厚生労働省


第3回日中韓三国保健大臣会合について

1.会合の概要

(1) 11月23日、日本(東京)において、第3回日中韓三国保健大臣会合が開催されました。日本からは長妻昭厚生労働大臣、中国からは陳竺(チン・ジク)衛生部長、韓国からは全在姫(チョン・ジェヒ)保健福祉家族部長官が出席し、申英秀(シン・ヨンス)WHO西太平洋地域事務局長のオブザーバー出席を得て、新型インフルエンザ対策や臨床研究、災害等の緊急時対応、食品安全、また、今後の一層の協力について意見交換を行いました。

(2) 会合において、「日中韓三国食品安全の協力に関する覚書」に署名するとともに、「第三回日中韓三国保健大臣会合共同声明」を採択しました。

2.「日中韓三国食品安全の協力に関する覚書」の概要

(1) 基本的な考え方
日中韓三国の食品安全分野における交流及び協力を強化するための協議の仕組みの設立

(2) 協力の範囲
[1] 食品安全の分野における各国の関係法令、検査方法等の情報共有
[2] 食品衛生上の問題発生時における三国間での情報の通知
[3] 技術専門家の派遣等や会合の開催

日中韓三国食品安全の協力に関する覚書署名式
「日中韓三国食品安全の協力に関する覚書署名式」
(左から、陳竺(チン・ジク)中国衛生部長、長妻昭厚生労働大臣、全在姫(チョン・ジェヒ)韓国保健福祉家族部長官)

3.「第三回日中韓三国保健大臣会合共同声明」の概要

(1)  新型インフルエンザ対策について、前回会合以降の三国協力の進捗と有効性を確認の上で、新型インフルエンザA(H1N1)の発生を受け、引き続き、各国の対応状況や検査情報等の情報共有を行い、国際機関やアジア・太平洋諸国とも連携しつつ、協力を続ける重要性を確認しました。

(2) 臨床研究、災害等の緊急時対応、食の安全に関する協力の重要性を確認しました。

(3) 次回の日中韓三国保健大臣会合は、2010年に韓国にて開催予定です。

4.今回の日中韓三国保健大臣会合の意義

(1) 昨年11月の第二回会合以降、三国で協力して行ってきた様々な保健衛生分野の取組みを確認し、さらなる進展を目指していくことを確認しました。

(2) 今回の会合で、はじめて、日中韓三国の食品安全の連携・協力のための覚書を締結しました。

(3) 新型インフルエンザや臨床研究、災害等の緊急時対応、食品安全についての「第三回日中韓三国保健大臣会合共同声明」を採択しました。

(4) 日中韓の保健担当大臣が一堂に会して信頼関係を構築することは、新たな感染症の発生等の国境を越えた保健課題に迅速かつ適切に対処するための基盤強化の意義をもつことを再確認しました。引き続き、本会合を定期的に開催していくことに合意しました。

第三回日中韓保健大臣会合
「第三回日中韓保健大臣会合」の様子

5.併せて開催された二者会談の概要

 長妻厚生労働大臣は、日中韓三国保健大臣会合に先立って、三つの二者会談を行いました。概要は次のとおりです。

(1) 陳竺(チン・ジク)中国衛生部長との会談
 昨年の会合以降の日中間の取組みを確認し、さらなる進展を目指していくことを確認しました。新型インフルエンザ対策について情報交換を行うとともに、食品安全に関する日中協力の重要性を確認し合い、国民の関心の高いギョーザ問題の解決への協力を求めました。また、本年10月に北京で開催された日中首脳会談において、鳩山総理より提案した「日中食品安全推進イニシアティブ」への協力等を要請しました。さらに、中国における医療制度改革に関連して、情報交換を行いました。

(2) 韓国全在姫(チョン・ジェヒ)保健福祉家族部長官との会談
 昨年の会合以降の日韓間の取組みを確認し、新型インフルエンザ対策に関する情報交換を行いました。また、少子・高齢化対策について、両国の情報交換の場を設けるなど、両国とも共通に課題となっている少子化、高齢化等の分野における今後の協力関係について意見交換を行いました。韓国長官から新型インフルエンザに関する日中韓のセミナーの開催につき、協力要請があり、長妻大臣より賛意を述べました。

(3) 申英秀(シン・ヨンス)WHO西太平洋地域事務局長との会談
 東アジアの域内協力体制の重要性と、日本とWHO西太平洋地域事務局の連携強化の意義について意見交換を行いました。新型インフルエンザ、特にワクチンに関する最新情報は極めて重要であり、WHOと協力していくことの重要性を確認しました。

(大臣官房国際課)

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