厚生労働省

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職業安定局高齢・障害者雇用対策部
高齢者雇用対策課

課  長石  坂    進
企 画 官川  村  徹  宏
課長補佐手 倉 森  一  郎
電  話03(5253)1111(内線5823)
夜間直通03(3502)6822

厚生労働省発表

厚生労働省発表
平成20年10月7日


〜65歳までの高年齢者雇用確保措置は着実に進展〜
(平成20年6月1日現在の高年齢者の雇用状況)

定年及び継続雇用制度の状況その他高年齢者の雇用に関する状況については、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下「法」という。)に基づき、事業主は、毎年6月1日現在の状況を厚生労働大臣に報告しなければならないこととされている。

厚生労働省では、今般、平成20年6月1日現在の同報告を集計し、その結果を取りまとめたので、公表する。

《ポイント》

1 高年齢者雇用確保措置の実施状況
〜大企業のほとんどが雇用確保措置を実施、中小企業も95%超〜

○ 平成20年6月1日現在、51人以上規模の企業(注1)のうち、高年齢者雇用確保措置(注2)の実施企業の割合は、96.2%と前年比3.5ポイント増加。
うち、中小企業(注3)は95.6%(前年比3.8ポイント増)。
大企業(注4)は99.8%(前年比1.7ポイント増)。

○ 希望者全員が65歳以上まで働ける企業(注5)の割合は39.0%(前年比2.0ポイント増)。

○ 70歳までの雇用確保措置を実施した企業(注6)の割合は12.4%(前年比0.5ポイント増)。

2 雇用確保措置の義務化後の高年齢労働者の動向
〜高年齢者の常用労働者数が大幅に増加〜

○ 雇用確保措置の義務化前(平成17年)に比較して、

・ 60〜64歳の常用労働者数は約78万人から約129万人に増加(64%増)。

・ 65歳以上の常用労働者数は約27万人から約49万人に増加(84%増)。

〜定年到達者のうち継続雇用される者が大幅に増加〜

○ 雇用確保措置の義務化前(平成17年)に比較して、定年到達予定者のうち継続して雇用される予定の者の数(割合)は約12万人(48%)から約32万人(73%)に、約20万人増加(25ポイント増)。

3 今後の取組

○ 65歳までの雇用確保措置の確実な実施のため、引き続き51人以上規模の未実施企業に対して強力に指導を行うほか、今後は、50人以下規模の企業に対して重点的に指導を実施する。

○ 少子・高齢化の進行、将来の労働力人口の減少等の状況を踏まえ、「70歳まで働ける企業」の普及・啓発に取り組む。

(注1)法第52条第1項により、事業主は、毎年、6月1日現在の定年及び継続雇用制度の状況等を厚生労働大臣に報告することとされており、今般、当該報告を提出した51人以上規模の企業93,886社について、高年齢者雇用確保措置の実施状況を集計(うち中小企業(51人〜300人規模)は79,688社、大企業(301人以上規模)は14,198社)。

(注2)事業主は、雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用の確保のため、定年の定めの廃止、定年の引上げ、継続雇用制度の導入(「高年齢者雇用確保措置」)のいずれかの措置を講じなければならない(法第9条第1項)。なお、定年の引上げ、継続雇用制度の義務年齢は、年金の支給開始年齢の引上げに合わせて、平成25年4月までに段階的に引上げ(現在は、63歳)。

(注3)中小企業とは51人〜300人規模の企業。

(注4)大企業とは301人以上規模の企業。

(注5)定年の定めの廃止、65歳以上定年、希望者全員65歳以上継続雇用の企業。

(注6)定年の定めの廃止、70歳以上定年、希望者全員70歳以上・基準該当者70歳以上継続雇用の企業。

1 高年齢者雇用確保措置の実施状況

(1) 全体の状況

高年齢者雇用確保措置(以下「雇用確保措置」という。)の実施済企業の割合は96.2%(90,351社)、前年比3.5ポイントの増加となっている。

一方、雇用確保措置を未実施である企業の割合は3.8%(3,535社)、前年比3.5ポイントの減少となっている。

このように、企業における雇用確保措置は着実に進展している(別紙表1)。

(2) 企業規模別の状況

雇用確保措置の実施済企業の割合を企業規模別に見ると、大企業では99.8%(14,168社)、前年比1.7ポイントの増加、中小企業では95.6%(76,183社)、前年比3.8ポイントの増加となっており、大企業のほとんどが雇用確保措置を実施し、また、中小企業の実施状況も着実に進展している(別紙表1)。

