厚生労働省

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平成22年度
税制改正要望事項

平成21年8月
厚生労働省


目次

第1 地域医療の再生に向けて

第2 安心・活力の実現に向けた雇用対策の推進

第3 少子化対策の総合的な強化

第4 健康で暮らせる社会の実現に向けて

第5 高齢者等が生き生きと安心して暮らせる社会の実現

第6 安心して働ける社会の実現

第7 各種施策の推進


・番号の前に※印を付してある項目は他省庁との共同要望の項目である。

第1 地域医療の再生に向けて

(1) 医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の創設〔相続税、贈与税〕

持分のある医療法人において、出資者の死亡に伴い相続人が相続税の納税資金を確保するために出資持分の払戻しを請求する等により、医業の継続に支障を来すことのないよう、持分のある医療法人のうち、持分のない医療法人への移行を検討するものについて、以下の特例措置を創設する。

(i) 出資者の死亡に伴い相続人に発生する相続税の納税を5年間猶予するとともに、5年以内に一定の要件を満たす持分のない医療法人に移行した場合に、猶予税額を免除する。

(ii) 相続人や出資者が出資払込額の払戻しを受けた場合等に残存出資者に発生するみなし贈与の課税を5年間猶予するとともに、5年以内に一定の要件を満たす持分のない医療法人に移行した場合に、猶予税額を免除する。

(2) 周産期医療の連携体制を担う医療機関が取得する分娩施設に係る特例措置の延長〔不動産取得税〕

周産期医療の連携体制を担う医療機関が分娩の用に供する不動産を取得した場合に、当該不動産の価格の2分の1に相当する額を価格から控除する不動産取得税の課税標準の特例措置について、その適用期限を2年間延長する。

※(3) 情報基盤強化税制の適用期限の延長〔所得税、法人税、法人住民税〕

医療機関等が、レセプト電算処理やレセプトのオンライン請求の実施のためのソフトウェア、ハードウェアを取得した場合に、税額控除又は特別償却を認める特例措置(情報基盤強化税制)について、その適用期限を2年間延長する。

※(4) 中小企業投資促進税制の適用期限の延長〔所得税、法人税、法人住民税〕

医業、医薬品・医療機器産業、生活衛生関係営業等を行う中小企業者等が、一定規模以上の機械装置、普通貨物自動車等を取得した場合に、その取得価額の7%の税額控除又は30%の特別償却を認める特例措置(中小企業投資促進税制)について、その適用期限を2年間延長する。

※(5) 病院等の耐震改修促進税制の延長〔所得税、法人税〕

病院等の事業用建物の耐震改修工事について、当該工事に要した費用の10%の特別償却を認める特例措置の適用期限を2年間延長する。

※(6) 病院等が取得した地震防災対策用資産に係る特例措置の延長〔固定資産税〕

病院等が取得した地震防災対策用資産について、当該資産に係る固定資産税の課税標準を3年間に限り3分の2に軽減する特例措置の適用期限を2年間延長する。

※(7) 厚生農業協同組合連合会に対する寄附に係る寄附金控除の創設等〔所得税、法人税、個人住民税、法人住民税、事業税〕

厚生農業協同組合連合会(以下「厚生連」という。)に対する寄附の促進のため、以下の措置を講ずる。

(i) 厚生連に寄附をした個人の所得から寄附金を控除する。

(ii)  厚生連に寄附をした法人において、当該寄附金を一般の損金算入限度額とは別枠で損金算入する。

(8) 社会保険病院等に係る独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構の存続期限後等に必要な非課税措置の創設等〔所得税、法人税、登録免許税、印紙税、法人住民税、事業税、不動産取得税、固定資産税等〕

社会保険病院等を保有している独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)の存続期限(平成22年9月末)後等においても、引き続き地域医療の確保を図ることができるよう、税制上の所要の措置を講ずる。

(9) 社会保険診療報酬に係る非課税措置の存続〔事業税〕

医療とりわけ社会保険診療の高い公共性に鑑み、社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置を存続する。

