老人保健事業による肝炎ウイルス検診の実施方法の研究過程において、ＨＣＶ抗体検査法で低力価群に分類され、「現在、Ｃ型肝炎ウイルスに感染していない可能性が極めて高い」と判定されることとなる検体の中に、ＨＣＶ核酸増幅検査（ＮＡＴ検査）の結果が陽性となる検体が１例認められたので、検診精度の改善を目的として中力価群の範囲の拡大にあわせて、中力価群の範囲拡大の対象となる者（推計約６００人）に対して再検査を行うこととした。

　老人保健事業における肝炎ウイルス検診については、「肝炎ウイルス検診等実施要領」（平成１４年４月１２日老発第0412001号厚生労働省老健局長通知別添）により、ＨＣＶ抗体検査法を用い、高力価、中力価、低力価、陰性の各群に分類した後、中力価群のうちＨＣＶ核酸増幅検査が陽性のものと高力価群のものを「現在、Ｃ型肝炎ウイルスに感染している可能性が極めて高い」と判定し、それ以外のものを「現在、Ｃ型肝炎ウイルスに感染していない可能性が極めて高い」と判定することとしている。
　今般、肝炎ウイルス検診の実施方法の研究過程において、ＨＣＶ抗体検査法の中力価群に近い低力価群の中にＨＣＶ核酸増幅検査の結果が陽性となる検体を１例（CLEIA法）認めたので、検診精度の改善を目的として、当該検査試薬販売業者と協議し、中力価群の範囲の拡大にあわせて、中力価群の範囲拡大の対象となる者に対して再検査が可能となるよう協力を依頼したところである。
　各地方自治体においては、この趣旨をご理解の上、貴管下市町村及び関係団体に対し、周知徹底をお願いするとともに、再検査の対象となる者の把握及びその対象者に対して必要な情報提供と、再検査が円滑に実施できるよう特段のご配慮をお願いする。
　なお、本通知は地方自治法（昭和２２年法律第６７号）第２４５条の４第１項の規定に基づく技術的助言として発出するものである。

　「肝炎ウイルス検診の精度改善及びこれに伴う再検査について」（平成１４年９月　　６日老老発第0906001号厚生労働省老健局老人保健課長通知）により、検査方法の一部見直し等について通知したところであるが、具体的な事業の進め方等について、別添のとおりＱ＆Ａを取りまとめたので参考とされたい。

社団法人日本医師会
　櫻井　秀也　常任理事　殿

　標記について、各都道府県、政令市、中核市老人保健主管部（局）長あてに通知しましたので、別添のとおり写しを送付します。
　つきましては、本趣旨をご理解の上、引き続きご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。