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平成22年度の献血の推進に関する計画

平成22年度の献血の推進に関する計画

○厚生労働省告示第百十号

安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(昭和三十一年法律第百六十号)第十条第一項の規定に基づき、平成二十二年度の献血の推進に関する計画を次のように策定したので、同条第三項において準用する同法第九条第五項の規定により告示し、平成二十二年四月一日から適用する。

平成二十二年三月二十六日

厚生労働大臣 長妻  昭

平成二十二年度の献血の推進に関する計画

本計画は、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律第十条第一項の規定に基づき定める平成二十二年度の献血の推進に関する計画であり、血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針(平成二十年厚生労働省告示第三百二十六号)に基づくものである。

第一 平成二十二年度に献血により確保すべき血液の目標量

平成二十二年度に必要と見込まれる輸血用血液製剤の量は、全血製剤〇・〇二万リットル、赤血球製剤五十一万リットル、血漿しょう製剤二十六万リットル、血小板製剤十六万リットルであり、それぞれ〇・〇二万リットル、五十二万リットル、二十六万リットル、十六万リットルが製造される見込みである。

さらに、確保されるべき原料血漿しょうの量の目標を勘案すると、平成二十二年度には、全血採血による百三十九万リットル及び成分採血による六十三万リットル(血漿しょう採血三十万リットル及び血小板採血三十三万リットル)の計二百二万リットルの血液を献血により確保する必要がある。

第二 前節の目標量を確保するために必要な措置に関する事項

前年度までの献血の実施状況とその評価を踏まえ、平成二十二年度の献血推進計画における具体的な措置を以下のように定める。

一 献血に関する普及啓発活動の実施

国は、都道府県、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、採血事業者等の関係者の協力を得て、献血により得られた血液を原料とした血液製剤の安定供給を確保し、その国内自給を推進するとともに、広く国民に対し、治療に必要な血液製剤の確保が相互扶助と博愛精神による自発的な献血によって支えられていることや、血液製剤の適正使用が求められていること等を含め、献血や血液製剤について国民に正確な情報を伝え、その理解と献血への協力を求めるため、教育及び啓発を行う。

都道府県及び市町村は、国、採血事業者等の関係者の協力を得て、より多くの住民の献血への参加を促進するため、対象となる年齢層や地域の実情に応じた啓発及び献血推進組織の育成等を行うことにより、献血への関心を高めることが必要である。

採血事業者は、国、都道府県、市町村等の関係者の協力を得て、献血者の安全性に配慮するとともに、継続して献血に協力できる環境の整備を行うことが重要である。このため、国、都道府県、市町村等の関係者と協力して効果的なキャンペーンを実施すること等により、献血や血液製剤に関する一層の理解と献血への協力を呼びかけることが求められる。

国、都道府県、市町村、採血事業者及び医療関係者は、国民に対し、血液製剤がこれを必要とする患者への医療に欠くことのできない有限で貴重なものであることを含め、献血や血液製剤についての普及啓発を実施し、又はこれに協力するとともに、少子高齢化の進行による血液製剤を必要とする患者の増加や献血可能人口の減少、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発生に伴う献血制限等の献血をめぐる環境の変化、血液製剤の利用実態等について正確な情報を伝え、献血者等の意見を踏まえつつ、これらの情報提供や普及啓発の手法等の改善に努めることが必要である。また、血液製剤の安全性の確保のための取組の一環として、感染症の検査を目的とした献血を行わないよう、献血における本人確認や問診の徹底はもとより、平素から様々な広報手段を用いて、国民に周知徹底する必要がある。

国、都道府県、市町村及び採血事業者は、平成二十二年一月二十七日に実施された英国滞在歴による献血制限の見直し及び平成二十三年四月一日に施行される採血基準の改正について、国民に対して広報を十分行い、献血への協力を求める必要がある。

これらを踏まえ、以下に掲げる献血推進のための施策を実施する。

1 効果的な普及啓発、献血者募集等の推進

血液製剤について、国内自給が確保されることを基本としつつ、将来にわたって安定的に供給される体制を維持するため、幼少期も含めた若年層、企業・団体、複数回献血者に対して、普及啓発の対象を明確にした効果的な活動や重点的な献血者募集を実施し、以下の取組を行う。

ア 若年層を対象とした対策

国、都道府県、市町村及び採血事業者は、献血推進活動を行うボランティア組織等の協力を得るとともに、機能的な連携を図ることにより、若年層の献血や血液製剤に関する理解の促進及び献血体験の促進に組織的に取り組む。

若年層への啓発には、若年層向けの雑誌、放送媒体、インターネット等を含む様々な広報手段を用いて、献血についての広告に国が作成した献血推進キャラクターを活用する等、効果的な取組が必要である。

