厚生労働省

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定例事務次官記者会見概要

(H21.1.29(木)14:00 〜14:11 省内会見場)

【広報室】

《次官会議等について》

(次官)

本日の事務次官会議ですが、厚生労働省案件は法律と政令がかかっております。法律は国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案で、中身は、基礎年金の国庫負担割合について、平成21年度及び平成22年度において財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰入れ金を活用して2分の1とするとともに、所得税法等の一部を改正する法律の規定に従って行われる税制の抜本的な改革による所要の安定した財源の確保を図った上で2分の1への引き上げを恒久化する等ため所要の改正を行うというものです。

政令は3件ありまして、一つは、薬事法施行令の一部を改正する政令案です。これは、非視力補正用コンタクトレンズを医療機器に指定するというものです。

二つ目は、母子及び寡婦福祉法施行令の一部を改正する政令案ですが、これは、就職を容易にするために必要な資格を取得しようとする母子家庭の母に対する支援の充実を図るため、高等職業訓練促進給付金の支給期間を拡大するというものです。

三つ目は、介護保険法施行令の一部を改正する政令案です。この政令案は、介護保険の保険料の急激な上昇を抑制するため、平成21年度から平成23年度まで、当該保険料の基準額を各年度ごとに算定できるようにするという措置を講ずるものです。

私の方からは以上ですが、ご質問がありましたらどうぞ。

《質疑》

(記者)

国民年金法の明日閣議決定ということですが、2分の1に向けた恒久的措置ということで、文言に対する附則の評価をお願いいたします。

(次官)

平成16年の改正の時には、税制上の安定財源を確保して5年間の間に2分の1にすることでした。それが昨年の秋から急速な景気の悪化により、消費税等税制の見直しをする時期ではないということで、麻生総理は全治3年と言う言葉をお使いになりましたが、税制改正の時期が後ろにずれたわけです。それを踏まえた中で、16年の法改正で目標にした国庫負担2分の1を実現することができたということは、政府全体として相当な工夫をしたと評価できると思います。ただ、財政投融資特会からの特例的な、繰入れですので、安定財源ではありませんから、2年間繰入れをして、その後に安定財源の確保、所得税法の改正の規定に従って行われる税制の抜本的な改革を行って安定財源を得て、2分の1を恒久化するとの方針も出たわけで、税法改正の中身からして書ける目一杯が書かれたと思っております。

(記者)

今、国会で天下りや渡りについていろいろ議論されていると思うのですが、次官は天下りや渡りについて必要だと思われますか。

(次官)

現在、公務員の年金支給開始年齢は65歳に向かっている最中、現在は、多分64歳くらいではないかと思いますが、年金の支給開始年齢が延びているわけであります。一方、公務員の定年は60歳ということになっております。私ども、雇用政策としては、企業に勤めている人たちは65歳に雇用を伸ばしてもらうと、あるいは、働きたい人は更に働けるようにという政策をとっているわけであります。この問題は、公務員の働き方全体に係る問題の中で考えるべき話かなと思います。

(記者)

退官後は、御自身はどうされる予定ですか。

(次官)

現在の仕事に一所懸命ということで退官後のことは考えておりません。

(記者)

ということは、まだ天下るとかそういうことについてお考えは。

(次官)

辞めた後のことは何も考えていないのです。今の仕事をこなしていくということが私の責任ですので、それをしっかりやっていきたいということ以外のことは考えておりません。

(記者)

同じ官僚の人で5回以上、他の省庁ですけど、そうやって天下っている方がいて、3億円とか退職金をもらっている方もいらっしゃるのですけど、そういう方はどう。

(次官)

最初に申し上げましたように、この問題は、公務員全体の働き方の問題をきちんと整理をするところにあるのではないかという気はします。そこの整理をすることが一番大事なことだと思います。

(記者)

新型インフルエンザの新しいワクチンができたということについてお伺いしたいのですけれども。

(次官)

ワクチンはまだ研究途上のもので、できあがっているわけではありません。いろんなワクチンができてもウィルスの形が変化することによって前のワクチンが効かなくなるということはよくあります。私が担当部局から聞いている話では、ウィルスの表面のたんぱくに対して作用し、表面はいろいろ形が変わりやすいものですから、形が変わると従前効いたワクチンが効かなくなるということがあったわけですが、今、研究途上にあるワクチンというのは、表面のたんぱくではなくて、「内部のたんぱくに効く」ということでありまして、内部のたんぱくに効くのであれば、表面の形が変わっても効くのではないかという意味で万能というか、効き目の広がりをもてるのではないかということであります。まだ研究過程でありますので、これがどんなふうに実用化に向けて進むのか、これはこれからの研究成果の結実具合でありますので、今の時点ではどうこうと評価できる段階ではありません。

(記者)

見通しとしては、いかがですか。

(次官)

なかなかこの見通しは難しいのです。良いものができればよいと思っておりますけれども、冷静に研究成果を待つということではないかと思います。

(記者)

この間、京都府が全国知事会で、国民健康保険の都道府県一元化を目指すというか、その勉強会を発足されて提案されているのですけれども、4月からは厚生労働省含めてデータをいただいて実際にどれくらい地域によって疾病構造がどうなっているかとか、診療報酬でどれくらい点数が上がっているか研究されていくということなのですが、厚生労働省としてそういう動きについてどう思っているのか、どれくらい京都府に協力していこうかと思っているのか、その辺お尋ねしたいのですが。

(次官)

日本のような国民皆保険の国というのは世界にもありません。いわゆる働いている人が入る保険というのはあるのですが、自営業者とかそういう人を含めた地域保険を機能的に運営して、国民全てが保険制度の恩恵を受けられる形になっている国は日本だけではないかと思います。そういう意味、国民健康保険は大変大きな役割を担っています。できた時は、昭和30年代の中頃でありますが、まだ農業も大きくて自営業者がたくさんいましたが、産業構造の変化に伴って、国民健康保険の運営はなかなか難しくなり、また、人口も都市部への人口集中、田舎の方では人口減少等によって、制度・財政運営に難しい問題を生じています。そういう意味で保険の単位を大きくするというのは、制度の安定面にとって大変意義のあることであると思っております。京都府がそういう勉強をしていこうというのは、私は、在り方をかなり真剣に考えておられる意見ではないか、あるいは、行動ではないかと思います。その検討のために御協力できることは精一杯協力をしたいと思います。

医療保険制度全般についても、例えば、後期高齢者医療制度は都道府県単位にいたしましたし、国民健康保険についても共同事業等でできるだけ都道府県単位で、財政調整あるいは支援等ができないかということをやってきていますので、やはりある程度大きな規模でやるのが望ましい。したがいまして、それが一つの仕組みとして都道府県単位にしようというのは、考え方としては、私は現下の国民健康保険、地域ごとに保険料等がばらばらなどを考えますと、価値ある検討、方針ではないかと思っております。

(了)


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