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厚生労働省発表
平成14年6月21日

セクシュアルハラスメント防止対策自主点検の勧め
ー実効ある防止対策の徹底をー

女性労働者等からのセクシュアルハラスメントに関する相談は増加するとともに、行政指導の9割をセクシュアルハラスメント防止対策関係が占める
相談内容からは企業が実効ある防止対策を講じていないことがみてとれる
相談・苦情窓口を設置してない事業所が4割強
厚生労働省においてセクシュアルハラスメント防止対策自主点検表を作成
社内の実態をアンケート等で把握し、実効ある防止対策を講じるよう呼びかけていく

1 職場におけるセクシュアルハラスメントへの対応の現状

−女性労働者等からのセクシュアルハラスメントに関する相談は増加−

厚生労働省の都道府県労働局雇用均等室では、セクシュアルハラスメントに関する相談を受け付けている。事業主からの相談は減少傾向にあるが、女性労働者等からの相談件数は年々増加している。(資料1参照)

また、都道府県労働局雇用均等室では、女性労働者等からの相談を端緒として、事業主が男女雇用機会均等法第21条に定められているセクシュアルハラスメント防止についての事業主の配慮義務を果たしていない場合は、事業主に対して行政指導を行っている。都道府県労働局雇用均等室が男女雇用機会均等法第21条に関する行政指導を実施した件数は、増加傾向にある。(資料2参照)

女性労働者等からの相談は、「セクシュアルハラスメントの相談・苦情窓口の存在を知らず、企業内のどこに相談してよいかわからない」、「会社の防止対策が形式的で、相談・苦情窓口が機能していない」、「職場でセクシュアルハラスメントを受け、会社に相談したが適切に対応してもらえない」、といった相談があり、企業がセクシュアルハラスメント防止のための措置を講じていない、あるいは講じているが実効ある防止対策が講じられていないといったケースが見受けられる。(資料3参照)

2 セクシュアルハラスメント防止対策の取組状況(資料4参照)

−相談・苦情の対応窓口を設置していない事業所が4割強−

セクシュアルハラスメントの防止対策の取組状況に関して初めて把握した、厚生労働省実施の「女性雇用管理基本調査」(平成13年度)によると、セクシュアルハラスメント防止に係る事業主の取組内容は、「就業規則、労働協約等の書面でセクシュアルハラスメント防止についての方針を明確化し、周知した」が36.8%と最も高く、次いで「ミーティング時などを利用してセクシュアルハラスメントの防止の周知を行った」が31.3%となり、各事業所における取組が進んできている。一方、「特になし」が35.6%と、取組が遅れている事業所もみられる。

セクシュアルハラスメントに係る相談・苦情の対応窓口の設置状況については、「人事担当者や職場の管理職を相談担当者に決めている」が42.8%と最も多い。一方、「設置していない」とし、その取組が遅れている事業所が44.0%に上っている。

財団法人21世紀職業財団が実施した「セクシュアルハラスメント防止の取組についてのアンケート」によると、「セクシュアルハラスメントに関する相談がなかった」とする事業所が56.0%であり、相談がない理由として「社内でセクシュアルハラスメントが起きていない」と回答した事業所が55.3%ある。

セクシュアルハラスメントが起きた際に、その事後の対応方法をあらかじめ「決めている」事業所は43.5%となっている。一方、「決めていない」事業所は39.8%となっており、約4割を占めている。

3 自主点検の実施による実効ある防止対策の推進(資料5参照)

−厚生労働省においてセクシュアルハラスメント防止対策自主点検表を初めて作成−

セクシュアルハラスメントの相談内容等からもみてとれるように、セクシュアルハラスメント防止対策が遅れている企業や、対策は講じているものの有効に機能していない企業がある。また、「社内でセクシュアルハラスメントが起きていない」と考えている企業が半数以上あるにもかかわらず、都道府県労働局雇用均等室に寄せられた女性労働者等からの相談件数は増加している。

セクシュアルハラスメント防止対策を講じることはもとより、既に対策を講じている企業においても、自社の防止対策の状況や職場の実態等を改めて見直し、現状を的確に把握した上で、さらに実効ある防止対策を講じていく必要がある。
 また、セクシュアルハラスメントは、企業の社会的評価にも影響しかねない問題である。このような観点からも万全な対策を講じることが重要である。
 このため、厚生労働省では「あなたの会社のセクシュアルハラスメント防止対策は万全ですか?−防止対策の自主点検と改善のポイント−」を作成したところであり、防止対策が講じられていない企業に対しては、自主点検表を活用して具体的な防止対策を講じるよう指導していくこととしている。
 さらに、すでに防止対策を講じている企業や「セクシュアルハラスメントの相談がないのは、セクシュアルハラスメントが起きていないから」と考えている企業等に対しては、自主点検の実施を促し、実態の把握を行うことや実効ある防止対策を講じるよう呼びかけていくこととしている。

<自主点検表の内容>
職場のセクシュアルハラスメントに対する従業員の意識や実態の把握のためのアンケート例
実効あるセクシュアルハラスメント防止対策を講じるためのポイント 等


添付資料
  1 都道府県労働局雇用均等室に寄せられたセクシュアルハラスメントに関する相談件数
  2 男女雇用機会均等法第25条に基づく行政指導の状況
  3 都道府県労働局雇用均等室が扱った指導事例の概要
  4 セクシュアルハラスメント防止対策状況について
  5 パンフレット「あなたの会社のセクシュアルハラスメント防止対策は万全ですか?−防止対策の自主点検と改善のポイント−」(PDF:521KB)


担当 厚生労働省雇用均等・児童家庭局
雇用均等政策課
 課長          村木 厚子
 均等業務指導室長 伊藤  治
 課長補佐       中村 みどり
  電話    03−5253−1111 (内線 7843)
  夜間直通 03−3595−3272


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