子が幼少期にある親子に対し、血液の大切さや助け合いの心について、親子向けの雑誌等の広報手段や血液センター等を活用して啓発を行うとともに、親から子へ献血や血液製剤の意義を伝えることが重要であることから、地域の特性に応じて採血所に託児体制を確保する等、親子が献血に触れ合う機会を設ける。

国は、高校生を対象とした献血や血液製剤について解説した教材や中学生を対象とした血液への理解を促すポスターを作成し、都道府県、市町村及び採血事業者と協力して、これらの教材等を活用しながら、献血や血液製剤に関する理解を深めるための普及啓発を行う。

都道府県及び市町村は、地域の実情に応じて、若年層の献血への関心を高めるため、学校等において、ボランティア活動推進の観点を踏まえつつ献血や血液製剤についての情報提供を行うとともに、献血推進活動を行うボランティア組織との有機的な連携を確保する。

採血事業者は、その人材や施設を活用し、若年層へ献血の意義や血液製剤について分かりやすく説明する「献血出前講座」や血液センター等での体験学習を積極的に行い、正しい知識の普及啓発と協力の確保を図る。その推進に当たっては、国と連携するとともに、都道府県、市町村及び献血推進活動を行うボランティア組織等の協力を得る。

採血事業者は、国及び都道府県の協力を得て、学生献血ボランティアとの更なる連携を図り、大学等における献血の推進を促すとともに、将来、医療従事者になろうとする者に対して、多くの国民の献血によって医療が支えられている事実や血液製剤の適正使用の重要性への理解を深めてもらうための取組を行う。

イ 五十〜六十歳代を対象とした対策

国及び採血事業者は、都道府県及び市町村の協力を得て、年齢別人口に占める献血者の率が低い傾向にある五十〜六十歳代の層に対し、血液製剤の利用実態や献血可能年齢等について正確な情報を伝え、相互扶助の観点からの啓発を行い、献血者の増加を図る。

ウ 企業等における献血の推進対策

国及び採血事業者は、都道府県及び市町村の協力を得て、献血に協賛する企業や団体を募り、その社会貢献活動の一つとして、企業等における献血の推進を促す。また、血液センター等における献血推進活動の展開に際し、地域の実情に即した方法で企業等との連携強化を図り、企業等における献血の推進を図るための呼びかけを行う。

エ 複数回献血者対策

国及び採血事業者は、都道府県及び市町村の協力を得て、複数回献血者の協力が十分に得られるよう、平素から血液センターに登録された献血者に対し、機動的かつ効率的に呼びかけを行う体制を構築する。また、献血に継続的に協力が得られている複数回献血者の組織化及びサービスの向上を図り、その増加に取り組むとともに、献血の普及啓発活動に協力が得られるよう取り組む。

オ 献血推進キャンペーン等の実施

国は、献血量を確保しやすくするとともに、感染症等のリスクを低減させる等の利点がある四〇〇ミリリットル全血採血及び成分採血の推進及び普及のため、都道府県及び採血事業者とともに、七月に「愛の血液助け合い運動」を、一月及び二月に「はたちの献血」キャンペーンを実施するほか、血液の供給状況に応じて献血推進キャンペーン活動を緊急的に実施する。また、様々な広報手段を用いて献血や血液製剤に関する理解と献血への協力を呼びかけるとともに、献血場所を確保するため、関係者に必要な協力を求める。

都道府県、市町村及び採血事業者は、これらの献血推進活動を実施することが重要である。

2 献血運動推進全国大会の開催等

国は、都道府県及び採血事業者とともに、献血により得られた血液を原料とした血液製剤の国内自給を推進し、広く国民に献血や血液製剤に関する理解と献血への協力を求めるため、七月に献血運動推進全国大会を開催するとともに、その広報に努める。また、国及び都道府県は、献血運動の推進に関し積極的に協力し、模範となる実績を示した団体又は個人に対し表彰を行う。

3 献血推進運動中央連絡協議会の開催

国は、都道府県、市町村、採血事業者、献血推進活動を行うボランティア組織、患者団体等の代表者の参加を得て、効果的な献血推進のための方策や献血を推進する上での課題等について協議を行うため、献血推進運動中央連絡協議会を開催する。

4 献血推進協議会の活用

都道府県は、献血や血液製剤に関する住民の理解と献血への協力を求め、血液事業の適正な運営を確保するため、採血事業者、医療関係者、商工会議所、教育機関、報道機関等から幅広く参加者を募って、献血推進協議会を設置し、定期的に開催することが求められる。市町村においても、同様の協議会を設置することが望ましい。

都道府県及び市町村は、献血推進協議会を活用し、採血事業者及び血液事業に関わる民間組織等と連携して、都道府県献血推進計画の策定のほか、献血や血液製剤に関する教育及び啓発を検討するとともに、民間の献血推進組織の育成等を行うことが望ましい。

