厚生労働省


シベリア抑留中死亡者に関する資料の調査について

 厚生労働省では、ロシア政府等から提供された抑留中死亡者の名簿について、日本側資料との照合調査を行い、名簿に登載されている死亡者の特定に努め、特定できた死亡者の関係遺族に対して、都道府県を通じて名簿の記載内容をお知らせしております。
 ロシア政府等に対し、未提供名簿について、更なる調査・資料提供を要請しております。

シベリア抑留中死亡者

終戦間近の昭和20年8月9日、旧ソ連は参戦し、終戦後旧満州、樺太、千島から約57万5千人の軍人等をシベリア等に強制抑留し、多くの方が亡くなられました。

(1)旧ソ連地域に抑留された者 約 575,000人(うちモンゴル約 14,000人)
(2)現在までに帰還した者 約 473,000人(うちモンゴル約 12,000人)
(3)死亡と認められる者 約  55,000人(うちモンゴル約  2,000人)
(4)病弱のため入ソ後旧満州・北朝鮮に送られた者等 約  47,000人

旧ソ連地域・モンゴル概見図

(注)丸数字は、ロシア政府等から提供された抑留中死亡者名簿に、収容所・埋葬地の記載がある地域です。


これまでの取組

1991年(平成3年)に、日ソ間で「捕虜収容所に収容されていた者に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定」(以下「協定」)が締結され、約3万7千人分の抑留中死亡者名簿が引き渡されました。その後も協定を継承したロシア政府等から数次にわたり死亡者名簿等が提供され、現在約4万1千人分の名簿が提供されています。

これまでにロシア政府等から提供されました名簿については、以下にて閲覧できます。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syakai/soren/index.html

旧ソ連側より提供された約4万1千人分の名簿と日本側資料とを照合することにより、約3万2千人については、死亡者が特定されており、ご遺族の所在が判明した場合には、提供された名簿の記載内容をご遺族にお知らせしております。また、平成17年にロシア政府から提供された抑留中死亡者個人資料につきましても、資料を希望されるご遺族に対して、写しを提供しております。

しかしながら、厚生労働省推計の抑留中死亡者約5万3千人(モンゴル除く)と比較すると、未だ約1万2千人の名簿が提供されておらず、また、名簿の提供はありましたが情報不足等の約9千人の併せて約2万1千人が死亡者の特定に至っておりません。厚生労働省では、未特定者約2万1千人分の名簿(ロシア語)のデータをロシア政府に提供して、更なる調査・資料提供を要請しております。

また、モンゴル政府からも、平成3年に約1千6百人の抑留中死亡者名簿が引き渡され、これまでに約1千4百人の死亡者が特定されており、ご遺族の所在が判明した場合には、提供された名簿の記載内容をご遺族にお知らせしております。

今後の取組

ロシア国立軍事古文書館に約70万枚の旧ソ連邦日本人抑留者に係るカード(一人につき複数枚作成されているものもあることから、何人分に相当するのかは不明です。)があり、抑留中死亡者の未提供情報が含まれていることが判明したことから、本年10月、カードの写しの引渡に関する合意書を締結し、カードの写し(DVD画像データ)を入手することとしました。本年12月から順次受領することとしております。

受領後は、未特定者約2万1千人の名簿と当該カードとで照合調査を行い、未特定者のカードを抽出し、当該カードと日本側資料等とを突合して死亡者の特定を行います。

特定された死亡者については、本籍都道府県に遺族調査を依頼し、ご遺族の所在が判明した場合には、本籍都道府県を経由してカードの記載内容をご遺族にお知らせするとともに、厚生労働省ホームページに死亡者の氏名を掲載することとしております。


旧ソ連邦日本人抑留者に係るカードについて

○ お問い合わせ先

厚生労働省社会・援護局業務課調査資料室


トップへ