厚生労働省

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定例事務次官記者会見概要

(H21.06.04(木)14:03〜14:12 省内会見場)

【広報室】

《次官等会議等について》

(次官)

本日の次官会議でありますが、厚生労働省の関係では政令が1件かかっております。診療放射線技師法施行令等の一部を改正する政令案であります。中身は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴い、関係政令の規定の整理を行うものであります。

《質疑》

(記者)

合計特殊出生率ですが、昨年1.37と前年を若干上回りましたが、この数字の評価、特に政府のこれまでに打ち出してきた少子化対策の効果があがっているかどうか、そのへんの御感想もお聞かせ下さい。

(次官)

合計特殊出生率が1.26を記録し、それまでずっと毎年下がり続けていたわけでありますが、1.26を底に、その後3年間連続して出生率は改善をみています。少子化問題は大変大きな課題であるという国の問題意識、あるいはそれに基づく政策や世の中への啓発、あるいは企業等関係者の協力などが色々な形で効果をあげているというか、そういう意識が広まってきているという側面はあるのかなという感じはしております。しかしながら、1.37という数字は決して高い数字ではありません。少子化対策は依然として大きな問題でありますし、また、出産適齢期の女性の人数がこれからどんどん減っていきますので、そういう意味からも、少子化対策についてはもっと力を入れていかなくてはいけないと思っております。

(記者)

厚生労働省は少子化対策の評価の一つとして、統括本部を置くことになっていますが、その進捗状況を教えて下さい。

(次官)

統括本部については、「厚生労働行政の在り方懇談会」において、こういうものを置こうということでやっております。今、育児休業法関係の法律が国会に出ておりますが、私どもは立ち上げに向けて下準備をしている段階であり、その法律の成立あたりを目標に体制を立ち上げたいということで準備をしているところであります。少子化対策、厚生労働省の関わっている分野では、保育サービスを中心とする支援的な側面と、子どもを持つ御両親の働き方の問題とが車の両輪ということであります。その両輪がうまく動いていきますよう体制を考えていきたいと思っています。

(記者)

野党4党が生活保護の母子加算復活を求める法案を提出しました。政府は母子加算打ち切りをしてきた経緯があるわけで、今、復活する必要性があるかどうか、そのへんをどのようにお考えでしょうか。

(次官)

母子加算を段階的に廃止をしていった背景には、生活保護世帯における母子世帯と一般の母子世帯との間の生活実態を踏まえて、一律の加算は適当ではないという事実に即しての判断があったわけであります。一方で、就学期の子どもであるとか、高校生になるとか、就労に向けての準備とか、細部においては配慮を要する点があると思っています。そういう意味で、一律の加算ということではなくて、実態に応じたきめ細かな加算を考えていくことが適当かなという考えでございます。そういう加算を致しますと、東京都において、住宅手当を限度まで支給されている世帯では、小学生の子どもを一人抱える母子家庭では、おおむね月額21万円位の水準でありますし、小学生と高校生を抱える母子家庭では、加算等を含めてになりますが、おおむね27万円位の水準の生活保護費が支給されています。一律の加算というよりは実態に即して対応していくのが適切ではないかなと思っております。

(記者)

原爆症認定の一括解決の話ですが、判決後に、河村官房長官は与党PTに対して厚生労働省に知恵を出すように言って欲しいとおっしゃっているのですが、その後の厚生労働省と原告側の話合いを聞いていると、何も厚生労働省は変わっていないという印象を受けるのですが、厚生労働省としてこの問題は今どういった扱いになっているのでしょうか。

(次官)

判決が出まして、様々な事例についての裁判所としての判断が示されました。原告の中には、昨年4月に認定基準を変えたことによって原爆症の認定を受けた人もたくさんおられます。それ以外の人たちについて、今度の判決の中で、原告側が勝訴したもの、国側が勝訴したものがあります。そういう判決の実態を踏まえて、判決に対してどう対応するかということを決めて行くことが第一です。上告するかしないかということも、関係省庁と相談しながら決めて行かなければなりません。

それから、原告側が大臣に是非会いたいということを言っておられますので、大臣自身の御意向として、どこかで会うことを考えたいということをおっしゃっております。そういう機会も是非設けてお話を聞きたいと思っております。そういう話を踏まえまして、既に、肝炎ですとか、甲状腺の問題ですとかを認定審査会の方で検討していただいております。そういう案件、それから判決の中身についても状況を報告して、どういう取り扱いをしたらいいかということを相談して行きたいと思っております。ただ、法律が原爆の放射線に起因しての疾病ということになっておりますが、その法律の枠組みが変わっているわけではありません。行政ですので、法律の枠組の中でどういうことができるか詰めて行きたいということです。

(記者)

官房長官は判決を聞くのはこれが最後だということもおっしゃっているのですが、上告しないということでしょうか。

(次官)

これはまだ検討中でございます。もちろん上告しない可能性も多分にありますし、あるいは上告しなければならないということになるかもしれませんが、その点については現在検討中です。これは11日の期限までに判断をして何らかの対応を取るということになります。繰り返しになりますが、それは判決に対してどうするかということでして、それ以外に判決の中身についてどうするかということは、別の角度で検討するということです。

(記者)

一括解決に向けて、何らかの検討は今していないということでしょうか。

(次官)

一括解決がどういう意味かということだと思うのですが、今、訴訟をしている方の中に、判決で国が勝訴しているものもあります。国が勝訴しているものについて、判決を原告側も認めればこれは解決になるのだと思いますが、これを不服だとなった時に判決を超えて判断できるのかどうかという問題はあると思います。行政は法律に基づいて行いますので、法律に基づいての司法の判断がそういうことであれば、法律がそのままなのに、それを超えて行政が動くというのは難しい問題もあるのではないかと思っております。そういうことを踏まえて総合的に検討して行きたいということです。

(了)


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