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血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保に関する基本的な方針の全部を改正する件について

○血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針(基本方針)の全部を改正する件について

(平成20年6月6日)
(薬食発第0606001号)
(各都道府県知事あて厚生労働省医薬食品局長通知)

血液事業の推進につきましては、日頃より格別の御配慮を賜り、厚く御礼申し上げます。

血液製剤の安全性の向上、安定供給の確保等については、平成15年7月30日に施行された安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(昭和31年法律第160号。以下「血液法」という。)第9条第1項に基づき、「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針」(平成15年厚生労働省告示第207号。以下「基本方針」という。)が定められているところです。また、基本方針については、血液法第9条第3項に基づき、5年ごとに再検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとするとされております。

今般、この規定に沿って、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いたうえで、基本方針全般にわたっての見直しを行い、本日、「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針の全部を改正する件」(平成20年厚生労働省告示第326号。以下「改正基本方針」という。)が公布されました。

改正基本方針の施行においては、下記について御了知の上、貴管内市町村、関係機関等への周知方特段の御配慮をお願いいたします。

1 趣旨

平成15年7月30日に施行された血液法第9条第1項に基づき定められている基本方針について、今般、血液法第9条第3項に基づき、基本方針全般にわたっての見直しを行うにあたり、血液法施行から5年が経過し、献血推進計画等が毎年度定められていること、また、平成14年8月から13回にわたり開催された「血漿分画製剤の製造体制の在り方に関する検討会」において平成19年12月にとりまとめられた報告書等を踏まえ、基本方針としての記載を整理するとともに、今後5年間の血液事業の方向性を示すものとして、改正を行ったものであること。

2 第一 血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保に関する基本的な方向について

血液法第三条に基本理念として掲げられている[1]安全性の向上、[2]国内自給の原則と安定供給の確保、[3]適正使用の推進、[4]公正の確保及び透明性の向上に沿って、血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保に関する基本的な方向について再整理したものであること。

3 第二 血液製剤についての中期的な需給の見通しについて

(1)項目立ての改正

血液製剤代替医薬品である遺伝子組換えアルブミンが承認されたこと等を踏まえ、「第二」に新たに「血液製剤代替医薬品」の項目を追加し、項目立てを「一 輸血用血液製剤」、「二 血漿分画製剤」及び「三 血液製剤代替医薬品」としたものであること。

(2)「二 血漿分画製剤」の項

遺伝子組換え第VIII因子製剤の供給状況及び遺伝子組換えアルブミン製剤が新たに開発されたことを踏まえ、血漿由来製剤及び遺伝子組換え製剤の特性及び副作用の発現状況並びに危機管理的な対応を考慮した製造体制及び製造能力の確保が必要であり、国内献血由来製剤を一定量確保する必要があるとしたものであること。

また、「血漿分画製剤の製造体制の在り方に関する検討会」の報告書を踏まえ、特殊免疫グロブリン製剤等多くを輸入に依存している製剤については、国内自給の方策を具体的に検討していく必要があるとしたものであること。

(3)「三 血液製剤代替医薬品」の項

血液凝固第VIII因子製剤の血液製剤代替医薬品については、遺伝子組換え製剤が輸入により供給されている状況にあるが、将来的には国内での製造の可能性も検討する必要があるとしたものであること。また、新たに開発された遺伝子組換えアルブミン製剤について承認がなされたところであり、当該製剤の製造及び供給状況を確認していくことが必要であるとしたものであること。

4 第三 血液製剤に関し国内自給が確保されるための方策に関する事項について

(1)「一 基本的な考え方」の項

アルブミン製剤(遺伝子組換え製剤を除く。)及び免疫グロブリン製剤等の血液製剤についても、「平成25年を目途に国内自給の達成を目指すものとする。」とし、なお、アルブミン製剤(遺伝子組換え製剤を除く。)の国内自給については、今後の遺伝子組換えアルブミン製剤の供給状況も影響することに留意する必要があるものとしたこと。

(2)「二 国内自給が確保されるための具体的な方策」の項

国内自給が確保されるための具体的な方策として、[1]国内の需要を満たすために必要な献血量の確保、[2]原料血漿の有効利用、[3]献血由来原料血漿を使用した生産拡大、[4]医療関係者に対する献血由来製剤の意義の啓発、[5]患者への情報提供、[6]血液製剤の適正使用の推進について、各関係者が実践して取り組むことが必要であるものとしたこと。

「血漿分画製剤の製造体制の在り方に関する検討会」の報告書を踏まえ、特殊免疫グロブリン製剤について、国内での原料血漿確保の実現可能性を考慮しながら、国内製造の方策について検討することを追加したものであること。

5 第四 献血の推進に関する事項について

血液法第10条に規定する献血推進計画及び第11条に規定する献血受入計画については、血液法施行後の平成16年度から毎年度策定されていることを踏まえ、改正基本方針においては、その方向性等を示すものとしたこと。

6 第五 血液製剤の製造及び供給に関する事項について

(1)項目立ての改正

「血漿分画製剤の製造体制の在り方に関する検討会」の報告書を踏まえ、新たに「血液製剤の製造及び供給の在り方」の項目を設け、項目立てを「一 基本的な考え方」、「二 血液製剤の安定供給の確保のための需給計画」、「三 原料血漿の配分」及び「四 血液製剤の製造及び供給の在り方」としたものであること。

(2)「二 血液製剤の安定供給の確保のための需給計画」の項

血液法第25条第1項に規定する需給計画は、安定供給を確保するための計画であることを明確化したものであること。

また、「血漿分画製剤の製造体制の在り方に関する検討会」の報告書を踏まえ、国内の献血に由来する原料血漿を一旦海外へ輸出して外国の工場で製剤化して日本へ輸入することが特に必要とされた場合について記載したこと。

