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【指導の対象企業及び実施時期、実施方法について】

対象企業コース別雇用管理制度導入企業全国236社
実施時期平成15年4月〜平成16年3月
実施方法都道府県労働局雇用均等室職員が企業を訪問、
人事・労務管理担当者と面接の上実施


【骨子】
 コース別雇用管理制度の実施状況と指導状況について

 コース別雇用管理制度の内容について

 ○ コース別雇用管理制度の内容
 〜コースの形態や組み合わせが多様〜

 各企業のコース形態は、典型的な総合職と一般職のみの形態で実施している企業が44.9%、総合職と一般職、専門職、現業職の組み合わせの形態が26.3%、総合職と一般職、準総合職、中間職の組み合わせの形態が8.9%となっており、コース形態や組み合わせは多様である(第3表)。
 コース決定の時期は、「募集・採用時に決定する」企業が92.8%となっており、また、転勤の有無をコース区分の要件としている企業は82.2%となっている(第4表、第5表)。


《コース形態の分類》
 総合職基幹的業務又は企画立案、対外折衝等総合的な判断を要する業務に従事し転居を伴う転勤がある
 一般職主に定型的業務に従事し、転居を伴う転勤がない
 準総合職総合職に準ずる業務に従事し、一定地域エリア内のみの転勤がある
 中間職総合職に準ずる業務に従事するが、転居を伴う転勤がない
 専門職特殊な分野の業務において専門的業務に従事する
 現業職技能分野の業務に従事する


 ○コース転換制度
 〜約8割の企業がコース転換制度を導入済〜

 コース転換制度を「導入している」企業は76.7%となっている(第6表)。
 コースの転換に必要な要件として「上司の推薦」を必要とする企業は75.6%となっており、上司の推薦の有無が転換に大きく関わっている(第10表)。
 コース転換にあたっては、転換前に労働者に対して教育訓練等の「配慮を行っている」企業は35.1%、転換後については36.1%となっている(第11表)。

 ○ コース別雇用管理制度の見直し
 「これまでに制度の見直しを行った」企業は26.3%となっている(第12表)

 コース別雇用管理制度の運用について

 ○ 平成15年現在の総合職に占める女性割合は3.0%
 調査時点において在籍している総合職の女性割合は、対象企業で3.0%となっている。これを女性割合の分布で見ると、総合職の女性の割合が1割未満とする企業が89.4%と大半を占めている(第15表)。

 ○ 総合職女性の採用は約1割、一般職女性の採用は約9割
 平成14年4月、平成15年4月、平成16年4月に採用(内定)された総合職に占める女性割合は、対象企業で平成14年4月は9.0%、平成15年4月は11.4%、平成16年4月は12.0%と対象企業においてはわずかながら上昇しているが、なお値は小さい。また、「女性割合が0%」の企業は平成14年4月は46.7%、平成15年4月は44.5%、平成16年4月は43.9%となっている(第16表)。
 一方、平成14年4月、平成15年4月、平成16年4月に採用(内定)された一般職に占める女性割合は、平成14年4月は94.0%、平成15年4月は95.4%、平成16年4月は95.6%となっており、「女性割合が100%」の企業は平成14年4月は81.6%、平成15年4月は77.7%、平成16年4月は83.1%となっている(第17表)。
 このように依然としてコース間で女性の採用割合に大きな偏りがみられる。

 ○ これまでに「転換実績がある」企業は約4分の3
 転換制度導入後これまでに「転換実績がある」企業は75.8%を占めている(第19表)。
 転換の実態をみると一般職から総合職への転換について過去3年間とも転換実績のある企業は9.7%、総合職から一般職は5.8%となっている(第20表、第20表−2)。また、平成15年度に転換実績がある企業のうち、一般職から総合職への女性の転換実績を「男女の転換実績がある」、「女性の転換実績のみある」企業でみると74.3%となっている(第21表)。

 ○ 採用10年後の最高役職について「男性の方が上位職」とする企業が約4割
 平成6年度に総合職を採用した企業のうち、採用者の10年後の最高役職位について男女で比較してみると、「男女で同位職」である企業は57.1%となっているが、「男性の方が上位職」である企業は38.8%を占めており、そのうち男性の職位が女性より「1段階上位」の企業が78.9%、「2段階上位」の企業が21.1%となっている(第22表)。

 ○ 転勤の実績の多くは男性、採用後10年間転勤実績がない企業が1割
 平成6年度に総合職を採用した企業のうち総合職について「転勤要件がある」企業は81.6%で、採用後10年間に「転勤実績がある」企業は77.5 %となっている。しかし転勤実績がある企業においても「男女とも転勤実績がある」のは38.7%で、「男性のみに転勤実績がある」企業は61.3%となっている。また、総合職について、転勤をコース要件としているにもかかわらず、採用後10年間「転勤実績がない」企業は10.0%となっている(第23表)。

 行政指導の実施状況について

 均等法違反企業は13社(5.5%)で指導件数は24件、法違反とは言えないものの「コース等で区分した雇用管理についての留意事項」に基づき人事制度の適正化や明確化、ポジティブ・アクションを行うよう助言を行った企業は219社(92.8%)、助言件数は848件であった。
 法違反の具体的内容としては、コースを男女別に設定している(1.7%)、コースへの振り分けを男女別に行っている(1.3%)、総合職は男性のみという慣行がある(1.3%)、男女別に選考基準や採用基準を設け運用している(0.8%)等がみられた。都道府県労働局雇用均等室は、これらの企業に対し是正指導等を積極的に行った。


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