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(5) 国民年金の徴収強化

 全国民を対象とする国民年金制度において発生している未加入・未納の問題、特に近年増加傾向にある未納の問題については、長期にわたる安定的な運営を確保するため、そのための対策が不可欠である。

 国民年金制度は、全国民が強制的に加入して制度を支えることにより成り立つ世代間扶養の仕組みであり、その保険料納付は国民の義務である。そして、保険料の未納の増加は、保険料納付義務を果たしている被保険者1人当たりの基礎年金拠出金単価の増大という形で、多大な迷惑を及ぼす。

 このことに関連し、現行の基礎年金拠出金制度について、厚生年金の保険料負担において拠出金分と報酬比例年金部分とを明確に区分すべきとする指摘や、未納者・未加入者の分も含めた拠出金負担について問題があるとする指摘がある。

 このようなことを踏まえ、制度の意義・役割に関する国民一人一人の理解を深める一方、未加入・未納者の実態を把握しつつ、保険料を納付しやすい環境整備、適確な保険料収納のための制度整備を図っていくとともに、その徴収が法令の規定により担保されているという観点から、徹底した保険料収納対策を講じることにより、長期にわたる安定的な運営を確保していくことが必要である。


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