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広報誌「厚生労働」

特集
春から注意!
すぐそばに潜む食中毒のリスク

食中毒と聞くと、皆さんは何を思い浮かべますか?
食中毒の原因は、細菌やウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫などさまざまです。
なかでも、春になると有毒植物(スイセン、イヌサフランなど)、夏場には細菌による食中毒が増加します。食中毒は重症化すると、命に関わることも。
安心して食事を楽しむためにも、食中毒について考え、正しい理解を深めましょう。

どれくらい知っている?食中毒の基礎知識

日本では、どれくらいの数の食中毒が発生しているのでしょうか。その現状を紹介します。

春は有毒植物、夏は細菌に要注意

 有毒植物という言葉を聞いたことがありますか? これは、名前のとおり、毒のある植物のことです。派手な色をした、毒々しい見た目の植物を想像するかもしれませんが、有毒植物すべてがそのようなものばかりではありません。

この写真を見てください。

写真

 よく似ていませんか。右はニラ、左はスイセンです。スイセンは黄色いきれいな花を咲かせるため、公園や道端に植えられることが多く、私たちにとって身近な植物です。実はスイセンは有毒植物で、食べると30分以内に吐き気や嘔吐などの症状が出ます。しかし、見た目がニラに似ているため、間違えて食べてしまう人もいます。このように、有毒植物は皆さんのすぐそばにあるのです。
 食中毒は、有毒植物を食べたとき以外にも起きます。たとえば、食中毒の原因としては、腸管出血性大腸菌(O157)に代表される細菌、冬場に多く発生するノロウイルスなどのウイルス、フグや二枚貝などの動物性自然毒、ヒスタミンといった化学物質、クドアやアニサキスといった寄生虫があります。
 では、1年間に食中毒はどれくらい発生しているのでしょうか。
 厚生労働省の調査によると、昨年には1,140件も発生しており、患者数は20,253人、うち死者数は14人でした(図表1)。

図表1

  病因物質別事件数の月別発生状況を見ると、春は植物性自然毒(有毒植物)、夏は細菌による食中毒が増えることがわかります(図表2)。

図表2

 春はハイキングや登山など、アウトドアを楽しむ人が増える季節。屋外で誤って有毒植物を口にして、食中毒になるケースも少なくありません。
 また、食中毒には飲食店などで発生するイメージを持っている人もいるかもしれません。実は、食中毒は家庭でも発生しており、菌が繁殖しやすい夏場は特に注意をする必要があります。
 次ページからは、有毒植物と細菌のそれぞれの特徴と、食中毒を引き起こさないための方法を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

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