(10) 医療法人の社会保険診療以外部分に係る軽減措置の存続〔事業税〕

医療事業の安定性・継続性を高め、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保に資する医療法人制度を支援するため、医療法人の社会保険診療以外の部分に係る事業税の軽減措置を存続する。

(11) 社会保険診療報酬等に係る消費税のあり方の検討〔消費税、地方消費税〕

社会保険診療報酬は国民に必要な医療を提供する高度の公共性を有していることから消費税は非課税とされ、医療機関や保険薬局の仕入れに係る消費税については社会保険診療報酬において措置されているところであるが、今後、消費税を含む税体系の見直しが行われる場合には、社会保険診療報酬等に係る消費税に関する仕組みや負担を含め、そのあり方について速やかに検討する。

(12) 医療法人に係る法人税率の軽減措置の創設〔法人税、法人住民税〕

医療法人について、その経営の安定を図り、地域医療の担い手としての役割をより積極的に果たせるようにするため、医療法人の法人税率を22%に軽減する。

第2 安心・活力の実現に向けた雇用対策の推進

(1) 障害者雇用促進法の改正に伴う障害者を雇用する事業所等に係る税制上の特例措置の拡充〔所得税、法人税、法人住民税、不動産取得税、固定資産税、事業所税〕

障害者雇用促進法の改正により、短時間労働者(週所定労働時間20時間以上30時間未満)に障害者雇用率制度の適用が拡大されることに伴い、税制上の特例においても、適用要件(雇用障害者数の割合)の算定に当たり短時間労働者を加える。

第3 少子化対策の総合的な強化

(1) 次世代育成支援のための新たな制度体系の構築等の少子化対策の推進のための所要の措置の創設〔法人税、不動産取得税、固定資産税等〕

「子どもと家族を応援する日本」重点戦略等に基づき、消費税を含む税制の抜本的改革の動向を踏まえつつ、次世代育成支援のための新たな制度体系の構築等による少子化対策を推進するため、税制上の所要の措置を講ずる。

第4 健康で暮らせる社会の実現に向けて

(1) たばこ対策としてのたばこ税の税率の引上げ〔たばこ税、地方たばこ税〕

「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」の締約国として、たばこ対策を強力に進めていくことが求められていることや、「健康日本21」において成人の喫煙に関する目標が設定され、「がん対策推進基本計画」においてもたばこ対策が重要な位置づけとされていることを踏まえ、喫煙率の減少のために、たばこ税及び地方たばこ税の税率を引き上げる。

※(2) 試験研究費の額が増加した場合等の法人税額の特別控除の延長〔所得税、法人税〕

医薬品・医療機器企業等の試験研究を活性化するため、試験研究費総額の一定割合を税額控除する制度について、その適用期限を2年間延長する。

(3) 特別試験研究に係る税額控除制度の拡充〔所得税、法人税〕

特別試験研究費(オーファンドラッグ等の試験研究費)に係る税額控除限度額を、総額試験研究税額控除分と別枠に設定する。

※(4) 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置の延長〔所得税、法人税、法人住民税、事業税〕

中小企業者等が、事業の用に供する償却資産で、取得価額が10万円以上30万円未満であるもの(少額減価償却資産)を取得した場合に、その取得価額を損金の額に算入する特例措置について、その適用期限を2年間延長する。

(5) と畜場における設備に係る課税標準の特例措置の延長〔固定資産税〕

と畜場の設置者が牛の処理を衛生的に行うための設備を取得した場合に、最初の3年度分に限り、当該設備に係る固定資産税の課税標準を2分の1とする特例措置について、その適用期限を3年間延長する。

第5 高齢者等が生き生きと安心して暮らせる社会の実現

(1) 介護費用に係る所得控除制度の創設〔所得税、個人住民税〕

要援護高齢者・障害者の介護に要する費用に係る控除制度を創設する。

※(2) 住宅に係るバリアフリー改修促進税制の延長〔固定資産税〕

高齢者等が居住する家屋に一定のバリアフリー改修工事を行った場合に、翌年度分に限り、当該家屋に係る固定資産税額の3分の1を減額する特例措置(バリアフリー改修促進税制)について、その適用期限を3年間延長する。

