厚生労働省


社会保障の給付と負担の現状と国際比較社会保障担当参事官室

〇 少子高齢化の状況

  • 21世紀を迎えた今日、経済社会を取り巻く環境が大きく変化する中で、社会保障制度は様々な課題に直面しています。その中でもとりわけ深刻な課題として、少子高齢化の進行があげられます。
  • 我が国では、諸外国では類のないスピードで高齢化が進行し、平成6年には高齢化率が14%を超え、本格的な高齢社会が到来しました。併せて、合計特殊出生率が平成元年にそれまでの戦後の最低値を更新、その後も低下を続けたことにより、少子化が進行し、ついには平成17年に人口減少社会に突入しました。

※ 我が国の人口の推移(PDF:117KB)

※ 諸外国の合計特殊出生率の推移(PDF:69KB)

〇 社会保障の給付と負担の現状

  • 我が国の社会保障給付費は約90兆円(平成18年度実績)であり、その内訳は、年金が約5割、医療が約3割、福祉その他が約2割となっています。この給付費は、主に保険料と税でまかなわれており、その内訳は、保険料が約6割、税が約4割となっています。
  • また、高齢化の進行に伴い、社会保障給付費は年々増加しており、今年度では約100兆円(平成21年度予算ベース)と見込まれています。

※ 社会保障の給付と負担の現状(PDF:169KB)

※ 社会保障給付費の推移(PDF:182KB)

〇 社会保障の給付の国際比較

  • これまでみてきたように、我が国では、諸外国では類のないスピードで高齢化が進行し、社会保障給付費も年々増加の一途を辿ってきました。しかしながら、諸外国と比較すると、高齢化率の上昇の割に社会保障給付費の増加は比較的ゆるやかに推移していると言えます。
  • また、その水準もアメリカを上回るものの、欧州諸国と比べると高くないことが分かります。

※ 高齢化率と社会保障の給付規模の国際比較(PDF:139KB)

※ 社会保障給付の部門別の国際的な比較(PDF:480KB)

〇 社会保障の負担の国際比較

  • 次に、我が国の社会保障の負担を国民負担率によって諸外国と比較すると、給付と同様、アメリカを上回るものの、欧州諸国と比べると高くないことが分かります。
  • また、OECD加盟国と比較しても、高齢化が最も進んでいる我が国ですが、国民負担率は低い水準にあると言えます。

※ 国民負担率の国際比較(PDF:154KB)

※ 国民負担率の国際比較(OECD加盟29ヵ国)(PDF:51KB)

〇 おわりに

  • 人口構造の高齢化による社会保障関係給付の増加、少子化に伴う社会経済を支える労働力人口減少は、社会保障の今後を考える上で難しい課題です。
  • しかしながら、人々が安心して生まれ、育ち、学び、働き、年齢を重ねていくためには、こうした課題に向かい合って、少子高齢化が進む中にあっても社会保障に求められる役割・機能を強化し、将来にわたって安定した制度にしていくことが重要です。
  • 社会保障はこれまでも様々な時の課題に直面しながら発展、継続をしてきました。現在直面している課題にも、これまでの歴史と同様に、幅広い議論を行い、国民の皆さまの協力を得ながら対応し、社会保障制度をより安心できるものとして次の世代に引き継いでいくことが必要と考えています。

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