雇用確保措置を実施した企業の割合
(3) 雇用確保措置の上限年齢

雇用確保措置の上限年齢については、雇用確保措置の実施済企業のうち、現在の義務年齢である63歳又は64歳を上限年齢とした企業は20.5%(18,543社)となる一方、法の義務化スケジュールより前倒しして65歳以上を上限年齢とした企業(定年の定めのない企業を含む。)は79.5%(71,808社)、前年比2ポイントの増加となっている(別紙表3−1)。

雇用確保措置の上限年齢
(4) 雇用確保措置の内訳

雇用確保措置の実施済企業のうち、「定年の定めの廃止」の措置を講じた企業は2.1%(1,899社)、「定年の引上げ」の措置を講じた企業は12.5%(11,262社)、「継続雇用制度の導入」の措置を講じた企業は85.4%(77,190社)となっている(別紙表3−2)。

雇用確保措置の内訳
(5) 継続雇用制度の内訳

継続雇用制度を導入した企業(77,190社)のうち、希望者全員の継続雇用制度を導入した企業は38.6%(29,812社)、対象者となる高年齢者に係る基準を労使協定で定め、当該基準に基づく継続雇用制度を導入した企業は44.0%(33,932社)、労使協定の締結に向けて努力したにもかかわらず協議が調わず、法に基づく特例措置により就業規則等で基準を定め、当該基準に基づく継続雇用制度を導入した企業は17.4%(13,446社)となっている(別紙表3−3)。

継続雇用制度の内訳
(6) 希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合

希望者全員が65歳以上まで働ける企業(定年の定めの廃止、65歳以上定年、希望者全員65歳以上継続雇用制度の導入のいずれかを実施)の割合(全企業中)は39.0%(36,626社)、前年比2.0ポイントの増加となっている。

企業規模別に見ると、中小企業では42.2%(前年比2.2ポイント増加)、大企業では21.2%(前年比1.2ポイント増加)となっている(別紙表4)。

(7) 「70歳までの雇用確保措置を実施した企業」の割合

「70歳まで働ける企業」(定年の定めの廃止、70歳以上定年、希望者全員70歳以上・基準該当者70歳以上継続雇用制度の導入のいずれかを実施)の割合(全企業中)は12.4%(11,598社)、前年比0.5ポイントの増加となっている。

企業規模別に見ると、中小企業では13.2%(前年比0.5ポイント増加)、大企業では7.4%(前年と同じ)となっている(別紙表5)。

2 雇用確保措置の義務化後の高年齢労働者の動向

(1)常用労働者数の推移

雇用確保措置の義務化前(平成17年)に比較して、

・ 60歳〜64歳の常用労働者数は78万4千人から128万9千人へ50万5千人の増加(64.3%の増加)

・ 65歳以上の常用労働者数は26万5千人から48万8千人へ22万3千人の増加(83.8%の増加)

と、大幅に増加している(別紙表6)。

年齢別常用労働者の動向
(2)定年到達予定者に占める継続雇用予定者の状況

雇用確保措置の義務化前(平成17年)と比較して、定年到達予定者のうち継続雇用される予定の者の占める者の数(割合)は12万人(48.4%)から31万6千人(73.3%)へ、19万6千人の増加(24.9ポイントの増加)となっている(別紙表7)。

3 今後の取組

(1) 65歳までの雇用確保措置の確実な実施
[1] 雇用確保措置未実施企業に対する指導の実施

本年6月1日時点の高年齢者雇用状況報告によると、51人以上の規模の企業における雇用確保措置は着実に進展しているが、未実施企業が3,535社あることから、引き続き、各都道府県労働局、ハローワークの幹部等による個別指導を強力に実施し、早期解消を図るとともに、今後は、特に50人以下規模の企業に対して、重点的に集団指導や個別指導を行うとともに、雇用確保措置の導入に向けた取組を行う事業主団体に対する奨励金の活用促進等を通じて、雇用確保措置の実施を図る。