※(3) 高齢者向け優良賃貸住宅建設促進税制の延長〔固定資産税〕

高齢者向け優良賃貸住宅に固定資産税を課す場合に、最初の5年度分に限り、当該住宅に係る固定資産税額の3分の2を減額する特例措置(高齢者向け優良賃貸住宅建設促進税制)について、その適用期限を2年間延長する。

(4) 長寿医療制度(後期高齢者医療制度)及び介護保険制度の保険料に係る社会保険料控除の適用に関する特例措置の創設〔所得税、個人住民税〕

長寿医療制度及び介護保険制度の被保険者が特別徴収の方法により支払った長寿医療制度及び介護保険制度の保険料については、当該被保険者と生計を一にする配偶者その他の親族のいずれかが支払ったものとみなして社会保険料控除の適用を可能とする。

※(5) 公益法人制度改革に伴う老人福祉施設等に係る非課税措置の創設〔不動産取得税、固定資産税、都市計画税〕

特例民法法人が設置する老人福祉施設等に対して非課税措置が講じられていることを踏まえ、その施設の公益性に鑑み、一定の法人が設置するこれらの施設について非課税措置を講ずる。

第6 安心して働ける社会の実現

※(1) 勤労者が使用者から住宅資金の貸付けを受けた場合の経済的利益等に関する課税特例措置の適用期限の延長〔所得税、個人住民税〕

給与所得者が自己の居住の用に供する住宅の取得をする際に受ける一定の経済的利益等を非課税とする特例措置について、その適用期限を2年間延長する。

※(2) 新築住宅に対する固定資産税の減額措置に係る適用期限の延長〔固定資産税〕

新築住宅(床面積50m2〜280m2)に固定資産税を課す場合に、最初の3年度分に限り、当該住宅に係る固定資産税額の2分の1を減額する特例措置について、対象となる住宅の建築期限を2年間延長する。

第7 各種施策の推進

※(1) 公害防止用設備に係る課税標準の特例措置の延長〔固定資産税〕

公害防止対策の適正かつ円滑な推進を図るため、活性炭吸着式処理装置等に係る固定資産税の課税標準を3分の1に、地下水浄化施設に係る固定資産税の課税標準を2分の1に軽減する特例措置について、その適用期限を2年間延長する。

※(2) 産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法に基づく登録免許税の特例措置の延長〔登録免許税〕

産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法に基づく登録免許税の特例措置について、その適用期限を2年間延長する。

(3) 国民健康保険制度見直しに伴う所要の措置〔国民健康保険税等〕

国保財政基盤強化策の見直しに合わせ、国民健康保険税の負担のあり方など国民健康保険制度全般の見直しを検討し、これに伴う必要な税制上の措置を講ずる。

(4) 船員保険制度の見直しに伴う所要の非課税措置の創設〔印紙税〕

船員保険制度の見直しに伴い、船員保険の運営主体が政府(社会保険庁)から全国健康保険協会に変更されることとなるが、これまでどおり、印紙税に係る非課税措置を講ずる。

※(5) 試験研究等を目的とする独立行政法人への寄附金に係る指定寄附金制度の創設〔所得税、法人税、法人住民税、事業税〕

試験研究等を目的とする独立行政法人への寄附金について、全額損金算入できる指定寄附金に指定する制度を創設する。

(6) 独立行政法人の見直しに伴う非課税措置の創設〔所得税、法人税、不動産取得税、固定資産税等〕

「独立行政法人整理合理化計画」及び「雇用・能力開発機構の廃止について」に基づき行う独立行政法人の見直しに伴い、税制上の所要の措置を講ずる。

問い合わせ先:(代)03-5253-1111

社会保障担当参事官室 政策第二係

山田章平、中村彩子(内線7693)

労働政策担当参事官室 企画第二係

長良健二、桐石邦生(内線7992)

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