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世代間の働き方の不均衡の是正と
ライフステージに応じた多様な働き方の実現に向けて
〜多様就業型ワークシェアリングの取組方法〜

厚生労働省

(世代間の働き方の不均衡)
 ・ 最近の労働市場の状況を世代ごとに見ると、30歳代から40歳代の労働者を中心として長時間労働等による心身の疲労や能力開発等のゆとりの欠如が多く認められる一方で、若年者や高齢者については失業率が高くキャリア形成や能力発揮の機会が不足している等、世代間の不均衡が生じています。

(企業及び産業界への影響)
 ・ 企業や産業界にとっても、グローバル化や技術革新が進み、企業間競争が激化する中で、事業の高度化・高付加価値化、事業転換、新分野進出等を図っていくためには、各世代の従業員がそれぞれ能力を高め、その能力を積極的に発揮することが不可欠であり、上記のような労働市場における働き方の現状は、企業や産業界の発展にとっても大きな支障になりかねません。

 従って、今後の働き方を考えるにあたっては、こうした世代間の働き方の不均衡の是正と、ライフステージに応じた多様な働き方の選択を通じ、円滑なキャリア形成を可能にする取組を進める必要があります。「多様就業型ワークシェアリング」の推進に向けての取組もその一つです。
 具体的には、次ページ以降のような取組が考えられます


(多様就業型ワークシェアリングとは)
ワークシェアリングとは、雇用の維持・創出を図ることを目的として労働時間の短縮を行うものであり、雇用・賃金・労働時間の適切な配分を目指すものです。
中でも「多様就業型ワークシェアリング」とは、短時間勤務や隔日勤務など、多様な働き方の選択肢を拡大することについて社会全体で取り組むワークシェアリングです。

厚生労働省ホームページ:https://www.mhlw.go.jp/



長時間労働の解消等

―従業員の自己啓発、健康維持等の時間を確保し、将来性のある企業経営を可能にしたい事業主のみなさんへ−

(メリット)
 長時間労働の解消やさらなる労働時間の短縮を進めること等により、従業員の心身の健康維持に努め、仕事と生活のバランスがとれた働きやすい環境を作るとともに、働き盛りの従業員が余暇を利用して一層の能力向上を図ることが可能になります。

(考えられる取組例)
 交代制勤務の変更による所定内労働時間の短縮、定年を迎える従業員の継続雇用等による他世代従業員の所定外労働の削減、年次有給休暇の取得促進等

(企業実例)
○A病院
・従業員全体の労働時間を短縮するために、作業を行う体制等を工夫し高齢者の雇用を進めることで、高齢者、現役世代の双方に利点が生じ、さらに質の高い介護の提供が可能になった。
○B社(印刷)
・残業時間を削減するために、変形労働時間制の採用や中堅管理職の指揮管理能力の向上等を行い、従業員の士気及び生産性向上を図った。
○C社(外食)
・24時間営業店舗における社員の深夜、早朝勤務を大幅に削減するために、深夜・早朝に勤務可能な高齢者の募集・採用を行ったところ、多数の応募があり、地域の雇用創出にも貢献。

(利用可能な支援制度)
○労働時間制度の改善に向けての具体的な方法については、労働時間短縮支援センター((社)全国労働基準関係団体連合会)の「診断・指導アドバイザー」(労働時間制度改善支援事業)(http://www.zenkiren.com/business/action.html)等から助言・援助等を受けることができます。
 申請にあたりましては、必要に応じ事前に都道府県労働局ワークシェアリング推進本部あてお問い合わせいただき、巻末の「アドバイザー派遣等申請書」を都道府県労働局ワークシェアリング推進本部あてお送りください。


人材の育成

−働き盛りの従業員のより一層の能力向上を図り、将来性のある企業経営を可能にしたい事業主のみなさんへ−

(メリット)
 グローバル化や技術革新により、働く者に求められる能力の変化が予想される中、働き盛りの従業員にあえて自己啓発の時間等を確保し一層の能力向上を図ることにより、従業員の能力の陳腐化を防ぎ、市場の変化に対応した将来性のある企業経営が可能になります。