[2] 雇用確保措置の充実

上記の雇用確保措置の実施に係る指導に加えて、勤務時間の多様化、職域拡大、処遇改善等を通じて、希望者全員の65歳までの継続雇用、定年の引上げ、定年の定めの廃止といった雇用確保措置の充実に取り組んでいくよう、企業に積極的に働きかけを行う。

(2) 「70歳まで働ける企業」の普及・啓発

少子・高齢化の進行、将来の労働力人口の減少、団塊世代の60歳の定年年齢への到達等を踏まえ、高年齢者が意欲と能力のある限りいくつになっても働ける社会の実現に向け、事業主団体等による70歳までの高年齢者の一層の雇用に向けた取組の支援、70歳以上の定年への引上げ等に係る「定年引上げ等奨励金」の積極的な活用についての企業への働きかけ等により、「70歳まで働ける企業」の普及・啓発に取り組む。


表1 雇用確保措置の実施状況

  [1]実施済 [2]未実施 [1]+[2]合計
51〜300人 76,183  (68,670) 3,505  (6,155) 79,688  (74,825)
95.6%  (91.8%) 4.4%  (8.2%) 100.0%  (100.0%)
301人以上 14,168  (13,092) 30  (249) 14,198  (13,341)
99.8%  (98.1%) 0.2%  (1.9%) 100.0%  (100.0%)
企業数 90,351  (81,762) 3,535  (6,404) 93,886  (88,166)
96.2%  (92.7%) 3.8%  (7.3%) 100.0%  (100.0%)

(注)( )内は、平成19年6月1日現在の数値。表1〜5において同じ。

表2 規模別・産業別実施状況

    [1]実施済企業割合 [2]未実施企業割合


51〜100人 94.5%  (90.2%) 5.5%  (9.8%)
101〜300人 97.0%  (93.8%) 3.0%  (6.2%)
301〜500人 99.7%  (97.7%) 0.3%  (2.3%)
501〜1000人 99.9%  (98.3%) 0.1%  (1.7%)
1,001人以上 99.9%  (98.8%) 0.1%  (1.2%)
合計 96.2%  (92.7%) 3.8%  (7.3%)


農、林、漁業 91.7%  (90.6%) 8.3%  (9.4%)
鉱業 97.1%  (96.9%) 2.9%  (3.1%)
建設業 97.2%  (94.4%) 2.8%  (5.6%)
製造業 96.8%  (93.8%) 3.2%  (6.2%)
電気・ガス・熱供給・水道業 96.8%  (94.5%) 3.2%  (5.5%)
情報通信業 94.7%  (89.1%) 5.3%  (10.9%)
運輸業 96.6%  (93.7%) 3.4%  (6.3%)
卸売・小売業 95.3%  (91.4%) 4.7%  (8.6%)
金融・保険業 98.3%  (96.5%) 1.7%  (3.5%)
不動産業 96.2%  (92.8%) 3.8%  (7.2%)
飲食店、宿泊業 95.2%  (90.4%) 4.8%  (9.6%)
医療、福祉 97.1%  (94.0%) 2.9%  (6.0%)
教育、学習支援業 94.3%  (89.1%) 5.7%  (10.9%)
複合サービス事業 97.1%  (95.2%) 2.9%  (4.8%)
その他のサービス業 95.6%  (91.3%) 4.4%  (8.7%)
公務・その他 94.9%  (97.6%) 5.1%  (2.4%)
合計 96.2%  (92.7%) 3.8%  (7.3%)

表3 雇用確保措置実施企業に関する状況

表3−1 雇用確保措置の上限年齢

  [1]65歳以上
(含定年制なし)
[2]63〜64歳 [1]+[2]合計
企業数 71,808 (63,394) 18,543 (18,368) 90,351 (81,762)
比 率 79.5% (77.5%) 20.5% (22.5%) 100% (100%)

表3−2 雇用確保措置の内訳

  [1]定年の定め
の廃止
[2]定年の引上げ [3]継続雇用制度
の導入
[1]+[2]+[3]合計
企業数 1,899 (1,714) 11,262 (9,922) 77,190 (70,126) 90,351 (81,762)
比 率 2.1% (2.1%) 12.5% (12.1%) 85.4% (85.8%) 100% (100%)

