2010APG/2010asian%20para.htm

【最近開催された大会】
2010年 広州2010アジアパラ競技大会

2010年12月12日より19日までの8日間、中国の広州市において第1回目の開催となるアジアパラ競技大会が開催されました。大会には、アジアの41カ国・地域より約4000名の選手・役員が参加、日本からは223名の選手が19競技に出場しました。日本選手は、金メダル32個、銀メダル39個、銅メダル32個の103のメダルを獲得する活躍をしました。

[日本選手団の成績]
開催年 開催地 参加国 国別
金メダル
ランキング
選手 日本選手
2010 広州/中国 41 3000 223 32 39 32 103 2

3.主な国内競技大会

(1)全国障害者スポーツ大会

写真:2010年(平成22年)「ゆめ半島 千葉大会」開会式
写真:2010年(平成22年)「ゆめ半島 千葉大会」開会式

全国障害者スポーツ大会は、障害のある選手が、競技等を通じ、スポーツの楽しさを体験するとともに、国民の障害に対する理解を深め、障害者の社会参加の推進に寄与することを目的として開催される国内最大の障害者スポーツの祭典です。

2001年(平成13年)に、1965年(昭和40年)より36回にわたり開催されてきた「全国身体障害者スポーツ大会」と、1992年(平成4年)より9回にわたり開催されてきた「全国知的障害者スポーツ大会」が統合され、「全国障害者スポーツ大会」として開催されるようになりました。2008年(平成20年)からは、精神障害者の競技も加わり、全国の身体、知的及び精神に障害のある方々が一堂に会して開催される大会となっています。

全国障害者スポーツ大会は、国民体育大会(本大会)の開催都道府県が主催することとなっており、2010年(平成22年)は千葉県において開催され、2011年(平成23年)は10月に山口県にて開催されます。

(2)競技種目別の主な大会
[1] ジャパンパラリンピック競技大会

パラリンピックや世界選手権大会を目指すトップレベルの選手のための大会として位置づけられた、国内最高峰の大会。(競技:陸上、水泳、アーチェリー、スキー、アイススレッジホッケー)

国際組織のクラス分けや競技規則を適用したり、標準記録を設定して一定の競技水準に達している選手だけが参加できるようにするなど、国際大会を見据えた大会として開催されています。

【概要等】

http://www.jsad.or.jp/JP_top.htm

[2] 内閣総理大臣杯争奪日本車椅子バスケットボール選手権大会

1970年にはじまった車椅子バスケットボール競技大会が起源。 1974年に日本椅子バスケットボール連盟が設立され、その翌年の第5回大会より名称を『日本車椅子バスケットボール選手権大会』としました。

1979年の第8回大会からは、内閣総理大臣杯を冠しているわが国最高峰の車椅子バスケットボール大会となっています。

【最近開催された大会】

http://www.jsad.or.jp/reports/10/10bask.htm

[3] 厚生労働大臣杯争奪日本車椅子ツインバスケットボール選手権大会

1970年代半ばに、頚髄損傷者のためのバスケットボールがリハビ リ施設で誕生。地域によってルールが異なっていましたが、1985年に開催された「第1回交流試合」を契機にルールの統一が検討されました。

その後、1987年に名称をツインバスケットボールとし、同年12月には統一ルールの下、第1回日本車椅子ツインバスケットボール大会が開催されました。

【日本車椅子ツインバスケットボール連盟】

http://jwtbf.com/modules/news/article.php?storyid=40

[4] 全国身体障害者スキー大会

1971年にカナダでハンディースキーに出会いアウトリガーを持ち帰った故笹川雄一郎氏により、その翌年、竜王スキー場にある笹川氏のロッジにハンディースキー愛好者が集まりスキー技術の教えを受けたのが、第1回全国身体障害者スキー大会のはじまりです。

【NPO法人日本障害者スキー連盟】

http://www.sajd.com/

[5] 日本障害者自転車競技大会

1993年より毎年開催されている大会。

健常者と同じ2輪によるレースをはじめ、脳性麻痺者が行う3輪自転車によるレースや、視覚障害者によるタンデムレースなどが行われています。

【日本障害者自転車協会】

http://www.jcadweb.com/

[6] 厚生労働大臣杯争奪全国障害者アーチェリー選手権大会

1973年に第1回大会を行い、以後毎年開催されている身体障害者によるアーチェリーの全国大会。1982年より、優勝者には厚生労働大臣杯が授与されています。

【日本身体障害者アーチェリー連盟】

http://shinshoaren.holy.jp/

[7] 大分国際車いすマラソン大会

1981年、国際障害者年の記念行事としてはじまった世界初の車いす単独のマラソン大会であり、国際パラリンピック委員会公認大会として毎年大分県にて開催されています。世界30カ国から400名以上の車いすランナーが出場する世界最大級の車いす大会です。

【公式サイト】

http://www.kurumaisu-marathon.com/

[8] 全国車いす駅伝競走大会

1988年に開催された第24回全国身体障害者スポーツ大会の公開競技として実施。その後、1990年に名称を「全国車いす駅伝競走大会」として毎年京都府にて開催されています。