(考えられる取組例)
 企業内における労働者のキャリア形成の効果的な促進のため、目標が明確化された職業訓練の実施、職業能力開発休暇の付与、長期教育訓練休暇制度の導入、職業能力評価の実施、キャリア・コンサルティングの機会の確保等。

(企業実例)
○D社(電気)
・50歳台の従業員をリストラせず会社に貢献してもらうために多様な働き方を整備。自己啓発のための休職や社内公募制、本人の希望による社内兼職、FA制度等を導入。
○E社(電気)
・高度な知識や経験を持つ人材を育成するため、自己啓発など私生活の充実を求める従業員を支援する短時間勤務制度を導入。週当たりの勤務時間を8〜6割に短縮(1日の勤務時間短縮又は週3〜4日勤務)。

(利用可能な支援制度)
○キャリア形成促進助成金
(https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/d01-1.html)
 →  詳しくは、独立行政法人雇用・能力開発機構の都道府県センターまで。
 企業内における労働者のキャリア形成の効果的な促進のため、目標が明確化された職業訓練の実施、職業能力開発休暇の付与、長期教育訓練休暇制度の導入、職業能力評価の実施又はキャリア・コンサルティングの機会の確保を行う事業主に対して助成する制度。

○教育訓練給付金
(制度概要 http://kyufu.javada.or.jp/kyuufu/jsp/index.jsp、支給申請手続きhttps://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/anteikyoku/kyouiku/index.htm)
 →  詳しくは、最寄りのハローワークまで。
 一定の条件を満たす雇用保険の一般被保険者(在職者)または一般被保険者であった人(離職者)が、厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合、本人が教育訓練施設に支払った教育訓練経費(入学料・受講料等)の一定割合に相当する額を本人に支給。
 ・ 支給要件期間(※)が5年以上 教育訓練経費の40%(上限20万円)
 ・ 支給要件期間(※)が3年以上 教育訓練経費の20%(上限10万円)
 (※)  「支給要件期間」とは、教育訓練を開始する日までの通算した雇用保険被保険者であった期間のこと。なお、過去に教育訓練給付金の支給を受けたことがある場合は、支給に係る教育訓練を開始した日前の期間は、支給要件期間には算入されない。


仕事と家庭との両立支援等

−有能な人材を長期に確保したいと考えている事業主のみなさんへ−

(メリット)
 仕事と家庭との両立等が可能となるような配慮を行うことにより、有能な人材の職場への定着や人材確保を可能にし、企業の競争力を高めることができます。

(考えられる取組例)
 育児・介護のための短時間勤務制度の導入、在宅勤務制度の導入、正社員とパートタイム労働者の均衡処遇(※)等
(※)正社員とパートタイム労働者の均衡処遇については、パートタイム労働法に基づく指針をご参照ください
(https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/josei/hourei/20000401-48.htm)。

(企業実例)
○F社(情報)
・社内メールの積極的活用により不在時の出来事も含めた関係者間での情報共有を可能にし、無駄なミーティングの削減等により、短時間勤務しやすい環境を整備。
○G社(電気)
・育児・介護に限らず、社員が仕事と家庭の両立を図れるような多様な勤務形態を整備。短時間勤務制度を希望する社員は、週当たりの勤務時間を8〜6割に短縮又は週3〜4日勤務の4つの勤務条件から選択可能。
・社内ITインフラの充実により在宅勤務制度を導入。
○H社(小売)
・意欲と能力のある人材の活用を図るため、パートタイム労働者の本格的な基幹労働力化を推進。従来の正社員とパートタイム労働者の雇用区分を廃止し、勤務形態(フルタイム又はパートタイム)と異動範囲(転宅可能かどうか)の違いによって契約区分を4つに分ける等により、社員の配置、育成と処遇を統合。