表3−3 継続雇用制度の内訳

  [1]希望者全員 [2]基準該当者 [1]+[2]合計
企業数 29,812
(27,219)
47,378 (42,907) 77,190
(70,126)
労使協定 就業規則等
33,932 (29,649) 13,446 (13,258)
比 率 38.6% (38.8%) 44.0% (42.3%) 17.4% (18.9%) 100% (100%)

表4 65歳以上まで希望者全員が働ける企業の割合

    合計 報告した
すべての企業
定年の定めの廃止 65歳以上定年 希望者全員
65歳以上継続雇用
企業計 1,899
(1,714)
8,808
(7,595)
25,919
(23,321)
36,626
(32,630)
93,886
(88,166)
2.0%
(1.9%)
9.4%
(8.6%)
27.6%
(26.5%)
39.0%
(37.0%)
100.0%
(100.0%)
中小企業
(51〜300人)
1,823
(1,636)
8,101
(6,979)
23,685
(21,350)
33,609
(29,965)
79,688
(74,825)
2.3%
(2.2%)
10.2%
(9.3%)
29.7%
(28.5%)
42.2%
(40.0%)
100.0%
(100.0%)
大企業
(301人〜)
76
(78)
707
(616)
2,234
(1,971)
3,017
(2,665)
14,198
(13,341)
0.5%
(0.6%)
5.0%
(4.6%)
15.7%
(14.8%)
21.2%
(20.0%)
100.0%
(100.0%)

表5 70歳までの雇用確保措置を実施した企業の割合

    合計 報告した
すべての企業
定年の定めの廃止 70歳以上定年 継続雇用
希望者全員
70歳以上
基準該当者
70歳以上
企業計 1,899
(1,714)
200
(90)
2,059
(1,823)
7,440
(6,881)
11,598
(10,508)
93,886
(88,166)
2.0%
(1.9%)
0.2%
(0.1%)
2.2%
(2.1%)
7.9%
(7.8%)
12.4%
(11.9%)
100.0%
(100.0%)
中小企業
(51〜300人)
1,823
(1,636)
195
(86)
1,927
(1,692)
6,607
(6,101)
10,552
(9,515)
79,688
(74,825)
2.3%
(2.2%)
0.2%
(0.1%)
2.4%
(2.3%)
8.3%
(8.2%)
13.2%
(12.7%)
100.0%
(100.0%)
大企業
(301人〜)
76
(78)
5
(4)
132
(131)
833
(780)
1,046
(993)
14,198
(13,341)
0.5%
(0.6%)
0.0%
(0.0%)
0.9%
(1.0%)
5.9%
(5.8%)
7.4%
(7.4%)
100.0%
(100.0%)

表6 年齢別常用労働者

  年齢計 60歳〜64歳 65歳以上
平成17年 21,145,325人(100.0) 784,443人(100.0) 265,417人(100.0)
平成18年 22,147,031人(104.7) 825,225人(105.2) 313,616人(118.2)
平成19年 22,767,664人(107.7) 995,183人(126.9) 389,594人(146.8)
平成20年 24,883,683人(117.7) 1,289,101人(164.3) 487,801人(183.8)

(注)( )内は平成17年を100とした場合の比率

表7 定年到達予定者等の状況

  定年到達予定者  
継続雇用予定者 定年による離職予定者 基準に該当しないことによる離職予定者 未定
平成17年 248,223人(100.0%) 120,117人(48.4%) 128,106人(51.6%)  
平成18年 340,349人(100.0%) 246,587人(72.5%) 86,379人(25.4%) 7,383人(2.2%)
平成19年 398,852人(100.0%) 305,861人(76.7%) 85,971人(21.6%) 6,292人(1.6%)
平成20年
(参考)
431,624人(100.0%) 316,252人(73.3%) 83,599人(19.4%) 6,056人(1.4%) 25,717人(6.0%)
431,624人(100.0%) 341,969(79.2%) 83,599(19.4%) 6,056(1.4%)  

(注)1 平成19年については、定年到達予定者に内訳の確認出来ない 728人が含まれる。

2 平成20年から、定年到達予定者のうち継続雇用予定者かどうか未定の者については、別途計上することとした。
それ以前の継続雇用予定者かどうか未定の者については、継続雇用予定者に含むこととしており、平成20年について、これと同様の算出方法とすると参考のとおりとなる。


改正高年齢者雇用安定法による高年齢者雇用確保措置の義務付け

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