厚生労働省

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定例事務次官記者会見概要

(H21.06.25(木)14:02〜14:11 省内会見場)

【広報室】

《次官等会議等について》

(次官)

本日の事務次官会議ですが、特に厚生労働省の案件はかかっておりません。

《質疑》

(記者)

「骨太の方針」が閣議決定されて、社会保障費の純増、毎年2,200億円抑制する方針が撤回されました。これに対する次官の評価をお聞かせ下さい。

(次官)

2006年に、今後の5年間に財政のプライマリーバランスを黒字化させるという大きな流れを決め、その中で各分野の政策の合理化ということが決められました。あの時は、与党において調整し、まとめたわけでありますが、そういう意味で詳しいプロセスは私も良くわかっておりません。その前の過去5年間で1兆1,000億円ぐらい社会保障費の中での合理化が行われました。医療保険の自己負担を二割から三割に引き上げるとか、介護保険制度が動き始めたとか、ボーナスを含めた総報酬に保険料をかけるとか、様々な改革があったわけであります。そういう実績を踏まえて、この先の5年間も同じように1兆1,000億円削れるのではないかということで決まったように仄聞をしております。これは、過去5年間とその先の5年間、同じような改革努力が出来るかどうか実証的な検証がなされているわけではなくて、ある意味で政治的な決断の形でまとめられたものだと思います。政府としてはその方針に沿って努力をしてきたわけでありますが、一方、社会保障の各現場では様々な問題も起こってきたところであります。今回、全体を踏まえて、一つには財政再建の目標年次が大きく変わったということが背景にあると思います。もう一つには、全体の景気の状況という問題もあると思います。さらには、社会保障の各現場における様々な課題ということがあると思います。これらの総合判断の上にこのような結論が出たというのは、私は厚生労働行政を進めていく上で大きな一歩になると思っております。これは同時に、私どもがある意味で重たい責任を負うわけであります。単に自然増をそのまま維持するということではなくて、自然増の中で、政策の優先課題を考えて、より手厚くすべきところについては手厚い方策を考え、その代わりというのは何ですが、そのための財源を浮かすために効率化できる、あるいは合理化できるところは考えていくという意味で、より中身の濃い、質の高い社会保障制度を作り上げていく、改善していく、そういう意味での任務も併せて負わされたのではないかと、そんな気持ちを持っています。

(記者)

先日、育児介護休業法改正案が成立しましたがその受け止めと、今後の少子化対策をどう考えるかということと、「厚生労働省の在り方懇談会」で盛り込まれていた、新たな組織の立ち上げスケジュールなどもお聞かせください。

(次官)

少子化対策の大きな柱は二つあります。一つは若い人の働き方の問題、もう一つは、保育所を始めとする子供に対するサービスの提供の問題が大きな柱であり、車の両輪としてこれを進めるということになっております。その中の若い人の働き方に関わる部分で育児介護休業法改正案が成立したというのは、大変大きな前進だと思っております。この法改正の趣旨を活かせるように、実施に向けて努力をしていきたいと思っております。

それから「厚生労働行政の在り方懇談会」で指摘されておりました少子化対策の省内全体の体制の強化ということについては、現在、検討しておりまして、近々に大臣とも相談をしてまとめて行きたいと思っております。法律が通りましたのを契機に実施をしたいと思っておりますので、できるだけ早く立ち上げを行いたいと思っており、最後の詰めを行っているところです。近いうちに発表できるのではないかと思っております。

(記者)

先ほどの参議院厚生労働委員会で、母子加算の復活法案が自公が欠席の中で可決されたのですが、この受け止めをお願いいたします。

(次官)

母子加算につきましては、生活保護を受けている世帯の実情、一般の母子家庭における生活実態を踏まえ、どういう在り方が良いか関係委員会において検討して制度の改正をしました。前にも申し上げておりますように、生活保護の保護基準、住宅の扶助も含めてですが、学校に行っている子供を抱える母子家庭ですと、東京都の場合、生活保護基準はだいたい二十一万円くらいです。それから、子供が二人いる場合には二十七万円くらいという水準です。そういう保護基準と学校に行く場合の費用等についての加算、就職に当たっての加算を考えていきますと、一律の基準ではなくて、個別の需要に応じた加算制度によって、生活保護はその役割を果たしていると思っております。私どもの調査によれば、一律の加算は、生活保護基準と一般の母子家庭との世帯間の不公平さを増す方向に動いていくのでのはないか、それよりは個々の家庭における個別の需要にきちんと対応した加算をするほうが生活保護の在り方としても正しいのではないか、と思っております。そういう意味で、本日参議院の厚生労働委員会で可決されたということですが、衆議院を含めて一層議論を深めていただきたいと思っております。

(了)


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