別添2
輸送の安全及び利用者ニーズに関する調査(概要)


<調査概要>

(1) 目的
 規制緩和によりタクシー事業の経営環境が変化した中で、事業者の安全管理に関する現状や利用者のサービスに関する満足度等について実態を把握し、タクシー事業の安全管理・サービスに関するあり方を検証することで今後のタクシー事業のさらなる活性化を図る。

(2) 概要
 事業者アンケート・ヒアリング調査
(1) 調査対象・調査方法
 都市規模、保有車両数を勘案して抽出した1,500事業者を対象としてアンケート調査を実施。770事業者から回収(回収率51.3%)。また、首都圏、関西圏の事業者(各5者)に対して安全管理の取り組みを中心にヒアリング調査を実施。
(2) 調査項目
運行記録計・ドライブレコーダーの装着状況と活用方法
事故原因・種別
事故後の教育内容
実施しているサービスの内容  等
 利用者アンケート調査
(1) 調査対象・調査方法
 京浜地区と京阪神地区を対象に年代構成や都市規模を勘案して抽出したモニター約2,300人を対象。2,225人から回収。
(2) 調査項目
タクシーの設備や運転者に関するサービスの重要度
安全面・サービスに関する規制緩和前後の比較
規制緩和前と現在の比較  等

(3) 調査結果

 安全関係

(1) 運行記録計の装着状況
 非義務地域で全ての車両に運行記録計を装着している事業者は44%。
 デジタル運行記録計は7%の事業者が既に装着。24%の事業者が導入を検討。
 運行記録計の効果としては、「労働時間の管理」、「安全運転に関する認識向上」がともに約8割を占めている。

(2) 近年における事故の件数について
 48%の事業者が減っていると回答。一方、増えていると回答した事業者は9%。
 事故増加の主な要因としては、「客獲得競争が激しすぎる(42%)」、「適切な資質をもった運転者の減(34%)」、「台数が増えすぎている(34%)」をあげている。

(3) 過去1年間における事故の状況について
 事故のうち82%は物損事故。また、事故発生時の76%は空車の時。
 事故の種類としては「出会い頭」が51%で最も多く、次いで「追突」が26%。
 事故の原因としては「安全不確認」が76%で最も多い。

(4) 事故後の教育について
 事故後に教育を行っている事業者は90%。行っていない事業者は4%。
 地域別でみると、東京都は事故後の教育を行っている事業者の割合が96%で最も高い。一方、大阪府は82%で最も割合が低い。

(5) 事故後の教育内容について
 事故後の教育内容としては「原因究明」が最も多く31%の事業者で実施。次いで「適性診断(28%)」、「再発防止指導(13%)」の順。

 サービス関係

(1) タクシー運転手のサービスについて

 利用者が重要と思っている運転者のサービスとしては、「よく道を知っていること」が87%と最も高く、次いで「安全運転をしてくれること(82%)」、「速やかに目的地まで運転してくれること(80%)」の順。
 なお、利用者の不満点として、「遠回りをされた(28%)」、「道順を知らなかった(24%)」、「道を間違えられた(17%)」と、地理に関する不満が多い傾向。

(2) タクシーのサービスについて

 「空調が適切」、「クレジットカードの利用」、「座席の座り心地」を重要視することについては利用者、事業者ともにサービスの認識は変わらないが、「運賃が安いこと」を重要視する利用者が58%に対し事業者が15%、「禁煙車両の導入」を重要視する利用者が37%に対し事業者が12%となっており、利用者と事業者との認識にギャップが見られる。

(3) タクシー運賃について

 タクシー運賃について、「高い」、「やや高い」と答えた利用者の合計の割合は92%。また、タクシー利用回数とクロスをみると、1ヶ月間で7〜8回の利用者で「ちょうど良い」と答えた利用者の割合が22%と高く、「安い」と回答した利用者も6%いる。
 「サービスが向上すれば運賃を値上げしても良いか」との質問に対し、「はい」と回答した利用者は21%と低い。

(4) 規制緩和前と現在の比較について
 利用者の意識としては、運賃、待ち時間、接客態度については規制緩和前より良くなっていると感じている。一方、道の詳しさ、運転技術については悪くなっていると感じている。

(5) その他
 他の交通機関と比較した場合のタクシーの利点では、「目的地の近くまでの移動」が76%と最も高く、次いで「深夜でも利用できる(48%)」、「悪天候の時に便利(44%)」の順。また、運転者の教育・マナーが充実した場合のタクシー利用の変化を聞いたところ、「増える」、「たぶん増える」と回答した人の合計は62%。

 その他

(1) 社会保険・労働保険の加入率について
 社会保険について、常勤乗務員の加入率は89%、定時制乗務員では42%。労働保険について、常勤乗務員の加入率は94%、定時制乗務員では84%。

(2) タクシー運転者の過不足状況について
 83%の事業者で運転者が不足。運転者数が適正な事業者は16%。

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