    

【公式サイト】

http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tk7716/ekiden.html

[9] 国際盲人マラソンかすみがうら大会

IBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)公認の国際盲人マラソン大会として、1997年から毎年かすみがうらマラソン大会と同時開催しているわが国最大規模の盲人マラソン大会。

【公式サイト】

http://www.kasumigaura-marathon.jp/

4.スペシャルオリンピックス日本

【趣旨・概要】スペシャルオリンピックス(SO)とは、知的発達障害のある人たちに、オリンピック種目に準じた様々な競技の継続的なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を提供し、知的発達障害のある人の社会参加を応援する国際的な活動。国内本部組織であるSO日本では、ボランティア・コーチの育成と4年に1度のナショナルゲーム(全国大会)の開催と世界大会への選手団派遣事業を展開。47都道府県に地区組織を設置し、継続的な活動が展開されています。

【実施競技】 陸上競技、水泳競技、体操競技、テニス、卓球、バスケットボール、バ レーボール、バドミントン、サッカー、ボウリング、ゴルフ、アルペンスキ ー、スノーボード、クロスカントリースキー、スノーシューイング、フィギュ アスケート、スピードスケート、フロアホッケー など

【参加アスリート(知的発達障害のある人)数】 7816人  *2009年末調査

【スペシャルオリンピックスとは】 http://www.son.or.jp/about_son/index.html

【スペシャルオリンピックスの活動内容】 http://www.son.or.jp/about_son/activity/index.html

スペシャルオリンピックス日本ではボランティア・コーチの育成、継続的なトレーニングの発表の場である、国内最大の競技大会 ナショナルゲーム(全国大会)の開催と、世界大会への選手団派遣事業をおこなっています。

(1)ナショナルゲーム(全国大会)開催
【最近開催された大会】

大会名称:2010年第5回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・大阪

開催期間:2010年11月5日〜7日

実施競技:陸上競技、水泳競技、体操競技、テニス、卓球、バスケットボール、バレ ーボール、バドミントン、サッカー、ボウリング、ゴルフ、フライングディスク

参加アスリート数:1042名 大会ボランティア数:約3900名

写真:ナショナルゲーム・大阪 陸上競技
写真提供:スペシャルオリンピックス日本
写真:ナショナルゲーム・大阪 陸上競技

46都道府県から1042人のアスリートが12競技に参加。アスリートは日頃の練習の成果を発揮し、熱戦を繰り広げました。

写真:ナショナルゲーム・大阪 ボウリング
写真提供:スペシャルオリンピックス日本
写真:ナショナルゲーム・大阪 ボウリング

大会を支えたボランティアは約3900名。アスリートとのふれあいの中で知的発達障害のある人への理解が深まっています。

【次回全国大会】2012年第5回スペシャルオリンピックス日本冬季ナショナルゲーム・福島
期間:2012年2月10日〜12日
開催地:福島県

(2)世界大会への選手団派遣
【最近開催された大会】

2009年スペシャルオリンピックス冬季世界大会・アイダホ 日本選手団派遣

大会期間:2009年2月6日〜13日

日本選手団:87名(内 アスリート61名)

写真:世界大会・アイダホ
写真提供:スペシャルオリンピックス日本
写真:世界大会・アイダホ

競技だけでなく、世界中から集まるアスリートやボランティア、いろいろな人との交流を通して、アスリートは大きく成長し帰国します。

次回、「2011年スペシャルオリンピックス夏季世界大会・アテネ」(6月開催)には「2010年第5回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・大阪」に参加したアスリートの中から選考されたアスリートが日本選手団として大会に派遣されます。

【次回世界大会】2011年スペシャルオリンピックス夏季世界大会・アテネ
期間:2011年6月25日〜7月4日 
開催地:ギリシャ共和国・アテネ市

5.障害者スポーツの現状と課題

(1)障害者スポーツ振興のために
[1](財)日本障害者スポーツ協会について

我が国の障害者スポーツは、財団法人日本障害者スポーツ協会及び各競技団体が連携しながら進めています。厚生労働省では、障害者基本計画の新計画(平成15年度から10年間の計画)において、「(財)日本障害者スポーツ協会を中心として障害者スポーツの振興を進める」としており、当協会が行う事業について支援を行っています。当法人が障害者スポーツの普及・振興を図るために行っている主な事業を紹介します。

  1. 障害者スポーツ大会の開催及び奨励
  2. 障害者のスポーツ指導者の養成
  3. 障害者スポーツ団体及び関連団体との連絡調整
  4. 障害者スポーツに対する相談及び指導
  5. 国際パラリンピック委員会及び国際的な障害別競技団体の事業への参画
  6. 障害者スポーツ大会への選手及び役員への派遣
  7. 選手の競技力強化
  8. 障害者スポーツに関する調査研究及び情報の収集
  9. 障害者のスポーツの広報
  10. パラリンピック競技大会等において特に優秀な成績を収めた者に対する表彰