(3)「四 血液製剤の製造及び供給の在り方」の項

血液製剤の今後の製造及び供給の在り方については、「血漿分画製剤の製造体制の在り方に関する検討会」での議論を踏まえ、安定供給の確保の観点から血液事業が安定的に運営できるよう、各関係者が取り組むことが必要とされるとしたものであること。また、その際には、輸血用血液製剤及び血漿分画製剤がともに人の血液に由来する有限で貴重なものであり、安全性の向上、安定供給の確保、適正使用の推進等の点で他の医薬品とは異なる性格を有するものであることを十分踏まえた取扱いが必要であるとしたものであること。

7 第六 血液製剤の安全性の向上に関する事項

(1)「三 血液製剤の使用により感染症の発生等が判明した場合の対応」の項

患者等への情報提供のあり方について、患者又はその家族に対する不利益や偏見、差別に配慮しつつ、患者又はその家族を始めとする国民や医療機関等へ各種の手法により迅速に情報を提供するとともに、原因の究明、改善の指示等を行うものとするとしたこと。

(2)「五 自己血輸血等の取扱い」の項

院内血輸血については、平成19年7月26日付け薬食発第0726002号厚生労働省医薬食品局長通知「輸血用法の実施に関する指針及び血液製剤の一部改正について」の別添1「輸血療法の実施に関する指針」において、その実施について示したことから、基本方針から削除したものであること。

8 第七 血液製剤の適正な使用に関する事項について

血液製剤の適正使用、輸血療法の実施等に関する指針について、医療機関における血液製剤の使用状況等について報告を求め、定期的に評価するとともに、必要に応じて当該指針を見直す等、適正使用の推進のため、より効果的な方法を検討するものとしたこと。

9 第八 その他献血及び血液製剤に関する重要事項について

(1)項目立ての改正

新たに「二 採血基準の見直し」の項目を追加したこと。また、基本方針において分かれて記述のあった研究開発の推進について、新たに「四 血液製剤等の研究開発の推進」の項目を追加して整理し、項目立てを「一 血液製剤代替医薬品に関する事項」、「二 採血基準の見直し」、「三 血液製剤の表示」、「四 血液製剤等の研究開発の推進」及び「五 研究開発等における血液製剤の使用に関する基準の策定」としたものであること。

(2)「一 血液製剤代替医薬品に関する事項」の項

生物由来製品に限らず、血液製剤代替医薬品については、患者又はその家族への説明及び同意あるいは記録の保存等について、必要に応じて、特定生物由来製品と同様に行うことが求められるものとしたこと。なお、その具体的な取扱いについては、平成20年6月6日付け薬食発第0606005号厚生労働省医薬食品局長通知「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針(基本方針)第八に定める血液製剤代替医薬品について」を参照されたい。

(3)「二 採血基準の見直し」の項

四〇〇ミリリットル全血採血等の対象年齢等を規定している採血基準に関しては、献血により得られる血液量の確保とともに、献血者の安全確保を図るために、体重、採血間隔、血中ヘモグロビン値、比重等のデータや新たな感染症の発生状況等の最新の科学的知見に基づき、諸外国の状況も勘案し、専門家の意見を聴きながら、採血基準の見直しを行うことが必要であるとしたものであること。

(4)「四 血液製剤等の研究開発の推進」の項

血液製剤の安全性の向上の観点から、国は、血液製剤の安全性の向上に係る技術開発の支援等を行い、製造販売業者等は、より安全性の高い血液製剤の開発等に努めることが必要であるとしたものであること。

また、血液製剤の安定供給及び国内の献血に基づく国内自給等の観点から、原料血漿の供給量、血漿分画製剤の国内製造業者の製造能力等を勘案すると、今後とも遺伝子組換え製剤等の血液製剤代替医薬品の開発は重要な課題であるとしたものであること。

いわゆる人工血液等、新たに開発される血液製剤代替医薬品については、血液製剤との比較において優れた安全性及び有効性を有するものの製品化が促進されるよう、研究開発を推進する必要があるとしたものであること。

10 施行時期

本通知は、平成20年7月30日から適用する。


○血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針(基本方針)の全部を改正する件について

(平成20年6月6日)
(薬食発第0606002号)
(日本赤十字社血液事業本部長あて厚生労働省医薬食品局長通知)

標記について、各都道府県知事あて別添写しのとおり通知しましたので、貴職におかれても内容を御了知の上、その実施に遺漏のないよう、特段の御配慮をお願いいたします。

○血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針(基本方針)の全部を改正する件について

(平成20年6月6日)
(薬食発第0606003号)
(日本製薬団体連合会会長、(社)日本血液製剤協会会長あて厚生労働省医薬食品局長通知)

標記について、各都道府県知事あて別添写しのとおり通知しましたので、貴職におかれても内容を御了知の上、その実施に遺漏のないよう、貴会会員への周知について特段の御配慮をお願いします。

○血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針(基本方針)の全部を改正する件について

(平成20年6月6日)
(薬食発第0606004号)
((社)日本医師会会長・(社)日本歯科医師会会長・(社)日本薬剤師会会長・(社)日本看護協会会長あて厚生労働省医薬食品局長通知)

標記につきまして、各都道府県知事あて(別添1)のとおり、日本赤十字社血液事業本部長あて(別添2)のとおり、日本製薬団体連合会会長及び社団法人日本血液製剤協会会長あて(別添3)のとおり通知しましたので、御了知の上、貴会会員への周知方よろしくお願いします。


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