(利用可能な支援制度)
(1)  育児・介護休業については、雇用保険被保険者である従業員本人に対する給付制度があるほか、事業主に対しても、健康保険・厚生年金保険の被保険者が満一歳未満の子を養育するために育児休業を取得する期間については、事業主の申し出により会社負担、本人負担ともに保険料が免除になります。
   →  詳しくは最寄りの社会保険事務所まで。

(2)  育児中の従業員の仕事と家庭の両立支援については、事業主に対し次のような各種助成制度があります。
○ 育児両立支援奨励金(HPアドレス)
   →  詳しくは、http://www.jiwe.or.jp/gyomu/support/assist/_4.htmlまで。
 小学校に入学するまでの子を育てる労働者が利用できる短時間勤務制度、フレックスタイム制等の制度を新たに就業規則等に規定し、3歳以上小学校に入学するまでの子を育てる労働者1人につき連続3ヶ月以上かつのべ6ヶ月以上利用させた事業主に対して、中小企業については40万円、大企業については30万円を支給。

(3)  なお、パートタイム労働者の雇用管理の改善については、21世紀職業財団(トップページ:http://www.jiwe.or.jp/index.html、地方事務所一覧:http://www.jiwe.or.jp/local/index.html)から助言・援助等を受けることができます。
 申請にあたりましては、必要に応じ事前に都道府県労働局ワークシェアリング推進本部あて問い合わせいただき、巻末の「アドバイザー派遣等申請書」を都道府県労働局ワークシェアリング推進本部あてお送りください。


若年従業員の育成・確保

−次世代を担う従業員の育成・確保による企業の競争力強化を考えている事業主のみなさんへ−

(メリット)
 若年者を従業員として受け入れたり、仕事を通じた実践能力の蓄積を図る機会を提供することにより、企業の技術技能を継承し、次世代を担う若年労働者の育成・確保が可能となり、将来性のある企業経営が可能になります。

(考えられる取組例)
○「日本版デュアルシステム」(※)による若年者の短時間勤務(例えば週3日勤務)での受け入れ。
  (※)  企業における実習訓練と教育訓練機関における座学とを一体的に組み合わせた教育訓練を行うことにより、若年者を一人前の職業人に育てることを目的とする新たな人材育成システム(平成16年度より実施)
○適性、能力等に応じて、試行雇用から始めて常用雇用への移行及び職場定着を目指す「若年者トライアル雇用」の活用。
○高齢者の短時間勤務と若年者のOJTの組み合わせによる技能伝承等。

(企業実例)
○I社(製造)
・60歳以上高齢パート社員の採用による、若手従業員に対する技術技能の伝承や多能化教育を実施。

(利用可能な支援制度)
○キャリア形成促進助成金(うち、訓練給付金)
(https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/d01-1.html)
  →  詳しくは独立行政法人雇用・能力開発機構の都道府県センターまで。
・1コース10時間以上の職業訓練を受けさせる場合に経費の1/4(中小企業1/3)を支給 {1人1コース5万円を限度}
 150日を限度に、職業訓練期間中のその雇用する労働者の賃金の1/4(中小企業1/3)を支給
 (注)  日本版デュアルシステムを導入し、フリーター等一定の要件を満たす対象者を雇い入れた者に対して訓練を行う場合には高率で助成。

○試行雇用奨励金(https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/c02-1.html)
  →  詳しくは、最寄りのハローワークまで。
・ハローワークからの紹介により、職業経験、技能、知識等の不足などから就職が困難な特定の層の求職者(若年者)を一定期間試行(トライアル)雇用した場合、対象者1人につき月額5万円(最大3ヶ月)を支給