【(財)日本障害者スポーツ協会】

http://www.jsad.or.jp/gaiyo_top.htm#gaiyo

[2] スポーツ活動の充実

障害のある人が安心してスポーツを行う場所には、障害者スポーツセンター等がありますが、身近な地域でスポーツを自己選択により行う環境については、特に公共体育施設の円滑な利用が重要です。全ての公共体育施設で、ハード面及びソフト面が障害のある人に適した環境になること、障害者スポーツに特化した用具が常備されていること等、より身近な地域で継続的にスポーツに親しめる環境を整備することが重要です。

また、競技性が高まっている国際大会でよい成績を収めるには、オリンピ ックと同じように、最先端のスポーツ科学を背景とした効果的なトレーニング ができる環境も必要です。

さらに今後、将来性のある優秀な選手の発掘のため、また、スポーツのすばらしさを広めていくためには、障害者スポーツの裾野を広げていくことも今後の課題となっています。

【全国障害者スポーツセンター一覧〕

http://www.jsad.or.jp/dantai/sportscenter.htm

[3] 障害者のスポーツ指導者の養成

障害者スポーツの充実や発展を目指すため、また、世界レベルで通用する競技性を高めるためには、良質な指導者の存在が欠かせません。

現在、(財)日本障害者スポーツ協会において、協会公認の障害者スポーツ指導者制度があります。障害者スポーツ指導者には、初級スポーツ指導員、中級スポーツ指導員、上級スポーツ指導員及びスポーツコーチがあり、役割は以下のとおりとなっています。

初級スポーツ指導員 18歳以上で、身近な地域で障害のある人にスポーツの指導を行う者
中級スポーツ指導員 初級スポーツ指導員として、2年以上の指導経験を有し、都道府県レベルにおいて障害者のスポーツ指導を行う者
上級スポーツ指導員 中級スポーツ指導員として、3年以上の指導経験を有し、障害者のスポーツ指導に専門的知識と技能並びに高度な指導技術を身につけ、ブロックレベルにおいて指導者も含め指導を行う者
スポーツコーチ 中級スポーツ指導員又は上級スポーツ指導員として、相当な経験を有し、特定競技の専門的技術の指導と活動組織の育成や指導を行う者

【障害者スポーツ指導員養成・研修】

http://www.jsad.or.jp/yousei_top.htm

[4] スポーツ振興のための支援

障害者スポーツ振興のため、スポーツ団体や自治体に対し、様々な支援をしています。

例えば国では、障害者スポーツの普及のため、身近な地域でスポーツに親しめる環境の整備や、パラリンピック等の国際大会に参加した選手を招いて障害者スポーツの楽しさを体験してもらう事業に対し支援を行っています。また、選手強化のため、世界大会でメダル獲得が有望な選手・団体に対し重点的な強化等を行ったり、パラリンピックやデフリンピック等の大会が開催される年度には、選手団派遣や国内強化合宿を実施しています。

また、民間助成団体からの助成のほか、(財)日本障害者スポーツ協会においても、組織強化や主催大会の実施、国際大会への日本選手団派遣のため、各企業へ協賛や寄付を募ったり、メダリストへの報奨金や選手の育成強化を図るため、募金を呼びかけるなど行っています。

(2)成績優秀者への表彰

パラリンピック競技大会等の国際大会で優秀な成績を収めた方に対し、厚生労働大臣表彰を行っています。

また、北京パラリンピック競技大会より、パラリンピックのメダリストに対し、オリンピックと同じ報奨金制度が創設され、金:100万円、銀:70万円、銅:50万円となっています。

写真:バンクーバー2010パラリンピック冬季競技大会 成績優秀者への厚生労 働大臣表彰の様子
写真:バンクーバー2010パラリンピック冬季競技大会 成績優秀者への厚生労 働大臣表彰の様子

6.今後の障害者スポーツについて

2010年(平成22年)8月に文部科学省において、現在の「スポーツ振興法(昭和36年制定)」を見直し、新たにこれに代わる「スポーツ基本法」の検討を視野に入れた「スポーツ立国戦略」がとりまとめられました。「スポーツ立国戦略」では、障害者スポーツに関しては、

(1) パラリンピックなどの競技性の高い障害者スポーツについて、将来的にオリンピックなどのトップスポーツとの一体的支援を見据えた連携強化の在り方

(2) 関係省が相互連携する総合的なスポーツ体制の在り方

などの検討が打ち出されており、文部科学省及び厚生労働省で連携しなが ら検討を進めることとしています。

障害者がスポーツを生活の中で楽しむことができるようにするには、自治体と各地域の障害者スポーツ協会が連携して身近な地域で障害者も障害のない人とともにスポーツを楽しむことができるような機会を設けることや、地域にあるスポーツ施設の使用を容易にすること、地域における障害者スポーツの指導者を養成してスポーツ施設に配置する実現に向け、また、スポーツのみならず社会全体がノーマライゼーションの理念を達成させるよう、更なる推進をしてまいります。

  

(障害保健福祉部企画課自立支援振興室)


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