厚生労働省


飲食チェーン店における腸管出血性大腸菌O157食中毒への対応

(食品安全部監視安全課)

○腸管出血性大腸菌による食中毒

腸管出血性大腸菌O157食中毒の年間患者数は、例年数百人程度で推移し、患者数こそ多くありませんが、発症すると激しい腹痛と血便を伴い、特に子どもや高齢者の方は、溶血性尿毒症症候群を発症して重症化する危険性もあることから、注意が必要な食中毒のひとつです。

重症事例の発生を防止する観点から、O157に関する正しい知識と予防対策等に理解を深めていただくため、O157に関するQ&Aを作成しています。

参考:O157Q&A(http://www1.mhlw.go.jp/o-157/o157q_a/index.html

○厚生労働省におけるこれまでの取り組み

このため、厚生労働省においては、O157食中毒の発生を防止するため、とちく場・食肉処理場の衛生基準の強化、大量調理施設等に対する監視・指導の強化等を行うとともに、事業者や消費者に対して生肉・生レバー又は加熱不十分な食肉等を避けるなどの予防啓発に努めてきたところです。

また、結着等の加工処理を行った食肉については、調理段階で中心部まで十分な加熱が必要な旨の表示を義務付けています。

さらに、重大な食中毒事案(重篤患者の発生、広域・大規模発生等)の早期発見と被害拡大防止対策の強化のため、食中毒被害情報管理室を設置し、全国の食中毒患者の発生情報の集約、分析を行っています。

事例1 山口県等で発生した腸管出血性大腸菌O157食中毒事件

(1) 山口県など16自治体において、患者数38名(溶血性尿毒症症候群発症1名)の飲食チェーン店Aに起因する腸管出血性大腸菌O157食中毒が発生した。
1名を除き、いずれの患者も飲食店チェーンAにおいて「角切りステーキ」を喫食しており、

(2) この「角切りステーキ」の原料はすべて岐阜県内の食肉加工施設において結着加工された牛肉であることが判明した。この食肉加工施設が保管していた食中毒患者の喫食日から推定されたロットの保存サンプルを検査したところ、腸管出血性大腸菌O157が検出され、食中毒患者から検出された菌株とも遺伝子パターンが一致した。

(3) 飲食チェーン店Aにおける「角切りステーキ」の提供方法は、生肉を260℃に加熱した鉄板に載せた状態で提供し、客自らが加熱して喫食していた。

事例2 埼玉県等で発生した腸管出血性大腸菌O157食中毒事件

(1) 埼玉県など7自治体において、患者数20名の飲食チェーン店Bに起因する腸管出血性大腸菌O157食中毒が発生した。

(2) 飲食チェーン店Bで提供された「角切りステーキ」の原料の遡り調査を実施した結果、すべて埼玉県内の食肉加工施設においてカットした後に、軟化剤調味液を加えて真空包装したものであることが判明した。

当該事例への対応

今般発生した食中毒を踏まえ、同様の食中毒の再発を防止するため、下記のとおり、全国の保健所等を通じて、結着等特定の加工処理を行った食肉の提供を行う飲食店等に対し、加熱調理の徹底等について、再度、下記の指導を実施しました。(参考:「飲食店における腸管出血性大腸菌O157食中毒対策について」(PDF:105KB))

(1) 結着等の特定の加工処理をおこなった食肉等を飲食店で調理して提供する場合には、中心部を75℃で1分間以上又はこれと同等の加熱効果を有する方法により加熱すること。

(2) 結着等の特定の加工処理を行った食肉等を飲食店で加熱を完全に行わずに提供する場合には、十分な加熱を行うための具体的な方法を掲示等により確実に情報提供すること。


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