5 その他関係者による取組

官公庁、企業、医療関係団体等は、その構成員に対し、ボランティア活動である献血に対し積極的に協力を呼びかけるとともに、献血のための休暇取得を容易にするよう配慮する等、進んで献血しやすい環境作りを推進することが望ましい。

二 献血者が安心して献血できる環境の整備

採血事業者は、献血の受入れに当たっては献血者に不快の念を与えないよう、丁寧な処遇をすることに特に留意し、献血者の要望を把握するとともに、採血後の休憩スペースを十分に確保する等、献血受入体制の改善に努める。また、献血者の個人情報を保護するとともに、国の適切な関与の下で献血による健康被害に対する補償のための措置を実施する等、献血者が安心して献血できる環境整備を行う。

採血事業者は、採血所における地域の特性に合わせたイメージ作りや移動採血車の外観の見直し等、なお一層のイメージアップを図り、献血者の増加を図る。

国及び都道府県は、採血事業者によるこれらの取組を支援することが重要である。

第三 その他献血の推進に関する重要事項
一 献血の推進に際し、考慮すべき事項
1 血液検査による健康管理サービスの充実

採血事業者は、献血制度の健全な発展を図るため、採血に際して献血者の健康管理に資する検査を行い、献血者の希望を確認してその結果を通知する。また、低比重により献血ができなかった献血申込者に対して栄養士による健康相談を実施し、献血者の増加を図る。

国は、採血事業者によるこれらの取組を支援する。また、献血者の健康管理に資する検査の充実は献血の推進に有効であることから、本人の同意の上、検査結果を健康診査、人間ドック、職域検査等で活用するとともに、地域における保健指導にも用いることができるよう、周知又は必要な指導を行う。

都道府県及び市町村は、これらの取組に協力する。

2 献血者の利便性の向上

採血事業者は、安全性に配慮しつつ、効率的に採血を行うため、立地条件等を考慮した採血所の設置、地域の実情に応じた移動採血車による計画的採血等、献血者の利便性及び安全で安心な献血に配慮した献血受入体制の整備及び充実を図る。

都道府県及び市町村は、採血事業者と十分協議して移動採血車による採血等の日程を設定し、そのための公共施設の提供等、採血事業者の献血の受入れに協力することが重要である。

3 血液製剤の安全性を向上するための対策の推進

国は、「輸血医療の安全性確保のための総合対策」に基づき、採血事業者と連携し、献血者に対する健康管理サービスの充実等による健康な献血者の確保、献血者の本人確認の徹底等の検査目的の献血の防止のための措置を講ずる等、善意の献血者の協力を得て、血液製剤の安全性を向上するための対策を推進する。

4 採血基準の在り方の検討

国は、献血者の健康保護を第一に考慮しつつ、献血の推進及び血液の有効利用の観点から、採血基準の見直しを行う。

5 まれな血液型の血液の確保

採血事業者は、まれな血液型を持つ患者に対する血液製剤の供給を確保するため、まれな血液型を持つ者に対し、その意向を踏まえ、登録を依頼する。

国は、まれな血液型の血液の供給状況について調査する。

二 血液製剤の在庫水準の常時把握と不足時の的確な対応

国、都道府県及び採血事業者は、赤血球製剤等の在庫水準を常時把握し、在庫が不足する場合又は不足が予測される場合には、その供給に支障を及ぼす危険性を勘案し、国及び採血事業者が策定した対応マニュアルに基づき、早急に所要の対策を講ずることが重要である。

三 災害時等における献血の確保等

国、都道府県及び市町村は、災害時等において献血が確保されるよう、採血事業者と連携して必要とされる献血量を把握した上で、様々な広報手段を用いて、需要に見合った広域的な献血の確保を行うとともに、製造販売業者等の関係者と連携し、献血により得られた血液が円滑に現場に供給されるよう措置を講ずることが必要である。また、採血事業者は、災害時における献血受入体制を構築し、広域的な需給調整等の手順を定め、国、都道府県及び市町村と連携して対応できるよう備えることにより、災害時における献血の受入れに協力する。

四 献血推進施策の進ちょく状況等に関する確認と評価

国、都道府県及び市町村は、献血推進のための施策の短期的又は長期的な効果及び進ちょく状況並びに採血事業者による献血の受入れの実績を確認し、その評価を次年度の献血推進計画等の作成に当たり参考とする。また、必要に応じ、献血推進のための施策を見直すことが必要である。

国は、献血推進運動中央連絡協議会等の機会を活用し、献血の推進及び受入れに関し関係者の協力を求める必要性について献血推進活動を行うボランティア組織と認識を共有し、必要な措置を講ずる。

採血事業者は、献血の受入れに関する実績、体制等の評価を行い、献血の推進に活用する。

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