高年齢者の活用

−高年齢者の継続雇用等による企業の競争力強化を考えている事業主のみなさんへ−

(メリット)
 豊富な経験と能力の蓄積のある高年齢者が企業で活躍することにより、他の従業員にノウハウが引き継がれ企業の競争力強化を図ることができます。

(考えられる取組例)
 高年齢者の新規雇入、継続雇用、定年延長等。
 設備改良によるバリアフリー化の推進。

(企業実例)
○J社(電気・ガス)
・60歳定年以降の雇用機会の確保・創出のため、(1)週3日勤務で概ね2人で1人分の業務を担当する、(2)55歳以降週4日勤務で兼業を認める、(3)定年後に独立開業し会社から業務委託を受ける、等のコースを設定し多様な働き方を整備。
○K社(小売)
・定年の65歳への引上げに合わせて、50歳以上の従業員が(1)フルタイムで働き、実力次第で管理職に就ける、(2)フルタイムの8〜6割の短時間勤務、のいずれかを選択することができる制度を導入
○L社(製造)
・人件費の圧縮を図りつつ工場の稼働率を高めるため、土日に勤務する60歳以上高齢パート社員を新たに雇い入れ、低コスト・短納期という顧客ニーズに対応。就労意欲のある高齢者を有効活用しつつ、地域の雇用創出にも貢献。
・高齢パート社員による若手従業員への技術技能の伝承や多能化教育を実施。

(利用可能な支援制度)
(1) 各種助成金等については、次のとおりです。
継続雇用定着促進助成金
 (https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/e01-1.html)
 (https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/e01-2.html)
  →  詳しくは各都道府県高年齢者雇用開発協会まで。
 継続雇用の推進・定着を図ることを目的として、就業規則等により61歳以上の定年年齢の引上げや継続雇用制度を設けた事業主、または新たに高齢者を雇用する高年齢者事業所を設置した事業主に対し、企業規模や継続雇用制度の内容に応じて30〜300万円を最大5年間(年1回)助成。

特定求職者雇用開発助成金
  →  詳しくは最寄りのハローワークまで。
 高年齢者等の就職が特に困難な人について、ハローワーク又は一定の要件を満たす有料・無料職業紹介事業者からの紹介により雇い入れた事業主に対して、対象者の賃金の一部を助成。
 助成額は、雇い入れ後6ヶ月間に支払った賃金に相当する額として厚生労働大臣が定める方法により算定した額について、原則としてその1/4(中小企業は1/3)を1年間受給可能。

高年齢雇用継続給付
 (http://www.hellowork.go.jp/html/info_1_h3d.html)
  →  詳しくは最寄りのハローワークまで。
 60歳以上65歳まで雇用継続される高齢者の賃金が、60歳時点に比べて75%未満に低下したときに、高齢者本人に支給されます。

○在職老齢年金 → 詳しくは最寄りの社会保険事務所まで
 60歳を超えても厚生年金の被保険者として会社で働く人に対して、一定の範囲で年金が給付される制度。

試行雇用奨励金
 (http://www/mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/c02-1.html)
  →  詳しくは、最寄りのハローワークまで。
 ハローワークからの紹介により、離職後一定期間内に就職することが困難であった中高年齢者(45歳以上65歳未満)を一定期間試行(トライアル)雇用した場合、対象者1人につき月額5万円(最大3ヶ月)を支給。

高年齢者雇用環境整備融資
 (http://www.dbj.go.jp.japanese/loan/indicator/L01.html)
  →  詳しくは日本政策投資銀行まで。
 60歳以上の高年齢者を常時雇用する労働者として5人以上雇用する事業主が、高年齢者の雇用に配慮した作業環境、機械設備、作業方法の改善等の機能を備えた施設の設置・整備を行う場合に、必要となる資金を融資(融資 比率30%)する制度。

(2)  高年齢者雇用に向けての具体的な方法については、「高年齢者雇用アドバイザー」(http://www.jeed.or.jp/elderly/employer/elder01.html#sec01)等から助言・援助等を受けることができます。
 申請にあたりましては、必要に応じ事前に都道府県労働局ワークシェアリング推進本部あてお問い合わせいただき、巻末の「アドバイザー派遣等申請書」を都道府県労働局ワークシェアリング推進本部あてお送りください。



アドバイザー派遣等申請書





































アドバイザー派遣等申請書


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